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時間堪能

Date: 2009-08-17 (Mon)

 ご承知のとおり、「時間堪能」はtakeoの造語ですが、思いついたのは20世紀末(笑
2004年の当サイトの記事、埃を払って紹介します。
言っていることは今とたいして変わりません。

引用スタート*****************

『品定め・店定め 』

投稿時間:2004/01/02(Fri) 12:48
タイトル:品定め・店定め

 今年、クオールエイドのテーマは「遊びやせんとて生まれけむ」(良寛和尚)です。このテーマのもと何をやるかは決めていませんが、これをテーマに1年間をコンセプチュアライジングする(W

「時間堪能」とは私の造語ですが、このコトバを使えば商店街は「時間堪能型空間」です。
ショッピングは、お客が自分の「堪能的生活局面」を演出・堪能するための材料を吟味・調達するプロセスです。この吟味・品定めのプロセスがまたお客にとって十分堪能できることが買い物行き先としての十分条件、ショッピングと実際の演出・堪能とダブルで堪能できることがデスティネーションを強化します。

さらに、モールへ出掛けることには他にも堪能要因があります。
第一は、ウインドショッピング。
なじみではないお店のウインドを眺め、ディスプレイを通して店内・店づくりを想像する・確かめる値打ちがありそうだということになったら「お試し入店」。これを「店定め」と呼ぶことにしましょう。品定めの前に店定めがある、ということになります。

第二に、「無名性」の堪能。
自分らしく演出しながら、知らない人ばかりの通りを闊歩する。
「あるべき自分」になりすまし、他人に見てもらう、見せびらかす・・・。
個性の多くは他者との差異だとすれば、個性の演出とは「無名性」の上でこそ十全に表現できることかも知れません。

 行きつけのお店で、自分の好みを十分理解しているスタッフの接客・アドバイスを堪能する。通りに出たら「無名の個性」が行き交う中で自分もその一人となって「見たり・見られたり」を堪能する。

 この二つがモールの楽しみ。
商店街が生き残りたかったら是が非でも実現しなければならないショッピング環境です。


投稿時間:2004/01/02(Fri) 12:49
タイトル:ライフスタイルと個性化

 当サイトが「差別化」というコトバを一切使用していないことは、すでにご承知のとおりです。漫然と使っているのは省思考派。
「差別」、似たようなコトバに「差異」があります。差異は「違っていること」を意味しますが、違っていること自体に対象の評価は含まれていません。他方「差別」は、ある基準(特に価値感)に照らして選別し、取り扱いを変える、というニュアンスを含んでいます。

 さて、標題について。
何ごとによらず、我々が自分の場所を測定するには、他者との位置関係をもとに考えることが多いのは日頃感じられるところです。
学校教育以来教え込まれてきた「個性的であれ」という基準も「♪人のやれないことをやれ」というように、他人・あるいはそのグループを基準にすることが多い。
 つまり他人を基準に自分の位置を決める、個性的であれ、ということは「人と違うことを目指せ」ということだったりする。これも変な話で、人と同じことをやっていて何の違和感もない人に「個性的であれ、あなたという個性は世界に一人しかいない、人と違う自分を目指せ」と叱咤してもですねぇ。

 他人あるいはグループに距離を置くことは、よほど突飛なことをやる場合を除き、別のグループに親近することになる可能性が高い。


投稿時間:2004/01/02(Fri) 12:50
タイトル:市場細分化

> 他人あるいはグループに距離を置くことは、よほど突飛なことをやる場合を除き、他のグループに親近することになる可能性が高い。

 グループのそもそもの始まりは、誰かが発案・実践する、というところから始まります。流行理論で言うイノベーターですね。
イノベーターの意図は別として客観的に見れば、「これまでとは違う」ところを目指している行動するわけです。これが「この指とまれ」になるのはビジネスの世界、イノベーターの目的はこれだ、とひとくくりには出来ません。

 イノベーターの行動が「私好みだわ」ということになると、この人に追随する人が現れる。早めにくっつく人を初期受容者(early adoputor) と呼ぶことはご承知の方もたくさんあると思います。
追随は「受容」と言われるように、追随する人たちの自律的な判断もあって行われる、ということに留意しておきましょう。

 流行理論ではこの後、どんどんすそ野が広くなり最後には「晩期追随者」、「賢者が従う愚者の好み」というように市場全体を席巻する、というところまで展開されていますが、これはもの不足~普及~差別化という百貨店主導時代の理論でありまして、ラグジュアリィ=面々の繰り合いが基調となる時代には通用いたしません。

 市場細分化というのは「後知恵」でありまして、もの不足=お金不足・情報不足時代にはお金を持っている順に入手していた「流行品」、社会的属性によって入手時期・経路が推測できましたから、適当な社会的属性などを基準にした市場細分化が可能でした。

 このような条件が無に帰したのがポストバブル・ラグジュアリィ・時間堪能型社会の一大特徴です。
皆さんは「市場細分化」などという発想は絶対なさらぬよう。
新しいビジネス発想は、細分化ではなく提案型新市場開拓=「この指とまれ」であるべきです。

 「指に何人とまってくれるか=シェアが何%とれるか」という発想は市場細分化。
「当社が損即するために必要な粗利を確保し続けるために必要なお客をどう開拓していくか」と発想するのが「この指止まれ」=新市場開拓です。「客層ではなく客相発想」というアプローチはこういった経営戦略レベルまで包含した考えないと「付け焼き刃」になります。

※付け焼き刃について。
手元の『新明解国語辞典』には:元来力のない者が、その場をうまくごまかすために、いかにもあるように見せかけたり、にわか仕込みの勉強で急場をしのごうとする・こと(ための態度、勉強)
とあります。

 私的にはこの説明はちょっと不満。このような急場しのぎにそれと知りつつ、「緊急避難」的に対処するのはまだOKです。
問題は付け焼き刃ではそのうち「ポロり」と本体から刃の部分が剥がれ落ちて元のなまくらが現れる=せっかくの付け焼き刃が役に立たない=ものごとの失敗のもと、ということに気付かずに、付け焼き刃=本当の刀として通用する、と信じている人・態度。

 基本的にこれまでの商業理論が脳髄の中にしっかりしみこんでいる人が、その状態を放置したままで、「ラグジュアリィ」などと口走っても「付け焼き刃だ」ということになります。


投稿時間:2004/01/09(Fri) 20:07
投稿者名:まきやん
タイトル:考え方として・・・

 差別化の話、大変興味深く読みました。
差別とは何か比較する基準があっての差別、という事ですね。
そうではなく比べずに自分の好みを有り余る情報、店の
あっちこっちから引っ張ってきて私だけのライフスタイルを楽しむと解釈していいのでしょうか。
確かにバブルでもない昨今はかける所にはかける、
といったカネの使い方が主流ですもんね。

 また、市場細分化についてですがこの指とまれがトップダウン型、止まる人から突き詰めるのが市場細分化、いわゆるボトムアップですかね?

 ではその両理論ももはや使えないと・・・
なるほどぉ(笑)これは勉強になる考え方ですね。
もし違ってたら訂正お願いします(爆笑)


投稿時間:2004/01/10(Sat) 10:45
タイトル:「この指止まれ」を推奨

> 差別化の話、大変興味深く読みました。
> 差別とは何か比較する基準があっての差別、という事ですね。

 たいていは同業他社ということになります。
その弊害はあらためて確認します。

> そうではなく比べずに自分の好みを有り余る情報、店の
> あっちこっちから引っ張ってきて私だけのライフスタイルを楽しむと
> 解釈していいのでしょうか。
> 確かにバブルでもない昨今はかける所にはかける、
> といったカネの使い方が主流ですもんね。

 現状はそのとおりですが、あまり動き回らずにライフスタイルが楽しめる条件を整えて提供することが小売業の新しい事業機会です。
「お金を使わずにはおれない」条件作り。


> また、市場細分化についてですがこの指とまれがトップダウン型、
> 止まる人から突き詰めるのが市場細分化、いわゆるボトムアップですかね?

 前回、書き方がちょっとおかしかったですね。(原文、訂正します)
「細分化」は、全体のパイ(レディースファッション)から、客層や業界用語で切り取る、というアプローチ。全体のキャパが最初にあり、そこからどれだけ取るか、いわゆる「シェア」話になります。
「地域にない店・商品を」という差別化路線にも密接につながっています。

 「この指止まれ」は、「こういうことが好きな人がいるはずだ」という「思いこみ」からスタート。
もちろん、「思いこみ」自体も思いつきから店づくりの決意という段階でしっかり吟味することが必要です。この思いつきで「将来にわたって必要粗利が確保できるかどうか」?
「この指止まれ」は客相モデル一人からスタート、どんどん拡大していく「市場拡大戦略」です。

 品揃えは、客相基準、自店がアフォーダンスを提供することを目指す客相にピッタリの商品であることが基準ですから、単品レベルで他に扱っているお店があるかどうかは一切不問ということになります。

 「この指止まれ」理論については、【Web商人塾】でアップしたまま講義をさぼっている『インディビジュアル・マーケティング』を参照してください。

引用エンド************************

 当時と今、違うのは時間堪能への転換の追い風となる要因がどんどん増えていることです。
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