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計画はなぜ読みにくいか

 中心市街地活性化基本計画、一読「活性化への道」が腑に落ちる、関係各方面(活性化協議会に名を連ねる組織・団体など)それぞれ固有の業務について、新しい「方法と方向」が示されている、という本来あるべき内容を備えているものは殆どありません。有り体に言えば、関係各方面が①補助制度を利用して実現したいこと、②その他事業 が羅列されているだけ、それらを俯瞰しても“実現を目指す中心市街地のイメージ”はまったく焦点を結びません。

 計画には“各種事業の一体的・総合的推進で実現を目指す目標(「一体的推進の目標」)”を定めることになっていますが、掲げられている目標と言えば、
・歴史を活かした街づくり
・地域文化を発信する街づくり
・人々が生活を楽しむ街づくり
・住んでいる人が誇りを持てる街づくり
等々、中学生の作文に出てくるようなレベルのかけ声ばかり。

 これらを本気で実現しようとすれば、とても中活法のスキームでは間に合いません。また、中心市街地という都市の限られた区域だけで実現することも出来ません。
出来ないことを“目標」として掲げておき、実際の事業は関係各方面が実施を希望する補助対象事業と非対象事業を羅列するだけ、というのはこれまで計画作成を支援してきた“専門家”さんたちの専門とするところです。
本来なら“活性化への道”のシナリオを提示すべきところ、法のスキームの“例示”を“計画の具備用件”と誤解してスキームの各項目に対応する計画案件を“当事者の希望”をもとに配置すれば基本計画の一丁上がり、というわけです。
できあがった協議会メンバーから“なんだ、コンサルタントを雇ったつもりだったのに、書記を雇っただけだったか”とあきれられたりするゆえんです。、

 補助事業に始まり補助事業に終わる、という従来的計画を推進した結果、当該中心市街地は今現在どうなっているか?
あらためて考えて見れば、これまでの計画作成手法はNGであることは一目瞭然のはずですが、“計画書をまとめる”ことを仕事と心得ているプランナーさんたち(先頃読んだ本では“土木工学者”と一括されていました)にはあずかり知らぬこと、基本計画を作ったおかげで補助金が取れ、土木プロジェクトが竣工できたでしょ、何の不足があるんですか”と言われれば発注者側は一言も無かったりして。

 さて、標題について。
蛇の道は蛇、プランニングを業とする人にとって、専門分野において他人が書いた計画は、一読すればそのレベルが分かります。
レベルとは、①計画のレベル ②プランナーのレベル の両方です。おっと、もちろん、③発注者の問題意識のレベルも分かります。

 これまでに作られ、Web上に公開されている基本計画には共通する特徴がありまして、一言で言えば、大変読みにくい、ということです。“らしい”専門用語がちりばめられた文章がぎっしり書かれていますが、いったい何が言いたいのか、なかなか理解しにくい。どうしてでしょうか。

 答えははっきりしておりまして、プランニングを担当したプランナーのアタマの中を反映した結果、読みにくい・わかりにくい計画が出来上がっているわけです。
今となってはプランナーさん、他の現場に行っているでしょうから聞いてみることも出来ませんが、本当なら出来上がった時点で、“この計画を推進したら我が中心市街地にはどのような情景が生まれるのか、なぜそういえるか”と言うことを確認して見るべきでした。

 基本計画の機能からすれば、プランナーに一々聞かなくても、計画を一読すれば、“基本計画が実現を目指す中心市街地の情景”がイメージされなければならないのですが・・・。

 読んでも一向にイメージが喚起されないのは、作成を担当したプランナーさんの計画立案プロセスにおいて“活性化への道”がイメージされていなかったから。
イメージ、シナリオを持たないまま、関係各方面の要望=思いつきをスキーム各項に配置しただけ、という作業ですから、冒頭に掲げたいくつもの“目標群”と事業メニューとの整合性の確認なや前後左右の脈絡などは期待すべくもありません。

 基本計画のキモはもちろん“商業活性化のシナリオ”です。
出来上がった基本計画は、中心市街地の商業者にとって現在~将来の経営活動に“方法と方向”を提示する内容を持っているか否か?
言い換えれば、商業者は基本計画にその事業の命運をかけることが出来るどうか?
検討するに当たっては計画の内容がちゃんと理解されることが最低の要件ですが、皆さんの計画、果たして商業者が一読してその内容を“自分のこと”として理解し、評価出来る要件を備えているかどうか?、そもそも計画が出来上がったとき、商業者にその内容のチェックをさせたかどうか?、さらに言えば、チェックするために必要な基礎体力を商業者に装備させたかどうか?、等々、計画作成のプロセスで欠落していたことが多々あったのではないか?

 目前に迫っている計画の見直しに当たっては、上のような基本中の基本について、再び間違うことの無いよう、計画見直し業務を構想するに当たってはしっかり覚悟して掛かることが必要です。 
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