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メモ 科学と技術

 科学と技術はそれぞれの由来・目的・機能が異なりますが、爆発的な技術の展開が科学の進歩を促し、それがまた技術の展開に直結する、という形で両者は共存発展してきました。
とりわけ、核発電などのような巨大技術においては、両者の密接・不可分の連携が不可欠であることはご承知のとおりです。

 現代における科学技術の課題は、そのコントロールをどう担保するか、ということです。この課題は大変重大なのですが、ドラッカーが自称する社会生態学者(サロー、トフラーなども)この問題は直視していませんね。

 科学の目的:科学の由来は世界観であり、世界を理解する方法としてスタートしています。その目的は“本当の世界を理解すること”です。
世界全体の真の姿に迫ること、「迫真性」がその基準です。
科学的知識は、それが説明しようとする対象について、例外なく・すべてが説明できなければならない。説明できない事象が示されれば、その時点でその知識は「非・科学的知識」となります。

技術の目的:世俗における問題解決の手段として発達してきました。その基準は、問題解決の手段としての「合目的性」です。
科学が「普遍性」を目指すのに対して、技術は期待されている問題を解決する目的に限って機能すればいいわけです。

 従って、技術はそれを活用して解決を目指す問題を定義し、利用範囲を限定して、その内部に限って整合的であればよい、普遍性は求めない、という性格の知識で有り、その役割は、問題を定義し、問題領域を“想定”し、その想定内で問題を解決する、ということです。

 核発電所の事故に際して関係者は当初、一様に“想定外”と弁明していましたが、“想定”とは自分たちが勝手に決めた「問題領域」のことだったわけです。そういえば最近は“想定外”という言葉が聞かれなくなりました。自分たちが勝手に決めた想定ですから、言えば「諸刃の刃」だということが分かってきたのでしょうか。

 巨大技術の場合、その失敗がもたらす影響の度合いを考えると、それを駆使して実現を目指す目標や条件(問題状況の想定)について、技術者任せというわけにはいかないことが分かります。
技術者は手持ち&開発する技術を持って所与の目標を達成することが仕事ですが、このとき、「想定」について自分たちで斟酌してよいということになると、トンデモが起こる可能性がある。
問題状況(目的・想定・技術)のうち、問題と想定は技術者にとって所与であり、その役割は想定される条件において目的を達成するため技術的知識を駆使することですが、想定を自分でいじってよいことになれば、技術の水準に合わせて想定を変更する、ということが可能になる。
特に、プロジェクトが営利目的で取り組まれている場合はさらにこの傾向が強まる可能性が高い。
「神の見えざる手」という経済界の風潮もこの傾向を後押しするかも知れません。

 ポスト工業社会は、社会の基礎を科学技術が支える社会ですから、このような科学技術系による「専門性の追求」から社会の安全・安心を如何に担保するか、ということが重大な課題、これからこの方面の論議も多くなっていきます。
「プロフェッショナル・オブリゲイション」すなわち専門家責任という概念が強調されることは間違いありません。

 専門家の職能的責任を強調することは必要ですが、もちろん、問題はそれで解決するわけではありません。
科学技術の活用という専門家への委託に先立って、社会(非・科学・技術領域)の側が、あらかじめ担保しておかなければならない問題があります。

 それは「問題領域の想定」を専門家に任せない、ということです。解決すべき問題・問題領域の想定というプロセスを技術者に一任しない、ということですが、言うは易く、複雑巨大な科学技術分野の知識を動員しないと問題の定義、条件の想定は不可能です。
このジレンマをどう乗り越えるか?

 という問題が、核発電所の事故の背後にはありますね。
冒頭に科学と技術の違いについて述べましたが、ことは科学技術の領域にとどまるものでは無く、社会技術領域、政府や企業の官僚組織が担う諸分野にも共通して今現在浮上している問題です。

 分業社会において委託を受け技術を駆使する側が「受益者」と想定しているわれわれ・非・技術者は、この状況にどう対応すべきか?
【理論創発】コーナーで考えてみたいと思いますが、
①啓蒙=自分で考える
②それを担保する公的言論
③民主主義
を実体としてどう確保していくか、ということですね。
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