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内閣府の「提言」について

 当社7月度セミナー、いよいよ明日開催です。
今日は「つかみ」で利用する内閣府地域活性化推進室『中心市街地活性化基本計画の21年度フォローアップに関する報告』をマスプリし、あらためて一読しました。

引用スタート*********************

 小売業販売額、空店舗、通行量に関する目標指標については、取組を強化・拡充したり(例:まちなかでの民間事業が誘発されるような事業の追加)、他の事業と併せてのまちなか全体での取組の相乗効果を高めたり(例:公共施設との連携)することにより、取組自体の効果や取り組みの波及効果が着実に確保されるような工夫が必要とされると考えられる。
以上、『報告』4ページ 2-(3)*****************


“小売業販売額、空店舗、通行量に関する目標指標”、
特に「小売業販売額」が、
“取組を強化・拡充したり(例:まちなかでの民間事業が誘発されるような事業の追加)、他の事業と併せてのまちなか全体での取組の相乗効果を高めたり(例:公共施設との連携)することにより、”
達成されるものでしょうか?

 せっかく“通行量は原因ではなく結果ですよ”と指摘しながら、対応は、
例示されているような「非物販的」“取組自体の効果や取り組みの波及効果が着実に確保されるような工夫が必要”
ということでは、話にならないのではないか?

 「基本計画の見なおし」についても言及されていますが、従来の取組の方法と方向についての批判はありません。
結局、基本としては“これまでの取組をもっと上手にやりなさい”ということに終わっているようにも見えて残念。

 あらためて、『報告』で指摘されている問題が、『報告』で提案されているような取組方で解決されるものかどうか、特に「小売業販売額」について、肝心の“シャッターの内側の取組の必要性”には一言も言及されていないが、
①これまで的な取組をもっと上手にやれば
②小売業販売額、空店舗などに関する目標指標が達成され、
その結果、
③通行量に関する目標指標も達成される。
というシナリオでしょうか?

 どうも『報告』では「小売業販売額」の内容がよく理解されていないのではないか、と思ったりするのはtakeoだけでしょうか。
小売業の販売額がどのように実現するのかを理解していれば、「商店街・個店・売場の実態」をカッコに入れて「商店街活性化」を論じることの虚しさを痛感し、売場の活性化が必須課題であることについてしっかり強調しなければならないはずですが・・・。
http://quolaid.blog13.fc2.com/blog-entry-176.html

 この際、基本計画の達成状況について不安がある人は、日々、悪戦苦闘を繰り返している大型ショッピングセンターの“小売販売額”について責任を持つマネージャーさんあたりに、「商店街活性化策と小売販売額との関係」について論評をお願いしてみたらどうでしょうか。

 “こういう施策群に取り組むことで、「小売業販売額」をアップさせるつもりですがどう思いますか?”と。

「因果」による説明

 ものごとを説明するにあたってはよく「因果関係」が使われます。因果関係による説明は、
①○○であれば□□である
②○○である
③故に□□である
という形の説明です。

例えば、
①通行量が多くなれば街(店)は繁盛するようになる
②通行量が多くなっている
③街は繁盛している
というように。

このように、状況を説明するのに「因果関係」についての知識を用いるのを「前向き因果」というのだそうです。
因果関係から、条件~結果と進んでいく説明ですね。

前向きがあればもちろん「後ろ向き」もありまして、例えば、通行量が増えていても街(店は繁盛していないとすれば、
③街(店)は繁盛していない
②通行量は増えている という状況から
“①通行量が増えると街(店)は繁盛する”という因果関係(についての知識・理論)が偽りだということが分かります。

 このように、現状からスタートして条件~原因へとさかのぼって因果関係をチェックするのことを「後ろ向き因果」と呼ぶのだそうです。
(以上、参考:『ブレイクスルーのために』)

 あることについての因果の説明が正しいかどうかを判断するには、その因果関係が正しければ絶対に起こらないであろうことを想定し、それが現実に起こっている事例はないか、探してみればよろしい。

 例えば。
“通行量が増えれば街(店)は繁盛する”
という理論があったとして、その真偽を確かめるには、
“通行量が増えても繁盛していない街(店)がある”
という実例をたったひとつ挙げればよい。
「反証」のことですね。

もしひとつでもそういう事例があれば、
“通行量が増えれば街(店)は繁盛する”
とは言えないことになります。
通行量と繁盛の因果関係はウソ、否定されたことになります。

 こういう作業は、自覚してあるいは無意識のうちに誰もがやっていることですが、どういうわけか、商店街活性化とか中心市街地活性化のように、たくさんの人が関係する仕事での計画つくりなどでは、因果論などを考慮すれば問えも理論と呼ぶには値しないインチキ理論がシャアシャアとまかり通っています。

 このところ、連日のように取り上げている内閣府の『基本計画フォローアップについての報告』には次のように述べられています。

 “通行量に関係する目標数値については、他の目標数値に関する取り組みの効果全般の影響を受けるところ、特に③(小売業販売額・空店舗)の目標数値に関する取り組みの効果の影響を受けることもあり、比較的厳しい状況にある”(『報告』P4)

 つまり、『報告』において「通行量」は、
“他の目標数値、特に小売業販売額・空店舗に関する取り組みの効果の影響を受ける”
とされており、
“通行量が増えれば街は繁盛する”
という因果関係(理論)は否定されています。

 これは大変重要なことでありまして、これまでの
“通行量が増えれば街は活性化する”という因果理論に基づいて作られている「商店街活性化策」は、その根拠を失ったわけです。
最もその気になれば『報告』に依らずとも自分の「アタマと眼」で見破ることが出来たニセ因果論だったのですが。

 “通行量が増えると街は活性化する”という理論がフォローアップによって破産したとすれば、活性化の取り組みは一分一秒も早く
新しい理論を装備して、新しい「活性化への道」を構想しなければならない。

 発表された内閣府中心市街地活性化推進室の『フォローアップに関する報告』が提起しているのはまさにこのことですが、さて、関係各方面のうち、このことに着目、迅速に対応策を検討しているところが何カ所あるでしょうか。
もちろん、中には『報告』とは無関係に新しい「活性化への道」の構築に着手している都市もありますが、少なくとも「フォローアップ報告」を提出した都市の中にはそういう自律的な動きは見あたりません。

 しかし、あらためて『報告』を精査、自都市の計画~実践の状況が他都市の計画~実践の報告と軌を一にするものであることに着目すれば、今、真っ正面から取り組まなければならないのは、“活性化の取り組みを導いてきた理論の破産”であることは明らかだと思いますが、如何でしょうか。

 明日の公開セミナー、県、市行政からの受講者がこれまでになく多いことは、状況の一端の現れでしょうか。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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