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業容の陳腐化、個店は脱出できるか?

 問題は、単刀直入、ズバリと定義しないと良い解決法、解決のシナリオを獲得することが出来ません。「問題解決法」のイロハです。

 「商店街活性化」という問題を解決するには、
①商店街の現状はどうなっているか?
②商店街の現状はなぜこうなったのか?
ということをきちんと把握した上で
③商店街を活性化するには何を為すべきか?
を考え、
④「活性化への道」を構想しなければならない。

 取組がうまく行っていないのは、①及び②についての調査・分析が不十分なまま、いきなり“④何を為すべきか”に飛びついているからです。

 全国ほとんどの中心商店街が(人口の増減を問わず)軒並み業績不振に陥っている状況を見渡すこと無く、“商店街が空洞化したのは住む人、来る人が減り、通行量が減ったから”という検証抜きの俗論を採用して、“活性化するためには通行量を増やす=住む人・来る人を増やさなければ”ということで、商業活性化策ならぬそれよりもはるかに困難な「住む人・来る人増大策」に取り組んでいる。
膨大な資源と時間を掛けていますがはかばかしい効果は得られていない。2,3年も経てば当然所期どおりの効果がでなければ、小売商業の活性化策としては不適であることは、その経営構造を考えてみれば議論の余地はないと思いますが、にも関わらず、3年、5年、10年と効果は得られないのに漫然と同じような事業(人口に関わる)が続けられているのは、関係各方面の問題解決能力に問題があるから、と指摘されることになります。

 状況分析~問題の析出というプロセスを省略して(省思考)、“商店街活性化? むかしは人通りが多かったのに少なくなっているからだ”と即断し、その理由を①中心市街地の居住人口が減っている、②集客施設が移転している、ということに求めて、「まちの賑わいは人出から、住む人来る人を増やせば街は活性化する」という方向と方法が採用されているのですが、頭を上げて全国を見渡せば、「住む人来る人」が減っていないにも関わらず(減っている商店街と同様)、空洞化に陥っている商店街は多い。
つまり、商店街の空洞化は「人口減・来街者減少」によって起こっているのでは無い、ということですね。

 さて、商店街活性化に関わる計画をみますと、ほとんどの計画が立案に先立って「消費者アンケート」を実施しています。
消費者のニーズを把握して施策の参考にしようということで、趣旨はもちろん結構ですが、ホンキで消費購買行動のニーズを把握し、施策立案に役立てているかといえば、それは?です。

 “商店街に対する要望”では、
①新しい商品
②親切な接客
③買いやすい環境
などについての要望が必ず上位を占めています。
(身近の調査結果をチェックしてみましょう)
消費者にとって、これらの要望は切実でありまして、“商店街で買い物をさせたかったら、①~③はしっかり整備してくれ”といっているわけです。

 街に買い物に来るのは、自分の生活に必要な「使える商品」を自分が期待している条件で手に入れるためですが、買い物行き先として商店街(の各個店)を見た場合、①~③という不満がある、といっているわけで、これは来街目的、商店街・個店の存在理由に照らせば致命的ともいうべき問題が指摘されていることになります。
誰も①~③的条件の下で買い物をしたいとは思いませんからね。

 商店街活性化の取り組み、最速で取り組まなければならないのは、①~③的「買い物の行き先としての条件の不備」を改善することであることに異論はないと思います。

 ところが、“売場の整備は各店主の仕事”と頭から決め付けている取り組み側では、最初からこれらの要望を取り組むべき課題とは考えていませんから、当然ながらこの問題に取り組むことが出来ません。
これらはすべて「個店の売場」についての要望であり、「個店が対応すべきこと」とということで、思考停止。

 個店の問題であり、個店が主体的に取り組み、解決しなければならない課題であることに間違いはありませんが、問題は、
“我が商店街に立地している各個店は、はたして①~③問題に取り組み、解決する能力を持っているだろうか?”
ということです。

 あらためて①~③を見てみましょう。
こういう要望が上がってくるのは、もちろん、個店群の売場が①~③的状況に陥っていると消費者が評価しているからです。
その評価は何を基準に下されているか?

 ここが問題でありまして、もちろん評価はそれぞれのアンケート回答者の「買い物経験」に基づいています。
彼ら・彼女らの「買い物経験」はどこで行われているか?
「その消費購買行動圏内において経験したことのある買い物行き先」において。

 つまり、アンケート調査で表明されている要望は、回答者の日頃の「買い物体験」を踏まえて商店街(各個店の売場)を見たときの評価だということですね。

 商店街・各個店に求められているのは、この評価・要望に応えて「消費者を満足させる売場」を作ることですが、さて、各個店はこの課題に首尾良く対応することが出来るでしょうか?

 これはとても難しい課題です。

□お客の評価:商店街の売場は「陳腐化」している

 消費者の商店街・個店に対する「買い物行き先としての評価」は、その「買い物体験」に基づいて下されます。
大事なことは、評価の基準となる「買い物体験」が商店街における経験に限らない、ということです。
それぞれの消費者が自分の日頃の経験に照らして商店街に対する「買い物行き先としての不満」を表明しているわけですが、その場合の基準は、繰り返しますが、あくまでも自分の体験に基づく主観的な評価です。
評価の基準となる買い物体験とは、“日頃自分が利用している様々な買い物行き先を総合的に判断したときの商店街・個店に対する評価”ということであり、具体的に「買い物行き先として商店街を考えるとしたら何が不満か」ということを自分の日頃の買い物経験を基準に指摘する、ということですね。

 自分が日頃利用している様々な買い物行き先での経験を蓄積して作り上げている「買い物行き先判断基準」に照らして評価すると、商店街立地の買い物行き先は、①~③的状況にある、というのがアンケート調査の結果です。
このとき、重要なことは、評価の基準が「商店街・個店に対する絶対評価」ではない、ということです。
つまり、消費者は商店街や個店だけを見て評価しているのではなく、自分が日頃利用している商店街以外の買い物行き先での体験などを含めて作り上げている「買い物行き先としての基準」に照らして、ということですから、これはとりもなおさず、“自分が日頃利用している買い物行き先に比較すると”という意味を帯びています。

 商店街は、自分が日頃使っている買い物行き先などに比較して①~③的状況にある、というのが消費者の評価であり、端的に言って“商店街に買い物に来ない理由”ですね。
アンケート結果を商店街活性化施策を決める上で活用するのであれば、真っ先にこの「商店街に買い物に来ない理由」に着目し、対応策を講じなければならない。

 そうしますと活性化に取り組んでいくためには、消費者が自分の日頃の買い物体験をもとに下している商店街・個店に対する買い物行き先としての不満を解消し、買い物行き先としての条件を整備する、ということが必要ですが、問題は、商店街・個店にこの問題に取り組む意欲と能力が備わっているだろうか、ということです。
 消費者がその多様な買い物体験から作り上げている基準に応えられる「買い物行き先」として自店・自分たちの街を作り上げていく能力をもったいるのかいないのか?

 これは、商店街や自店についての経験や、各地の商店街の状況を見ているだけでは分かりません。
地元の消費者が実際に買い物に利用している各種の商業施設について、
どういう買い物動機に対応しているか
そのためにどういう店づくりをしているか
ということをきちんと理解することが必要です。
消費者は、これらの買い物行き先での経験を踏まえて、商店街に対して①~③と言う評価を下しているのですから、対応すするためには消費者の評価の基準となっている、商圏内に立地している他の業種業態の「買い物行き先」について、その対応している買い物動機・品揃え・サービス・提供環境などについて理解しなければならない。

 この理解をしないまま、従来の自店を基準に①~③の改善に取り組んでもそれが消費者の評価に応えることになるとは限りません。消費者は、他の買い物行き先と比較して“書婦店街のお店は①~③ですよ”といっているのですから。

 さて、①~③の指摘とは、実は“商店街のお店は他に比べると”「陳腐化」している、ということに他なりません。
アンケートに現れている消費者の商店街・個店に対する評価は、“商店街・個店は、買い物行き先として他と比較すると陳腐化している”ということです。
陳腐化とは、「ありふれており、古くさくなっている」ということ。小売店の場合は、“わざわざ買い物に講とは思わない、あってもなくても構わない”というお店の様子を表します。
商店街のお店が「買いもの行き先」として利用してもらいたかったら、①~③的状態を改めなさい、というのがアンケートに表明された消費者の率直な要望です。
陳腐化している業容をなんとかしなさい、ということですね。

 商店街・個店はこの要望に応えて「買い物行き先」としての条件を整備することが出来るか?
商店街活性化という問題の核心はここにあります。

□個店の店づくり
 商店街立地のお店の多くは中小規模の業種店であり、その業容(品揃え・サービス・店舗)は、開店以来、それぞれ「業種店」としての歴史をたどって今日に至っています。

 それぞれのお店は、言うまでもなく、業容不振が深刻になっていくのを手を拱いて見ていたわけではありません。
出来る限りの手を打ち、また、組合が取り組む各種の活性化事業にも積極的に参加していますが、それにも関わらず、消費者の評価は“陳腐化している・・・。
 
 ということですから、これまでの個店の業種店としての改善努力や商店街の活性化の取り組みでは「陳腐化」という致命的な評価から脱却することは出来ません。
それとも出来ますか?

 商店街が「買い物の場」としてあらためて商圏内の消費者から評価され支持されるには、陳腐化している業容から脱却、新しい店づくりに取り組むことが必要ですが、
①その必要性が理解されているか?
②理解されているとして脱却のため進むべき方向が分かっているか?
③分かっているとして、実際に脱却していく方法を持っているか?
ということでありまして。

 あらためてこうして考えてみますと、従来的な活性化の取り組みの延長上、自然成長的な発展のうえに「陳腐化からの脱却」という根本問題解決の可能性はほとんどありません。

 一度は立ち止まって「活性化実現の課題」としての「陳腐化から脱却」という問題について、現状の商店街・個店の力量だけで取り組んでいけるものかどうか、虚心坦懐、しっかり考えてみてください。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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