FC2ブログ

中心市街地三号要件(承前)

 今治タオル産地活性化の取り組み、甲府市中心市街地活性化の取り組みを並列論じましたが、あらためて中心市街地活性化の推進が都市経営、地域活性化において果たすべき役割を考えてみましょう。

『中活法』第二条(中心市街地)
 この法律による措置は、都市の中心の市街地であって、次に掲げる要件に該当するもの(以下「中心市街地」という。)について講じられるものとする。

一 省略 ・・・・一号要件=集積要件

二 省略 ・・・・二号要件=趨勢要件

三 当該市街地における都市機能増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の発展にとって有効かつ適切であると認められること。

 この要件については、皆さんすっかりお忘れのことと思いますが、そういうことではプランナー、マネージャーは務まりません。もちろん、活性化協議会のメンバーはその趣旨を体して出身組織の活動に反映させなければならず(これが出来ないと何のために協議会を立ち上げたのか、参加しているのか分かりません。)、まちづくり会社はその全体がうまく機能するように調整を行い、商工会議所・商工会はその設置目的「その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする(商工会議所法第六条)」から、取り組みに参加するとともに、会議所ならではという独自の事業を立案推進することが求められ、行政はいうまでもなく「都市経営」のカナメとして、都市全体の活性化の取り組みのパイロット的ポジションとしての推進に注力することが肝心ですから、「法」第二条に示されている中心市街地の三要件は、必要に応じて脳内からサラサラ出てくる位置に保存しておかなければならない。こういう条件を忘れると必要なときに必要な知恵が出ません。

 以上を踏まえて、御地の中心市街地活性化基本計画を振り返ってみましょう。
計画されている事業に取り組めば、その結果として「三号要件」にうたわれている成果が中心市街地以外に波及していく、という計画になっているでしょうか?

 ということがあらためて問われるわけでありまして、居住者を増やせば街は活性化するとか、中心市街地居住を推進することがコンパクトシティだとか、従来的レベルの活性化策に都合のいい屁理屈をつけただけというレベルの計画が目に付きます。

 既に何度も繰り返してきたテーマですが、中心市街地活性化の方向と方法は、“これを推進すれば三号要件をクリアする”という方向と方法でないと中心市街地そのものの活性化も出来ません。
まして、ただでさえ人口減少に悩む非中心市街地から本来ならそれぞれの地域の活性化を担うべき、流動性に富んだ人たちを召し上げてしまう、というのは話にならないミスマッチです。

 中心市街地活性化に期待される波及効果とは:
①広域の住民にこれまで無かった「時間堪能」の機会を提供し、人々の生活を豊かにすること

②①に取り組む過程で新しい雇用機会を創造し提供すること

③中心市街地内外の事業者に新しい事業機会を提供すること。

④取り組みを通じて向上した「三者体制」などによる地域活性化のノウハウを他地域に伝搬すること

⑤担税能力の向上による地域経営への資金面での協働

 ちょっと考えただけでこういうことが挙げられます。
特に、民間行政のタッグによる地域活性化の経験の蓄積は、何ものにも代えられない経営資源になっていきます。

 ということで、あらためて確認しますが、中心市街地活性化とは以上のようなことを念頭に置いて取り組まないと成功することが出来ません。

 取り組みの定期報告を行った各都市の計画は果たしてどうでしょうか?
上記のような取り組みになっていれば、スタートから一年も経てば他地域に伝搬可能な成果が挙がっていて当然ですが・・・・。

毎日新聞 韮崎市商人塾の報道

 昨日の毎日新聞山梨版で報道されました。

【商人塾:韮崎市商工会、大型店に対抗 陳列など工夫で活性化へ /山梨】

 韮崎市商工会は商店街の店主らを対象にした勉強会「商人(あきんど)塾」を始めた。甲府市で昨年開かれた商人塾は効果を上げた。その時の講師を務めた佐賀県の中小企業診断士、武雄信夫さん(67)が、今度は韮崎市の中心商店街の活性化に取り組む。【小林悠太】

 市商工会によると、JR韮崎駅周辺の商店街は約220店舗中約70店舗が空き店舗。今年4月には、近くに大型ショッピングセンター(SC)、「ライフガーデンにらさき」(韮崎市若宮2)と「ラザウォーク甲斐双葉」(甲斐市志田)が相次いで開業し、苦境に立たされている。

 甲府市の受講店の中には、来客数が前年に比べて80%増えた店があるなど、武雄さんの指導は実績を残した。

 韮崎市商工会は昨年11月、武雄さんを招いて講演会を開催。「お金をかけずに店を改革する点に共感を受けた」(小沢研二・市商工会事務局長)ことなどから、SCに負けない商店を育てるために、武雄さんの指導を受けることにした。

 商人塾では6月25日から9月11日まで計11回、3時間の座学と臨店指導がある。内容は▽通行人が店の前を通るわずか3秒間に店内が見えるよう、レイアウトを考える▽勧めたい商品を絞ってシンプルに陳列する--など。既に飲食店や衣料品店など10店舗が参加しているが、現在も募集中。

 6月26日に臨店指導をした武雄さんは「棚を低くして店内を見回せるようにした方がいい」などと助言。「参加者が積極的で、今後が非常に楽しみ」と話した。

 韮崎駅前の洋服店「ブティック チャーム」の宮川滋店長(35)は「積極的に店内を変えていきたい。自分も楽しみながら、売り上げも増えてくれれば」と期待していた。

引用エンド**********************

  ファサード、陳列などビジュアルな部分から着手、方向の正しさを確認しながら業容三点セットの転換に取り組みます。
お金は掛けない、現在の売り上げが落ちるおそれのあることには取り組まない(したがって改装などはもってのほか)、という今どきの商店街にピッタリの取り組みです。

  お隣の甲府市の場合、前年対比2~4割アップというお店が続出です。現在も昨年同月比クリアを続行中と昨日メールをいただきました。

 韮崎市及び甲府市の取り組み、詳細は当欄過去記事をどうぞ。

韮崎市商工会のブログで商人塾の様子が詳しくレポートされています。
これからも引き続き記事が出ることと思いますので関心のある方は【お気に入り】にどうぞ。

甲府スタイル 今治タオル

 甲府市商人塾(*)のメンバーは、毎月一回集まってそれぞれの業容転換について切磋琢磨する機会としています。
6月の会合で「甲府スタイル」という言葉が出て、“これはいい”ということになったそうで、甲府市中心市街地・ラグジュアリィモールの合い言葉は、「甲府スタイル」ですね。
ラグジュアリィモールの業容の有り様を象徴する「甲府スタイル」、内容はこれからそれぞれの業容転換と後になり先になりつつ詰められていくのでしょう。はっきりしているのは、これまでの「常識」にとらわれず、ホンモノをめざす、ということだと思います。
 今年度の勉強のテーマの一つになりそうです。

 波及として、県下の洋菓子屋さんたちのフェスティバルが「山梨スタイル」を追求することになったそうです。従来的、ありきたりの催しではなく、参加した子供たにが将来の夢として“ケーキ屋さんになりたい”と思ってもらえる企画にする、と塾のリーダーが張り切っておられます。こちらも楽しみです。

 折しも、昨夜は報道ステーションでおなじみ・今治タオルの取り組みがレポートされていました。
今治タオルには、その新しい取り組みがスタートして間もない時期に報道で知り、当欄~ブログquolaid.comで紹介しその意義を説明しました。


今治タオル


 報道によれば当初三越からスタートした販路も順調に拡大しているようです。現在はヨーロッパ進出を準備中とか。
聞いている方も元気になりますね。

 商人塾では、当初から“ラグジュアリィは国産で”、“商店街は国産品を集荷しよう”と提唱していますが、問題が二つありまして、一つは国内の消費財産地の多くが空洞化していること、中心市街地活性化関連で指摘されることは当サイトを除きほとんどないと思いますが、これは大変なことですからね。ラグジュアリィを標榜しても業容がセットできなければ話になりません。
 リンク先の記事にも書いていますが、産地のほうでは販路が壊滅状態、例えば当社隣接の有田焼産地では、業務用から家庭用への転換がチャレンジされていますが、消費者に届くチャネルが細くなっています。かってはどこの商店街にも有田焼などを揃えている陶器店がありましたが、ご承知のとおり、今では商店街に陶器店があるのは珍しいくらいです。

 ということで、ラグジュアリィ志向は消費財産地・中心商店街活性化の唯一の方向だと思われますが、メーカーサイドにも、商店街にも大きな課題があるわけです。
各地で突破がここ見られていると思いますが、その産地側の事例が今治タオルです。
他方、流通の側はといいますとまだ集積として“ここがモデルだ”といえる事例はないと思いますが、一番近いところまで進出しているところの一つが甲府市商人塾です。

 中心市街地の「甲府スタイル」とメーカー、産地の「今治タオル」がドッキングする方向で、わが国の経済社会の安定的発展が実現します。
“目指せ!一億総中流”は伊達ではありません。
これをめざさないとじり貧になるばかりです。
ウソや冗談ではありませんよ。

そもそも、工場を閉鎖して海外に移転するということは
①日本人を首にして
②外国人を雇う
ということであり、その上で外国で製造した商品を持ち込み、
③日本人に買ってくれ
というのはあまりにも虫のいい話です。
 その結果が「グローバルスタンダード」、国産に数段劣る商品しか買えない、という情況を作り、商店街を空洞化させ、地方都市を疲弊させているのですから話になりません。

 いみじくも中心市街地の要件には「効果波及要因」という一項があります。当該中心市街地が活性化に成功する、その成果が中心市街地以外にも波及する、ということですが、これはきっちり実行しなければならない。
似非コンパクトシティのように、周辺から居住者をスキミングして中心市街地の人口を増やす、減った地区の活性化については知らんぷり、というのでは「一億総中流」などは夢のまた夢です。

 ということで、甲府さん、今治さんに非力ながらエールを送らせていただきます。
1.甲府さんは、中心市街地繁盛店づくりの経験を産地である宝石業界の活性化に、
2.今治さんはその成功を今治市中心市街地の活性化に、
それぞれどう応用していくかというワクワクする課題があります。

 まずはしっかり儲けて「地域活性化への道」「一億総中流の道」が実在することを異論の余地無く示してください。

“中心市街地は都市の顔”ならば

 中心市街地活性化はなぜ必要か?
それは中心市街地が都市の顔だから、と書いてある基本計画を見たことがあります。明記するか否かはともかく、中心市街地=自分たちの都市の顔である、とはよく聞かれる言葉です。

 これを敷衍すれば
中心市街地は・・・・・・都市の顔
中心市街地活性化は・・・都市活性化の顔
ということになるわけで、さらに
中心市街地活性化の出来映えは、都市の「活性化能力」のカガミ、と見なすことも出来そうです。

 さらに、中心市街地の現状を見れば、
①都市の中心市街地活性化に取り組む能力が分かり
②都市の都市経営能力のレベルが分かる
ということにもなります。
※中心市街地の現状から都市の経営能力を推察することが出来る※
ということです。

 覚悟はよろしいですか(笑

 百の説教何とやら、でありまして。
当市は○○をめざす、などと風呂敷を拡げても、中心市街地を一瞥すればその現実性やら、要求されている地方分権についてもその大方の行く末やらはおおむね推測することができるのでありまして、地方分権と唱えれば地核変動時代の都市経営が保証されるわけではない、ということですね。

 中には“中心市街地は全国の都市が取り組んで実現できないのだから、こんなことで判断するのはおかしいのでは”と感じる人もお出でかも知れませんが、イ~エ、そんなことはありません。
日本全国で取り組まれている中心市街地活性化がことごとく頓挫しつつあるのはそのとおりですが、それは何も“だから活性化なんか無理”ということを実証しているわけではありません。
事例が明らかにしているのは“これまでのような取り組みでは活性化は出来ない”ということであり、逆説的に考えれば“これまでとは違う取り組みをしないと活性化は出来ない”“これまでと違う取り組みをすれば活性化できるかも知れない”ということでありまして、そうしますと、“従来的な取り組みからは撤退する”というのが適切な選択だということになります。

 以上については、机の前に座って考えるだけですぐに分かることですから、直ちに従来的取り組みにストップを欠けるべき。
そうですよね?

 にもかかわらず、日本全国、至る所で失敗している事業メニューになんの疑問も感じないまま取り組んでいるわけですから、これはもう、ここに都市経営能力が遺憾なく映し出されている、と考えてよろしいのではないでしょうか?

 ということで、中心市街地の活性化に成功するものは、都市経営に成功する可能性が高く、中心市街地の劣化スパイラルに有効な手だてを講じきれない都市は、同じことを都市の非中心市街地でも繰り返す可能性が高い、ということになりますね。

 “中心市街地は都市の顔”ならば劣化した中心市街地は都市の劣化を象徴しています。
 空洞化する一方の中心市街地、“たかが中心市街地されど中心市街地”でありまして、“中心市街地を嗤うものはやがて中心市街地に泣く”のであります。

 ということですから、認定基本計画をお持ちの都市は、一日も早く従来的取り組みを全面ストップ、あらためて“これまでの全国水準とはまったく異なる活性化の方向と方法”を選択、推進しないと“来年の『定期報告』は書きようがありませんよ。 

地方分権と都市経営

 地方分権。
ゼッタイ善のように飛び交っておりますが、これは阿吽語ですよね。
(*)阿吽語:
http://www.quolaid.com/cgi/kforum/wforum.cgi?mode=allread&no=1252&pastlog=0001&act=past

:あうんごと読む。
 きちんと対象を示す定義がされないまま、使われる「専門用語」のこと。曖昧な言葉だがそのことを詮索してはいけないという暗黙の了解のもとに流通する言葉の総称。
「だいたいこういう文脈で使う言葉だな」と自身の経験の範囲で見当をつけて、同じような文脈に遭遇したときに利用される。
ところがその言葉が飛び交う環境が、阿吽語の世界であることを自覚していないと、言葉とは阿吽語である、ということがその人の言葉についての一般的な認識になってしまう可能性がある。
そうすると、言葉は耳目から入ってきて、吟味・編集などの作業を経ることなくそのまま口から出ていくことになる。結果、こんなはずじゃなかった・的結果の蔓延。
恐るべし、阿吽語の世界。

 阿吽語の熟達者は、その阿吽語を発することによって何らかの結果を達成しようという意欲に乏しいことが多い。
“東京はじめ全国で使われている専門用語、オレは定義ぬきで使っているが、たぶん、誰かエライ人が定義し、みんなそれを踏まえて使っているんだろう、という見当で飛び交うがぶっちゃけ誰も定義していない。

 一つの言葉が使う人の立場によって、通常の言葉になったり阿吽語になったりする。
だからといって、使う言葉の一つ一つを厳密に定義する、という対策など出来ない相談、おバカな話。
では我々はどう対処すればよいのか?
※阿吽語は当サイトのジャーゴン(仲間内だけにしか通用しない用語)です。


 如何ですか、「地方分権」も立派?な阿吽語ですね。
“なにやら派”の知事さんたちが盛んに推進しようとしていますが「中心市街地活性化」の取り組みで都市経営の実状をいろいろと体験させられているtakeo的には、なかなか複雑でありましてどんどん推進してください、という気にはなれません。
当の地方公務員の皆さんはどうでしょうか?
知事さんたちの希望が叶うと、今後、「国が、国が」というキメの逃げ口上は使えなくなるわけですが。

 冗談はともかく。
地方分権とは何を意味するのか?という定義が示されないと、いくら“地方のことは地方で決める”“地方に任せろ”といわれてもですね、「基礎体力」があるのか無いのか、無いとすればどう確保していくのか、といったあたりが心配になるのであります。

 きっちり基礎体力があれば、中心市街地活性化、国が用意したスキームを上手に使って「実効ある基本計画」を作るくらい朝飯前、では無いのか、というか、当然そういう能力が無いと地方分権=自前主体の都市経営は出来無いわけで、市町村が作成した基本計画、作成~実施プロセスでの都道府県の支援の情況を観察すれば、地方分権を叫ぶ知事さん方の問題意識、都市経営に関する力量識見も自ずと推察されるというものです。

 さて、「都市経営」とは地方自治法を踏まえれば、都市を
①住民の生活の場としての機能を充実させる
②所得機会を創造、拡大・成長させる
ことに尽きるわけですが、これは中活法における中心市街地活性化の定義=「中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上」に通じます。中心市街地活性化=中心市街地の経営。

 都市経営には経営能力、すなわちご承知のとおり、経営を実施していく基礎体力が必要でありまして、とりわけ、地核変動時代の都市経営ということを考えますと、従来的・霞ヶ関で設計されたスキームを指導とチェックを受けつつ実施する、という昔ながらのパターンは通用しないわけでありまして、このことに無知のまま。無理に通用させようとすると、どこかの中心市街地のようにたちまち取り組みが頓挫してしまいます。

 今現在喫緊の課題は、地殻変動期の都市経営に必要な基礎体力を定義し、これを基準に既存の能力を棚卸し、所要の革新を図るとともに、非在の能力についてはこれを調達する算段をする、ということです。

 当社が支援を提唱している「中心市街地活性化への道」、商人塾を中核とする取り組みでは、上手に取り組めば地核変動時代の都市経営の推進に必要な・関係各方面の基礎体力の向上、推進体制の構築が着実に実現します。
他に「事業を通じて都市経営の基礎体力を向上させる」という優れた方向と方法を提起している例はないと思いますが、如何でしょうか。

 ということで、知事さんたちの威勢のいい取り組みも結構かも知れませんが、実務方面ではしっかり「基礎体力の向上・強化」に取り組まないと大変なことになります。
ありうべき取り組みは、“劣化スパイラルの進展により日本列島が沈没してもわがまちだけは生き残るぞ”という決意の元、ホンキで生き残り=勝ち残りを画策することですが、もちろん、幾ばくかの可能性が見えていないと荒唐無稽な話になってしまいます。

 地核変動時代に竿をさす基礎体力、個人として、組織として、都市として装備していく覚悟は出来ていますか?

※「地方分権」に関するサイト内記事

商店街・商業集積の分類と活性化

「分かる」ということは分類できるということだ、という人もいるように、
われわれは対象であるものごとをグルーピングする、つまり、何らかの
条件をもって類型化することは、その前にグループ化するための基準を
作っているわけで、この基準を作るには対象を有意義に分類する為に
必要な知識を持っている、ということですから、すなわち、分類するとは
対象が位置すべき場所を知っている、ということになります。
☆これが「理解する」ということですね。

 商店街、商業集積を理解するには、その商店街あるいは商業集積が
どのような類型に分類される特徴を持っているかということを理解する
ことが不可欠です。
 
  ご承知のとおり商店街は、近隣型商店街、地域型商店街、広域型
商店街というように分類されています。もちろん、ショッピングセンターも
同様で、ネバーフッド型、コミュニティ型、リージョナル型というように区分
されています。

  類型が異なれば、商業集積が事業機会としてターゲットにしている消費
購買行動も異なります。近隣型=最寄り、広域型=買い回り、地区型=
両者の中間というように。

 類型が異なるということは、対応している消費購買行動が異なるということ
であり、当然、その集積に対するお客の期待していることも異なり、それに
対応して集積の業容も異なっているということです。近所のお店への期待と、
電車で出掛ける都市中心部での買い物に対する期待は違いますよね。
商店街全盛時代にはそれほどシビアでは無かったのですが、店あまり・もの
余りの現在では、ショッピング目的に応じて店舗・商業集積を使い分けること
が普通ですから、“なんでもあり”的なメリハリの利いていない業容の個店・
集積は買い物行き先として評価されません。
商店街も一個の商業集積として“どのような消費購買行動に対応していくか”
ということを真剣に考えて、業種揃え・店揃えとして実現することが「活性化」
への唯一の道、他の事業はこれを実現するための「手段」です。

  中活法の取り組みで問題となるのは、都市中心部に位置する商店街、
商業集積の活性化ですが、もちろんその特徴は「買い回り型商店街」という
ところにあります。
それも、様々な要因が作用して劣化スパイラルに陥っている、という条件が
ついている広域型商店街です。(第2条2号要件)

 つまり、中活法の枠組みで取り組む商店街活性とは、
1.都市中心部に位置する広域・買い回り型商店街 プラス
2.周辺住民を対象にした近隣型商店街
の活性化を意味します。特に、中心となるのは?の広域・買い回り型商店街
すなわち中心商店街の活性化です。

 ところが、
中活法の制定以降の取り組みで顕著になっている問題がありまして、活性化
のための施策が「商店街類型」を無視して企画・実施されている例が多いと
いうことです。
殆どの基本計画が、対象とする中心商店街の商業集積としての特性を無視
して「活性化策」を計画しています。

  居住が増えればお客が増える、というのは近隣型商店街(集積・施設)特有の
特徴であり、中心商店街の場合、周辺人口と商店街の賑わいとは特に関係は
ありません。銀座、新宿、渋谷の居住人口と来街人口を考えてみればすぐ分か
ることです。

 中心商店街に来街客が減っている、その原因は郊外のショッピングセンター
の出店である、ということなら、活性化のテーマは、“郊外のショッピングセンター
群を横目にわざわざ中心市街地まで買い物に来てもらえる魅力的なショッピング
の場を再構築すること”であることは明らかです。

  商業類型を理解していない、あるいは理解していてもそれを無視して作られた
「基本計画」には中心市街地的商業集積の特性が説明されておりません。
あたかも商店街というのはどこに位置していようが、どんな規模であろうが中味・
機能は同じ、どんな消費購買行動にも対応できる、あるいは消費購買行動の
区分などは存在しないと考えられているかのようです。
  したがって、計画され・取り組まれている施策は、どんな類型の商店街で取り
組んでも違和感のない事業ばかり、取り組みが成功したからといって「買い物の
場としての中心商店街らしさ」が実現し、広域からのお客が郊外のSC群を横目
に見ながらアクセス条件劣悪なショッピング目的で来街してくれる、という条件は
殆ど実現しません。
言うも愚かながら、そういう類の事業にどんなに一所懸命取り組んでも商店街が
活性化される、買い物客で街が賑わうという情況を作り出すことは出来ません。

 各地の基本計画、盛り沢山の事業を並べ、取り組んでいるわけですが、たった
一つ、“広域からのお客の来街目的を充実させる”という取組みだけは殆ど計画
されていない、というのがこれまでの作られた基本計画の水準です。
アーケードのリニューアル、ファサード整備、イベントの開催など計画されている
事業はそれが見事に成功したからといって「わざわざ買い物に来る価値のある」
来街目的の充実には殆ど無力ですからね。
 事業は成功したが活性化は出来なかったという事例は旧基本計画当時から
いくらでもあるわけですが「商業集積としての充実」をメインの課題に掲げること
が出来ていない新基本計画は、新たに提供された施策をどんなに利用しても、
やっていることが間違っていますから、活性化を実現することはできません。
この点、残念ながら既に続々と「後続事例」が出ています。

  それにしても「商店街の類型」は、かっては商店街活性化のイロハだったと
思いますが、いつの間に誰も問題にしなくなったのか?
とうも、『中活法』~基本計画のスキーム登場以降は見かけなくなったような気
がするのですが・・・。

  一号認定の青森・富山両市の基本計画が、商店街類型を踏まえて“わざわざ
来街してシもらうョッピング行き先として再構築する”という方向を無視して作られ
これに追随する全国の都市が“右へならえ”した結果、中心市街地活性化を導く
商業理論は“施策を講じるに際しては「商店街類型」を理解しなければならない、
活性化施策の中身は商店街の特性によって変わるのが当然” というかっては
常識だった姿勢が消滅しているわけです。
 
 念のため、昔の「商店街診断報告書」を見てご覧なさい。
冒頭に当該商店街の類型区分が明記されているはずです。

 ということで。
中心市街地活性化のスキームで取り組まれている商店街活性化を導く「商店街・
商業集積の理解」は、相当に劣化しているのではないか、と心配されます。
杞憂であればさいわいですが、もし事実なら由々しいこと、今一度、自分たちの
「基本計画」における中心商店街の特性分析について、
1.そもそも分析が行われているか
2.分析結果は、ショッピングセンター時代の商店街活性化の導きとして妥当で
あるかどうか、チェックしてみることが必要です。

 作業にあたっては、商業についての知識が不可欠、自信のないひとは当社
サイトの関係記事を参照して下さい。 

百貨店の活性化 (3)

 このところ、百貨店について考えることが多くなっています。
なんと言っても中心市街地の・ショッピングゾーンの華ですからね。

 先週、商人塾の皆さんとのフォローアップで出掛けた甲府市所在の両百貨店、新規オープンのショッピングモール・ラザウオークの影響で客数が減っているということです。
もちろん影響はあるわけですが、それよりも重要なことは“ショッピングモールが出てこなかったらOKだっただろうか”ということでありまして、百貨店がダメになっているのはショッピングモールなど郊外型商業のせいではありません。

 そもそも百貨店とはどういうショッピングニーズに対応した業態なのか?
という根本的な問題がまったく取り組まれていないのが百貨店業界の現状です。まあ、商業界全般、自社が展開している業容の定義など一切しないのが一般的ですが、業界挙げて不振を極めている時ですから「百貨店の存在意義」についての論議は当然行われるべきところ、まったく声があがっていませんね。

 ひと頃は、伊勢丹流単品管理がもてはやされていましたが、今となってはどうでしょうか。
百貨店という業態の存在意義を問い直し、再構築しなければならない情況において、単品管理で事が済むはずがないのでありまして、相次ぐ撤退はそのことを雄弁に証左しているのではないか、と傍目には思われるのですが・・・。

 もちろん、しきりに報道されるコスト削減や組織強化を目的にした合併や提携も所期の効果を挙げることは出来ません。
売り上げが落ちているのにコストを削減してどうする、というのは経営のイロハではないでしょうか。
冗費の削減は当然ですが、経営にコストは必要ですからね。冗費か経費かの分別は、当社は何をしているのか、事業機会が明確にしてからでないと出来ません。

 百貨店の活性化、ご承知のとおり、当社のお奨めはプシコーさん発明の百貨店・ボンマルシェの店づくりを現代に応用する、ということです。
もの不足・店不足という情況からの離陸という時代的な課題に応えて作られたボンマルシェ、プシコーさんの想念をもの余り・店あまりという現代において実践しようとすれば、あるべき百貨店はどういう業容になるのか、という問題です。

 百貨店活性化への道:
もの余り・店あまり時代の百貨店の存在意義=事業機会を定義して、

①計画は作らない
②出来ること、急を要することから着手する
③新規投資は考えない、計画中の投資は見合わせる
④取り組みは細切れに
⑤失敗と分かった試行は元に戻ってやり直す
⑥試行の成否はお客の行動で判断する
⑦プロセスを通じて売り上げが落ちないように留意する。  
という取り組みで切り開くことが出来ます。
当社が提唱する「小売店・繁昌への道」そのものですね。
他の選択肢は無いと思いますが、もちろんこれはtakeoの現時点での主観的な判断ですが、これが妥当な方針だと考えれば、合併などの選択は、せっかくのチャンスを「社内調整」に浪費することになるわけです。

 ということで。
商店街の皆さんが考えるべきは、百貨店が苦況に陥る時代に自分たちは古色蒼然たる活性化事業に明け暮れていてよいものだろうか、ということですね。
皆さんが直面している問題と百貨店が直面している問題は、「もの余り・店あまり」という消費購買行動の環境へのミスマッチ、という根本では同じだと思います。

 商店街活性化の取り組み、百貨店がイベントや商品券、改築改装に取り組んだら活性化するだろうか、と考えてみれば一目瞭然でしょう。
ひるがえって、自分たちの取り組みを考えてみれば話は簡単だと思いますが・・・。

 おっと、ショッピングモールも「根本問題」は一緒、商店街が辿ってきた「劣化スパイラル」を寸分違わず辿ろうとしているわけで、既に閑古鳥が飛び、テナントが撤退した後が埋まらないところが続出しています。
小売業界、現下の情況をひとことで言えば、全体が消費購買ニーズに対応できていない、ニーズのありようが理解できず従ってミスマッチが生じているということです。

 目に付くのは安売り合戦ばかりですが、安売りで成長できるのか、ちょっと考えれば分かることですね。

 韮崎商人塾、次回は環境の変化=消費光がばいニーズの変化と小売業界の対応情況を理解した上でラザウオーク、ライフガーデンを視察します。
消費購買行動を理解し、ショッピングセンターの正体を見極めると、商店街立地の商売に自信が湧いてくるはずです。]

☆『血管に葛根湯を注射したら癌が治った』話。
以前にも紹介した靴下屋さんです。
ちならみにここの靴下はコモデティ(実用品)ではありません。ラグジュアリィを提供しています。
国産品をきっちりと商店街で売っていく、というのが日本経済活性化への道、です。

“シャッターの原則”

①シャッターの外側の取り組みでシャッターの内側の問題を解決することは出来ない。

 商店街活性化の取り組みといえば、一にイベント、二に空店舗、三四が無くて五にハード事業と決まっています。
取り組みの目的は、いうまでもなく、商店街を“ショッピングの場”として蘇生することですが、ショッピングは個々の店舗のシャッターの内側で行われるのですから、活性化への取り組みが必要な商店街は、お客から「ショッピング行き先としてつまらない”と評価されているわけですね。
つまり、商店街に軒を連ねているおおくの店舗=売場が、「買い物行き先」と評価されておらず、結果、来街者・交通量が激減しているというのが活性化に取り組まなければならない商店街の実状だということです。

 ということは、従来的・伝統的商店街活性化の取り組み、集客イベントや空店舗対策、各種のハード事業などは“買い物行き先”としての最優先で実現しなければならない個々の店舗の売場=お客にとっての“買い物の場”をお客から見て“買い物行き先としてOK”というあり方に転換していく、という基本的な作業をサボった取り組みですから、なんの役にも立ちません。

 よく、やらないよりやった方がまし、商店街の結束を維持するためにも必要だ、といった弁解をしながらイベントを続けている話を聞きますが、なんのこっちゃ、①なぜやらないよりやったほうがましといえるのか、②そもそも商店街に結束などというものあるのか、ということでありまして、もし、そういう弁解があたっているとするなら、事業に取り組んでいる商店街、わずかでも事態は好転しているはずですが、そういう例は皆無です。

 今取り組むべきは、シャッターの内側を改革する・ショッピングの場としての売場を実現するという仕事でありまして、これをスポイルするような「事業」はすべて、商売繁盛・商店街活性化を阻害するものと考えなければならない。
これは誇張でも何でもありません。この時期、商店街にとって限られた時間・資源をどこに集中させなければならないか、自分のアタマでちょっと考えたらたちまち答えがでることではないでしょうか。おりしもプレミアム商品券の発行が終了、次は恒例の中元大売り出しですが、また今年もいつものとおり取り組みますか?ということですね。大売り出しに取り組めば、「ショッピングの場」がほんのちょっとでも改善されますか?

 商店街にお客が来ないのは、
①買って持ち帰り、生活で使う商品が提供されていない
②ショッピングの時間が楽しくない
ということです。言い換えれば個々の店舗のシャッターの内側・皆さんが提供している「売場」がお客から「買い物の場」になっていないということですから、この状態を改善しないと、いくらとおりに人を集めても売り上げにはつながりません。

 中には“日本一人集めが上手い”と自慢する商店街もあるようですが、どうしてそう言うことが自慢出来るのか不思議です。
商店街の自慢は、繁昌店がのみを連ねていること、これ以外の自慢は必ず先細りになりますからね。

 ということで、「シャッターの原則」と題して、しばらく考えてみましょう。 
-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ