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啓蒙とは勇気を出すことだ

 啓蒙とは何か?
啓蒙といえば必ず言及されるカントさん曰く。
(以下カント『啓蒙とは何か』より引用)
◇啓蒙の定義
 啓蒙とは何か。それは人間が、自ら招いた未成年の状態から抜け出ることだ。
未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の理性を使うことが出来ないということである。
人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、他人の指示を仰がないと、自分の理性を使う決意も勇気ももてないからなのだ。だから人間は自らの責任において、未成年の状態にとどまっていることになる。こうして啓蒙の標語とでもいうものがあるとすれば、それは「知る勇気を持て」、すなわち「自分の理性を使う勇気をもて」ということだ。
(引用終わり・カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か』光文社古典新訳文庫10ページ)

 啓蒙すなわち「自分のアタマで考える」には勇気が必要だとカントさんはおっしゃっています。
何しろ当時、人々に代わって考えてくれていたのは教会ですから、これを振り切って自分のアタマで考えるということはひょっとしたら地獄に堕ちるかも知れない、想像を絶する勇気を必要としたはずです。
教会だけではありません。王権だって黙っちゃいません。

カントが活躍した時代、“自分のアタマで考え、行動する”ことは、今では想像さえ出来ない勇気を要することだったはずです。カントさんが“啓蒙とは勇気を出すことだ”と喝破したのも無理はありません。

それではわれわれが生きる現在はどうか?
当時とは大違い、言論思想の自由が喧伝される今日では、「勇気」などは関係ないのではないか?
と思ったあなたはよほど人がよいか、ホンキで啓蒙的行動を考えたことがない人かも知れません。

 “自分のアタマで考える”とは、世間に通用している常識に対する「信頼」をひとまずカッコに入れて、その妥当性を自分のアタマで考えて見る、ということです。
この取り組みはなぜ必要か?

①常識に基づいて取り組まれていることが、所期の成果を挙げていない。今後とも挙げられそうにない。
②ひょっとしたら常識が間違っているのではないか?
ということから自力思考が始まるわけですから、
①常識=関係者が信じて疑わないことをあえて疑ってみる
ということであり、さらに
②結果、「常識のウソ」が判明したら、断固としてそれをひっくり返す
ということに進んでいきます。
大勢に弓を引くわけですから、これはもう、「思想言論の自由」が有ろうと無かろうと、あなたにとっては大変なリスクになる。
 “常識に即して行動しているあんたたちはバカ”だと言っていると受け取られますからね。
とくに組織に所属している人にはなかなかこういう行動にでることは出来ません。自分のアタマで考える「勇気を出せ」、というのはカントの時代だけではなく、今も立派?に通用する叱咤激励です。

 この点、自分が生まれる前から存在する組織の枠組みに縛られていない・「一国一城の主」たる商業者の皆さん・独立自営業者の皆さんは、啓蒙・いつでもOKのようですが、なかなかそうはいきません。
「となり百姓」という言葉がありますが、商店街全盛当時は、自利思考抜き・見よう見まねで結構商売になりました。以来今日まで「自力思考」の必要を感じたこと・心掛けたことはありません。
隣近所の皆さんと共同歩調を取っていればOKだった当時から行動パターンは不変です。

 もちろん、これまでのようなものの見方・考え方で商売繁盛を再現出来るとは思っていませんが、だからといって頼るものはないし、それかと言って自力思考にうって出る勇気はないし・・・。

 ということで。
中心市街地・商店街活性化に取り組む巡り合わせとなり、かつ、従来の取り組みに飽き足らない・これまでのやり方につきあうのはまっぴらだと言う人は、「自力思考」の道に赴かなければならない。
もちろん、一から十まで自分で考えよということではありません。
目的を達成するために、自分が歩くべき道はどこにあるのか、自分で探し、吟味し、選択するということです。

 このとき、「常識」に安住している大勢からは、批判・非難の目が向けられるかも知れません。今までの人間関係も一時的にではあれ危うくなるかも知れません。
そもそも、自分が赴こうとしている方向に確かな道があるかどうかも分かりません。考えてみれば心細い限りです。

 だがしかし。
活性化の実現がほんとうに必要だ、やり遂げなければならない、と決意しているのであれば、道はただ一つ、ですね。

 カントさんのおっしゃるとおり、「勇気」を出して進む以外にありません。
当サイトの主催者をはじめ、みんな勇気を出して取り組んでいる「中心市街地活性化への道」です。
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