繁盛店づくりへの段取り

 10月6日、鹿児島市で開催される繁盛店づくり講習会のテキスト提出&打ち合わせのため、本日早朝から鹿児島市へ出掛けます。

 (既報:『かごしま商い繁盛塾』) 

 鹿児島市の状況などは後で報告するとして、今日はテキストの内容について。

 テキストの標題は、
―転換期の中小小売店活性化―
今すぐスタートする繁盛店への道

 3時間という限られた時間で
①業容転換の意欲喚起
②基礎体力の強化向上の必要と方法
③店づくりの方向と方法 スタートの組み立て方
④商店街ぐるみの取り組みへ
という全体像を提案します。

 最後に提案するさっそくの取り組みは、毎度のことながら、ファサードの美化から。
ファサードの美化はなぜ必要か、
ファサードがきれいになると何がどうなるか、
しっかり理解すると昨日までとは違う世の中が見えてくるようになる(笑

 さて、いよいよ事業最盛期に突入ですが、皆さんは「勉強の機会」は確保していますか?
なんの事業に取り組むにせよ、「勉強の機会」を作っておかないと“仏作って魂入れず”、シャッターの外側限りで終わってしまいますからね。

 今年は「個店研修」という画期的な支援制度もスタートしました。

“お金が無いから勉強できない”という「問答無用の言い訳」はもはや使えません。
さっそくの取り組みをおすすめする次第です。
おっと制度の「実効ある活用」法についての提案がまだでした。
テキスト制作と平行してアップしたいと思います

それにしても。
“お客の来街目的は個店の売場で達成される”
“売場の問題をシャッターの外側の取り組みで解決することは出来ない”
“小売業とはアタマの働きが主導する仕事である”
ということは少し考えてみれば誰にでも了解される基本中の基本だと思いますが、実行しようとすればたちまち、
「意欲」欠如
「知識・技術」不足
「方向と方法」未定
という実態に直面することになります。

この情況から即スタート、繁盛を実現していくためには「勉強」が不可欠ですが、適切な勉強機会を持っている、持とうとしているところは圧倒的に少数派、主流は依然として
「意欲」不見当
「知識・技術」不適合
「方向と方法」未定
というポジションでもっぱら別件にばかり取り組んでいます。
一日も早く「正しい活性化への道」に針路を転換することが必要ですが、さて、はたしてあなたはその音頭をとる決意ヲしていますか?

あなた以外に適任者がいるとも思えないわけですが・・・。

成功事例

 (承 前)

 繁盛店とは、一言で言えば経営に必要な経費を営業活動で稼ぎ続けられる商売のことであり、それはとりもなおさず、変化してやまない顧客ニーズの変化におつきあいし続けることであり、“売場の問題”を解決し続けること、です。

 そのために必要なものは、繰り返しになりますが。

☆ 経営に対する意欲
☆ 基礎体力
☆ 経営の方向と方法
の鼎立です。
どれが欠けても“持続する小売業”は成立いたしません。

 その構築を目指すのが「繁盛店づくり」ですが、これは主として「アタマを駆使する取り組み」です。
業界の常識とは異なり、小売業は「理屈第一」の仕事、繁盛店づくりにあなたが使えるのは、あなたの「アタマと時間」だけです。
上手に使うことで、今まであまり気にもしていなかった「あなたのアタマの使い勝手」が飛躍的に良くなり、頭を使うことが楽しくなり、仕事が楽しくなってきます。
ウソではありません。

ということで、実際に取り組んでいる人のレポートをば。

引用スタート********************* 

やったぜ

投稿日 : 2007/11/02(Fri) 01:57 投稿者 : パパショップ

まずは半年もの御無沙汰をお許しください。言い訳としかとらえられられないでしようが、病気やらマシントラブルやら腹立たしい外部のできことやらで,,,,
でも店は楽しい、先生本当にありがとうございました。完全に一歩踏み出しました。

 なにせ初めて・全て自力で・考えに考えて・たった一日で・営業しながら店舗レイアウトを変更できました。変更後10日ほどですが、売上、評判共に上々です。
先生の教えは全て正しいと断言できますが、密かに私が感謝しているのは、先生に指導していただき、冴えない地方の零細な経営者が人間としての堂々とした尊厳をとりもどせたことだと確信しています。

引用エンド******************

某市の再開発ビルに立地、夫婦でそれぞれ一店づつ経営しています。ビルは平成元年にオープン、間もなく核店舗が脱落、承継したところも最近撤退、現在は核店舗無しで運営されています。
核店舗退出=ファッション売場が撤退したフロアでオープン以来の業績を確保しました。
現在、運営会社の代表に就任、ラグジュアリィショップ構築の経験をビルの活性化に応用中です。なかなか大変のようですが。

 引用は、【目指せ!繁盛店】への書き込みですが、地核変動は、上手く立ち回れば高度成長期以来のビッグチャンスです。
独立自営小売商業者たるもの、この好機を見逃す手はありません。

①何が何でも経営目的を達成するぞ、という気概を持ち、
②日々の仕事の中で自分のアタマをはじめ基礎体力を活用して
③「時間堪能」という人々の生活ニーズの実現に貢献する
という「経営の鼎」を実現することで“常識では考えられない”繁盛を実現すること。

 これが独立自営小売商業者の社会的使命であり、この使命を果たすプロセスで「経営目的」(=あなた固有の目的実現の手段)が達成され続けていくわけです。

 あなたにとって小売業とは、先行する固有の目的を実現するための条件を作り・維持する、という仕事ですが、このプロセスを楽しむことは、商売にとっても固有の目的にとっても大切なことです。
 「時間堪能」のために費消する時間自体も堪能しないと。

地核変動時代の繁盛店づくり

 商店街立地に限らず、既存小売業が持続可能な経営を目指すなら、そのテーマは「繁盛店づくり」です。
1.「繁盛店」とは:
(1)簡単な定義
①経営を持続するために必要な経費を
②将来にわたって調達可能な
③業容を構築維持する能力を持っている小売店

(2)必要な経費とは、
①経営そのものの維持に関わる経費
②経営者の事業目的の達成に必要な経費
の両者の合計です。②は内部積み立て、役員報酬など。
 ちなみに②については一般にはあまり話題になりませんが、経営の原動力である経営者・店主の「その気」の源泉ですから、その達成の成否は大変重要ですね。

2.繁盛店づくりの三本の柱
(1)繁盛店を作り維持するためには次の三点セットが必要です。
①店主(経営にあたる人)の意欲
②基礎体力
③取り組みの方向と方法

(2)簡単に説明しますと。
①店主の意欲
これがしっかりしていないと、基礎体力を使いこなすことが出来ません。体力の強化向上などはもってのほか。なぜ商売をしているのか、なぜ繁盛店を目指すのか、という基本的なところを個人の人生設計などに遡及して位置づけることが多いですね。
本人のぶっちゃけ本音と絡み合うレベルで「意欲」を持っておくことが大切です。
中途半端なレベルの「やる気」では基礎体力が使いこなせません。

②基礎体力
 大別すると
 1.店主・経営者の「問題解決能力」と
 2.既存の経営資源つまりヒト・モノ・カネ
 ですが、ご承知のとおり商人塾的繁盛店づくりは「お金を掛けない」という基本方針ですから、ここでいう基礎体力は主に1.、すなわち「店主・経営者の問題解決能力」を指します。
※「問題解決能力」とは、
 問題の発見・定義~解決策の発明~解決策の実行~結果の評価という「問題解決過程」を的確に進めていくために必要な一切の能力。
この能力は主として「アタマ」に掛かっておりまして、それも「アタマの良し悪し」ではなく、「アタマの使い方」に掛かっています。
課題である「基礎体力の向上・強化」とは「アタマの使い方」に関わる課題です。

③方向と方法
 繁盛店づくりという目的を達成するための経営努力が向かうべき方向と実現の方法。
これが装備されていないと、いくら意欲があり、問題解決能力があっても、やることなすことがすべてトンチンカンになってしまうかも知れません。
例えば“わざわざ出掛けて来るに値するお店”を作らなければいけないのに、“店前通行量を増やす”ことに努力するとか。

3.方向と方法の選択
(1)重要性
 三本柱の一つ・「方向と方法」を持つことは、繁盛店づくりにとって不可欠の条件ですが、「地核変動(もの余り・店あまり)時代」における繁盛店づくりは、“買い物行き先限定・もの不足”という商店街全盛時代の商店経営の「方向と方法」を(無意識のうちに))前提にしているようではいけません。
何しろ、“商店街をダメにした商売敵”百貨店や量販店、郊外のショッピングセンターまで揃って「業績不振」に陥っている時代ですから。
この時期、繁盛店を目指すとか、商店街を活性化すると言う場合は、必ず自分たちが取り組む“繁盛実現の方向と方法”、“商店街活性化の方向と方法”についてしっかりした考えを持っていることが大変重要です。当社以外では誰も言いませんが。

(2)条 件
自分で好き勝手に決めればよい、というものではありません。他の店、商店街で取り 組まれている、とうことも“うちのもそれで行く”という根拠にはなりません。
 方向と方法を決めるにあたって必要な条件:
 ①自分の基礎体力で実行可能であること
 ②自店既存の経営資源で取り組めること
 ③漸進的な取り組みが可能なこと
 などが考えられます。

(3)必要な作業
どのような方向と方法を構想し・選択するにしても、これを決定するにあたっては、 次のような作業が必要です。

 ①環境変化の現状・趨勢 顧客の生活・購買行動、競争環境、マクロ環境
 ②立地の評価
 ③繁盛店づくりのシナリオの構想

 こうしてあらためて書きだしてみると、この時代における繁盛店は、とても従来的な商店経営の延長で“人通りさえ増えればなんとかしてみせる”といった思いこみで実現できるものでは無い、ということがよく分かるはずです。

 では、どうしたらよいか?
ということですが、わが商人塾ではここに説明した課題のすべてに取り組みます。
必要な知識・技術を学び、実践を重ねていく中で「三本柱」をバランスよく整備、相乗効果を発揮することで、三点セットを進化させていく。

 その結果は、「業容三点セット」の漸進的な革新、進化として現れます。

 今日は「店づくり三点セット」の原動力となる「繁盛店づくりの三点セット」を説明してみました。
あなたはこの「三点セット」をちゃんと装備していますか?

勉強会 産みの苦しみ

 久しぶりに電話をしたところ、ちょうど勉強会の開催についての総会の真っ最中でした。
かねてからなんとか実現したいと頑張っておられましたが、いよいよご苦労がみのる山場を迎えたわけです。

 ちょうど今、【目指せ繁盛店】では支援センターの「個店研修事業」を検討中ですが、商店街で組織の取り組みとして勉強会を計画するというのは、何しろこれまで例のないことですから、賛否より先に何で?とか、開いても参加者は無いだろう、といった観測が発せられたり、例によって“個店のことは個店でやるのが筋”といった意見が出たり、スタートに到達するまで幾山川を踏破しなければならない。これは何も特定の商店街に限ったことではありません。商人塾に取り組んでおられるところもほとんどそういう段階を通過して今日があるわけです。
一度は通過しないといけないプロセスかも知れないのでありまして、逆に勉強会?いいよやろやろ、と二つ返事でスタートすればその分先まで行けるとも限りませんからね。

 ともかく。
商店街で自分の店を繁盛させる方向と方法について、商売の経験に乏しいコンサルタントと称する輩に指図を受けるのは面白くないのがあたりまえ、コンサルタントだってコンサルティングのやり方、その方向と方法について勉強会に参加せよ、といわれたらどうでしょうかねぇ。

 まあ、しかし、日本全国の小売業が業績不振、先行き真っ暗という状況に陥っているわけですから、いくら「小売業の専門家」といえどもただ経験が長い、いろいろ知っていると言うだけでは繁盛の再現は困難です。
何しろ、百貨店軒並み、量販百貨店軒並み、SC軒並み、業績不振でしかも打開策が見あたらない、という状況ですから。

 “なぜ勉強しなければいけないか”
臨時総会では、しっかり説明が行われている真っ最中ではないかと思います。
雨降って地固まる、スタートまでにしっかり揉めておいた方が後々スムースに行くし、なにより「意志の疎通」が今までとは比べモノにならないくらい風通しが良くなるかも知れません。

 もし「勉強の必要性」の共有についてのいっそうの詰めが必要でしたら、takeoめがオリエンテーションに出向きます。
いずれにせよもう一息、頑張って「勉強する独立自営商業者」の仲間に参加してください。

自慢と自満

 高水度自慢率漸増の法則。
①水商売とは、喫茶店、ビアホール、居酒屋、レストラン、料亭、スナック、バー、クラブ、キャバレーなどの総称である。
②水商売には「水(みず)度」というものがあり、それは①の順所で高くなっていく。
③水度が高くなっていくにしたがって、そこで交わされる会話の自慢度が高くなる。

ドーダとは何か?
ドーダとは自慢である
人に誇りうるものである
と同時に、人に羨まれるものである

 自称西荻窪学派―ドーダ学の鼻祖・東海林さだお氏は、“社会はドーダで成り立っている”ことを喝破しています。
:東海林さだお『もっとコロッケな日本語を』文春文庫
ドーダ=“どんなもんだい”です。

 創唱者のフィールドワークについては、上記の本を求めていただくとして。

“ドーダ理論は世界最強のグランドセオリーだ”という惹句を引っさげて登場したのが『百貨店を発明した夫婦』でおなじみの鹿島茂さん。
“ドーダとは自己愛に源を発するすべての表現行為である”
という「加上的・方法としてのドーダ」を駆使して幕末~明治初期のあれこれを解明しています。

鹿島茂『ドーダの近代史』朝日出版社

“社会がドーダで成り立っている”ならばそこから“歴史はドーダで説明できる”は地続きです。

①水戸藩はなぜ尊皇攘夷派を輩出したか
③大政奉還~江戸開城をめぐる徳川慶喜VS西郷隆盛の死闘
④西郷隆盛の変身と西南の役
を軸に、当時の情勢・経緯を解明しています。
もちろん、話は登場人物相互のドーダのやり取りです。

 中でも出色なのが江戸無血開城に至る駆け引きでありまして、これはご承知のとおり、西郷VS勝海舟による頂上会談で決着しますが、これに先立って勝との共同謀議をもって山岡鉄舟が静岡に赴き、西郷と直談判をします。これが首尾にいったからこそ、西郷・勝会談に至るわけですが、疑問は“はて、山岡は何を材料に西郷を説得したのだろうか?ということですね。
 山岡は勝から書簡を預かっておりまして、もちろん、この書簡が大きな役割を果たすわけですが、そこには何が書かれていたか? 
表見、大したことは書かれていないのですが実は・・・。 

 和平の条件などを書き連ねた書簡を送れば直談判にこぎ着けられる、という状況ではなかったのでありまして、では何が西郷の方針を転換させたのか。謎です。
というか、この謎をモノの見事に解明してしまったのが、恐るべし、ドーダ学、一体山岡鉄舟の駿府行きは何だったのか?
鹿島流による解明は読んでからのお楽しみ。

 方法論的ドーダ学による西郷の後半生の分析にもうならされます。幕末、テロリストの親玉だった西郷が戦争末期から「人間が変わった」のはなぜか?
そこには実は山岡鉄舟との静岡における談判の体験が大きな影響を及ぼしているのだ・・・。

 ということで、興味が湧いた人は是非、『ドーダの近代史』をば。

 さて、ドーダ学によれば人間の表出行為はすべて“ドーダ”、“どんなもんだ”である、ということで“人間は自己愛の塊だから隙あらばドーダしたいと考えている”というのがドーダ理論のエッセンスです。
遠く異朝をとぶらへば(ドーダ!)、これはヴェブレンの「顕示的消費」に連なっていることはすぐ分かる。

 社会・歴史学方法論としてのドーダ理論、その解釈力は歴史法則主義、民族主義、家族主義といった既存のグランドセオリーに勝るとも劣るものではありません。

 で、いよいよここからが本論でありまして。

 わが「ラグジュアリィ」は「ドーダ」なのか、それともドーダ(自慢)ではない、周囲にはお構いなしの純粋自己満足(自満)というジャンルが有るのか無いのか。
ということで、興味のある人は是非、どこかに意見をどうぞ。

業容の進化発展は基礎体力の強化から

 「通行量の増大」を目指す取り組みが、商店街活性化の実現に結果を出せないことが明らかになるにつれて、これからますます“こうすれば商店は繁盛する”といった提言が増えてくることが予想されます。(増えてこない=従来どおりの通行量増大策に終始するようではあまりにも進歩がない!)

 「こうすれば」ということで提言される「繁盛への道」、それがどういう方向&方法であるにせよ、自力中心で取り組むことが必須条件であることは間違いありません。

 そうしますと問題は、はたして自分・自店は「こうすれば」と提言されている「繁盛への道」を歩いていくために必要な「基礎体力」を持っているだろうか?
ということですね。
もちろん、これは単に各個店が自問すべき問題であるとともに、中心市街地・商店街活性化に取り組む関係各方面も“いったいうちのまちの商業者の基礎体力はどうなっているのか、「活性化実現の方向と方法」を実践していくだけの基礎体力を持っているだろうか?”ということは、当然のことながら自問してみなければならない。

 答えは決まり切っておりまして、
自問:基礎体力を持っているか?
自答:持っていない
ということですね。
イヤ持っている、という人はその基礎体力は商店街・個店のどこにどのように実証されているか、きちんと説明すべき。
説明不能ならそれは単なる希望的観測、です。

 したがって「活性化実現の方向と方法」の提言は、「道」を示すと同時に、道を歩いていくための「基礎体力」を強化向上する方法も併せて提案しなければならない。
早い話。「店前通行量を増やす」という方針を掲げるなら増えた通行量を自店のお客に転化させる仕組みを考え・実現する「基礎体力」をどう装備するか、という問題を避けて通ることは出来ません。
出来ますか?

 さらに。 
「活性化への道」は正しい道を選択すればそれでOKというモノでありません。お客のニーズはどんどん変化していきますから、これに対応し続けるためには(そうしないと持続的繁盛は出来ません)、売場は変容を続けなければならない。
「基礎体力」は、“売場に必要な進化発展を実現していく能力”という「応用」が効かないと本物ではありません。

 提案される「繁盛店づくりの方向と方法」、本物かどうかを見分けるカギは、「繁盛実例」の有無だけではなく、将来にわたって自力進化を保証する・応用可能な基礎体力とそれを使いこなす能力の涵養という課題があることを示し、かつ、取り組みのなかでその能力を確保している方法を持っているかどうか。

 第一に、そういう問題があるのだということを自覚しているかどうか?
第二に、問題にとりくんでいく方法が納得出来るか?

 「基礎体力」という概念は繁盛店づくりに不可欠ですが、他ではあまり使われておりません。
使わなくてもいいのですが、要は、「必要な能力を装備する必要性と装備する方法」が提案されているかどうか、ということです。

常連各位にとっては今さら言うまでもないことですが、
①基礎体力をめぐる議論はほとんど行われていない
②たまに見かける論議も的を得ていない
という状況であり、このまま行けば基礎体力無しで冬のエベレストに登るようなもの、滑落・凍死お望み次第。

『個店研修事業』

 ㈱全国商店街支援センターが実施される「個店研修事業」について。

ご承知のとおり、この事業は『地域商店街活性化法』に基づいて企画運営されるものですが、その趣旨は:

“全国の商店街は、空き店舗の増加や後継者不足、来街者の減少といった厳しい現実に直面し、疲弊が進んでいます。こうした厳しい状況に対応すべく商店街全体の活性化を図るには、個店の経営力強化、個店の魅力づくりが欠かせない課題としてあげられます。
(株)全国商店街支援センターでは、こうした課題を解決し、商店街活性化を図るために、各個店の経営力強化、魅力ある個店づくりに必要な知識・ノウハウを習得できる実践的な「個店経営研修事業」を実施します。

 商店街の活性化は、元気のある繁盛店を1店でも多く創りだすことによって商店街全体のイメージや集客力を向上させ、さらには他の個店も影響され活性化するといったサイクルを構築して行くことが基本になります。

 本研修の目的は、まさしくこのサイクルを回すエンジンとなる「繁盛店」を創ることにあり、各個店の売上や客数増といった実践での成功体験を積上げることが最も重要なことであると考えます。
 そのため、研修プログラムについては「商店街活性化の核となるキラリ輝く繁盛店づくり」をスローガンに掲げ、①自店や地域・商店街を取り巻く環境の変化を正確に把握し、②その環境の変化に対応した新しい「魅力ある個店づくり」の方向と方法を習得し、③具体的な「繁盛店づくり」の取り組みを実践する、そして、④商店街全体で成果を共有し、他の店舗への波及を促すことによって、やがて商店街ぐるみの活性化へつなげていくといった流れを基本に、組み立てていくものとします。”

ということでありまして、いよいよ“ショッピング行き先として魅力ある商店街作り”という中心事業に真正面から取り組む・「魅力ある個店づくり」からスタートして商店街~中心市街地へと至る「点から線、線から面へ」というシナリオの本格的なスタートです。

 この間、全国の有志の皆さんと協働で取り組んできた「商人塾」とまったく同じ趣旨の取り組みを国が提唱、実施を支援するということでついにここまで来た、という感がいたします。

 待ちに待った事業です。
この事業を実効あらしめるには、実施主体はどのようなことに留意すべきか?
スタートで失敗するとせっかくその気になった参加者の期待を裏切ることになり、また、“役に立たない”と判断され早々に方向転換ということもあり得ますから失敗の許されない事業ですからね。

 【商店街起死回生】で検討しています。
商店街活性化の実現には“個店レベルの取り組み自助努力が不可欠だ”と考えておられる皆さんは必読です。

 気になることがありまして。
自己負担一万ぽっきりの「繁盛実現」のまたとないチャンスですが、皆さん、待ってました!とどんどん応募されているだろうか?

 どうでしょうかねぇ。

商業者はビジョンを語れ!

 つい昨日まで“百年に一度の暴風雨”という言葉が飛びかっていましたが、今日はどうでしょうか?
なあ~んにも変わりませんが、言葉だけは「死語」になりつつあるような・・・。
 メディアも一体なにが“百年に一度”なのか、自分の頭で考えてみるプロセスを欠いたまま、相変わらずの“赤信号、みんなで渡れば・・・・”ということのようですね。

 まさか、商店街立地の商業者で“業績不振は景気のせい、景気が良くなればまた繁盛する”などと考えている人はいないと信じたいものですが、実際はどうでしょうか。
景気がどう変わろうとも、商店街が他力本願で活性化することはないわけで、第一、「景気」とやらがホントに“良くなる”と信じているんですか?
そもそも「景気」ってなんのこと?
ということもあるのであります。

 ホンキで繁盛再構築を目指す人は、現在~将来における商店街立地において「繁盛可能な業容」を構想し、そのエッセンスをビジョンとして高く掲げ、すべての経営努力を「ビジョンの実現」に集中しなければならない。
小売業を取り巻く環境がどう変化しても「うちは大丈夫」と言い切るには、予測される環境変化に対応して業容を変容させていく基礎体力と変容作業を導くビジョンを持つことが不可欠です。

 あなたは、“うちの店は大丈夫”、なぜなら“基礎体力とビジョンを持っているから”と胸を張れるビジョンを持っていますか?
この時期、“語るべきビジョンを持たない商業者に明日はない”ということは常識だと思いますが・・・。

言葉の定義

 中心市街地・商店街活性化の業界には共通する欠陥がいろいろとありますが、中でも初歩的・基本的な欠陥は、“使用している専門語の定義が共有されていない”ということです。

 例えば。
○コンパクトシティ
○中心市街地
○歩いて暮らせるまち
○中心商店街
○商店街
といった、中心市街地関連の地域・地区・街区についての用語はどのように使い分けられているのか?

 なんの定義もされないまま、その場の雰囲気でテキトーに使われているのではないか?
というのがtakeoの理解ですが如何でしょうか?

 さらに。
○活性化
○賑わい
○繁盛
○通行量
などはどうでしょうか。

 これらの言葉をきちんと定義していたなら、活性化とは通行量増大のことだ、といった恐るべき誤解は生じなかったかも知れません。
誤解する人がいたとしても、誰かに訂正されたはずです。

 ところが実際には、誰も訂正せず、それどころか、そもそも用語について定義を共有しておくべきだ、ということさえ理解されていない、というのが中活法制定以来、こんにちまでずうっと一貫している取り組みの実状、その結果は推して知るべし、というか、定義の不在こそが、全国各地で目の当たりにする状況の原因の一端だということは、分かる人には分かることですが、分からない人、分かろうとしない人には分からないことかも知れません。

 皆さんのまちの基本計画~商店街活性化計画には「用語の定義」という一節があるでしょうか。
ちょっとチェックしてみられることをお奨めします。

「人並み・流行」という生活局面

 “ファッションにうるさいのは若い世代”というのが常識かも知れませんが、
わが商人塾の「購買行動・分析」では、
①生活体験に乏しく、②横並び意識が強いヤング世代では、「自分の好み」を確立する前に「流行」に隷属する場合が多く、そうしますと、彼ら・彼女らのファッション購買基準は「ラグジュアリィ」というより、「人並み」であり、そこでは「流行」と「価格」がキーになる。
という仮説を持っています。
「人並み」を実現するわけですから、“今、何が人並みか”ということで「流行」追随に敏感であり、また、①流行が変われば買い物も変わる ②変わるたびにあれこれ揃える ところから、単品価格にはシビアになる。
 ということで、誰が名付けたか「ファースト・ファッション」が一人勝ち。
「人並み基準」であり、“来年はまた流行が変わる”のですから、その程度のショッピングです。

 先週、原宿のフォーエバー21とH&Mをチョイ見する機会がありましたが、あらためて「人並みファッション」の典型だということを確認しました。
ちなみに、これまではこのニーズ、SCモールが担当していました。
両者ともやがて全国SCにばらまくのは必至ですから、SCテナント企業には影響甚大です。

 「ファースト・ファッション」といえば、ユニクロがその嚆矢ですね。消費購買側の位置づけは、総合すれば、「カジュアル・ベーシック」のオールラウンドのニーズに対応する業容ということでしょうが、あおりを喰らってまたぞろ「ファッション」に色気を出すと、急降下間違いなし。

 商店街の皆さんは、“人並み・価格志向”という流行り商売などなんのその、しっかり「ラグジュアリィ」を追求しなければならない。
ファッションにうるさい人たちは、“これといった買い物行き先がない”とぼやいていますから、この人たちに“この店を見つけてよかった!”といわせるのが商店街立地の専門店のウデの見せどころ。
これから輩出する「人並みファッション」からの離陸組の受け皿という役割も期待できます。

 そのためには「陳腐化」著しい現在の業容からどう脱却していくか、という課題があることはご承知のとおりです。
ということで。
商店街活性化はラグジュアリィニーズの受け皿として自店の業容を転換する以外に方法はない、と毎度相変わらずの結論ですが、見事転換への軌道に乗ることが出来れば、永続的な商売繁盛を実現することになります。

 独立自営商業者たるもの、ここに照準を合わせずにどうしますか。

2ちゃんねる“★「商店街に魅力なし」が4割=内閣府調査 ”

 ご存じ2ちゃんねるで珍しく中心市街地が話題になっています。

ビジネスニュース板
【調査】「商店街に魅力なし」4割、「公共交通機関の利用が不便」3割…内閣府調査[09/09/19]

 もとネタである内閣府の調査:
『歩いて暮らせる街づくりに関する世論調査』

ざっと見ましたが、次のようなところが目に付きました。
問い:「歩いて暮らせるまち」に必要なものは?
回答:(多かった順)①病院・福祉施設、②スーパーマーケット、③郵便局・銀行、④学校、⑤鉄道駅・バス停、⑥広場・公園・緑地、⑦保育園・児童館など子育て支援施設、
・・・・
といった順でした。
ちなみに、“洋服・電化製品・家具などを販売する専門的な店舗”は、「その他」、「分からない」についでビリから三番目です。

 あらためて
①「歩いて暮らせるまち」づくり と
②商店街、商店街活性化
を同列に語ることは出来ないのだ、ということを確認することができます。
中心市街地立地の商店群といえば(選択肢から選ぶとすれば)“洋服・電化製品・家具などを販売する専門的な店舗”が中心ですからね。

中心市街地・商店街の活性化への取り組みで、「歩いて暮らせるまち」を標榜しているところは、もう一度、
①“歩いて暮らせる”範囲からだけの集客では商店街は成り立たない。
②活性化施策は①を踏まえた取り組みになっているだろうか。
ということを確認することが必要です。

 SCを集客核として誘致、そこから商店街への回遊を狙ってシャトルバスを走らせたところ、お客が回遊してくるどころか、近所の人のSC行きの手段になり空洞化を加速した、という笑えない事例があります。
人はなぜショッピングをするのか?という商店街を語る上での根本についての認識を持たないレベルで取り組まれる「商店街活性化」の落ち行く先は似たり寄ったり・・・。

 内閣府の調査は、【都市経営】で詳しく検討するつもりですが、一読の限りでは何を目的にした調査だったのか?という気がしています。

 標記の2チャンネルのスレッドの議論は、是非お一読あれ、なかなか読ませます。

人を見て客を見ず

 商店街活性化の取り組みといえば、“一に近くに住む人を増やす、二に街に来る人を増やす」、三以下の取り組みは、これらの人の足を商店街に向けさせる各種の施策。
そのココロはもちろん“商店街の通行量を増やすこと”です。

 この路線の致命的な欠陥は、“「人」と「お客」は違う”ということに気づかないのか、気づいていても大した違いはない、と思っているのか、ひたすら“住む人、来る人が増えれば商店街の通行量が増え、通行量が増えれば、街・店は賑わう”という「思いこみ」のもと、すべての取り組みをここに収斂させてきた結果、「ものの見方・考え方」が“活性化とは人通りが増えること”というところから一歩も踏み出せなくなったことです。
結果、取り組みについてののニュアンスに多少の違いはあれ、基本的に「通行量増大」が最終目的であるという点は一貫しています。

 個店、施設の営業状況とは無縁に「住む人・来る人の増大」が叫ばれ、取り組まれるという実態に、おかしいのでは?という声がほとんど挙がりません。
 
 取り組みがスタートして以来、全国の都市で「通行量増大」を目的とするいろいろな事業が立案され、取り組まれてきましたが、その結果街が賑わうようになった、という事例はほとんど報告されていません。そもそも「通行量の増大」に成功した事例も極めて少ない、というのが実状でしょう。

(未 完)

通行量減の主因は“店離れ”

 「渡り廊下(A施設からB施設への移動通路)」的な機能を併せ持っている商店街は別として、空洞化が著しい商店街に共通しているのは、空店舗の増大と通行量の減少の同時進展です。言うまでもありません。
これを見て(全盛期の通行量を懐古しつつ)、“商店街が工藤化したのは住む人・来る人が減ったから”という早とちりのもと、「商店街の活性化は通行量の増加から」と主張し、取り組んでいる人たちは、依然として商店街活性化の主流を占めています。
買い物とは「通行」の途中で目に付いた店でするもの、というのがこの人達のショッピング感覚ですね。

 実際に起こったことはどうであったか。
このところ、繰り返し書いていますように、業績悪化に陥る店舗には、それに先だってお客から「この店は陳腐」という評価を受ける、ということが起きています。
目に見えませんが。

 小売店の業績不振の原因は明快でありまして、
①お客が来ない(今までのように)
②お客が買わない(今までのように)
ということです。
どうしてこういうことが起こるのか?

 これまでお店を「買い物行き先」と決めていたお客が、“もうこの店では買いたくない、来る必要がない”と考え、実行するからですね。
つまり、お客から見てお店が「陳腐」と評価されている。
陳腐化しているお店で買い物しなくてもショッピングセンターをはじめ行き先に不自由することはありません。
行きたくなくなったお店はさっさと見捨てて次に移っていくことが出来る。候補の行き先に不自由はしません。
こうして起こるのが「店離れ」です。
陳腐化したお店は「客離れ」に陥ります。ご承知のとおり。

 商店街の多くの店舗で陳腐化による客離れが起こりはじめると、その結果、商業集積・ショッピングぞーンとしての商店街の「業種揃え・店揃え」全体が陳腐化し、買い物客が漸減、通りの通行量はどんどん減ってしまいます。

 商店街では業績不振から廃業・移転するお店も増えてきますが、後を引き受けて開業する人はほとんどありません。
空地空店舗が増えてきます。
昼間でも開かないシャッター、空地が目立つようになる。
これがいわゆる商店街の空洞化のメカニズムですね。
通行量はさらにどんどん減っていきます。
(ただし「渡り廊下」を除く)

 ちなみに、通行量減に陥った商店街で通行量を増やすために取り組まれる集客イベントなどでお客を集めても、活性化につながらない(=業績が向上しない)のは、とおりに軒を連ねるお店の業容が陳腐化しているから。
つまり、軒を連ねる店舗の多くが
①品揃えに新鮮さが無く、
②サービスがマンネリ化し、
③施設・売場の手入れが行き届いてない
からです。(消費者アンケートで指摘されています。)

 いくらあの手この手を駆使して「住む人・来る人」を増やしても、空店舗を利用して集客施設を整備しても、お客は増えません。
増えないのは当たり前、軒を連ねる店舗群の業容が陳腐化しています。小売業にとって、お客から陳腐だ、と評価されることは致命的です。陳腐とは、古くさくて新鮮さがない、マンネリ化している、ということですからね。
誰もそういうところでショッピングしたいとは思いません。

 小売業にとって、売り上げが落ち、来店客が減り、店前通行量が減る第一の原因は「陳腐化」です。これは商店街立地のtぎゅうしょうこてんだけではなう、百貨店、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、小売業全般に共通して言えることです。

 縁あって当サイト・当記事に巡り会った「通行量増大」を目指してきた皆さんは、この機会に是非、以上についてしっかり肝に銘じていただきたい。
もう一つ、「目からウロコ」的事実を暴露しておきますと、

“売場の陳腐化は、売場以外の原因で起こる”

ということです。
他のお店でのショッピングの経験が、従来の買い物行き先・そこでのショッピングを「陳腐」と感じさせる基準をお客の心の中に作る、これがお店を「陳腐」にします。
けして、皆さんがサボっていたから、とか努力が不十分だったから陳腐化した、ということではありません。
お店の陳腐化はお店側の責任ではありません。

 しかし、お客に陳腐と思われたお店は、放っておくと(これまでどおりの努力を続けていたのでは)没落の一途を辿ることになります。世の中の景気がどっちに向かおうが、この道を逃れることはできません。
 
 それがイヤなら、まったく新しい「ものの見方・考え方」を獲得し、それを導きとして「店づくり」に挑戦しなければならない。「住む人来る人」だとか、「販促イベント」だとか、「非物販集客施設の整備」などに心を奪われることなく、まっすぐ、「ショッピング行き先」としての店づくりを実現しなければならない。

 商店街が商業機能・買い物の場としての活性化を目指すなら、なにはさておき、機会あるごとに消費者から指摘されている「陳腐化」を直視しなければならない。
さらに「陳腐化」は、お客の多様な消費購買行動で自然に培われてきた「店舗批判力」によって貼られる「レッテル」ですから、今日的なお客の消費購買行動の受け皿となっている非・商店街立地の商業施設を理解すること、理解するための勉強は不可欠です。

 どういうわけか、皆さんは、新しく登場してきた商業施設を基準に自分のお店が比較考量されている、ということに気が付いておられないようですが、チェーン専門店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ディスカウントストア、ショッピングセンター等々、非・商店街立地の買い物行き先での経験は「買い物の場」を評価するお客の「眼」をどんどん磨きます。

 商店街が「カムバック」を期待している人たちは、今現在、買い物行き先が無くて困っているわけではありません。また、“この人はうちのお得意さん”と決め付けている常連さんも商店街・あなたのお店だけで買い物をしているわけでありませんし、上記各業種・業態のお店を使うときに比べ、皆さんのお店を使うときは“服からある店だから”ということで評価基準を甘くしてくれるわけでもありません。

 ということで。
空洞化が進行している商店街、渡り廊下を除けば多くの街で、通行量が減っているわけですが、ちょっと観察するとそこに立地しているほとんどのお店の業容が(全盛期に比べて)空洞化していることが分かります。

 業績回復に必死で毎日の仕事をしているにもかかわらず、なぜ空洞化は進行するのか?

 その引き金になった「陳腐化」は、お店の中から始まったことではありません。多種多様な消費購買行動の蓄積で「買い物、買い物の場を吟味する力」を向上させたお客が、ある日、“この店、なんだかつまんない”と感じたらそれが、即・陳腐化ですからね。
陳腐化はお店側の行為の結果として起こることではない、ということにご留意。
“うちはちゃんと仕事している”といっても通りません。
何をどうしていようともお客が“陳腐”とレッテルを貼ればそれでお終い。お店は一直線に劣化スパイラルに落ち込んでいきます。

 先日も書いたように、業容が陳腐化する~業績が悪化する~客数・客単価が下がる~運転資金が切迫する~コスト削減で業容にしわ寄せ~業容空洞化・・・という劣化スパイラルが働くからですね。

 このスパイラルから脱却するには、“商店街が空洞化したのは通行量が減ったから”とか、“通行量を増やせば事業機会が増える”といった、一見もっともらしい話に絶対乗らないこと。まずこれが基本中の基本です。

 今現在、期待しているようにお客が来ないのは、お店の業容=品揃え・サービス・施設が「陳腐だ」と判断しているからですね。
施策に取り組んで首尾良く人通りが多くなってもそれは、陳腐化しているお店のファサードを一瞥、“陳腐”と確認する人が増えるだけ、入店客は増えません。
全国の商店街で日々実感されているとおり。

 “通行量はすべてを癒す”という「通行量幻想」への依存を一日も早く断ち切り、「売れる店づくり」の構築、“わざわざ出掛ける値打ちのある店”を目指して「業容革新」に取り組むことが唯一の繁盛店・商店街活性化への王道です。

 他の道があると思ったら大間違いですからね。

「論争の不在」が意味すること

 全国津々浦々で展開されている中心市街地・商店街活性化の取り組み、いろいろと特徴がありますが、今日取り上げるのは問題を巡る議論について。

 民主主義社会における社会問題の解決については、何ごとによらず、様々の視点から問題が提起され、解決策が提案され、実践され、その結果についての議論が行われ・・・、というように「議論」が伴うのが通常です。
問題が重要であり、全体像の理解が難しく、解決が困難なケースなどの場合、問題の認識、解決の方法をめぐって華々しく論戦が展開されることも珍しくありません。

 中心市街地・商店街の活性化といえば。
取り組みの重要性、問題の複雑性、取り巻く諸般の状況などから、「活性化実現の方向と方法」をめぐっては、様々な立場があることが予想され、当然、中には相矛盾する主張もあり得ることと思われます。また、方向と方法は同じでも仕事の手順などをめぐっては、また意見が対立することもあることでしょう。

 特に、取り組みを指導する立場にある「専門家」においては、“取り組み方は不問、何でもいいから取り組みさえすれば活性化できる”という立場でない限り、「こうしなければ活性化できない」という持論を持っている人が多いと思うのですが、如何でしょうか。専門家が専門家たる由縁は、商店街の現場で毎日の仕事に専念していてはなかなか到達できない人たちに代わって「活性化実現の方向と方法」を究明し、現場の状況に応じて「実践向き」にアレンジして提案する、という仕事をすることではないかと思いますが如何でしょうか。

 もしそうだとすると、現下の中心市街地関連業界の現状には大きな疑問符がつきます。
(続く)

業容の陳腐化、個店は脱出できるか?

 問題は、単刀直入、ズバリと定義しないと良い解決法、解決のシナリオを獲得することが出来ません。「問題解決法」のイロハです。

 「商店街活性化」という問題を解決するには、
①商店街の現状はどうなっているか?
②商店街の現状はなぜこうなったのか?
ということをきちんと把握した上で
③商店街を活性化するには何を為すべきか?
を考え、
④「活性化への道」を構想しなければならない。

 取組がうまく行っていないのは、①及び②についての調査・分析が不十分なまま、いきなり“④何を為すべきか”に飛びついているからです。

 全国ほとんどの中心商店街が(人口の増減を問わず)軒並み業績不振に陥っている状況を見渡すこと無く、“商店街が空洞化したのは住む人、来る人が減り、通行量が減ったから”という検証抜きの俗論を採用して、“活性化するためには通行量を増やす=住む人・来る人を増やさなければ”ということで、商業活性化策ならぬそれよりもはるかに困難な「住む人・来る人増大策」に取り組んでいる。
膨大な資源と時間を掛けていますがはかばかしい効果は得られていない。2,3年も経てば当然所期どおりの効果がでなければ、小売商業の活性化策としては不適であることは、その経営構造を考えてみれば議論の余地はないと思いますが、にも関わらず、3年、5年、10年と効果は得られないのに漫然と同じような事業(人口に関わる)が続けられているのは、関係各方面の問題解決能力に問題があるから、と指摘されることになります。

 状況分析~問題の析出というプロセスを省略して(省思考)、“商店街活性化? むかしは人通りが多かったのに少なくなっているからだ”と即断し、その理由を①中心市街地の居住人口が減っている、②集客施設が移転している、ということに求めて、「まちの賑わいは人出から、住む人来る人を増やせば街は活性化する」という方向と方法が採用されているのですが、頭を上げて全国を見渡せば、「住む人来る人」が減っていないにも関わらず(減っている商店街と同様)、空洞化に陥っている商店街は多い。
つまり、商店街の空洞化は「人口減・来街者減少」によって起こっているのでは無い、ということですね。

 さて、商店街活性化に関わる計画をみますと、ほとんどの計画が立案に先立って「消費者アンケート」を実施しています。
消費者のニーズを把握して施策の参考にしようということで、趣旨はもちろん結構ですが、ホンキで消費購買行動のニーズを把握し、施策立案に役立てているかといえば、それは?です。

 “商店街に対する要望”では、
①新しい商品
②親切な接客
③買いやすい環境
などについての要望が必ず上位を占めています。
(身近の調査結果をチェックしてみましょう)
消費者にとって、これらの要望は切実でありまして、“商店街で買い物をさせたかったら、①~③はしっかり整備してくれ”といっているわけです。

 街に買い物に来るのは、自分の生活に必要な「使える商品」を自分が期待している条件で手に入れるためですが、買い物行き先として商店街(の各個店)を見た場合、①~③という不満がある、といっているわけで、これは来街目的、商店街・個店の存在理由に照らせば致命的ともいうべき問題が指摘されていることになります。
誰も①~③的条件の下で買い物をしたいとは思いませんからね。

 商店街活性化の取り組み、最速で取り組まなければならないのは、①~③的「買い物の行き先としての条件の不備」を改善することであることに異論はないと思います。

 ところが、“売場の整備は各店主の仕事”と頭から決め付けている取り組み側では、最初からこれらの要望を取り組むべき課題とは考えていませんから、当然ながらこの問題に取り組むことが出来ません。
これらはすべて「個店の売場」についての要望であり、「個店が対応すべきこと」とということで、思考停止。

 個店の問題であり、個店が主体的に取り組み、解決しなければならない課題であることに間違いはありませんが、問題は、
“我が商店街に立地している各個店は、はたして①~③問題に取り組み、解決する能力を持っているだろうか?”
ということです。

 あらためて①~③を見てみましょう。
こういう要望が上がってくるのは、もちろん、個店群の売場が①~③的状況に陥っていると消費者が評価しているからです。
その評価は何を基準に下されているか?

 ここが問題でありまして、もちろん評価はそれぞれのアンケート回答者の「買い物経験」に基づいています。
彼ら・彼女らの「買い物経験」はどこで行われているか?
「その消費購買行動圏内において経験したことのある買い物行き先」において。

 つまり、アンケート調査で表明されている要望は、回答者の日頃の「買い物体験」を踏まえて商店街(各個店の売場)を見たときの評価だということですね。

 商店街・各個店に求められているのは、この評価・要望に応えて「消費者を満足させる売場」を作ることですが、さて、各個店はこの課題に首尾良く対応することが出来るでしょうか?

 これはとても難しい課題です。

□お客の評価:商店街の売場は「陳腐化」している

 消費者の商店街・個店に対する「買い物行き先としての評価」は、その「買い物体験」に基づいて下されます。
大事なことは、評価の基準となる「買い物体験」が商店街における経験に限らない、ということです。
それぞれの消費者が自分の日頃の経験に照らして商店街に対する「買い物行き先としての不満」を表明しているわけですが、その場合の基準は、繰り返しますが、あくまでも自分の体験に基づく主観的な評価です。
評価の基準となる買い物体験とは、“日頃自分が利用している様々な買い物行き先を総合的に判断したときの商店街・個店に対する評価”ということであり、具体的に「買い物行き先として商店街を考えるとしたら何が不満か」ということを自分の日頃の買い物経験を基準に指摘する、ということですね。

 自分が日頃利用している様々な買い物行き先での経験を蓄積して作り上げている「買い物行き先判断基準」に照らして評価すると、商店街立地の買い物行き先は、①~③的状況にある、というのがアンケート調査の結果です。
このとき、重要なことは、評価の基準が「商店街・個店に対する絶対評価」ではない、ということです。
つまり、消費者は商店街や個店だけを見て評価しているのではなく、自分が日頃利用している商店街以外の買い物行き先での体験などを含めて作り上げている「買い物行き先としての基準」に照らして、ということですから、これはとりもなおさず、“自分が日頃利用している買い物行き先に比較すると”という意味を帯びています。

 商店街は、自分が日頃使っている買い物行き先などに比較して①~③的状況にある、というのが消費者の評価であり、端的に言って“商店街に買い物に来ない理由”ですね。
アンケート結果を商店街活性化施策を決める上で活用するのであれば、真っ先にこの「商店街に買い物に来ない理由」に着目し、対応策を講じなければならない。

 そうしますと活性化に取り組んでいくためには、消費者が自分の日頃の買い物体験をもとに下している商店街・個店に対する買い物行き先としての不満を解消し、買い物行き先としての条件を整備する、ということが必要ですが、問題は、商店街・個店にこの問題に取り組む意欲と能力が備わっているだろうか、ということです。
 消費者がその多様な買い物体験から作り上げている基準に応えられる「買い物行き先」として自店・自分たちの街を作り上げていく能力をもったいるのかいないのか?

 これは、商店街や自店についての経験や、各地の商店街の状況を見ているだけでは分かりません。
地元の消費者が実際に買い物に利用している各種の商業施設について、
どういう買い物動機に対応しているか
そのためにどういう店づくりをしているか
ということをきちんと理解することが必要です。
消費者は、これらの買い物行き先での経験を踏まえて、商店街に対して①~③と言う評価を下しているのですから、対応すするためには消費者の評価の基準となっている、商圏内に立地している他の業種業態の「買い物行き先」について、その対応している買い物動機・品揃え・サービス・提供環境などについて理解しなければならない。

 この理解をしないまま、従来の自店を基準に①~③の改善に取り組んでもそれが消費者の評価に応えることになるとは限りません。消費者は、他の買い物行き先と比較して“書婦店街のお店は①~③ですよ”といっているのですから。

 さて、①~③の指摘とは、実は“商店街のお店は他に比べると”「陳腐化」している、ということに他なりません。
アンケートに現れている消費者の商店街・個店に対する評価は、“商店街・個店は、買い物行き先として他と比較すると陳腐化している”ということです。
陳腐化とは、「ありふれており、古くさくなっている」ということ。小売店の場合は、“わざわざ買い物に講とは思わない、あってもなくても構わない”というお店の様子を表します。
商店街のお店が「買いもの行き先」として利用してもらいたかったら、①~③的状態を改めなさい、というのがアンケートに表明された消費者の率直な要望です。
陳腐化している業容をなんとかしなさい、ということですね。

 商店街・個店はこの要望に応えて「買い物行き先」としての条件を整備することが出来るか?
商店街活性化という問題の核心はここにあります。

□個店の店づくり
 商店街立地のお店の多くは中小規模の業種店であり、その業容(品揃え・サービス・店舗)は、開店以来、それぞれ「業種店」としての歴史をたどって今日に至っています。

 それぞれのお店は、言うまでもなく、業容不振が深刻になっていくのを手を拱いて見ていたわけではありません。
出来る限りの手を打ち、また、組合が取り組む各種の活性化事業にも積極的に参加していますが、それにも関わらず、消費者の評価は“陳腐化している・・・。
 
 ということですから、これまでの個店の業種店としての改善努力や商店街の活性化の取り組みでは「陳腐化」という致命的な評価から脱却することは出来ません。
それとも出来ますか?

 商店街が「買い物の場」としてあらためて商圏内の消費者から評価され支持されるには、陳腐化している業容から脱却、新しい店づくりに取り組むことが必要ですが、
①その必要性が理解されているか?
②理解されているとして脱却のため進むべき方向が分かっているか?
③分かっているとして、実際に脱却していく方法を持っているか?
ということでありまして。

 あらためてこうして考えてみますと、従来的な活性化の取り組みの延長上、自然成長的な発展のうえに「陳腐化からの脱却」という根本問題解決の可能性はほとんどありません。

 一度は立ち止まって「活性化実現の課題」としての「陳腐化から脱却」という問題について、現状の商店街・個店の力量だけで取り組んでいけるものかどうか、虚心坦懐、しっかり考えてみてください。

陳腐化からの脱却は業容の革新で

承 前

 商業施設(個店から商店街、ショッピングセンターまで)の陳腐化は、主体側のミスによって起こるとは限りません。
昨日とまったく同じ業容を維持していても、お客が激減するというのは良くあることで、つまり、昨日までは買い物行き先として支持し、利用していたのだが、今日になったら急に“どこにでもあるような古くさい、行きたくない店”になっちゃった。
と、お客に判断されれば万事休す。こちらには何一つ思い当たる節はないのに客足はばったり。
昨日と今日で何が変わったのか?
もちろん、商業施設側ではなく、お客のそれを見る目が代わってしまったわけです。なぜ変わったのか?
新しい商業施設でのショッピングを体験することによって。

 今どき、商店街立地にしか買い物行き先がない、というのはごくごく限られた人たち、ほとんどの人が行動圏内、諸地域に立地する商業施設をショッピングに使います。
業容に圧倒的な差があれば躊躇無く「行き先変更」が起きますし、そうでなくとも徐々にシフトする人たちが増えてくる。

 複数の買い物行き先を使っていると「ショッピングの場」を評価する眼が意図しなくても知らず知らずのうちに育ってきます。これまでは「当たり前」と思っていた従来の買い物行き先の業容のあれこれが気になったりするようになる。
一度や二度なら我慢できることもあんまり続くようなら「行き先変更」を検討することになる。候補はいくらでもあります。

 消費購買行動の原則。
1.売られていない商品を買うことは出来ない
2.売られていることを知らない商品を買うことは出来ない
3.複数の商品があると選択しないと買えない
4.複数の商業施設があると選択しないと買えない

 商業施設が多くなると、行き先を選択しないとショッピングは出来ず、何一つ買うことが出来ません。何を買うかと同時にどこで買うかということを決めなくてはならない。
経験を積むことで、よりシビアになった商品、商業施設へのニーズに対応するためには何が必要か。

 お店の業容は不問のまま、周辺事業(アーケードの着脱、カラー舗装、景観整備、コミュニティ施設、イベント等々)に取り組むことで、一度離れたお客を自店に呼び戻すことが出来るか?

 あるいはこれまでの商業施設の業容をベースに“不具合な部分を改善する”という方法で、今どきの・一度離れていったお客のニーズに合致するショッピング行き先ヲ提供することが出来るか?

 ということでありまして、
あらためて繁盛を実現するためには、お店の現状がどうであれ、“お客にショッピング行き先として選択される業容”へとお店の全体をシフトして行かなければならない。
お客が求めている、というか、実現すればお客の支持を確保できるという業容を構想し、これを実現しなければならない。「業容の革新」ですね。

 陳腐化し(業績不振に陥っている商業施設はすべて陳腐化していると考えられます)、そこからの脱出を目指す商業施設は、すべからく、「業容の革新」にチャレンジしこれを達成しなければならない。
クオールエイド流商人塾が目指すところです。

 商人塾では“お金を掛けず、出来ることから、細切れで”という漸進的取り組みを提唱していますが、これはけして現状を「改善」するものではありません。
手法としては「改善」のようですが、その目指すところは「革新」です。

 革新と改善はどう違うのか?
ということに付いては、サイト内資料をチェックしてください。「改善」で済むなら話は簡単、3時間×10回の勉強は不要ですが、「革新」となれば、ビジョンを掲げてその実現を目指して業容を漸進的にシフトさせていく。
三点セットの全体のバランスを維持しながらゴールに向かうには、ビジョンを作り高く掲げることが必要です。

商人塾の3時間×10回は、
○必要な基礎体力を強化向上する
○目標としてのビジョンを創造する
○プロセスを通じて技術を開発する
という、今どきの繁盛店づくり=業容革新には不可欠の課題に取り組んでいくものです。

 二日にわたって商業施設の「陳腐化」とそこからの脱却について提案してみました。
中心市街地・商店街活性化の場合、問題は“商業集積としての業容革新”というより高度な問題に取り組むことになりますから、「繁盛可能性の実証」というスタート時点の取り組みにおいて「商業集積としてのビジョン」を見据えた展開を心がけなければならないわけです。
すなわち、「ラグジュアリィ型ショッピングモール」。

 商業集積として実現を目指すビジョンの有無は、これからの商店街活性化の取り組みの成否を占う試金石、陳腐化し、活性化が必要な商店街を活性化する取り組みは、「商業集積の革新」というテーマを掲げなければならない。
取り組みは、有志個店の繁盛再生の自助努力からスタートしますが、その取り組みには“商業集積としての再構築を目指す商店街において、個店レベルで先行チャレンジする業容革新”という位置づけでないと最終ゴールに至ることは出来ません。

 ところで。
従来の商店街活性化の取り組みは、もっぱら商店街の内部環境についての分析に基づく周辺事業(市街地の整備改善、アーケード着脱、道路整備、集客施設の整備、イベントなどによる集客など)に集中していたわけですが、期待に反して街にお客を呼び戻すことが出来ません。
以上の考察から結論させること。
1.商店街を空洞化せしめた「お客の街離れ」を可能にしたのは、商店街以外への「買い物行き先」の登場であり、それらの新しく登場した商業施設をお客が選択したからである。2.商店街を活性化させるためには、
①それを陳腐化させた商圏内の各商業施設の「買い物行き先」としての性格とその充実程度を理解した上で、
②商圏内で新たに実現すればお客の支持が得られ、かつ、
③商店街の能力で実現可能な商業集積を構想し、実現へのシナリオを描き、歩き始める
という以外にありません。よろしいですか?

 これを踏まえて。
現下取り組まれている活性化事業には、
①「ショッピング行き先」として再構築する という目的意識も
②今現在、都市住民のショッピング行動はどうなっているか?という問題意識も
まったくありません。
肝心カナメを省略したまま、もっぱら“住む人・来る人が増えれば街は賑わう”というウソ八百に頼って周辺事業に勤しんでいる、というのがほとんどの商店街のの取り組みですが、“住む人・来る人が増えれば、陳腐化している売場は革新されるのか?”ということは考えなくても良いのでしょうか?
そもそも。
商店街の天敵とも言われるショッピングセンターはなぜ「買い物行き先」として支持されているのか?
“住む人・来る人が増えれば”、お客は郊外の商業集積群から商店街へと回帰してくると言えるのか?
なぜ言えるのか?
という問題に適切に答えない限り、“住む人・来る人を増やせば”中心市街地・商店街は活性化する、とは主張できないのではありませんか?

この問題について、
【目指せ!繁盛店】『劣化スパイラル 脱却の道』で展開中です。詳しくはそちらでどうぞ。
 

商業施設の陳腐化

ちんぷか【陳腐化】ありふれており、古くさくなること。

 商店街、商業施設などにとって「陳腐化」することは、即「空洞化」に直結していく恐ろしい状況です。
商店街の陳腐化はどうして起こるか?

大別すると二つの原因が考えられます。
1.商店街、立地する個店の怠慢
2.革新的な業容を持つ競合の登場
ですね。もちろん、多くの場合は両者が複合的に作用して陳腐化します。

 もう少し説明しますと。
1は、
(1)お客の生活ニーズ、消費購買行動が変化しているにも関わらず、変化に対応する努力をしない結果、お客に「買い物行き先として不適」とレッテルを貼られ、別の商業施設へ乗り換えられる
(2)努力はしているが、その方向が適切でないために客離れを防ぐことが出来ない、ということもあります。
さらに適応努力が必要ですが、思いつきません。

2は、
 消費購買行動の変化にシステムとして対応する新しい業容の商業の登場
①古くは、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど。
③ショッピングモール、カテゴリーキラーなど。
②通信販売、インターネットなど。

 いずれの場合も、既存の商業施設は従来どおりの業容・運営を続けていたのでは、陳腐化していると評価されてしまいます。
陳腐化するのは、出来上がって長い時間が経っているからではありません。今どきのニーズに応えることが出来なくなっていることがその原因です。

□商店街の空洞化
 空洞化の原因としては“住む人・来る人が減少した”ことがよく指摘され、商店街関係者の多くがこれを信じていますが、明らかな誤解です。
もともと、商店街が「買い物の場」として賑わっていた当時、お客は商店街&周辺に住んでいる人、商店街&周辺を訪れる人に限られていたのではありません。全盛期の商店街は、広い範囲からお客を集めていたのであり、商圏内の住民にとって商店街は“わざわざ買い物のために出掛ける行き先”だったのです。そうですよね。
特に都市の中心商店街を思い浮かべればこのことは明らかです。
たかだか中心市街地の住民、中心市街地に用件で出向いて来る人を対象に出来上がっている商業集積ではないことは明らか、都市及びその周辺という広域から買い物客を吸引していたのが中心商店街でした。
このことを忘れて、“商店街が空洞化したのは「住む人・来る人」が減ったから。「住む人・来る人」を増やせば商店街は活性化する”と信じ、主張し、施策に取り組んでいる専門家や商業者が少なくありませんが、これは真っ赤なウソですから、いくら取り組んでも成果は得られません。

 商店街の空洞化は、商圏内の人々から“商店街は買い物行き先としてつまらない”と判断され、お客としての足が遠のくことで起こります。
なぜ陳腐化したのか?
一言で言えば、お客の消費購買ニーズが変化を求めているにもかかわらず、商店街及びそこに立地する個店群がそのニーズに対応する「変化」を提供できなかったから。

もう一つ、決定的な理由は、消費購買ニーズの変化に対応する新しい商業が同一商圏内に登場したことです。
消費購買ニーズが既存の商業施設に「陳腐さ」を感じても、それに代わる革新的な買い物行き先が提供されなければ、従来の商業施設を利用する以外に選択肢はありません。
しかし、あらためて言うまでもなく、商店街が空洞化して行くプロセスは、最初は商店街内部への新業容の登場から始まって、今日でははるか車立地の郊外まで新しい業容の商業施設がひっきりなしに登場するプロセスでした。
 変化に乏しい商店街に「陳腐」さを感じるようになっていた消費購買ニーズにとって、これら新業容の相次ぐ登場は、“自分の基準で買い物行き先を選択する”ことが出来る条件が提供されたことを意味しますから、買い物客の商店街離れを加速させました。
さらに、新業容の登場は、これまで商店街的買い物の場にさして不都合を感じていなかった客相にもあらためて比較対照して判断する機会が出来たことになり、比較した結果、新しい商業施設を選択する、という行動が圧倒的に増加したわけです。
 それも当然でありまして、新たに登場する商業施設は、既存の商業からお客を引き剥がすことを事業機会にするわけですから、新旧比較すれば新しい商業施設の方が“買い物行き先として優れている”と判断される可能性が高くなります。

新たに登場する商業施設は、商圏内の競合相手である既存の商業施設を一挙に陳腐化することで自らの事業機会を確保します。これは「差別化」などといった甘ったるいものではありません。

○スーパーマーケット:食料品店を陳腐化
○コンビニエンスストア:よろず雑貨店を陳腐化
という例を考えれば納得されると思います。

 商店街の空洞化は、そこに立地する個店群が陳腐化し、その集合としての商店街そのものが買い物行き先として陳腐化してしまったから起こっていることです。
中心市街地の都市機能が拡散せず、居住人口も減少していないにも関わらず、商店街だけが著しく空洞化している、という都市は珍しくありません。これは「人口論」では説明できない状況です。
また、通行量増大に取り組んだ結果、通行量は復旧したが商店街の活性化=繁盛店への回復は実現できなかった、という例も少なくありません。
こちらも「人口・通行量論」では説明できないことです。

 商店街の空洞化は、商業施設としての陳腐化から始まります。空洞化のスパイラルに陥っている商店街が活性化を目指すには、陳腐化からの脱出・新しい商業施設・「買い物行き先」としての再構築を目指さなければならない。

 ということで、いつもながらの結論です。

商店街活性化と繁盛店づくり

 商店街の通行量が増えれば、そこに立地する中小商業者の事業機会が増えるということで、多くの商店街で取り組まれている活性化事業のほとんどが「通行量の増大」を目的としているものであることは、今さら指摘するまでもありません。
ところが。

 この路線を推進している商店街には、今、二つの結果が現れています。

その一 なかなか通行量を増やすことが出来ない。イベントなどの催事があれば人出が増えるのですが、イベントが終われば元の木阿弥、とおりは一昨日のたたずまいに戻ってしまう。

その二 通行量は増えたが事業機会として活かすことが出来ていない。非物販の大型集客施設などを整備した結果、その施設を目的に来街する人は増えたが、買い物客の増加にはつながっていない。

 いかがですか。さらにそれぞれを敷衍しますと、

その一について。

 つまり、通行量の増大を目指して諸般の事業に取り組んでいるにも関わらず、通行量は減少するばかり、という商店街が圧倒的に多い。このことは、例えば、Webにアップされている各都市の新中心市街地基本計画の年度総括などをみますと明らかです。
 ほとんどの商店街の通行量が減少傾向からの脱却に成功していないわけです。
 
その二について、
 通行量が増えた商店街でも個店の繁盛にはつながっていないということです。通行量の増大=事業機会の増大と考えるならば、増大した事業機会を活用できていない、ということになります。シャッターの外側における状況の変化を自店の商売にプラスとして活かすことが出来ないのです。
イベントなどで活性化に成功した、といわれる商店街の多くに共通する現状だと思います。

 以上のことから分かること。
通行量の増大に取り組んでいる商店街は、通行量の増大に成功している・いないに関わらず、立地する中小個店(大型店も)の業績は以前として低迷していること、おそらくはさらに悪化しているであろう、ということですね。

 これが「通行量増大」を目的とする商店街活性化策に取り組んでいる商店街が直面している現状だということをあらためて直視しなければならない。
問題を直視しないで解決することは出来ませんからね。

 現下の商店街の状況でもう一つ大事なことを指摘しておきましょう。
それは、
“全体としての衰退傾向にも関わらず、ちゃんと繁盛している個店(群)がある”ということ。
全体としての商店街は大変な状況に陥っているが、にもかかわらず、繁盛しているお店がある、ということです。

 そういうお店を観察してみますと、きちんと「お客にとっての来店目的」を作り上げている、というところが共通しています。
“この店があるからわざわざこの街まで出掛けてくる”ということですね。お店の全体(品揃え・サービス・環境)が、お客から見て「買い物行き先」として愛用するにふさわしい業容を作り上げているわけです。
こういうお店は、商店街が通行量増大施策に取り組み、通行量が増えるとその成果を享受することが出来ます。
日頃からきちんと「わざわざお客が来てくれる」店づくりをしているところには、「通行量増大」の御利益があるわけです。

 他方、日頃お客が来ていないお店には“わざわざ出掛けるに値する”来店目的がありませんから、いくら人出が増えても「わざわざ」入店する動機となるものが提供されていないわけで、もちろん、入店客は増えません。
お試しに入ってきたお客も何も買わずに出ていってしまいます。

 以上をまとめますと。
1.通行量増大に取り組んでも通行量は増えないことが多い
2.通行量が増えても入店客は増えないことが多い
3.通行量に関係なく繁盛している店があり、通行量が増えるとさらに繁盛する
4.通行量の変化に関係なく、多くの個店の業績は低迷悪化の一途を辿りつつある
ということですね。

 これらのことから言えるのは、
1.通行量増大策は、商店街活性化の切り札ではない
ということであり、さらに
2.「来店目的」を提供できない個店は外部環境がどう変わっても低迷悪化のスパイラルから脱却することはできない
ということですね。

 一方、商店街全体の状況に関わらず、「来店目的」を作り上げている個店は、しっかり業績をキープしていることを考えれば、個店レベルの「来店目的」の整備こそが個店の繁盛~街の活性化の基礎であることは明らかです。

 これは“コロンブスの卵”でありまして、「繁盛する店づくり」に取り組んでいないお店は、店前の環境がどう好転してもその成果を事業機会として享受できない、ということを意味します。
商店街に新たな「事業機会」を創出しようとする試み(通行量増大もその一つ)は、事業に先立ち、または事業と平行して各個店の“わざわざ出掛けるに値する店舗”たる「来店目的」を作る仕事に取り組まなければならない、ということですね。

 これまで「通行量の増大は組合の仕事、増えた通行量をお客にするのは個店の仕事」と言われてきましたが、他の目的で歩いている通行者を自店のお客にするには相当の「来店目的のアピール」が必須条件であり、これは商店街立地の多くのお店がこれまでの経営経験だけではとうてい実現出来ない仕事です。
このことは、通行量の増大に成功していると言われる数少ない商店街に軒を連ねる個店のファサードを見れば一目瞭然です。

 ということで、商店街を活性化する、すなわち、商店街をあらためて「買い物の場」として活性化したかったら、なにはさておき、そこに立地している各個店の売場を「わざわざ出掛けるに値する買い物の場」へと改革改善しなければならない。
先述のとおり、これを「各個店の仕事」というわけにはいきません。百貨店、ファッションビルなどが軒並み不振に陥っている状況に於いて、“通行量を増やしてやるから後は自分で頑張れ”といわれても、何をどうすればよいのか、分かっており実際に実現できる人はほんの少数でしょう。
そもそも、今どき、売り上げアップを目的に「店前通行量の増大」だけに打ち込んでいる商業施設が、商店街以外に、ただの一つでもありますか?

 ということで、ホンキで商店街活性化に取り組むにあたって喫緊の課題は、
“売れなくて困っている個店を繁盛するようにすること”
であることに間違いはありません。
間違いは、“通行量を増やせば繁盛するようになる”という答えの方にあるのでありまして、これは商店街の実際に目をつぶっている人だけが口に出来るトンチンカンです。

 正しい取り組みは、「シャッターの内側の問題をシャッターの外側の取り組みで解決することは出来ない”という小売業の原則をキモに銘じて「シャッターの内側」の「買い物の場としてのあり方」の改革改善を組織的・計画的に推進すること。
個店の問題情況には強弱濃淡がありますから、「全店揃って一斉に」というわけにはいきません。緊急性の高い店、意欲のある店が率先して取り組み、成果を挙げることで他へ普及させていく、という進め方が現実的です。

 さて、以上については当サイトの創設以来の主張であり、耳タコ状態の人も多いのですが、本論はここから。

 新法(地域商店街活性化法)によって設立された㈱全国商店街支援センターについては、既に何度か紹介しています。
支援する事業の目的に「来街者を増大する」という冠が付いていることから、利用にあたっては相当の企画が必要だということを申しあげています。

 このほど発表された「個店研修事業」は、この範疇を超えておりまして、“全体の一割の店が繁盛すればその商店街は活性化する”という「仮説」に基づいて、商店街に繁盛店を作り出そうという、これまでは「個店の仕事」と見なされてきたレベルについて専門家を投入して支援を行うという、これまでに類を見ない画期的な施策です。

 さっそくの活用が望まれますが、10年来、商人塾事業などに取り組んできた経験を持つ当社からみると、この制度を活用して所期の目的を達成するためにはクリアしなければならない課題がいくつかかあるようです。

 それらの課題の検討を【商店街起死回生】で行います。

1.多くの商店街にとって喫緊の課題だが簡単には取り組めない
2.簡単に取り組むと成果を挙げられない
というのが「繁盛店づくり」です。

新法関連の記事:
『地域商店街活性化法』
『㈱全国商店街支援センター』
『新法と支援センターを活用する』

「テナント退出」という経営課題

 まさか、所有と利用の分離さえ出来れば、商店街活性化は大きく前進する、と考えている関係者はいないと思いますが(笑、
万一のために、若干問題提起をしておきます。

 その前にます、こちらをどうぞ。

『テナント退店・倒産問題対応セミナー』

開催するのは(社)日本ショッピングセンター教会です。

引用スタート********************

参加のおすすめ
テナント退店問題は、SC運営管理において避けて通れない重要課題です。テナントからの中途解約やデベロッパーが退店を促す場合、契約満了による退店等において、その都度、法的問題や金銭問題が発生してきます。また、テナントの突然の倒産への対応もあらかじめわきまえておきたい問題です

本セミナーでは、SC経営の根幹に関るテナントの退店問題や倒産問題に焦点を絞り、実務面、法律面から対応策を検討し、スムーズかつ適正なSC運営管理の一助にして頂きたく企画致しました。是非とも、この機会に本セミナーの受講をおすすめ申し上げます。

 引用エンド**********************

 いよいよ、経営不振によるテナント退出問題が、SC運営上の大問題となって来ました。
もちろん、この対策セミナーは退出・倒産が出たら、という対症処理でありまして、ほんとうの課題は「退出テナントを出さない」ということですね。

 「不動産の所有と利用の分離」をビジネスモデルの基礎にしているSCが直面している課題は、中心市街地において「所有と利用の分離」を活性化への道と考えている皆さん(上述のとおり、いると仮定して)にとってけして他人事ではありません。
そのまんま、皆さんの上にど~んと落ちて来る問題です。

 それにしても。
確かにこういうセミナーの必要性はあるのですが、それよりも大事なことは、「退出テナントを出さない」ということです。

 退出テナントの処理が終わって「やれやれ」と一息ついたのもつかの間、日をおかずに次の退店申し入れが来る、というのはけしてあり得ないことではありません。

 さらに。ほんとうに恐ろしいことはその後に続いて起こります。


□リーシングはOKか

 退出テナントが一件落着すれば、次はというか平行して空きスペースに招聘するテナントを探さなければならない。
テナントリーシングですね。これが難問です。

 昔は、業績不振に陥ったテナントはとっとと退出してもらいました。空きを待っている予備軍は引く手あまた、選り取り見取り。
よそのSCで業績を挙げている企業を招聘することが「テナントミックス」だったのです。テナントミックス=テナントリーシング。

 むかしは良かった。
もはや、こんなことが出来るのはごくごく限られたところだけ。多くのSCでは退出された空きスペースに入ってもらうテナントが見つからず、ずうっと空いたまま。
仕方がないので、ベニヤで囲ってその上に絵を描いたりしています。
商店街のシャッターペイント事業まんまですね。

 当サイトでは空店舗問題とは、空店舗が出ることではなく、空き店舗が埋まらないことだといい続けてきましたが、商店街に遅れることわずか数年、SCでもまったく同じことが起きるようになったわけです。
空洞化は空店舗が出るからではなく、空店舗が埋まらないから、起きることであり、したがって空店舗対策のスタートは“これ以上空店舗になる店を増やさない”ということなのですが、まだ理解できないか(笑

 さて、紹介したセミナーでは「倒産」もテーマになってします。
チェーン店の場合、当SCの店舗だけが成績が良くても、他がダメならアウトです。極端な場合、当SCの稼ぎ頭=デスティネーションの有力な要素である店も、企業トータルが不振~倒産でやむなく退出、ということは十分あり得るわけで、そうすると大事なテナントミックスにぽっかりと穴が空く。
チェーン企業倒産~退出は、多くのSCに共通しますから、後釜に据えるテナントの争奪戦も熾烈になる・・・。

 というわけで、これは従来全国チェーンの出店に依存してきた政令都市や県庁所在都市級の中心商店街にも共通するところです。
これからも退店が相次ぎますが、残念ながら後継テナントのリーシングは無理です。
空店舗が埋まらないのは家賃が高いから、といったレベルの話ではとうの昔になくなっているのです。

 あらためて、「中小小売業の競争力の根幹」と言われる「業種揃え・店揃えの最適化」への取り組みの緊要性が痛感されます。
これはもちろん「空地空店舗への欠業種の誘致」ではありませんから、然るべく理論武装をしてからでないと有効な取り組みを構築することはできません。

韮崎商人塾修了!

 昨日をもって全過程を修了、修了式が行われました。
修了証書の授与に先立ち、塾生による「経営革新ビジョン」が発表されましたが、いずれも大変立派なものでした。
当初は難しいのではないかと思っていましたが、杞憂でした。
経営理念、期間目標,数値目標などが体系的に構築されています。
理論の修得、技術の転換・試行、ビジョン作りへの挑戦と多角的に取り組んできた成果です。
発表を聞いていると、達成に向けての自信が伝わってきます。
達成に向けて、自助努力と相互扶助の精神で前進してください。

 これからの商人塾は「ビジョンの作成」をスタンダードの課題にすることを検討したいと思います。

 韮崎商人塾は、一期の修了直後から「フォローアップ事業」への取り組みが検討されており、状況では10月からスタートすることになります。
他方、来年度は二期の実施が予定されており、昨日昼間は候補者の店舗を訪問、リクルート作業でした。

 個店~商店街~中心市街地活性化を牽引する商業者のg中核グループが誕生し、その輪を拡大していく大きな一歩が確実に踏み出されました。
事務局を勤められた韮崎市商工会事務局の皆さんのご苦労に対し、心から敬意を表するとともに、取り組みのいっそうの発展に向けたご活躍をお祈りします。

商人塾交流会

 甲府市・韮崎市両商人塾による交流会が次のとおり開催されました。

期 日:19月10日(木)
場 所:甲府市中心商店街
次 第:16:00~18:00 店舗巡回
    18:00~21:00 懇談会

 韮崎承認塾の皆さんによる店舗巡回は、甲府側のメンバーによる案内のもと、二手に分かれて参加全店を訪問、勉強に基づく仮説~試行の実際を見学し、合わせて質疑が行われました。
皆さん、塾で勉強した内容が実際に店舗で実現していることに感心仕切りでした。
塾で学んだ理論に基づく仮説~試行の実際について一度にたくさん見る機会を持ったのは、韮崎市の皆さんが始めてです。
得るところが多かったことが懇談会で報告されました。

 懇談会は、甲府市の宇野副市長さん(国交省)を特別ゲストに開催。それぞれの取り組み状況の報告を兼ねた自己紹介を行った後、懇談。

 「10年来の知己に会ったような」親密な懇談が会場中で行われました。
一見同士の皆さんがまるで長年の友人であるかのように、それぞれの商売や塾の活動について話会われる情景は、多分、他では見られないと思います。

 これは、
1.基礎体力を共有している
2.基礎体力の応用による店づくりの転換に取り組んでいる
という「共通の土俵」の上で成立しているのだと思います。

 これを皮切りに両商人塾の交流は深めていくことが確認されました。次回は韮崎市で10月に。

 私は、地域商店街活性化法の「個店研修」について説明しました。いよいよ、点(個店)~線(商店街)~面(中心市街地)という段階的取り組みが、国の施策として本格化することを報告し、その先頭に立ってがんばって行きましょうとご挨拶。

 両商人塾の取り組みについて関心がある人は視察を計画されていかがでしょうか。

 今日は韮崎商人塾の最終回。
経営ビジョンの発表、最終講義、修了式が行われます。
3ヶ月にわたって取り組んできた3時間×10回の講義、巡回ですが、当初予告していたとおり、文字通り、あっという間に修了、明日からは新しい局面での「仮説~試行」が始まります。

中小小売業の基礎体力

定 義:変化する」環境の中で「繁昌」を維持し続けるために必要な能力。

その内容:
環境の変化に応じて、繁昌を実現していくためには、
①変化を察知し理解する能力
②対応の方向と方法を構想する能力
③実践力
が必要です。
もっと広い意味では「問題解決能力」です。
特定の・直面している問題などの解決に必要な能力ではなく、起こる可能性がある問題にことごとく対処できる、発生した問題に合わせてその問題の解決に必要な能力として現れることができる「一般的な能力」です。

商店街立地の独立自営小売業者たるもの、
1.商店街を取り巻く環境の変化を理解して、
2.変化に対応し、繁盛する業容(店づくり)を実現する
ために必要な能力を持っていることは当たり前ですね。

※環境の変化を理解する能力
※変化に対応する業容を作り出す能力
が必要であり、これは小売業が存続するためには不可欠の能力、ご承知のとおり、当サイトではこれを「基礎体力」と呼んでいます。

○「百年に一度の暴風」に対処するには基礎体力が必要です。
○百貨店も量販店も絶体絶命の苦境に陥っている最中に勝ち残っていくためには基礎体力が必要です。
○来街者数・通行量の増大を事業機会に活用するには基礎体力が必要です。

 基礎体力の現状などのチェックもせず、したがってその「補強・入れ換え」などもしないまま、シャッターの外側の「周辺事業」にいくら力を入れても、その結果をシャッターの内側の成果として享受することは出来ません。
これまで取り組んできたイベントやコミュニティ施設の設置などでお分かりのとおり。

 そうは言っても他に何をして良いか分からない“やらないよりやった方が少しでもましだろう”といった消極的な理由で事業に取り組むのは、せっぱ詰まって後がないこんにち、許されることではありません。

 小売業の経営は、創業以来のノウハウ+創意工夫でなんとかやって来ましたが、未曾有の環境変化・転換期の真っ最中に至っているこんにち、もはや基礎体力レベルの見直し、強化無くして将来の繁盛を展望することは出来ません。
これは商店街の皆さんだけではなく、百貨店、量販店あるいはショッピングセンターなどにも言えることです。

 中でも最優先で取り組まなければならないのが、他ならぬ商店街の皆さんです。
個人個人の日々の生活に直結していますからね。

 ということで、あらためて「基礎体力の強化向上」については、独立自営小売業者の皆々様には、商売を続ける限り、サボることが出来ない一生ものの課題だということをしっかり自覚され、しかるべき方法をもって実現に取り組まれますよう、あらためて提言致します。

 参考:
今どき、商店街活性化のリーダーさんたちは何を提案しているか。

その一

その二

「物売り」はもはや諦めているらしい。

「個店研修事業」 商店街支援センター 発動

 新法によって提供される画期的な支援制度:「個店研修事業」

 さっそく公募が始まったようです。

“一割の店舗が繁盛すれば街は賑わう”
当社商人塾と趣旨が一緒、ついに、
“中心市街地の活性化は商店街の再生から”
“商店街の再生は儲かる個店の輩出から”
という方向への画期的な一歩が踏み出されるわけですね。

 「個店研修」制度の成功を心からお祈りします。
当社も微力ながら出来ることがあれば協力して参りたいと思っています。
全国有志の皆さんとの協働で蓄積したきた繁盛店づくりのノウハウ、普及させないともったいないです。

 まずは手を挙げる商店街がどれだけあるか。
断らなければならないくらい多いと商店街もまだまだ捨てたものではない、ということですが。

ということで、皆さん、ふるって応募してください。
この制度についてはサイトの【商店街起死回生】で週末から取り上げます。

☆ 商人塾の交流会

 本日午後、既報のとおり、甲府市・韮崎市両商人塾の交流会が開催されます。
第一回目は、先輩である甲府商人塾の参加各店を巡回させていただき、その後、席を設けて交流会。
全国はじめての試み、両商人塾の皆さん、とても張り切っていおられるご様子、もちろんtakeoも楽しみにしています。
たくさん収穫を作りましょう。

やがて全国規模の交流会もでっち上げたいものですね。

商人塾の発起

※ 10月スタートする商人塾

○『北の商人塾』
主 催:釧路市中心市街地活性化協議会
期 間:平成21年10月~22年3月(お披露目イベントまで)
講 師:㈲クオールエイド 武雄信夫

 今春3月に勉強会で提案したところ、さっそくの実施となりました。特徴は活性化協議会主催というところ。
中心市街地活性化の取り組みのど真ん中に位置づけられ、各種事業と平行して取り組まれることから、連携・相乗効果の発揮が期待されます。

○『ゆんぬ商人塾』(第二期)
主 催:与論町商工会
期 間:平成21年10月~22年1月
講 師:㈲クオールエイド 武雄信夫

※修了間近

○『韮崎商人塾』
主 催:韮崎市商工会
期 間:平成19年6月~9月
講 師:㈲クオールエイド 武雄信夫
今週は、甲府市商人塾との交流会、経営革新ビジョンの発表会、修了式と続きます。

※その他
 実施に向けて鋭意合意形成中のところが数カ所。

  ご存じのとおり、当社提供の商人塾は、3時間×10回の講義と臨店指導などにより、
①参加者のお店の繁盛を実現するとともに
②商店街活性化の現実性を実証し、
③商店街・中心市街地活性化の取り組みの面的展開の加速
に貢献するものです。

 早い話。
各般の取り組みによって「来街者・通行量の増大」に成功したとして、それを「入店客・買上客」に変えていく仕掛けはどう考えられているのか?
ということもありまして、売り上げアップが必要ならシャッターの内側の取り組みが不可欠ですが、シャッターの内側、何をどう変えればよいのか?

 さっぱり分かっていないのが「通行量の増大」に注力中の皆さんの現状です。
通行量VS商人塾、これからどんどん差が付いてきます。

通行量を入店客に転換する

“いうは易く”でありまして、気楽に提唱している人たちが実現できることではありません。

 思考実験です。

 店前を通っている人が入店客に「転換」する過程を考えてみましょう。

①店舗に気づく “お、それらしい店があるじゃん”
②興味を持つ “フム、面白そうかも知れない”
③入ってみる気になる “ちょっと冷やかしてみるか”
④決 心 “時間もあるし、ちょっとだけ”
⑤入 店
というようなプロセスを経て、通行人が入店客になるわけですね。
(ちなみに、①~⑤はAIDCAです。)

 さて、このプロセスはもちろん店舗全面の路上で展開されるわけですが、各プロセスをさらによく見てみましょう。

①店舗に気づく
 通りを歩いている人にとって、店舗ファサードは正面を向いて歩いていてはよく見えない位置関係にあります。
進行方向を直視して歩いていては店舗ファサードを十分見分することは出来ません。なにがしか首を曲げタリしないと店舗を十分みることはできません。つまり、歩行者にとって「わざわざ見ないと店舗は見えない」のです。

 しかも、中小小売・サービス業の店舗の前を通るの要する時間は、ものの2,3秒ですからね。
2,3秒の間に、
①ー1 店に気づく
①ー2 もっとよく見ようと意識する
ということが意識的に行われなければならない。

問い:どうすればこういうことが起こせるか?
答え:店舗ファサードに適切なアピール力を持たせることで。

ということで、通行量を入店客に変えるための第一歩は、店舗ファサードを適切に演出することです。
よろしいですか。店舗ファサードが「わざわざ見てみよう」という気持を起こさせることが出来なければ、通行量は「通行人1」のまま、お客に変わることなく通り過ぎていきますからね。

 通行量を入店客に変えるには、お店の側の努力が必要です。
第一の努力は「店舗ファサードの演出」です。
ちらっと視界に入ったファサードの様子が通行者の関心を呼び起こし、もっとよく見てみようと歩行速度を緩め、顔をファサード側に傾ける、それからショーウインドに近寄り陳列されている商品群をチェックする・・・。

 ファサードの演出だけではダメ、ショーウインド(店外からの可視部分)に陳列された商品群の質感、陳列のセンス・・・・。
これらがすべて「フム」と感じられない限り、入店につながることはありません。

 如何ですか。
“商業振興策だけでは商店街は活性化できない”
“通行量を増大することで事業機会を増大しよう”
というシナリオですが、これを実現しようとホンキで考えるなら、相当高度な「店舗作り技術」を装備していることが前提になります。今どきのお客を“その気にさせる”店づくり技術を装備していなければ、いくら通行量が多くなっても、入店客は増えません。
非商業活性化的事業に取り組んだ結果、通行量は増えたが入店客ー売り上げは増えなかった”というありがちな事例は、「店づくり」を省略したままで通行量増大に走った結果ですね。

 あらためて強調しておきますが、繁昌していない個店、商店街が店前通行量を増やすことで来店客アップ、売り上げアップを目論んでも、上で検討してきたとおり、実現することは出来ません。
通行量をお客に出来るのは既に繁昌しているお店の特権、今からなんとかしなくちゃ、というお店には不可能なことです。

 ということで、通行量を増やせば事業機会が増える、増えた事業機会を活用することで商売繁盛、というシナリオは実践レベル通用いたしません。
“通行量の増大”と目標に掲げている皆さんは、増大した通行量をどうやって「入店~買上客」に変えていくのか、この際、しっかり考えてみてください。
商業理論も技術も見るべきものはほとんど無い、という条件の下でひたすら「通行量の増大」に取り組もうとしているわけですが・・。

あらためて、通行量の増大=事業機会の増大=商店街の商売繁盛となるものかどうか、じっくり考えてみられることをお奨めします。
この作業は、ご自分のため、ですからね。

かごしま 商い繁昌塾

 【目指せ!繁盛店】で取り組んできた」、">「勉強会の趣旨説明」、本日、骨格部分が終了しました。
後は補足説明及び質疑です。

 受託した勉強会の趣旨・内容についてあらかじめサイト上で説明の機会を設けるというのは、当社にとってもはじめての経験、はたして成果があるものかどうか。
お誘い合わせの上、活用していただくと取り組んだ甲斐があります。

 また、これから勉強会を企画しようか、という人にとってもs参考になるのではないかと思います。

 不可逆的な環境の変化やそれへの適切な対応の方向・方法などについての情報や技術を何一つ持っていない、いってみれば「因幡の白ウサギ」的状況のまま、“通行量を増やすことで事業機会を増やすから活用せよ”といわれても何をどうすればよいのか、あらためて考えてみますと五里霧中ではないでしょうか?
通行量の増大に成功しているといわれる商店街でもその通行量を「入店客」にした、繁昌するようになった、という例はほとんど無いようです。

 これはもちろん商店街の皆さんに限ったことではありません。
百貨店、ファッションビル、ショッピングセンター条件はどこも同じ、“通行量を増やすから事業機会に活用せよ”といわれて、待ってました!と右から左へ活用策を立て、見事繁昌実現に結びつけられる業種・業態・企業はありません。

 こういうことを考えている人は、是非、店前通行量の増大を事業機会の増大として活用する方法を提示していただきたい。

 このところ、来訪者増大か商業機能の充実か、というテーマに集中しているため、思わず話がそっついの方にいってしまいましたが、通行量が増えて得するのは日頃から「個店の充実」に取り組んでいる個店だけです。通行量の増大策に取り組み成果を挙げようとするなら、“個店の売場の充実”は絶対条件です。
勉強の機会を共有することで、個店の繁昌と商店街活性化の方向がシンクロすれば、今後の商店街活性化の取り組みが、ビシビシ、個店の業績アップに反映するようになります。

今回の勉強会にはそのつもりでお誘い合わせの上是非ご参加ください。
なお、質問などありましたら上記URLの記事にどんどん書き込んでください。

賑わうまちづくりは通行量の増大から?

 基本計画には「活性化の目標」をいくつか掲げることになっていますが、ほとんどの計画は、消費者のニーズとして“商業機能の充実・強化による中心市街地の魅力アップ”が指摘されるなかで、

1.“商店街の店舗が持つ専門性やきめ細かなサービスのいっそうの向上を図り、消費者にとって魅力的な商業空間を作る。

2.多彩なイベントの開催や情報の発信を行うことで、広域の住民が関心を持ち、訪れたくなるまちづくりを実現する。

3.地域に根付く伝統文化や祭りや、街区内で行われる多様なコミュニティ活動への参加を促進するなど、来街機会を増やし、いつも多くの人で賑わう街として再生していく。

 と、まあ、大体こういう目標が掲げられているようです。

 すなわち、「賑わう街」を作るためには、
1.商業機能の充実強化
2.イベント、情報発信
3.コミュニティ活動
などに総合的に取り組んでいくことが必要だと考えられているわけです。

 さて、目標の第一位に挙げられていることが多い「商業機能のj充実強化」、魅力あるショッピングゾーン作りですが、実際に展開される施策とその結果はどうなっているか?

 施策としては、
1.大型店の誘致
2.欠業種の誘致
などが挙げられることが多い。
実現したところ、していないところがあります。
欠けている施策としては、既存個店の「売場の充実強化」という課題への取り組みです。
基本計画を作る段階で本来なら実施しなければならなかった“中心市街地の商業機能の現状分析”という作業を省略したために、既存個店の充実強化という最大・喫緊の課題がスルーされてしまいました。

 その結果「商業機能の充実強化」は、空地・空店舗へのテナント誘致だけで取り組まれることになりました。
1.再開発による大型店の新設
2.大型店撤退後の空店舗への再誘致
3.チャレンジショップなどによる中小空店舗の活用
というように。

 今どき、空洞化スパイラルに陥っている中心商店街で成立する既存の大型商業施設といえば、スーパーマーケット位しかありませんが、ご承知のとおり、商店街の商圏に比べれば限られており、集客核とはなり得ません。また、チャレンジショップはこれから新たに商業にチャレンジする人たちの「試作業容」ですから、チャレンジショップ群をもって「魅力ある商業機能・商店街」の中核に位置づけることは出来ません。

 そうこうしている間も既存中小個店群の劣化はどんどん進みます。

 ということで。
 基本計画の作成にあたっては、中心市街地に立地する商業機能の評価を行い、課題を抽出して取り組みを計画する、ということが必要でしたが、ほとんど取り組まれておらず、したがって「自分たちの自助努力で取り組むべき・既存個店の商業機能としての充実・強化」という課題への対応はまったくと言っていいほど計画されていません。

 その証拠。
 御市の中心市街地では、新旧の基本計画に基づいて自店の改革に取り組んだ、その成果で繁盛を再現した、という既存個店がいくつありますか?
もっぱら、新設する大型核店舗、空店舗に誘致するテナントをもって「魅力ある商業機能」の主役に位置づけ、既存所業者はあたかもそれらの施策の「受益者」であるかのようなポジションになっていませんか?

 商店街の全盛期とは様変わり、もはや、自店の「買い物の場」としての魅力以外の要因で物販事業を繁盛させることは出来ない時代ですから、通りの様相がどう変わっても、売場が変わらない限り、個店の繁盛はありません。言うも愚かながら、個店の繁盛がなければ商店街の繁盛=賑わいもありませんからね。

 さて、「既存個店の売場の革新」という課題を直視できなかった、したがって「活性化」へのシナリオを描けなかった取り組みはどこへ向かうか?
「通行量の増大」です。

 もともと、「商業機能の充実強化」で実現するはずだった「まちの賑わい」ですが、いつの間にか「まちの賑わいで商業機能を強化する」というように本末転倒しました。
商業機能の活性化は至上命令だ
しかし、個別売場の改革には着手できない
ということから、落ち着いたところが「通行量の増大」です。

 これは「個店のシャッターの内側」には口も手も出したくない商店街の執行部にとっても当然のことでありまして、毎度のことながら、“来街者を増やすのは組合の仕事、増えた通行量をお客にするのは個店の仕事”というわけで、「商業機能の充実強化」についての施策も「既存個店の自助努力」も一切触れていない基本計画が活性化協議会においてすんなり認証されています。
「商業機能の充実強化は個店の仕事」としている基本計画に「成功事例」はありませんからね。

 ちなみに『商店街77例』にも“各個店の自助努力による
商業機能の充実”に取り組み成功した、という事例はありません。ということはもちろん、77例には「商業機能の充実強化に成功した”という事例はほとんど無い、ということですね。(それともありましたかしら?)

 もちろん「通行量増大」を提唱してやまない学識経験者のうち、“通行量が増大すれば商業機能の充実強化が実現し、街は賑わうようになる”ことを論証したはただの一人もおりません。
そういうことを論証することは必要ない、と考えてられているのでしょうか?

 最近制定された「地域商店街活性化法」には期待するところが大きいのですが、同法では「商店街活性化事業」について、
“・・・当該商店街の区域及びその周辺の地域の住民の生活に関する需要に応じて行う商品の販売または役務の提供、行事の実施等の地形であって、これらの事業を行うことにより当該商店街への来訪者の増加を通じて(中略)中小小売業者または中小サ-ビス業者の事業機会の増大を図るものという”(法第二条2)

 つまり、活性化事業とは“来訪者の増大を通じて中小小売業者、サービス業者の事業機会び増大を図る”事業のことです。
趣旨は大いに結構であり、その必要性に意義はありません。
 しかし問題は、
“当該商店街に立地する中小小売業者・サービス業者は、活性化事業の実施で増大するであろう事業機会を「わがものにする」能力を持っているだろうか?”
と言うところにあるのでありまして。

 経営資源で比ぶべきもない位置にある百貨店やショッピングセンターなどでさえ、業績不振に陥っているこの時期、わが商店街立地の商業・サービス業者だけが「通行量の増大=事業機会の増大」が実現されればそれを活用して自店を繁昌させうるだけの経営能力を持っているとは信じがたい。
基本計画を作る時点でちゃんと調査分析をしていれば、その実力のほどは確認できたはずですが・・・。

 冒頭で紹介したように「目標」設定に際しては、「魅力ある買い物行き先」としての再構築が目標とされたのですが、施策を計画する間にいつの間にか、「魅力ある買いもの行き先」は「通行量の増大=事業機会の増大」さえ実現すれば、なぜか、実現してしまうことになってしまっています。
既存の基本計画に例外無し。

 『商店街77選』に収録されている商店街のほとんどが「商店街活性化事業=通行量増大策」に取り組んでいる事例です。取り組んだ結果。通行量の増大に成功しているところ、成果が挙がるに至っていないところ混在しているようですが、いずれにしても“通行量が増大した結果、既存の終章小売業・サービス業の機能が充実強化された”と言う事例は皆無であると断言することが出来ます。

なぜ、断言できるのか?
商業・サービス業の機能の充実強化は、直接、それぞれの機能を構成する下位機能(そのほとんどが個店のシャッターの内側にある)を充実強化することによってのみ実現できることですから、真っ正面からこれに立ち向かうことなく、周辺事業でしかない「通行量増大」のみで活性化=賑わいを実現しようというのはあまりにも筋の通らない話というか、虫のいい話というか、いずれにしても地域住民の消費購買行動の対象として選択されることはありません。

 通行量増大だけではなく、2の情報発信や、3のコミュニティ活動についても同様でありまして、こういうことに取り組んだからといって、中小小売・サービス業の機能の充実強化が実現することはありません。

 奏功しているうちに。
「商店街活性化事業」に取り組んでいる間も商店街既存の小売・サービス業の機能は劣化の一途、やがて好むと好まざるとに関わらず、商店街から退出することを余儀なくされる・・・。
これまでの経過と同様、まったく改善さてません。

 と言うことで、
「通行量の増大を図ることで中小サービス業者の事業機会の増大を図る」ことは結構ですが、取り組みを成功させるにはその大前提として、中小小売・サービス業者が「事業機会を活用し商売を繁盛させる」力量を持っているのかいないのか、シビアに見極め、不足しているとすればそれを強化する施策を講じることが必要ではないか?

 商人塾的活性化への道、既存個店群の「事業機会を自助努力で創出する」方向と方法を選択、実践している皆さんは、あらためて、方向と方法の実証と普及に邁進する、という決意を新たにしていただきたいと思います。
商人塾的方向、いうまでもなく、自店のみが繁昌すれば良いというものではなく、自店を礎に点から線・面へと拡大していくこと、同時に広域・全国レベルでいえば先駆的な都市からスタートして点から線・面への拡大があってはじめて「商業機能としての中心市街地・商店街の活性化=商業街区としての賑わい」が達成されます。
前提としての流通チャネルお維持・活性化という課題を考えれば当たり前のことですね。

 中心市街地活性化、積年にわたる国家的政策課題ですが、全般的な経済政策、経済成長戦略との関連で論じられることはありませんでした。
このこと自体が、中心市街地活性化と言う課題の経済的政治的重要性が正当に理解されていないことの現れかも知れません。今後の取り組みはこういう可能性を踏まえつつ、さらに実践的・実証的に推進することが必要です。

参考:中小企業庁編『がんばる商店街77選』

うち、既存中小小売・サービス業者の自助努力による「商業機能としての魅力づくり」に取り組んでいる唯一?の事例

大阪市天神橋三丁目商店街

 つまり、少なくとも全国に「参考事例」として紹介されるような現下の取り組みにおいて、“中小小売商業の競争力の根幹”である「業種揃え・店揃えの最適化」に曲がりなりにも取り組んでいるのは全国でただ一個所だけ?

 もちろん、リストに紹介されていない都市では追求されているかも知れません。

繁盛店の創出と推進体制の強化

 計画の進展状況の如何を問わず、各都市が共通して直面している課題は、
1.商店街の既存店舗のなかから繁盛店を輩出すること と
2.活性化を牽引する「推進体制」の強化
の二つです。
このことについて、“イヤ、うちはどちらも上手く行っている”と胸を張れる人はほとんどいないと思います。

 まず、繁盛店づくりの創出について

 整備改善活性化法の制定以来の取り組みで未だに「繁盛店への転換」についての筋道が作られておらずいません。全体的に業績がていまい、悪化する中で例外的に業績を維持あるいは向上させているものがあっても、これはホントに例外でありまして、その理由を分析し、一般化し、応用するということにはほど遠い。
一方で“活性化を実現するため不可欠の事業”として計画された各種の事業については、支援制度の充実もあり、着実に消化されているようですが、その結果は芳しくありません。
 そうしている間も既存個店の劣化スパイラルは厳然と進行しており、全体としての商店街が壊滅寸前に至っている、という事例も多くなっているようです。
強調しておきますが、「活性化」という冠をかぶせた事業への取り組みが実施されている最中ですからね。

 各種事業への取り組みの結果として「既存個店の繁盛・業績の好転」を実現する、という目論見が崩れているわけです。
こうなったからには、やるべきことははっきりしています。
「既存個店の繁盛・業績の好転」を直接の目的とする事業を企画し、最優先で取り組むこと、です。
「商店街の総意」の熟成などを待っていたのではいつになるか分かりません。
突破していくには「有志による先行」を企画、GOサインを得なければならない。「商人塾方式」ですね。

 さらに、実行する取り組みは、実際に当初掲げる目標=既存個店のうち、事業に参加するものから繁盛を実現するケースが続出する、ということを達成しなければならない。
状況は差し迫っており、業績の好転(=売り上げ向上)ヲ実現しないと経営の存続が難しい、という既存店は少なくないと思われます。「あそこは大丈夫」と関係者が思いこんでいるかっての「繁盛店」も行き詰まっているかも知れません。当社の経験ではそういう事例は少なくありません。

 問題は、誰が「繁盛店の創出」という古くて新しい課題を提起し、取り組み構築へのスタートを切るか、ということですね。
実際にやったことのない人には分からないでしょうが、実施にこぎ着けるには難しいあれこれがあります。
が、突破し、実施に向かわないと商店街の明日は拓けません。

第二に、推進体制の強化。
 改正中活法で登場した「活性化協議会」はスキーム上では「翼賛機関」にすぎないのですが、どういうわけか「司令塔」的な認識をもっている人が多い。“実施は活性化協議会”としておけば字面上は整いますから便利です。ただし、一皮めくるとこれは各種団体が構成する協議機関に過ぎませんから、書類授受の窓口程度のことしかできません。

 そもそも「中心市街地活性化基本計画」を所掌しているのは誰か?ということが不分明でありまして、これを明文化している基本計画はすくないようです。このあたり、基本計画の行く末が案じられるところです。

 推進体制をどう再建するか。

 昨日、、「中活法のスキームに則って中心市街地活性化に取り組み、(これまでのところ)成功している事例」を取材しました。、成功事例というのは、昨日今日成功したわけではありません。基本計画の作成プロセスから営々とした取り組みの積み重ねとしてこんにちの成功があるかわけですから、これまでの取り組みで成果を上げていないところが、右から左、真似ればすぐ成功する、というわけにはいきません。
これ前えの取り組みで成功していない都市は、成功事例に学ぶ、そのノウハウなどを採用して成功に向かう、というお手軽は不可能です。その理由は上掲記事で今後詳しく説明します。

 あるべき取り組みは、従来・既存の組織は組織として、プロジェクトチームとして「中心市街地・既存個店から繁盛店を輩出する」ことを唯一の目的とするグループを結成する、ということ。

 商業者・商工団体(&TMO)・行政という関係三(四)者があらためて中心市街地活性化を一体的に推進していく体制を構築しなければならないわけですが、スタート以来の経過を考えれば、これはマイナスからのやり直しですから、一筋縄ではいきません。
総括だ、見直しだ、と論議詮議の間にも商店街消滅のタイムリミットが来るかも知れません。

 ということで。
中心市街地・商店街活性化のスタートであり・ゴールでもある「既存個店の繁盛」実現は、最喫緊の課題であると同時に、低迷している取り組みを蘇生・活性化する契機となる「戦略課題」です。
この取り組みの立ち上げ・成功が、中心市街地活性化全体の命運を握っています。
何が何でも、取り組みを実現しなければならない。
まずは、取り組みを仕掛けていく少人数の「プロジェクトチーム」を関係各方面の合意のもと発足させることが必要です。

 わが商人塾は、この取り組みの先駆的な試み、実践段階にある中心市街地・商店街では、有志の能力の転換、推進のためのノウハウの蓄積が進んでいます。
この取り組みについては、「先進事例」に学び、学ぶことで成果を加速することが出来ます。

 ただし、取り組みを思い立たないところ・人には関係のない話です。

今どきのタウンマネージャーさんたち

過去記事
『タウンマネージャーさんの憂鬱』
2007年、「法」改正直後の記事です。

 その後、改正中活法に基づく基本計画の認定が続いていますが、タウンマネージャーさんを公募で確保しようという都市が多いようです。指名してスカウトするというのがあるべき採用パターンだと思われますが、心当たりがないということでしょうか。

 それにしても。
タウンマネージャーという職能は、「活性化の方向と方法」、「推進体制」が確立されていてはじめて役に立つわけですが、多くの都市では本末転倒
タウンマネージャーさえ確保すれば、後は順風満帆、と錯覚されているのではないか、と思われる節があります。

 いろいろなマネージャーさんと知り合いになりましたが、力のある人もそうでない人も悩みは同じ、立ち位置・職務がはっきりしない、ということです。

 中心市街地活性化の推進、文字通り、その全体をマネジメントさせる、という位置づけでないと設置する必要はありません。
イベントの仕切、空店舗バンクの管理程度ではウデのふるいようがないのではないか。宝の持ち腐れ。

 もっとも空店舗のマネジメントでも手に余る、という人もおられるようで、タウンマネージャーさんもいろいろです。

 もとはといえば、基本計画が
①中心市街地の活性化=都心商業街区における都市機能の増進と経済活力の向上を実現していくシナリオ&主要事業の計画
②目的を達成していくために必要な能力の確保、推進体制のの構築
という基本機能を果たせるレベルで作られていないというところに問題がある。
本来なら取り組みの中核に位置すべきタウンマネージャーが機能しなくなっているということの真因はここにありますから、ことはタウンマネージャーに止まらず、中心市街地活性化の成否にモロに関わっているわけです。

 この情況から如何に脱却していくか?
ということが課題でありまして、今週末からスタートする「中心市街地活性化・成功事例」の検討では、ズバリ、この問題に肉薄します。

商店街のテナントミックス

 猫も杓子も[テナントミックスに取り組んでいる”わけですが、ちょっと待った、そもそもテナントミックスって何だっけ?

 ということで2003年の記事です。

 以来6年を経過していますが、残念ながら、未だに本格的なテナントミックス論議は(当社が知る限り)見あたりません。

 商店街のテナントミックス、一言でいえば「業種揃え・店揃え」のことです。もちろん、空店舗を利用して欠業種を誘致しようという話ではありません(そういうレベルの話が多いのですが)。
国が提唱する“中小小売商業の競争力の根幹”としての「業種揃え・店揃え」(『基本的な方針』P11)のことであり、商業集積全体の売場ミックスとして実現する「来訪目的・商業集積が実現するショッピングデスティネーション」の実体です。(もっとも国も最近はあまり強調しなくなっています。通行量原理主義の影響でしょうか。)

 テナントミックスを追求する、といったとたん、
①当該街区のショッピングゾーンとしての性格を決定する。
②テナントミックスを実現していく方法を決定する。
③テナントミックスの実現(これがタウンマネジメントの中核業務)
という一連の取り組みは必須です。
 当然、既存個店群も従来の自己流の業容から一皮むけた「来街目的を分担する業容」へと脱皮することが要求されるわけです。

 この作業をスルーしたままで“買い物行き先として魅力ある商店街”とか“回遊性のある商店街”などを目指すというのは、当今の小売商業の「現状と課題」についてなぁ~んも分かっちゃいない”ことを自白しているようなもの。

 中心市街地・商店街活性化の方法として当社が提唱し、各地の有志とともに商人塾の取り組みを通して実現を目指している“点から線、線ら面への展開”とは、まさにこの「テナントミックス」を実現する戦略に他なりません。
 ちなみに、中心市街地の商店街群をはじめとする商業機能が一体となって実現する新しい商業機能が「ラグジュアリィ・モール」を核とすることも皆さん既にご承知のとおり。

 皆さんがまだご存じでないのは、ラグジュアリィモールを目指す実践が既に各地でスタートしていること。
各地の商人塾はまさにこの戦略による中心市街地・商店街活性化を目指しています。

 商店街のテナントミックス、商店街立地での「繁盛」を目指す人ならば、好むと好まざるとに関わらず、きちんと理解しておくことが必要です。

 上記の記事、折を見てその後、こんにちまで実践的・理論的進化を踏まえて全面改訂するつもりです。

明日は、記事『中心市街地活性化 成功事例』
関連で諫早市を取材します。
 これまで皆さんが見聞しておいでの事例とはレベルの違う話になると思います。
お楽しみに。
有限会社クオールエイド
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  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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