中心市街地活性化、もう無理かもですね

 タイトルのとおり。
旧市街地の整備改善・活性化法~新中心市街地活性化法にもとづて作成された中心市街地活性化基本計画にもとづいて、TMOや活性化協議会を編成、各般各種の事業を体系的・総合的に推進することで《面としての活性化》を実現する、という取り組みはもはや中心市街地を活性化する、という所期の目的を達成することは不可能ではないか?

 最近、このような疑問が生じるようになりまして、それというのも当社が提案している「活性化への道」は、基本計画~実践の行き詰まり、という状況から生まれる新しい事態、すなわち、活性化実現の可能性の有無にかかわらず、

一度決めた計画・事業は何が何でもやり遂げる、見直しや批判は一切許容しない、
という事業推進主体の態度についての対応が措置されておりません。
当社が《ヒステリシス効果」の一種であると指摘している、問題発生以来の経緯から生じた新しい問題です。

 これに対する有効な手立ては、目下のところ、それぞれの都市毎に取り組み、解決する以外にありません。
直面している人にはよくお分かりのとおり、これは大変難しい問題、都市によっては、場合によっては、法のスキームによる活性化の実現は難しい、ということになる可能性を否定できません。

 もちろん、突破する方法はありますが、まずは、このまま漫然と取り組むならば、計画の進展・事業の進捗具合にかかわらず、活性化はできない、ということをしっかり確認しなならない、言い換えれば、覚悟を固めなければいけない。

 多くの都市、とりわけ認定基本計画を持っている都市にとってことは重大ですが、重大だということさえ理解できない、という現状があるのだ、ということから目をそらすことはできません。

 元はといえば、中心市街地活性化という課題を根拠もなく
あまりにも軽く見た関係各方面の判断にあるわけですが、これを是正することが難しい。

 結論から言えば、そういう都市はこの際、思い切って中心市街地活性化全体の取り組みと商業・商店街活性化の取り組みを区分することが必要かも知れません。
こちら側の取り組みは、徹底して受益者=商業者の責任において取り組んでいく、したがってその取り組みの内容は《繁盛再生》に絞られることになります。

 直面する状況において、既存個店の繁盛を再生することを通じて商業立地としての中心市街地・商店街の可能性を実証する、という取り組みが喫緊の課題になっています。

 繁盛再生にハード事業の必要はありません。
当該立地で成立することが見込まれる業容の実現に取り組むだけ、その方向と方法は「商人塾」として提案しています。
基本計画所載の事業の成果に商店街活性化を期待することは不可能になっています。
このまま事態の進展を見守るのか、力の及ぶ限りで最善の方法をとるのか、思案のしどころです。

中心市街地のヒステリシス効果

 「法」改正から3年目を迎えておりますが、そろそろ新法のスキーム、新・認定基本計画の効果が現れなければならない時期だと思いますが(認定第一号以下の都市は計画期間の中盤に差し掛かっているす)、まだ「活性化の方向と方法」は実現されておりません。
良し悪しは別として担当各方面には「焦りの色」も見られず、まあ、明日は昨日の続き、ということでのんびりとしたものです。
 「百年に一度の大暴風雨」も文字通り“どこ吹く風”となんの痛痒も感じません。

 さて、当社が提唱する「中心市街地活性化への道」、何とか軌道修正を図りたいということで、各地から様々な取り組みが寄せられているのですが、このところ、とみに多いのが関係団体・機関の足並みが揃わないという悩みです。

 どうも関係各方面には、このまま進もうとしても進む余地は残っておらず、行き詰まりは明らかなのに、乗りかかった舟には沈没するまで乗っていたい、というビヘイビアがあるらしい。というか、せっかくこれまで続けてきた路線をほんとに失敗かどうか、まだ決まったわけでもないのに変更などしたくない、他都市を見ても同じようなことに取り組んでおり、われわれがやっていることが間違っているとは思えない、ということで、まあ、本心は「誤りを指摘されたくない・認めたくない」ということかも知れませんが、ともかく、陰に陽に「従来の路線を続けさせてくれ」というわけです。

 中心市街地活性化、うまく行かなかったそもそもの原因は、取り組みが依拠した理論が至らなかった、間違っていた、というたったそれだけのことでしたが、10年近く継続しておりますといわゆる「ヒステリシス効果」が発生、理論の交換、路線の変更に頑強に抵抗する勢力が生まれていたりするわけですね。

 もはや、ところによっては「中心市街地活性化が出来ないのは、訳も分からないまま、活性化に取り組んでいるから」という悲喜劇が演じられているのでありまして、こういう事態が長引きますと「所得機会」が掛かっている中心市街地所在の独立自営業者は堪りません。
もちろんことはブーメランのようなもの、的に当たらなかったら、関係各方面に必ず戻ってくるのですが、そのころは異動していますか、そうですか。

 「中心市街地活性化」というマシーンが、当初期待されていた効能効果とは無関係に走り回っており、手がつけられない、という都市もあるようで、傍目には「効果もあまりないのにいつもよく頑張っている」などと評価されたりします。

 ということで、10年も失敗を繰り返しているのに路線の修正が出来ないということは、もはや都市経営の関わる全体の組織に自己修正機能が装備されていない、装備されていてもさび付いている、ということかも知れません。
起死回生・商人塾も着手以前・試行段階・定着プロセスとそれぞれ異なる課題に直面します。その多くはヒステリシス効果、つまり、間違ったことを長い間続けて来た結果としての弊害、です。
商人塾を成功させること、以外に外部からの邪魔に対処する、という課題があるのが「ヒステリシス効果」という効果です。

 中心市街地活性化、これから路線を変更しようとされているところは、「ヒステリシス効果」という見えない障碍にご留意あれ。
10年にわたる「成功出来なかった」取り組みの澱があちこちに沈殿しているかも知れません。

ヒステリシス効果:

中小小売商業高度化事業の総括

 『中心市街地の活性化を図るための基本的な方針』 (平成18年9月8日閣議決定)

その第七章2
①趣 旨
 中心市街地における中小小売商業の活性化のための取組が、従来、
a)個々の商店街ごとの活性化努力にとどまり、複数の商店街による広域的な中小小売商業の発展に必ずしも結びついていなかったこと、
b)専ら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業としての競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が不十分であったこと、
c)主に事業を営む中小小売商業者を中心とした取組であり、地権者等との連携が不十分であったこと、
d)まちの様々な事業主体との連携が不足していたこと
などを踏まえ、
1.商業者を取り巻く様々な関係者との連携の上に立った
2.意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、
3.周辺地域への波及効果が認められる
商店街等中小小売商業の高度化を通じた中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的かつ重点的に促進するものである。
(『基本的な方針』p11)

 ぶっちゃけ、基本計画・商業との活性化の計画、とりわけその中核となる「中小小売商業高度化事業」については、この「趣旨」を拳拳服膺(けんけんふくよう=忘れず、反しないように心掛ける)しなければならない。
基本計画にはこの「趣旨」が隅々まで行き渡っていなければならないのですが、takeoがチェックした基本計画で『基本的な方針』をしっかり読み込んで作られていると認められるものはほとんどありません。あなたの計画はどうでしょうか。

(ちなみに、「中小小売商業の競争力の根幹」である「業種揃え・店揃え」をしっかり実現しているのは、天敵・広域型ショッピングセンターだということはあらためて申すまでもありません。)

 中心商店街VS広域SCの競争は、
「中心商店街=周辺事業にかまけている商業集積」
 VS 
「業種揃え・店揃え=テナントミックスに取り組んでいる商業集積」 
の競争ですから、商店街に勝ち目がないのは当たり前です。 

 さて、「業種揃え・店揃え」とは、「当該商業集積が地域において果たしている役割及び今後果たすべき役割(『方針』p11)」に基づいてテナントミックスを構築することです。もちろん、既存個店群も当該商業集積が目指す「果たすべき役割」を実現する方向で「業容転換」に取り組まなければならない。
個店の業容転換は、
①劣化スパイラルに陥っている個店の繁盛実現への起死回生策であると同時に
②当該商業集積の「果たすべき役割・あるべき姿」を実現するための不可欠の取組
なのです。

 当サイトがいつも強調しているところですが、これは「閣議決定・基本的な方針」が示している「趣旨」とまったく同じ方向・方法であることをしっかり確認していただきたい。
この方向&方法を無視した取組・計画は、従来どおり「専ら周辺事業にとどまっている」可能性が大ですからね。

 もう一つ。
この際確認しておきますと、基本計画の作成、タウンマネジメントの推進などの取組を支援する、という名目で外部から招聘される「専門家」で『基本的な方針』をしっかり読み込み、それに即して自分の任務を遂行している人は、takeoが知る限り、ほとんどいませんからね。
「専ら周辺事業」に勤しんでいる人ばかり。
『基本的な方針』を理解し、実践に活かしていくにはそれなりに「専門的スキル」が必要です。

 ということで、「活性化計画の盲点」は、取組の指針である『基本的な方針』を理解せず、計画に反映できず、結果的に計画~実践が「専ら周辺事業」にとどまっている、という取組に基本的な欠陥があることを示しているわけです。

 そのとおり、と思った基本計画担当者は、さっそく事態を修正する働きをスタートしなければならないわけですが、さて、出来るでしょうか?

 ところで皆さんは上記の『基本的な方針』はしっかり読み込み、自家薬籠中のものとしていますよね。まさかそんなのがあるわけ?まだ読んだことがないのだが、という人は一人もいませんよね(笑

中心市街地活性化の経済学

昨日の記事を承けて。

 あらためて考えてみますと、中心市街地活性化という優れて経済に関わる課題について、経済学方面からの提言・提案は、ほとんど見あたらないようです。おかしな話ですね。
中心市街地活性化の定義は、都市機能の増進と経済活力の向上とされていますが、両者ともに経済に密接に関係があることは言うまでもありません。
当社が提唱している、中心市街地・商店街が国産消費財を主要な商品構成とする「ラグジュアリィモール」への転換は、GDPの太宗を占める消費の内容の転換(内需の転換)による国内消費財産業の設備投資の促進という回路での国内経済活力の向上、景気の浮揚を射程に入れています。
“中心商店街が繁盛すれば日本経済が潤う”のです。

 内需は、民間投資の拡大につながる方向と方法で拡大しないと国内経済に対する乗数効果は期待できません。せっかくの「給付金」もこの点を考慮し、国内設備投資のアップにつなげていく方向と方法を考えないとばらまきっぱなし、借金が増えただけ,となりかねません。

 さて一方、商業集積・機能としての商店街活性化は、経営学にとっても看過できない課題のはずです。GDPに占める消費の位置を考えれば、その受け皿である小売業の動向は企業経営全体の趨勢に大きな影響を及ぼします。
公共投資を伴う中心市街地活性化の成否、取り組みの方向と方法は、経営学にとっても重大な関心領域となるべきところですが、現実はどうでしょうか。
管見の限り、経営学方面からの提案などもほとんどありません。

 そういえば、経営コンサルタントさんたちからの提言も実践に役立つようなレベルのものは、Webなどでチェックする限り、見あたりません。

このような情況が起こっているのも、もとはといえば経済学が「資本主義社会の自画像」として実物経済との関係を直視出来ないからというのがtakeoの感想ですが、皆さんのご見解は如何でしょうか。
【理論創発】コーナーでは、「経済学イシューとしての中心市街地・商店街活性化」の考察に取り組んでいきます。

 題しまして『都市経営の経済学』
素人としては、「百年に一度の暴風雨」は既存の経済学の総破産を実証しているではないか、ということでありまして、もはや「近代経済学」は頼りに出来ないと思います。
とりあえず、頼りに出来ないことが明確な中心市街地立地の商業者その取引先の活性化を処方可能な経済学が必要になっています。

 都市はといえば。
その任務は①生活機能の充実 と② 所得機会の維持拡大ですから、いずれも近代経済学では処方不能だと思います。
何故不可能かということは【理論創発】で。

よろしくおつきあいください。 

資本主義社会にとって経済学とは何か?

 とあらためて考えてみますと、これは当然「資本主義のアイデンティティ」すなわち、自己認識でなければならない。
資本主義とは何か? これが資本主義経済学が解明しなければならない課題ですが、残念なことに解明されておりません。

 というか、経済学業界の皆さんは、始祖アダムスミス以来問題設定を誤り、「暗中蒙断」をもっぱらにしている、というのが現下、惨憺たる世界経済の根本要因ですね。
自己認識を誤れば、自己実現の方向と方法も当然のことながら誤るわけでありまして、何ですか、経済学の目指すところは「格差社会」「世界の二極化」と言うことでよろしいんでしょうか?
 ケインズ大先生は、ぼけっとしていると経済学者の妄説を鵜呑みすることになるよと警告されましたが、妄説でない・資本主義の自己認識としての経済学なんか、端緒の端緒さえ切り開かれておりませんです。

 経済学者さんたちの守備範囲からは、新自由主義+セイフティネット以上の現状認識~処方は出てこないようですが、はたしてそんなことでいいのでしょうか?

 当サイトでも多用している「百年に一度の大暴風雨」たる不況について、「どう問題を立てるべきか?」というレベルの課題に取り組んでいる経済学者、アナリストはいないようですね。

 経済学は資本主義社会における経済の自己認識でなければならないとするならば、好むと好まざるとに関わらず、百年に一度の大暴風雨についても、その情況や直接の原因の解明に止まらず、あるいは「セイフティネット」といった新自由主義の容認を前提とするかのような彌縫策談義をもってこと足れりとするのではない、「資本主義社会の自己認識としての経済学」による解明へのチャレンジが必要になっているのではないか、と思われます。

 今や「原理論」こそが問われる情況にあるのだ、ということは中心市街地活性化の領域に限られることではありません。
資本主義社会が直面している問題情況の一環、現れとして中心市街地・都市経営の問題があり、一国~世界経済活性化という課題への対処が問われている、ということを理解しておくことが必要です。

 皆さん既にご承知のとおり、あれこれと処方をバーゲンする経済学者さんたちが中心市街地活性化について、有効な処方の方向と方法を提唱しているという事例は皆無。
経営学者も同様で、たまに目にする提言は人出を増やすとか、SCとの差別化を図れ、とかのレベル。

 百年に一度の大暴風雨は、既存の経済学・経営学を一挙に破産させました。まずこのことに気づかないといけません。
新しい方向と方法には新しい経済学が求められていますが、どっか、しこしこ頑張っている人がいるものでしょうか。

 いないとなれば、それこそ「理論無き・仮設無き迷走」がこれからもずうっと続くことになりますが・・・。

目標はデスティネーションの再構築

 新スキームによる認定制度の第一号、青森・富山両市の中心市街地活性化基本計画が認定されたのが一昨年の2月、以来、早くも2年が経過しました。
ご承知のとおり、認定を受けた基本計画は一年計画する毎に進捗状況を中間総括し、報告することになっています。

 これから逐次一年間の取り組みとその結果について総括を行うわけですが、これはホンキで、つまり中心市街地活性化をなんとしても実現するのだ、という立場で取り組むと大変な難題に直面することになります。

 総括はもちろん数値目標の達成情況を中心に行われるわけですが、さっそくの問題は、目標数値が丹念毎に掲げられていない、ということ。それもそのはず、基本計画に掲げられている事業群に取り組むことで「通行量の増加」を年度ごとに予測できるはずがない。
報告を書く巡り合わせとなった担当者さんは、のたうち回らなければならない。

 総括が本来の機能、すなわち、取り組みの現状と課題を分析し今後の取り組みについて示唆するものであれば、のたうち回るのは大いに結構ですが、数値目標の設定が誤っていると総括は意味をなしません。

 特に、
①活性化している商店街は通行量が多い
②商店街を活性化するには通行量を増やすことだ
という、何の根拠も論理性もない発想で
③商店街活性化の数値目標は「通行量」だ
と短絡してしまったりしていると大変です。

 目標数値の達成具合に関係なく、商店街の「買い物の場」としての機能はドンドン劣化していきます。
恐ろしいことに、目標が「通行量」に設定されている場合、この劣化が問題として意識されることはありません。
話はひたすら「通行量はどうなったか、増えていない場合、その理由はなんとこじつけようか」というあたりに終始するわけです。

 各認定基本計画、これから逐次中間総括作業に入っていくわけですが、数多ある基本計画の中には「このままでは中心市街地は活性化できない」と気づき、場合によっては取り組みの方向を修正しなければならない、と気づいている関係者もあるかも知れません。
気づいていない人もいるかも知れません。

 いずれにせよ、計画期間五年のうち、早くも二年が無為無策のうちに経過したわけですが、残り三年間の取り組み、はたして成算があるものかどうか。
まぁ、なんですかそんなことさえ脳裏に浮かぶはずのない皆さんが主導する取り組みですから、取り組みがどうなろうとも空店舗が増えることだけは間違いありませんですよね。

動画・甲府市中心市街地商人塾

意外と知られていない商人塾お披露目イベントの動画 です。
前にも紹介しましたが、先日他の商人塾で言及したところ「なにそれ」といわれてビックリ仰天(笑
あのさ、ホームページのindexの日替わりコメントくらいは目を通しておくように。

 甲府市中心市街地商人塾・第一期生の皆さんが全工程の修了を記念して昨年11月に取り組まれたお披露目イベントを有線テレビが取材放映したものです。

 それにしても、何しろこの時期「お金を掛けずに繁盛店を作る」ことを目指して・勉強し、実践してみたら、あらまあ、これは不思議、ほんとに実現できるのですからすごいと思いませんか?
百年に一度の暴風雨を業績不振のアリバイにする小売業が多いなか、時間堪能への提案を目指すラグジュアリィな店づくりは、ユニクロと並んで「追い風」を受けて快走中。

 甲府市商人塾、あらためて紹介しますので、皆さんぜひ視聴してください。


 同商人塾では、昨年7月~11月の間、
①お金をかけずにできる
②店舗内外の整備
主体に「品揃え・サービス・環境の改革」に取り組んだ結果、商品開発や広告宣伝抜きで前年同月対比120~140%の売り上げアップを達成する参加店が続出しています。
売り上げ増=客数増プラス客単価増。
ご承知のとおり、商人塾は「お金を掛けずに・出来ることから少しずつ取り組む繁盛店づくり」ですが、理論・仮設通りの成果が挙がっています。

 修得した理論に基づき、仮設を立てて試行したら成功したということは、業容やこれまでの経験に関わらず、誰でも「やれば出来る」方法だということです。
ただし、一日も早くスタートしないと、風雨になぎ倒されてかからでは間に合いません。

ヴァーチヤル デスティネーション 再び

 “ネットは広大な海だわ”といったのは、ご存じ人形遣いと融合した草薙素子ですが、そうしますとそこに浮遊するというか、海を織り成すサイトとはいったい何でしょうね。

 サイトがリアルにおける活動と連関した所期の目的を達成するには、広大な海中に「デスティネーション」を確立しなければなりませんが、もちろん、バーチャルはバーチャルに止まっていては目的を達成することが出来ません。

 広大なネットの海のただ中に構築する《ヴァーチャルアイランド》とリアルの《劣化著しいデスティネーション》の活性化の取組を連動させるには何をどうしたらよいのか。
都市経営のツールとしてWebの活用を模索する都市はこのような課題に直面しているのでありまして、もちろん、サイトを単なる広告媒体とみなしている都市にとっては、起き得ない経営課題です。
サイトへのアクセス量をどう確保するか、といったテクニックをウリにするIT業者の問題意識とも隔絶しています。

 経済活力の向上、あるいはより深刻には「経済活力の再定義」という普遍的な問題に直面する都市が展開すべきWeb戦略は如何にあるべきか? 

 という課題を意識している関係各方面に当社が提案するのが表題の「ヴァーチャルデスティネーション」です。

 ネットの広大な海の真ん中に強力なデスティネーションを構築することで、リアルへのアクセスに直結させようとするなら、もちろんこれはリアルの強力なデスティネーションの確立が前提になります。
リアルの問題をWeb上で解決することはできません。
リアルの問題をバーチャルで解決しようとしてはならない。

 「経済活力の向上」を課題としている地域・都市・中心市街地が、Web上にITスキルを駆使して楼閣を築けば即リアルのデスティネーションが改革改善されるというのは、一知半解的妄想ですから、サイト運営はたちまち頓挫します。「ネットは広大な海」と見るのは結構ですが、近寄ってみるとそれは「広大なジャンクの堆積」かもしれません。

 リアルの問題解決にかまけながら、あるいはその解決手段としての役割を期待しながら、「情報化社会への対応」を掲げて「ホームページ作成事業」に取り組んだ組織の多くが作り出しているのが《広大な海》ですね。

 ジャンクからリアルの問題解決の武器としてのヴァーチャルの活用へ。
地域ポータルサイトに期待される戦略的機能とは何か、「百年に一度の大暴風」を乗り超えていかなければならない都市はWebに何を期待すべきか?
都市経営上の戦略としてのWebはどう構築すべきか?

 という問題がありまして、まあ「これからはITだ」と信じている人にはわからない問題かも知れませんね。
ヴァーチャルデスティネーションは、【経済活力の向上」を課題とする興味のある人は【都市経営】で改めて考察しますのでどうぞ。

 ネットは広大な海、というレトリックに従えば、ヴァーチャルデスティネーションのイメージ

 大海にぽっかり浮かんでいる与論島が、バーチャルデスティネーションのレトリックです。
遠くから見ると、写真のとおりですが、子細に見ていけば、いろいろと有益なレトリックが得られます。

都市経営と観光マーケティング

 鹿児島県商工会連合会のまちおこし指導事業で与論町です。
昨年度からの継続ですが、中心市街地活性化基本計画の作成から推進体制の構築まで一貫した取り組みを支援しています。
与論町の中心市街地活性化は,商人塾~行動計画作成と順調に進展中です。「繁盛店」も経営革新のモデルとなりうる画期的な業容転換・業績を達成している美容院など、成果があがっています。

 今回の課題のひとつは、「都市経営と観光マーケティング」について、関係者がたつ「共通の土俵」作りの作業。

 当社が中心市街地活性化をはじめ「都市マーケティング」の支援を事業領域としていることはご承知のとおりですが、
都市経営の目的=住民福祉の維持・拡充
目標=生活条件(都市機能)の充実と所得機会の維持・革新
大転換期に直面している世界において存在価値を再定義し、構築していく、という問題意識が不可欠です。

 もちろん、マーケティングですからまずは自分たちが「その気になり、必要な能力を定義しその構築に取り組む」ことが不可欠、「観光業の繁盛づくり」の取り組みもデスティネーション再構築そのものです。

 デスティネーション構築について、当社はキラープロジェクトの構想を持っています。
端的にいえば、「地域ポータルサイトを3年かけて構築する」という取り組み、その意図するところは「地域が世界において担う役割を再定義し、機能を構築する」ことです。
世界における役割の第一は、「地域住民の生活福祉の維持、充実」、これを実現するために世界のほかの地域に何を提供していくのか。

 画期的なプロジェクトですが、まだ具体的な内容は発表できません。

 ということで、プロジェクトとかタスクフォースとか、問題が指摘されるとたちまち立ち上げられる「問題解決チーム」ですが、作れば所要の能力が舞い降りてくる、というわけはないのでありまして、まあ、そういうことです。
理論創発で取り上げ中です。

個店活性化の方向と方法

 中心市街地・商店街活性化の重要な一環として取り組まれる繁盛店づくりは、当然のことながら、“中小小売商業の競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化(以下「テナントミックス」)”と密接に関連します。
それぞれの個店が好き勝手に繁盛店を目指しても、テナントミックスは実現できません。そうすると、「中小小売商業の競争力の根幹」を欠いたままで現下の競争環境・とりわけ「商業集積間競争」に直面しなければならない。隣接店舗の努力によって実現した来街客がうちのお客になってくれる、mなどということは望むべくもありません。
さらに、自己流の繁盛店づくりでは成功するもの・しないものといろいろでしょうから、結局のところ街ぐるみの活性化の実現は難しいことになります。

 中活法のスキームを真に受けて(笑、ホンキで商店街の活性化を目指すならば、そのメインの事業は「テナントミックスの最適化」となることは、『基本的な方針』に述べられているとおりです。集積としての活性化を目指す以上、集積間競争にうち勝っていくことが絶対条件であり、テナントミックスはそのための「競争力の根幹」です。

 問題は、個店の繁盛を「テナントミックスの最適化」の方向で構想し、実現する方法を工夫すること。「中心市街地立地の個店活性化の方向と方法」ですね。
居住人口を増やし、来街・通行量を増やせば「その結果として」通りに立地する個店は繁盛間違いなし、というような時代錯誤を唱える人はだんんだん少なくなっているようですが、個店の繁盛をどう実現していくか、ということについてはほとんど方針が出されておりません。(ただし、当社を除く)
方針どころか、中心市街地・商店街活性化にはそういう問題があるのだ、ということさえ理解されていない、というのが一般的な情況です。

 ご承知のとおり当社提供の商人塾は、中心市街地立地の商業者有志が取り組み、
①自店の繁盛を実現することで
②中心市街地・商店街の小売立地としての可能性を実証し
③追随者、新規参入者との協働でテナントミックスを追求し
④新しい商業集積の担い手を点から線、線から面へと拡大していくことによって、商業の活性化を実現していくという提案です。

 大事なことは、
①個店活性化の方向と方法 と
②商店街活性化の方向と方法 と
③中心市街地・全商業街区活性化の方向と方法
が首尾一貫している、ということです。

 商人塾的方向と方法で繁盛店づくりを追求すると、
①繁盛を実現出来る
②その方法は業種業態を問わず他に応用できる
③商店街のテナントミックス実現を導く
という効能効果を発揮します。
④タウンマネジメントの不可欠の道具である
というわけですね。

 商人塾に?と感じている人は、それはそれとして、商人塾に代わる、商人塾に勝るとも劣らぬ「個店~テナントミックス~中心市街地」活性化の取組を考え出さなければならない、商人塾を否定したとたん、みずからそれに代わる「個店~集積活性化の方向と方法」とりわけいますぐスタート可能で、たちまち成果が挙がる対案を他ならぬあなた自身が提案しなければならないわけですが、そのこと、もちろん分かっていますよね?

 まあ、そういうことも分からないまま“商人塾なンか大嫌い”“おれの目の黒いうちは絶対やらせない”などと妙に頑張る商工会議所の担当者さんがいらっしゃたりするそうで、なんともいやはやビックリです。

商店街再生に新手法?

イベント、託児所に助成…経産省

 経済産業省は、地域社会の中核として商店街を再生する「地域商店街活性化法案」を現在開会中の通常国会に提出する。

 アーケードや街路の整備など設備投資への助成を軸とする従来型の振興策を見直し、商店街が実施する防犯対策、街おこしイベント、子育て支援などに助成を拡大する。少子高齢化と人口減少で疲弊する地方都市の商店街を活性化する狙いだ。今秋からの実施を目指す。

 具体的には、商店街が高齢者の買い物客を対象にした宅配サービスを実施したり、子育て支援のための託児所を作ったりする場合、国の補助率を原則として現在の2分の1から引き上げる方向で調整している。

 地域の特産品などを主体とするイベント開催や新商品の開発など、地域経済の振興につながる事業も助成対象とする。

 空き店舗対策では、店舗の改修費用や賃料について補助する。商店街の活性化事業に必要な土地を売却した売り主に対しては、土地の譲渡所得から最大1500万円を差し引いて課税額を計算する特別控除の優遇措置を導入する。
(2009年1月20日 読売新聞)

例示されている事業はといいますと、
①空店舗を利用した託児所の設置
②高齢者向けの商品宅配サービス
③特産品を活かした地域ブランド品の開発
④AEDの設置
⑤防犯カメラ、防犯灯の設置
⑥街おこしのためのイベント開催
⑦買い物カートや電動スクーターの貸し出し など

 いつかどこかで見たものばかり、どれが「新手法」なのか、既視感いっぱいの施策です。この時期、長期低迷は商店街だけではありません。百貨店もGMSもみんな前年割れが続いているわけで、そういうご時世に、ほんとにこういう施策に取り組めば商店はが活性化できると思っているのでしょうか?

 国の『基本的は方針』では中小小売商業の競争力の根幹である業種揃え・店揃えに集中すべき、その他の事業は「周辺事業」である、と喝破しておりましたが、この法律で取り組まれるのは周辺事業ばかりではないか?

 「人材育成」という項目もあるようですが、中味が問題です。わが商人塾の各位は、こういう事業に関心を持つ暇はありません。専ら「繁盛店づくり」とその成果の普及に専念しています。

小売業という都市機能の活性化

 中活法に示されている中心市街地活性化の目的は、
①中心市街地における都市機能の増進 および
②経済活力の向上 
ですね。

 中心市街地の「三要件」から中心市街地とは“都市の歴史的に形成されている市街地の「商業街区」”のことであることに疑義はありません。“商店街をはじめ小売商業機能が蓄積されており、かつ、それが「衰退傾向」にある街区”が中心市街地です。

 したがって、中活法にいう「都市機能の増進」とは、まずは「小売商業機能の増進」であり、特に、衰退傾向にある街区の商業機能を活性化することが「都市機能の増進」のメインの課題になります。(他に「メイン」となる都市機能はありませんからね)

 さらに、「経済活力の向上」について。
経済活力の向上を実現するには、中心市街地における経済活動を活性化しなければならない。当たり前ですね。
中心市街地における主要な経済活動の担い手といえば、小売商業機能であることに疑問の余地はありません。
中心市街地における経済活力の向上を実現するためには、小売商業の活性化に取り組まなければならない。

 こうして、中心市街地の活性化、
①都市機能の増進 と
②経済活力の向上 
を実現するには、街区に立地するメインの都市機能である「小売商業機能」の増進・活性化を実現することを通じて、「経済活力の向上」を達成しなければならない。
中心市街地活性化のメイン業務は、中心市街地の「小売商業機能の活性化」である、このことに疑問の余地はありません。

 以上について、スキームをきちんと読み解けば、疑問が生じる余地はありません。しかし、一部の基本計画では、小売商業機能とその他の都市機能、例えば居住機能や医療機能などとの立地上の軽重などを検討することなく、マンションを造ったり、病院を誘致することが商業の活性化と肩を並べる中心市街地活性化策だと勘違いしている人もあるようです。
マンションがドンドンたっても、病院が引っ越してきても、中心市街地の活性化は実現しません。それもそのはず、街区の都市機能の太宗を占めている商業機能の活性化については無為無策ですから。

 さらに言えば、国の『基本的な方針』で「周辺事業」と定義されている街区の美観整備やコミュニティ施設の整備といった事業の実施をもって活性化を達成しようという「中心市街地活性化」もなんの効果も得られないまま続けられてるわけで、何ですか、身の毛がよだつとはこう言うときに用いる言葉ですよね。

 ということで、今年はこれまでにもまして「至らぬ取組」を真っ向から批判したいと思います。
何ですか、「クオールエイドが頼みもしないのにうちの悪口を言っている」と言うぼやきも聞こえてきたりしますが、頼みもしないのに自分たちの取組の至らぬところを批判してもらえる、というのは願ったりかなったりと考えるべき、きちんとやろうとすれば経費が発生しますからね。

 中活法のスキームのイロハのイである、中心市街地活性化とは小売商業機能の活性化のことである、ということにあらためて注意を喚起すべく、だらだらと書いてみました。 

買い物行き先としての魅力

 商店街活性化関連で消費者・住民にアンケート調査を実施すると問題点として必ず上位に挙がるのが「買い物行き先としての魅力に乏しい」ということです。
もちろん、昨日今日始まったことではなく、アンケート調査がスタートして以来、一貫して指摘されています。

 問題は、この指摘に対して効果的な対策が講じられて来なかったこと。アンケート調査が始まって以来、今現在に至るまでほとんどまったく効果的な対策が講じられておりません。
時に「魅力ある商店街づくり」などのキャッチフレーズが掲げられますが、取り組まれる事業といえば景観整備やイベントの類ばかり、そうそう、一店逸品もありますね。
魅力ある商店街づくりに取り組んだという話はいくらでもありますが、成功した・商店街に魅力が出て買い物客が増えた、という話はほとんどありません。

 買い物行き先としての魅力といえば、第一にショッピングの魅力であり、ショッピングも魅力といえば、買い物・下見・冷やかしの魅力であり、ショッピング対象となりうる「品揃え・提供方法・提供環境」が整っていること。
とりわけ、「品揃え」についてはショッピングの目的は「気に入った商品を買って帰ること」ですから、他のことで大体することはできません。

 商店街の活性化は、商業の高度化によって実現する、高度化とは業種揃え・店揃えの最適化である、というのは中活法の基本ですが、言うまでもなく、業種揃え・店揃えとは「欠業種を誘致して空店舗を埋める」といったレベルのことではない、商店街全体としての「品揃え」を最適化する、ということを意味します。
(このことが理解できない人、理解してもその推進の先頭に立つスキルを持っていない人は、タウンマネージャー、アドバイザー、その他名称は何であれ、商店街活性化の指導者としての適性が不足しています。)

 商店街の魅力とは買い物行き先としての魅力であり、特に現下の情勢は、店あまり・もの余りに加えて、消費不況が蔓延していく傾向が歴然であり、このような情況において「買い物行き先としての魅力」を構築していかなければならない、街ぐるみの「品揃えの最適化」を実現していく、というのが中心市街地・商店街活性化の目標です。いつも申しあげているとおりですが、なかなか基本計画に反映されません。

 いつの世においても“ものが売れなければ商店街ではない”のでありまして、ものが売れる、繁盛する店が軒を連ねるには、
①売れるものを揃える
②買いやすい方法で提供する
③買い物が楽しい環境をしつらえる
という「三点セット」の最適化はエンドレスの課題です。

 アーケードの着脱、空地空店舗の活用も結構ですが、基本となる業種揃え・店揃えの最適化という課題をメインにしていない取組は、必ず失敗への道に至ること、間違いありません。
モロモロの「周辺事業」は、「街ぐるみでの品揃えの最適化」というメイン事業の進展が見込まれてはじめて補完的な効果を発揮するもの、メイン事業の代替は出来ません。

 新年度は「魅力ある個店づくり」という方向で施策が講じられるようですが、「品揃えの魅力」を目指さない取組は、タイトルがどう変わっても効果を上げることが出来ません。
これまでのところ、課題に対応している取り組みといえば当社流「商人塾」だけだと思います。
納得したら一日も早く着手することが「中心市街地活性化への道」です。

商店街に新ビジネスモデルの登場

 目下、石川県小松市中心市街地と佐賀市錦通り商店街と二つの商人塾が進行中ですが、大変興味深い事例がありましたので報告しておきます。

 両商人塾で、ほとんど同じビジネスモデルが立ち上げられている、ということです。
これまでの「業種」の常識を根底から覆す企画です。
両商人塾ではいずれ内容を紹介してもらい、「鮮烈な刺激」を受けてもらい、それぞれ自店の転換促進に向けた燃料にしていただきたいと思います。

 それにしても、スタートしたばかりの両商人塾で同じ業種でほとんど同一のビジネスモデルがそれぞれ独立して考案され、実際に事業化されている、というのはもの凄い偶然です。
お二人とも業界で就業してきた経験を持つ「専門家」であり、取組は着実、将来が大いに期待されます。

 これから規模拡大を目指すことになりますが、お互いに切磋琢磨することでより優れたビジネスをより速く・より適正に作って頂きたいものです。

基本計画 年次総括の基本的視座

 これから相次いで取り組まれる、基本計画・年次総括の基本的な視座について

 多くの基本計画が達成すべき数値目標」として「通行量」を掲げていますが、果たして通行量は目標足りうるのか?
基本文書の一つである、平成18年9月8日閣議決定『中心市街地の活性化を図るための基本的な方針』の該当部分を検討してみましょう。

第七章2①趣 旨
 中心市街地における中小小売商業の活性化のための取組が、従来、
a)個々の商店街ごとの活性化努力にとどまり、複数の商店街による広域的な中小小売商業の発展に必ずしも結びついていなかったこと、
b)専ら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業としての競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が不十分であったこと、
c)主に事業を営む中小小売商業者を中心とした取組であり、地権者等との連携が不十分であったこと、
d)まちの様々な事業主体との連携が不足していたこと
などを踏まえ、
1.商業者を取り巻く様々な関係者との連携の上に立った
2.意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、
3.周辺地域への波及効果が認められる
商店街等中小小売商業の高度化を通じた中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的かつ重点的に促進するものである。
(『基本的な方針』p11)

 「にぎわい」は“商店街等中小小売商業の高度化を通じ”手回復するものである、と明記されています。
にぎわいを回復して商業を活性化するのではなく、小売商業の高度化を実現し、その結果としてにぎわいが回復する、というのが『基本的な方針』の立場です。
 ぶっちゃけ、基本計画・商業との活性化の計画、とりわけその中核となる「中小小売商業高度化事業」については、この「趣旨」を拳拳服膺(けんけんふくよう=忘れず、反しないように心掛ける)しなければならない。
基本計画にはこの「趣旨」が隅々まで行き渡っていなければならないのですが、takeoがチェックした基本計画で『基本的な方針』をしっかり読み込んで作られていると認められるものはほとんどありません。あなたの計画はどうでしょうか。

(ちなみに、「中小小売商業の競争力の根幹」である「業種揃え・店揃え」をしっかり実現しているのは、中心市街地の天敵・広域型ショッピングセンターだということはあらためて申すまでもありません。)

中心商店街VS広域SCの競争は、
中心商店街=周辺事業にかまけている商業集積 
 VS 
業種揃え・店揃え=テナントミックスに取り組んでいる商業集積 
の競争ですから、商店街に勝ち目がないのは当たり前です。 

 さて、「業種揃え・店揃え」とは、「当該商業集積が地域において果たしている役割及び今後果たすべき役割(『方針』p11)」に基づいてテナントミックスを構築することです。もちろん、既存個店群も当該商業集積が目指す「果たすべき役割」を実現する方向で「業容転換」に取り組まなければならない。
個店の業容転換は、
①劣化スパイラルに陥っている個店の繁盛実現への起死回生策であると同時に
②当該商業集積の「果たすべき役割・あるべき姿」を実現するための不可欠の取組
なのです。

 当サイトがいつも強調しているところですが、これは「閣議決定・基本的な方針」が示している「趣旨」とまったく同じ方向・方法であることをしっかり確認していただきたい。
この方向&方法を無視した取組・計画は、従来どおり「専ら周辺事業にとどまっている」可能性が大ですからね。

 もう一つ。
この際確認しておきますと、基本計画の作成、タウンマネジメントの推進などの取組を支援する、という名目で外部から招聘される「専門家」で『基本的な方針』をしっかり読み込み、それに即して自分の任務を遂行している人は、takeoが知る限り、ほとんどいませんからね。
「専ら周辺事業」に勤しんでいる人ばかり。
『基本的な方針』を理解し、実践に活かしていくにはそれなりに「専門的スキル」が必要です。

 ということで、「活性化計画の盲点」は、取組の指針である『基本的な方針』を理解せず、したがって計画に反映できず、結果的に計画~実践が「専ら周辺事業」にとどまっている、という基本中の基本にあるわけです。

 そのとおり、と思った基本計画担当者さんは、さっそく事態を修正する働きをスタートしなければならないわけですが、さて、出来ますか?

 年次総括、数値目標未達の総括の書き出しは、
“これまでの取組は専ら周辺事業にとどまっていた”ことを自覚し、反省することからスタートしないと、来年、再来年の総括も同じ、言い訳にならない言い訳を繰り返すことになりますよ。
念のためにつけ加えておけば、『基本的な方針』を理解するためには「商業理論」を装備しておくことが前提ですから、「勉強無くして活性化無し」。

自力思考は批判的態度から

中心市街地・商店街活性化関係の学識経験者・指導者の中には、年間都市を何箇所訪れたか、何回講演を行ったか、ということを自慢している人がいたりします。
自慢したかったら、自分が後援をした結果、聞いたひとたちの取り組みがどう変わり、その結果中心市街地・商店街がどう変わったか、ということを報告からにしてほしいものです。
何十、何百回講演をしても、その結果、聞いた人たちの取り組みが変わり、「活性化の実現」という成果への接近が現れない限り、講演活動の効果があったとはいえないのではないか?
はじめの一、二年は別として、三年、五年と同じような活動を継続していたら、成果が現れないとおかしいのではないか?

 仮にも実践的な提案をする以上、提案を受け入れ実践したところから成功するところが輩出しないとおかしいのではないか?
仮にも指導者を自認するなら、講演活動にとどまらず提案内容の実践を組織し、実践を指導し、提案の実効性を実証するべきではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。

 何箇所回ったとか、話したとかいうのは、手柄でも何でもありません。その結果、聞いた人たちの行動・実践はどうなったか、その結果街は活性化したかどうか、ということが問われなければない。ごく当たり前の話です。

 というように考えれば、講演に際して「回数」を自慢するのは百害あって一利なし。
聴いている人の中には、「回数」に感激してしまい、話の内容を批判的に吟味するという作業を放棄してしまう人が少なくない。
たぶらかそうとする場合は別として、「活性化への道」「方向と方法」を提案する場合は「成功事例」を自慢してはならない、というのは指導者のイロハです。
「成功事例」を紹介することは、理論の批判的吟味という大切な作業の妨げになります。
「失敗事例」の紹介はかまいませんが。

 さて、ここからが本題です。

 商店街活性化は自力思考から、というのが当社のモットーですが、では自力思考を我が物にするためには何が必要か?
何を勉強したら自力思考を身につけることができるのか?

 これは簡単でありまして、特に何かを勉強する必要はありません。ただ、人の話(言説)を批判的に聞く態度を習得すればOKです。
言説を批判的に聞くとは:
?なぜそういえるのか?
としっかり吟味することです。

なぜそう言えるのか?
それが正しい根拠と主張される根拠は何か?
もし、言説が正しいならけして起こるはずのないことが起こっているケースはないか?
等々は、勉強しなくても自分で考えれば分かります。

例:
①まちが空洞化したのは人通りが減ったから
②活性化するには人通りを増やせばよい
という主張を検討したかったら
①の根拠を聞いてみる
という作業をすればよろしい。
相手と「水掛け論」になってしまったら、
○人通りが多くても繁盛していない商店街
という事例を探してみるとよろしい。
結構ありますからね。
こういう商店街が見つかると、“人通りが多くなっても活性化するとは限らない”わけですから、「言説・活性化するには人通りを増やす」は商店街活性化策としては不適切だということになります。

そうすると、活性化実現の数値目標=通行量の増加の妥当性が揺らぐことになる。

数値目標としての通行量は、増加するための施策として「業種揃え・店揃えの充実」に取り組む場合にのみ妥当です。ただし、店揃えを充実させた結果通行量が目に見えて増えるのは相当先の話であり、計画一、二年目に実現できることではありません。
短期間に実現される通行量の増加は非・商業活性化施策の結果によるもの、その通行量で商業の活性化が実現できることはありません。

イオンの大牟田出店

 当社ブログの関係記事には相変わらずアクセスが多いようです。

皆さん、相変わらずショッピングセンターの動向には関心が高いのですね。
肝心の自店~商店街についてはどうなんでしょうか?

 イオンの大牟田出店について、当社周辺では最近とんと噂を聞きませんが、果たして計画通り出店するのか?
気になるところですが、それよりなにより肝心なのは、自店の売り上げをこれ以上落とさない、反転向上させることでありまして、これはイオンの動向などに関係なく実現しなければならない。
というように考えれば、イオンの出店なんかどうでもいいのです(笑

 毛沢東は、抗日戦において“戦略的には敵を軽視し、戦術的にはこれを重視する”と指導したそうですが、商店街のSC対策は、“戦略的にも戦術的にも無視する”ことではないでしょうか。
?と思う人は、下で紹介するブログ記事を熟読してください。

 商店街活性化、現時点でのの取り組みは、(まじめに考えれば)“その可能性を実証する”という取り組みにならざるを得ないわけで、つまりは有志がみずから立ち上がって個店レベルでの繁盛を実現してみせることが課題です。
個店レベルの繁盛を目指すにあたって、建設工事中のSCの内容をあれこれ憶測するというのはなんの意味もありません。

 商人塾修了店舗の視察に出掛けた人の所感を聞きますと、“誰一人、「大型店の脅威」なんか口にしなかった”ということが大変印象に残ったとか。商人塾の方では、“え?何で気にするわけ?”ということなんですけどね。

 それはともかく。
毛沢東さんをパクれば、“郊外型ショッピングセンターは張り子の虎”でありまして、時間堪能型業容・三点セットの構築を目指す人には、なんの恐ろしいこともありません。

イオン的新戦略を批評する

イオンの課題

 もちろん、御地近辺にSC進出の話がある場合、これを利用して「商店街活性化・実現の方向と方法」についての論議を巻き起こすきっかけにするというのはあり得ることです。
ただし、議論には方向と目標が必要であり、“こうすれば(大型SCの動向に関わらず)商店街は活性化できる”という「落としどころ」を準備しておくことが必要です。

 落としどころを持たずに“SC対策、さ~、みんなで考えよ~”というのは小学生のホームルームレベル。
落ち着く先は一店一品とか、駐車場の共通券発行とか。
対策になっていないことは中学生でも分かります。

 議論をするなら前もって「方向と方法」についての見通しを持っていることが肝要です。
見通しを準備せず、“みんなで考えればただし答えが得られる・「合意形成の仕方」”は一部の指導者さんが売り物にしているようですが、真っ赤なデタラメですよね。

 ということで、新春早々、新しい一歩を踏み出したい人は迷わず、論議の土俵を作るべき。
当社は次のような勉強会を提供しています。

○『SC全盛時代の商店街活性化・その方向と方法』

中心市街地・面的レベルの取り組みには:
○『合意形成の最短距離・中心市街地活性化実現の方向と方法』

 常連の皆さんは既にご承知のとおり。
とにもかくにも、関係各方面で「コトバ」が通じる状態を作ることが先決、いろんな施策を出し合うのは「方向と方法」について合意を作り上げてから、というのは何ごとによらず、組織的な取り組みの場合イロハのイ、中心市街地活性化、商店街活性化においてもけして例外ではありません。

 勉強会の開催に興味がある人は、とりあえず、後先考えず、当社とコンタクトをどうぞ。

原因探し、犯人捜しの不毛さ

 商店街は何故空洞化したのか?
これまでの取り組みがうまく行かなかったのは何故か?
誰の責任か?

 探ってみたくなるのは人情ですが、ちょいとお待ちあれ。
原因が分かったからといってその原因を改善したり、「無かったこと」に出来るとは限りません。
車を塀にぶつけて擦過傷がついた後で「ぶつけた原因」が分かったからといって車に付いた傷が「無かったこと」になりますか?
もちろん「運転ミス」についての反省もしなければなりませんが、同時に「修理」の手だても考えなければならない。

 この場合、必要なことはどういう方法で修理するか、ということでありまして、このとき、車の傷が何が原因でついたのか、ということは関係ありません。

 商店街活性化の場合もまったく同様でありまして。
どうして商店街が空洞化したのか? 
どうして空店舗が増えたのか?
などなど原因を追及してもそこから対策が生まれることはありません。
「原因追及」に熱心になるとそのことが原因で新しい障碍が生まれたりします。
 
①商店街が空洞化スパイラルに突入した原因 と
②商店街が空洞化スパイラルのまっただ中にある理由 
とは違います。さらに
③商店街が空洞化スパイラルから脱出する方向と方法
は、①や②とは無関係です。

 商店街がどのような原因で空洞化したのであれ、活性化するためには「商業集積としての存在意義」を定義し、全体としての業容を「テナントミックス」として構築していく以外に方法はありません。

 通行量が減ったから空洞化した=通行量を増やせば活性化する 

 などというまやかしは、言う人も聞く人も活性化という課題をホンキで自分のことととらえていない時に限って通用する話です。

 ということで、基本計画の年次総括など、これまでの取り組みの成果が問われる時になると、「成果が挙がらなかった理由」を説明することになるわけですが、これから行う総括は“○○のために成果が挙がらなかった”という弁解のオンパレードになりそうです。

 問題は、“○○のせい”ということでほんとに済まされるのかな、ということでありまして、“○○のせいで活性化できなかった”というのが本当だったとして、ではこれから“○○”をうまく処理出来るのか? 処理すれば「活性化」が実現するのか?
ということですね。

 “よそ見していたせいで車をぶつけた”場合、強く反省して“これからはよそ見しない”ことにするのは結構ですが、そうすることにしたからといってぶつけた傷はもとに戻りません。
原因が分かったからと言って、原因を処理すれば問題が解決するというものでは無いことが間々あるわけです。

 基本計画を総括するにあたっては、
“活性化できないのは誰のせいか?”
という発想も出てきそうですが、こんなスタンスは百害あって一利無し、それよりも「現状からスタートして活性化を実現していく方向と方法」を考えなければならない。

 新・基本計画による取り組みが思ったような成果を挙げられない・行き詰まっている情況では、「活性化実現の可能性」を実証することが最優先の取り組みになります。
 取り組みの要件は、
①中心市街地の・空洞化著しい商店街・既存個店は、努力の方向と方法次第では繁盛することが出来るのだ、いうことをだれが見ても納得されるレベルで実証すること。
②その「方向と方法」は、既存商業者が「その気」になりさえすれば簡単に実行できるレベルであること。
が求められます。

 このとき、「空洞化した原因」などはまったく関係ありません。
街・個店は「買い物行き先としての機能」を空洞化させているのですから、その機能を再構築しなければならない。
このとき、どうして空洞化したのか、ということはあまり関係ないのです。大事なことは「どうすれば活性化できるか」と言うことであり、何度も言うようにそれは「空洞化した原因」を探すこととはほとんど関係がないのです。

 基本計画が悪い、商業者の態度が悪い、等々「総括」のネタはいくらでもあるでしょうが、必要なことはこれから先のことです。
なににどう取り組んでいけば目標・目的を達成することができるか?
総括の目的はこれ以外にはありません。

 犯人捜しなどに精を出すと、要らぬ波風も起こりかねません。そんなことより活性化の可能性を実証し、点から線、線から面へと実証を拡大していくこと、そのための合意形成の機会として「総括」の節目を活用してください。

基本計画の年次総括

 中心市街地活性化基本計画、2007年2月1日に認定された青森・富山両市を皮切りにこれから二年次、一年次の「中間総括」が始まります。
折からの「百年に一度の暴風雨」を勿怪の幸い、「不況のせいで目標達成が出来なかった」という言い訳が多くなりそうです。
あるいは、「目標未達」の責任者捜しが始まるところもあるかも知れません。

 問題は、これから残り3年または4年という計画期間で何を達成できるのか、ということです。
不況のせいとか責任者探しでことが解決できるあんら大いにやるべきですが、あいにくと「○○のせい」でこれまでは総括したとしても「これから先」の取り組みにはなんの効果もありません。

 百年に一度の暴風雨、そのさなかにおいて取り組まれる中心市街地活性化ですが、ここで「方向と方法」を見定めないと、劣化スパイラルはスパイラルではなく「つるべ落とし」になることでしょう。
ハード事業も必要でしょうが、それと平行して「百年に一度の暴風」への対処も考えなければならないわけです。

 タウンマネージャーの職責をになっている人は、それぞれ当該都市の商業活性化についての理論・実践両面にわたる第一人者のはず、「基本計画の見なおし」特に百年に一度の大暴風雨に対処する個店~商店街の能力整備についてしっかり提案しなければならない。最重点は能力を充実すること、そのプロセスで取り組む有志の店舗を実際に繁盛させること、すなわち、当社流商人塾的取り組みを提案すること。

 20089年は能力充実が最優先課題、「共同経済事業」や「共同施設事業」などの出る幕では無いかも知れません。
前年度的従来的取り組みの継続では次の年次末には「総括の材料がない」羽目に陥りかねないと思います。

基本計画の大盲点

 わが国の小売商業振興、商店街活性化施策はいうまでもなく30年にわたって展開されています。中活法のスキームのもと採用されている施策企画のほとんどが、ご承知のとおり、これまでどこかで実施されてきたものです。
斬新な企画を、という声も聞かれますが、ふたを開けてみるといつかどこかで取り組まれ、見聞したことのあるものばかり。

 成果のほどもこれまでと変わらず、劣化スパイラルは進行するばかり。
いつ何時“もう商店街活性化は不可能だ”ということになってもおかしくない状況かも知れません。ほんとに活性化を目指すならもっと他に効果的な分野、課題がある、という声も大きくなりそうです。

 だからといって“画期的な活性化策を案出しなくては”と短絡するのはこれまでの路線と変わりがありません。
それよりも、

“これまで全国各地で多様多彩な事業が実施されたにもかかわらず、活性化に成功した事例がきわめてすくないのは何故だろうか”

あらためて考えてみるべきです。

これまでの取り組み、各種事業の成果を活性化の実現につないでいくために必要な能力を備えていただろうか?
という疑問が湧くのではないでしょうか?

イベントでお客を呼んでも、アーケードをつけたりはずしたりしても、再開発という大事業に取り組んでもその結果、期待していた各店舗の売り上げが上がらないのはなぜか?
ということです。

これはもう、活性化施策を活用する能力、例えばイベントで増えた通行量を入店客に転換するという能力を商店街~個店が持ち合わせていないのではないか?
という疑問が浮かび上がってきませんか?

 あらためて考えてみれば、通行量を入店客にするための努力・その内容について考え・力を付ける、という取り組みはこれまで一度も取り組まれたことがありません。
この課題は新しい基本計画でも軒並み無視されています。

 上述のとおり、商店街活性化施策として画期的な手法が出てくることは期待できません。
とするならば、検討してみるべきは「これまでの取り組みを活用できなかったのは何故か?」ということではないでしょうか。

 このことに思い至れば、基本計画の期間5カ年のうち最初の二年は「能力の育成」がメインになるべきではないか。
皆さんの基本計画、「個店の経営能力の転換」という喫緊の課題への取り組みはまったく計画されてい無いのですが、そういう計画で「今度は大丈夫」と言えますか?
何故言えるんですか?

ユニクロ 一人勝ちではない

<ユニクロ>営業利益予想を上方修正…09年8月期
1月9日21時23分配信 毎日新聞

 カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは9日、09年8月期連結業績予想の営業利益を前期比13.2%増の990億円(従来予想930億円)に上方修正すると発表した。発熱保温素材「ヒートテック」を使った肌着などの販売が好調なためで、消費不振で総合スーパーなどの衣料品販売が低迷する中、ユニクロ「独り勝ち」の状況を改めて示した。

 売上高も6.9%増の6270億円(同6200億円)に上方修正し、過去最高となる見込みだ。

 また、同日発表した08年9~11月期決算では、売上高が前年同期比17.5%増の1885億円、営業利益が45.6%増の409億円。ヒートテック人気に加え、フリースジャケットなどの販売も好調で、国内ユニクロの既存店売上高は17.7%増、客単価も6.2%増えた。中国や米国などの海外店も順調.に売り上げを伸ばした。
*************** 引用終わり ***************

メディアは、ユニクロ一人勝ち、ヒット商品の開発と低価格路線の勝利と報道していますが、果たして本当にそうでしょうか。
女優をキャラクターに起用したジーンズや新素材の下着などヒット商品が出ていますが、もちろん、それだけで達成される業績ではありません。

 ユニクロの勝利は、「お客の吟味に叶う」店づくりの結果でありまして、新商品の投入や価格はその一環であり、そのすべてではないということを確認しておかなければならない。
「やはり不況には低価格だな、分かった」「うちではこれ以上の値下げは無理」、あ~あ、というのは考え違いもはなはだしい。
いくら価格訴求をしても量販百貨店などのバーゲンは不調だということをあわせて考えなければならない。
価格も新商品も店づくり=吟味に叶う業容三点セットが構築されてはじめて効果を発揮するのですからね。

 で、ユニクロ以外、大手はみんな前年対比割れですが、原因は不況だなどと考えているととんでもないことになります。
メディアも消費低迷は不況のせいだと「解説」していますが、トンでも無いことです。ユニクロの「勝利」は不況で消費が低価格志向になったから、などと考えているようでは不況ならぬ劣化スパイラルからの脱出は不可能です。

 この時期、業績好調なのはユニクロさんだけでありません。
わが商人塾参加店の中にも、今現在、前年同月比2割アップはざら、中には3割4割アップしているお店もあります。
それも立地も店舗規模も従来どおり、広告宣伝一切なし、お金をかけずもっぱらシャッターの内側のそういう工夫だけで業績好転を実現しています。
 核が二代にわたって撤退した再開発ビルで検討している婦人服店もあります。

 もの余り時代、「不況」期の特徴はショッピングがシビアになるということです。
もちろんシビアになるのは価格だけではありません。
「買い物に期待していることが実現できるかどうか」ということがトータルに吟味され、吟味に叶う商品だけが買い上げられる。
そういう店づくりをしているお店にお客が集中する。

 商店街に立地している普通のお店、国内メーカー、問屋から普通に仕入れて普通に商売しているお店でも「吟味」に叶う店づくりが出来ていれば必ず繁盛します。
「不況」以前よりお客が増え、客単価が上がる。
ユニクロと同じことがユニクロよりも着実に起きるわけです。

 売り上げが落ちる原因は、必ずシャッターの内側にある。

 ユニクロや商人塾参加店に共通する「繁盛」はこのことを雄弁に物語っているのですが、あなたは「そのとおり」と言えますか?

 ユニクロの好調と商人塾参加店の繁盛、基本的な理由は同じです。

 ところで、あなた、
ユニクロでショッピングしたことがありますか?
ヒートテックとか着てみましたか?

小松商人塾スタート

 1月8日、参加者19名をもってスタートしました。
第一回の講義は「中心市街地活性化への道」。
この場合「道」とは、ここからあそこへ至る道筋ですが、道の中味を共有するために、「エベレストへの道」と比較してみましょうか。

 ある人が「エベレストに登ってみたい、登ろう」と決心したとします。登山の経験はもちろん乏しい状態での決心です。

 まずやらなければならないことは情報を集めること。
いろいろな情報が必要です。
①登山とは何か
②エベレストについて
③登攀に必要な準備について

次に実際に登頂を目指す体制として、ざっと考えて必要なのは
①人員(パーティ、ガイド、シェルパ)
②装備(一式)
③資金
でしょうか。

 もちろん、大前提として基礎体力、登山技術が必要です。
エベレストに登ろうと思ったらなにはさておきまずは基礎体力、登山技術をしっかり修得しなければならない。
訓練として国内外の各級の山に登ることももちろん必要でしょう。
実際にエベレストに向けて出掛けるまでに何年掛かるか分かりませんが、「エベレストに登る」と決意したら、登頂に成功するために歩むべき「エベレストへの道」に否応なく直面することになります。

 エベレスト、登山に限らず、「道」と呼ばれるような何ごとかを極めようと思えば、一般に周到な準備が必要です。
準備無し、知識無しでいきなり「ゴール」に至ることは出来ません。

 さて、「中心市街地活性化への道」です。
これもまったく同様でありまして、いきなり、“こんな活性化事業に取り組めば活性化できる”と各種事業に飛びつくのは、素人が「最新式登山装備」を一式購入してそのままエベレストの麓に立つようなものです。
いくら装備が最新式でちゃんと機能しても、肝心の登頂希望者にそれを使いこなす体力・技術が無ければ絶対に登頂出来ませんが、それとまったく同様でなんの知識も技術も備えないまま、各種事業に取り組んでも「活性化」に成功することは出来ません。体力は使い果たし、能力も使い物になりませんからね。

 しかも中心市街地の場合、本人(商業者)も、パーティ仲間(推進体制)も、ガイド(指導者)も、「道」を歩み続けるために必要な知識・能力が不足しており、準備がほとんど出来ていません。(恐ろしいことにそのことを自覚していない例が多い)
それぞれの立場に必要不可欠の基礎能力が不足したまま、いきなり事業に着手するわけですから,もちろん、それらの事業をうまく「活性化」実現に活用することができません。
素人が高度な装備一式をもってエベレストに挑戦しているようなものであり、いくら高性能の装備を用意しても肝心の基礎体力・能力・技術が伴わなければエベレストは征服できません。
同じように、いくら効果的な事業に取り組んでも、肝心カナメのそれを売場・商業機能の活性化に直結させる技術、基礎能力が不足していてはせっかくの事業も無駄に終わってしまいます。

 基本計画の年次総括にあたっては、ぜひ、これまでの取り組みにこのような「傾向」は無かったかどうか、振り返ってみることが必要ではないでしょうか。

 ということで、商人塾は、中心市街地活性化初年度の必須である関係者の「基礎能力の修得」という段階に商店街有志による「繁盛店づくり」として取り組み、
①中心市街地立地における商業再構築の可能性の実証
②関係者の基礎能力の修得
③点から線、線から面への繁盛伝搬
を目指すものです。

 第一回の講義では商人塾の趣旨と、目的達成の取り組みの内容、各種コンテンツの説明、活用法などを説明しました。

 受講者の多くは、昨年11月に実施された甲府市商人塾の「お披露目イベント」を詳細に視察されており、もちろん、その前に「活性化への道」のセミナーを二回開催、その取り組み方や効果についての理解を深めた上での、いわば「満を持して」のスタートです。

 昨日の講義に続いて今日は、各店舗の巡回を行いました。
ほとんどのお店に共通していたのは、多くのお店にありがちなファサードにポスター類が張られていないこと。
聞きましたら、セミナーで聞き、視察で実感したからはずしたとのことでした。
ちなみに視察は二班に分かれて、お披露目参加全店を訪問して店主さんに質疑をしたそうです。

 それぞれのお店でこれから一週間で取り組み、「形」として成果を出す課題を設定、“うまく行かなかったらやり直す”ということで気楽に取り組んでいきます。
とはいうものの、スタート段階で相当なレベルの取り組みを表明される人もあり、一週間後が楽しみです。
今回の商人塾は、「成功しつつある事例」を直接視察した上での取り組みということがこれまでの商人塾とは違う特徴です。
 その分、転換のスピードが速くなり、成果が増えることが期待されます。

基本計画見直しの課題

 既報のとおり、これから認定基本計画の年次ごとの総括が始まります。
一年目の総括ではほとんど計画の見直しにまで踏み込んだものはなかったようですが、二年目ともなるとそうもいかない、というところが出てくるかも知れません。
二年目の総括を迎える都市にとって、本来であれば方向と方法に自信を確立、取り組みに拍車がかか段階となるべきところ、実際はどうでしょうか。

 中には「責任」が云々されるケースもあるかも知れません。
どうして活性化できないのか、犯人捜しです。
擬せられるのはおおむね商業者と決まっておりまして、これまで基本計画の説明会も組織の活性化も、もちろん、基礎能力を確立するための事業の取り組みも、ぜ~んぶ放棄したままだったのに「商業者の意欲が不足している」などと指摘されたりする。商業者は堪りません。
で、「意識の改革が必要」などということになり、意識改革のための勉強会などが企画される。
講師はもちろん「成功事例」のリーダーさん。
結果は掌を見る如く自明です。

 さて、多くの基本計画は、「中心市街地活性化実現のシナリオ」という本来の性格を十分備えていないように見受けられます。
期間中に実施する事業群が羅列されているだけという計画もあるようです。
数値目標も問題でありまして、見直しの基準となる数値目標は、シナリオ~年次ごとの目標を設定し、さらにそれを数値化する、という手順で決定されていないと、事業取り組みが目標達成に接近しているのかどうか、年次総括の機能が果たせません。

 数値目標の達成状況と商店街の商業機能の実態を「活性化の実現」という最終目的に照らして考えれば、「計画の見直し」という課題が不可避であることに気づいている都市もあるかもしれません。

 数値目標の達成状況の総括から遡及して基本計画そのものの見直しという課題に行き当たらないと最終目的は達成できない、ということです。

 年次総括の作業は関係各方面がこのことに気づく唯一の機会であり、本気で総括に取り組むならば好むと好まざるとにかかわらず、計画そのものの見直しの必要性に対ついて検討しなければならないはずですが、さて、この課題に取り組む都市がいくつ出てくるでしょうか。注視したいと思います。

 今年の年次総括は、数値目標の達成状況というレベルに終始するようでは次年度以降の取り組みに赤信号がつきます。
いうまでもなく、活性化が進展しない原因を掴むことは必要ですが、「犯人探し」などは時間の無駄です。早い話、「犯人探し」などにうつつを抜かすようでは問題がまったく理解できていないといわざるをえない(もちろん、取り組みの自省的な総括が出来ないところに比べるとずっとマシですが)。

 ぶっちゃけ、年次総括を自分たちだけで済ませようというのは基本的に間違いでありまして、いつまで経っても活性化実現の可能性が見えてこない基本計画を持っているtころは、「総括」に外部のスキルを活用されることをお奨めします。
いち推しはもちろん当社です。
たぶん他に「中心市街地活性化基本計画」の年次総括を効果的にすることが出来るのは当社以外にはないと思います。それとも心当たりがありますか?

商店街活性化の盲点

 劣化スパイラルに陥って久しい商店街&商業者の皆さんですが、果たして現状から脱出していくために必要な能力は装備されているでしょうか?

 これまで作られ・取り組まれてきた様々な商店街を活性化するための事業計画、そのことごとくが“施策を活用する「能力」については問題はない”ということが前提にされていました。
実際に商店街組織のリーダさんたちも、
“商店街に人を呼ぶのが組合の仕事、集まった人をお客にするのは個店の仕事”
という言い方をしておりました。つまり「個店には店前通行量を入店客にする」技術・能力が備わっているということが暗黙の前提になっていたわけです。

 その結果、
“イベントのたびに人が集まってくるが、集まった人が買い物をしない”
という情況がこれはもうずうっと前、中活法が制定される以前から起きていることです。
このことが意味しているのは何か?
個店は「店前通行量をお客に変える技術を持っていない”ということですね。
これは重大です。

 活性化目指して作られ・取り組まれる計画には、あたりまでですが、来街者を増やすために多種多様な事業が計画されています。
それらの事業に取り組んだ結果「通行量」が増えたとしましょう(実際はそう簡単に増えないのですが)。
ところがせっかく増えた通行量を当初の目的である「個店のお客にする」技術・能力を個店が持っていないわけです。つまり通行量が増えても、その結果として商店街・各個店の売り上げが伸びる、商店街が活性化する、という結果は出ない。日頃経験しているとおり。

 これまでの取り組みでは、
“集まった人をお客にするのは個店の仕事”
といいながら、これは単にいってみただけ、「個店にそういう能力が備わっているか、能力は適切に活用されているか」ということはほとんどまったく眼中にありませんでした。
取り組みの結果として個店の買上客が増え、繁盛が制限されるということがほとんどなかったのは当たり前ですね。

このことを虚心に見つめると、
①人を集めてもそれが買い物客になることは難しい とか、
②個店は通行量をお客に変える能力を持っていない 
ということがしっかり理解されたはず、キモに銘じたはずですね。
おそろしや、路線の言い出しっぺであるリーダーさんたちのお店を含めて「通行量をお客に転化する」能力を持っていないのです。

 このことはその気になって商店街を見る気が有ればすぐに見える・理解できることです。
にもかかわらず、「認定基本計画」を含め、活性化に取り組む計画には、個店の経営能力」についての現状及び課題、育成についての及は一切ありません。
おかしな話ですね。 

 これから認定基本計画の年次総括が行われる時期を迎えますが、この問題を直視できない総括では本来の総括の機能を果たすことが出来ません。
あれこれと理由にならない理由をこじつけて「活性化が進まない理由」とするのでしょうが、そろそろ「修正不能」段階に入って行きますが、このまま突っ走るつもりですか?

テナントミックスという課題

 中心市街地・商店街活性化の計画や言説には「テナントミックス」という言葉がしょっちゅう出てきますが、何を意味する言葉なのか、ちゃんと定義して使っているのは、takeoが知る限り、当サイトだけです。

 一般にテナントミックスという言葉は、
①きちんと定義されており、しかも
②その定義は関係者すべてに共有されている
ということが実現しているかのような使われ方をしています。
が、しかし、共有どころかこの言葉を使っている人たちさえ、テナントミックスという言葉の意味を理解していない、というのが実状ではないでしょうか。
 それともあなたはテナントミックスについて云々する人(専門家、非専門家を問わず)が、この言葉を使って話を進めていくにあたって言葉の定義を説明したのを聞いたことがありますか?

 商店街活性化に関係している人たちには共通する欠陥がありまして、それは自分がしゃべっている専門用語を定義しない、ということです。まか不思議。
テナントミックスに限りません。マーチャンダイジング、マーケティング、ショッピングモールなどなど、基本計画に使われている専門用語は業界共通の定義などありませんから、使うにあたってはそれぞれ自分たちで定義することが不可欠です。
特に基本計画は公文書ですからね。公文書に定義抜きで専門用語がばらまかれているというのはおかしな話です。

 おっと、話はテナントミックスでした。
もちろん、もとはといえばショッピングセンター業界の用語ですが、この言葉、業界でも定義されておりません。
共通の定義が無いどころか、使っている人にどういう意味で使ってるの?って質問して「テナントでスペースを埋めること」以上の理論的な説明が出来る人は少ないと思います。

 そういう情況ですから、特に再開発事業などでテナント誘致に取り組むに際しては、事前にテナントミックスという専門用語についてしっかり理解しておくこと、関係各方面がその理解を共有しておくことは不可欠の課題です。
特に、小売業から賃貸業への転進を目指す場合は、これをしっかり理解し、かつ「テナントミックスを維持するの法」を修得しておくことが必須課題です。

 SCなどもいつまでもテナントミックス=テナントリーシングというレベルの理解では、間もなく襲来する劣化スパイラル突入の危機をチャンスに転じることはできません。
これから間違いなく「商店街空洞化の論理」があちこちのショッピングセンターで起きるわけですで、テナントリーシングが活用出来ないSCが続出します。
そうならないためには、テナントミックスを十分理解し、かつ「テナントミックスを維持するの法」を修得しなければならない。

 現に再開発ビルの活性化に難儀している人、これから間違いなくそうなる人たちにとって、必読の記事に取り組みます。
【都市経営】です。

目標は「デスティネーションの再構築」

 知っている人は知っている、ヒステリシス効果という言葉があって、「ある原因によって起きたことなのに、その原因を取り除いてももとの状態に戻れなくなっていること」をいいます。
 例えば、商店街の不振が人どおりの減少が原因で起こった事であったとしても、昔の水準に人通りを増やしたからといって商店街の不振が解消し、かっての繁盛が再現されることはありません。
 引き金が人通りの減少だったとしても、その後、売り上げの減少とともに個店の多くは劣化スパイラルに陥っており、これはもはや人通りの減少という最初の原因が解消したからといってどうなるものでもありません。

 多くの基本計画で数値目標とされている「通行量の増加」ですが、通行量が商店街全盛時代の規模まで回復したとしても、それで商店街が「買い物行き先」として復活することはありません。
通行量の減少が原因で起きてしまった劣化スパイラル(商店街の現状)は、通行量を回復することでは解消することが出来ません。
これが「ヒステリシス現象」です。

 この状態から脱出し、あらためて「ショッピングの場」として復活するためには、商店街空洞化の原因を探し、それを解消することではなく、様変わりしている環境において「買い物行き先」としてのデスティネーションを再構築することが必要です。
地域に数多ある商業施設を尻目に、アクセス条件劣悪な中心市街地にわざわざ買い物に出掛けてくる、出掛けてこなければならない「来店(街)目的」を構築し直すことこそが、唯一、中心商店街活性化実現の道です。

 中心市街地の商業機能を活性化したい、と思ったとたん、アタマの中に“郊外型商業全盛時代にどういうデスティネーションを目指したら中心商店街が買い物行き先として利用してもらえるのか?”という問題意識が浮かばないと、やるべき仕事が分からないはずです。

 郊外型ショッピングセンターのマネをして言葉の定義もせずにテナントミックスやマーチャンダイジングなどと知ったかぶりをしてもなんの効果もありません。
ひたすらに、数多の商業施設を尻目に中心市街地まで足を運んでもらうデスティネーションを作り上げること、これ以外に中心商店街が商業機能として再生する方向はありません。

 このことに気が付かず、あるいは気が付かない振りをして、「通行量の増加」などを目標数値に掲げている基本計画は、
①数値目標を達成できない
②万が一、目標を達成しても商業機能の活性化は実現できない
という「失敗の二重構造」を内包しているのです。
来月からいよいよ認定第一号の両都市を筆頭に第二年目の中間総括に入っていくわけですが、二年目ともなると目標未達の「言い訳」がありません。

 と思っていたら、「百年に一度の暴風雨」の襲来という願ってもない?言い訳材料が現れました。
「不況のために目標は達成できなかった」ということで、総括は出来るかも知れませんが、ではこれから不況のなかでどういう方向・方法で活性化を目指すのか?
まったく見えていないはずです。

 皆さんが目標未達は“百年に一度の暴風雨のせい”といっているその同じ時期に、客数・客単価を着実にアップしている「活性化への取り組み」が実際に取り組まれており、皆さんがたぶん口を揃えて言い訳に使う「百年に一度の暴風雨のせい」が根も葉もない・言い訳にならない逃げ口上であることを証明しています。
http://jp.youtube.com/watch?v=P3y5GdK5Hak

デスティネーションを構築できない個店・商業集積に明日はない。
その意味では商店街、百貨店、ショッピングセンターなどなど、みんな同じ課題に直面しています。
脱出の道はデスティネーション・三点セットの再構築以外にありません。
ヒステリシス効果を無視して「通行量」や「各店舗」などに救いを求めるのは、自分でショッピングをしたことのない・自分のアタマで考えることを放棄している人たちが陥るパターン、これまで数十年にわたって取り組まれ、ことごとく失敗している方法です。

 商店街活性化、実現への合い言葉は「デスティネーションの再構築」他の方向ではヒステリシス効果から脱却することは出来ません。

商人塾や体制づくりなど新年早々の取り組み

 新年早々、今週後半からのスタートします。
昨年中に二回勉強会を実施し、11月には甲府市商人塾の「お披露目イベント」を視察、参加者の取り組み状況、店舗の業容などをつぶさに視察検討した上での、満を持しての取り組みです。

 同市は現在基本計画を作成中だそうですが、問題は進出が決定しているイオンショッピングセンターと中心市街地とのポジショングです。
イオンの進出を念頭に置きながら、中心市街地活性化の方向と方法をどうセットするか?

 関係各方面の皆さんの力量など現在ありのままのレベルからスタートして、見事、活性化を達成していくためには何が必要か?
ご承知のとおり、当社の提案は簡単でありまして、「自力思考」の回路を作ること、これに尽きます。

 自力思考を心掛けない限り、無自覚のうちに誰かが考えた理論やその切れっ端の影響で行動しているわけで、知らず知らずのうちに採用している理論が情況にマッチしていなければ、いくら真剣に取り組んでも成果を挙げることは出来ません。

 特に中心市街地活性化の「キモ」は商店街活性化であり、これは個々のお店の売場がお客から「買い物の場」として再評価されること無しでは実現できないわけで、これを実現するには個々のお店が「業容転換」に取り組むことが必須課題です。
すなわち、「理論」をtごりかえるだけでは不十分であり、実際の店づくり・経営活動が変わることが必要です。この問題にどう取り組んでいくか?

 商人塾ではこの問題に取り組み、「仮設~試行~評価」に取り組む中から「自力試行」が当たり前のこととして育ってきます。

 商店街の現状、関係各方面の問題情況、いずれもご覧のとおりという情況からスタートして、所要の能力の転換を行いながら点から線、線から面へと「活性化」を波及させていくことが必要であり、小松市中心市街地ではいよいよこれからその本格的な取り組みに挑戦されるわけです。
毎週一回一講座づつ、という集中した取り組みで3月いっぱいで修了する予定です。

 既報のとおり、小松市の取り組みと平行して佐賀市錦通り商店街の商人塾も進行します。
いずれも短期集中型の取り組み、仮説~試行も待ったなしですから成果のほどが期待されます。

 昨年末、商人塾修了に引き続き取り組んでおられる与論町の推進体制構築もこれから本格化していきます。平行して行動計画の作成という課題もあり、年度内に目処をつけるべくこちらも集中した取り組みです。
整斉と取り組み成果を確保していきたいものです。

 関係の皆さん、よろしくお願いいたします。

 

関係各方面共通の課題

 中心市街地の活性化は何故出来ないのか?
 理由はハッキリしておりまして、中心市街地活性化、とりわけ商店街・商業集積の活性化を実現していくために必要な能力を関係各方面、それぞれが備えておくべき能力を持っていなかった、ということですね。
認めたくない人もいるでしょうけど、本当です。

 第一に、商業者は自店の必要売り上げを維持・向上させていく能力を十分持っていなかった。

 第二に、商工会議所は、商業者の自助努力を適切に指導する能力を十分持っていなかった

 第三に、行政は商業の活性化という都市経営上の課題に取り組むにあたって、関係者の能力を評価し、それに適切に対応する事業を計画するという能力を十分持っていなかった
わけですね。

 さらに言えば、都市の外部から支援に来た専門家もこのような問題情況への理解を共有して、解決の方向と方法を考える、という課題を設定し・解決を支援するという能力を十分持っていなかったことが、いっそう問題を深刻にしました。

 これが中心市街地活性化の現状を説明するために必要、かつ、多くの関係者が気づいていない根本的な問題です。
気づきさえすれば、「如何に取り組むべきか」は比較的簡単に「解」が出せる問題ですが、「気づき」を共有することがなかなか難しい。

 いずれにせよ。
中心市街地活性化への取り組み、最大の問題は関係各方面がそれぞれ必要な「能力」が不足している、ということであり、さらにそのことが当事者にとってなかなか認めにくい、ということです。

 お互いに能力を向上させないと活性化は達成できないのだ、という認識が共有されるかどうか。
この時期、ほとんどすべての中心市街地活性化の現場に共通する課題です。

 今この時期、タウンマネージャーさんなどは、この課題についての認識の共有を実現することが最優先の課題であり、この共有を進めるプロセスでみずからの主導権を確立していくことが必要ですが、こういう課題があるのだ、ということを理解しているマネージャーその他の関係者がいらっしゃるかどうか・・・。
ということで、去年同様の問題意識、取り組みだと今年も不毛の一年になることが確実、活性化は進展するどころかますます劣化が進みます。

 起死回生の方向と方法、有力な一案を当ブログが提案しています。

しまむらハンターズ

 ファッションセンターしまむら

 ご存じ今どき流行りの服を圧倒的な低価格で提供するというコンセプトでチェーン展開する企業です。
品揃えの特徴は、各アイテムは一店一品、色違いやサイズ違いは置かないし、もちろん売れたアイテムの追加もしない、とのことで、たいしたものです。
これまでは都市中心部から距離のあるところへの立地が中心でしたが、支持客相が増えるにつれてこれからは都心への進出もありそうです。
「価格だけで成立する商売はない」と誰でしたか米国の創業者がおっしゃっていますが、しまむら的業容は(不況だからということではなく)、これからさらに支持が拡大していくと思います。

 時々「掘り出し物」があるそうで、それを見つけるためにしまむらに出掛けるという客相があり、なづけてしまむらハンターではなく・しまむらハントレス?

 気に入った服を見つけ、色違いも欲しくなると、他のしまむらへ買い回りするとか。
日頃はスーパーブランドご愛顧の人だったりします。

しまむらファッションにはまっている人のブログ
ショッピング:買い物、下見、冷やかし、暇つぶし。
その上「研究テーマ」にもなっているわけですね。
しまむら=時間堪能のもってこいの対象ということで、経済学などの出る幕はありません。

近代経済学批判

□今年の世相漢字は「化」

2008年は「変」だったそうですね。
一年を振り返って一字で表現すると「変」だった、という人が多かった。なるほど。
2009年は、主動的にどういう年を目指すのか?目指すべきか?
「目標世相漢字」を考えてみるというのは如何でしょうか。

 ということで、当社は「化」を提案したいと思います。
「変」と違って「化」はみずから意識的に目指さないと実現できません。化けようとしなければ化けることは出来ません。

 中心市街地も従来の漫然たる活性化から活性「化」への脱皮が必要ではないか。
関係各位、それぞれ化ける覚悟がないと活性化は実現できないのではないか。

 ということで。
今年の世相漢字は早くも決定、「化」それも「大化け」ですからね、皆さん。
「大化け」出来なければ「大変」になる、というのが今年一年の情況だと思いますが如何でしょうか。

□化けるべきは

経済学&資本主義
株式会社&会社法、企業会計原則
マーケティング&店づくり

ぜ~んぶ大化けしないとこの暴風雨は乗り切れません。
特に「経済学」の責任は重大であり、しっかり追求しなければならない。

経済学者さんが言っています。
“経済学を無視するものは経済理論の奴隷となる運命にある”
“経済学を勉強するのは経済学者に騙されないためである”

□近代経済学批判
近代経済学とは、アダムスミスを鼻祖とする経済学全部
古典派も新古典派も
マルクス派も
ケインズ派も
み~んな「近代経済学」でありまして、これを全面的に批判して「現代経済学」を構築しなければならない。
情況はまさにそこまで来ているのでありまして、早い話。
年の暮れに働いている人を追い出して恬然としているような企業があり、その企業の経営者が「人の上に立つ」のが当たり前というような経済学が通用するというのはおかしな話でありまして。

 こういう経済学が主導的な位置を占めている世の中はやがてそういう経済学を信奉している企業の足元を確実に掘り崩してしまいますね。
“規制は緩和しろ、その結果については国が何とかしろ”という立場の人たちが別ステージでは「愛国心の養成」やら「道徳教育」などを説くわけですから、ちゃんちゃらおかしくって。

 ということで、新しい年は、“くたばれ!グローバリスム、くたばれ!新自由主義”ですね。
百年に一度の「大暴風雨」は、、百年間通用してきた常識では対応できません。
「ラグジュアリィ」は「近代経済学(含マルクス主義)」からは出てきませんからね。
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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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