FC2ブログ

新書で読み解く時代の今(その2)

□バブルの崩壊

日 本
■松原隆一郎『消費資本主義の行方』平成経済20年史』ちくま新書 2000年
欧米・日本の経済を「消費」を視座に解説、現段階を「消費資本主義」というキーワードでとらえています。

平成の時代はバブル崩壊から始まり、それからちょうど20年、米国の金融バブルの崩壊で新しい局面を迎えています。
このまま行けば“企業は人を捨て、国を捨てる”、捨てざるを得ないという流れがさらに本格的になっていきます。
グローバリズム総本山・米国と一蓮托生という構図はいつまで続くのか。

米 国
■水野和夫『金融大崩壊』NHK出版生活人新書 2008年
■本山美彦『金融権力』岩波新書2008年
■神谷秀樹『強欲資本主義ウオール街の自縛』2008年
ニューエコノミーがバブルであることが実証されたわけで、ここから新しい産業の構築へと向かわなければならないわけですが、「強欲」&「クローニー」が心機一転、救国路線への転換が出来るかどうか。

 バブル崩壊は常に「信用崩壊」ですから、いわゆる不景気、循環型不況などとは性格がまったく違います。
あらためて資本主義が成立・維持可能な基礎条件を振り返ってみなければならない。

■企業理論
生産と消費の“蜜月”の終わり
「会社での仕事の代償としての賃金で消費財を入手し家族との生活を営む」
という高度成長期までのライフスタイルが崩壊過程に入っています。
会社を「利益追求の手段」と見なせば、当然そこで雇用している従業員も手段であり、会社の都合でどうにでも扱えることになります。
他方、従業員は家に帰れば「消費単位の担い手」ですから、所得が安定的に確保されないと消費がままならず、結果、会社の収益に負の影響が現れます。利益を確保するための首切りが回り回ると収益の減少として戻ってくるわけです。「合成の誤謬」です。

あらためて企業とは何だろうか、ということが問われるわけで。

■資本主義における組織

□奥村宏『会社本位主義は崩れるか』岩波新書1992年
“会社は株主のもの”とは何を意味するのか、そういう考えで会社の存続は確保出来るものかどうか。
株式会社と資本主義の相性はほんとうによいものかどうか、というあたりまで考えてみなければならない。

□田中弘『時価会計不況』新潮新書2003年

 コロンブス・冒険貿易の時代、口別会計の手法として発明された複式簿記を期間会計に応用した結果、財務諸表は企業実態とはかけ離れた数字の羅列になっているわけですが、これに輪を掛けたのがいわゆる「時価会計」ですね。
土地、株式などの「時価」は曲者であり、会社が保有する資産を“時価で評価する”とはどういうことを意味するのか?
専門家で時価会計に批判的だった人は田中さんなど極めて限られているようです。

■長期的な視点では

1.“生産と消費の蜜月”の終わり
①消費側:どうにかして手に入れたい、というレベルの消費財が無い。
②生産側:市場の拡大が期待できないなかで利益を確保するには
 ○人を減らす
 ○海外市場に進出する
 消費サイドは、“欲しいものが無い・所得は減る”ということで、高度成長期の“欲しいものがあれこれある・所得は増える”という条件とは正反対になっています。
この基本的な条件を打開しないまま、利益を追求すれば事態はますます悪化するわけで、何兆円、何十兆円ばらまいてもブーメランです。家計で使われないお金はバブルに向かう以外にありませんからまたしてもデリバティブが生まれ、バブルとなり崩壊する・・・。

 その間隔がどんどん短くなっていくうちに「国家」の信用が崩壊すると・・・。

 というように考えますと「都市経営」を取り巻く状況の「未曾有性」には、恐ろしいものがありますね。
乗り切っていくためには、これまで使ったことのないレベル、内容での能力の発揮が必要ですが、問題が適切に把握されていないと能力を使うことも出来ません。
こっちの方にも大きな問題があるわけで、
①未曾有の問題に直面しているにもかかわらず、そのことが十分理解されていないために、
②適切な対応を講じるために必要な「能力」が確保されていない
ということです。

 こうしてみると、「中心市街地・商業の活性化」という問題がまさに時代を象徴していることがよく分かります。

 手持ちのそれも新書だけで、という設定は難しかったようです。とはいえ、今をどうとらえるか、ということは重要な問題ですから、後は引き続き【理論創発】で取り組んでいきたいと思います。
なお、この記事は適宜加筆修正するつもりです。
-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ