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「ドクトリン」という無理難題

 アルビン・トフラーの『戦争と平和』の冒頭に、ペンタゴンの将官グループの訪問を受けるくだりがあります。
尋ねてきたのはベトナム戦争の総括を踏まえて来るべき戦争に対する「ウオードクトリン」の作成にあたる郡部の軍部の俊英たちです。

 「ウオードクトリン」は、「戦闘教義」などと訳されていますが、今ひとつ、原語のコンセプトを表現できません。
これは、軍隊の「戦闘方法」の基本のことで、想定される敵との戦争において勝利を獲得するための我が方の戦闘体制・戦争における行動のキャパを定めます。
想定される敵とそのスペック&スキルに対して、調達可能な戦力を持って勝利を得るためには、何を為すべきか?
国民の意識が変わり、戦争・戦闘の要素が変化することを踏まえて新しい・起こりうる戦争への準備が緊急の課題になっていました。

 彼我の人命の損傷を出来るだけ押さえて(もちろん米軍の損耗はミニマムに)目的を達成するため、あるべき戦争はどのように戦われるべきか、兵力のスペック&スキルはどうか。
グループは、将来の戦争の様相について「未来学者」トフラーさんの意見を聞きに来たわけです。
 ピンポイント爆撃などIT技術の粋を動員した新しいウオードクトリンは、湾岸戦争で勝利を収めました。
戦争の勝敗は、「ウオードクトリン」の優劣によって左右される側面があり、優れた戦略といえども「ドクトリン」で劣っている軍隊を最終勝利に導くことは至難でしょう。
シーザー、ナポレオン、織田信長など「戦争の達人」は、革新的な「ウオードクトリン」を創発することで「ドクトリン優位」というポジションを占めました。

 で、話はクルリンパと変わりまして、中心市街地活性化。

 中心市街地とりわけそこに位置する中心的な都市機能である商業機能・商店街を活性化するには、どのような「ドクトリン」が必要か?
という基本的な命題がありまして、もちろんこれを策定するのは「言い出しっぺ」である国ですね。

①「中心市街地活性化」を定義する
②活性化を取り巻く環境与件及びその趨勢を把握する
③「活性化の方向と方法」を決定する
④「方向と方法」を確保するために必要なスペック&スキルを見積もる
⑤「スペック&スキル」を確保する方法を決定する

 というような作業が成功裡に達成されてはじめて「中心市街地活性化基本計画」の作成に着手することが出来るわけです。
重要なことがありまして、基本的な戦力となるのが、
①これまで、中心市街地の空洞化を阻むことが出来なかった商業集積の自助努力が主体となる取り組みである
②既存の「スペック&スキル」は、新しい取り組みにとって役に立たないどころか、かえって取り組みを阻害する可能性さえ持っている
③既存の「スペック&スキル」の改革は取り組みにおける最大の課題である。
④この課題への取り組みは、「中心市街地活性化」の多面的な取り組みの主要な一環として他の事業群と並行して取り組まれ、所期の水準に到達しなければならない。

 簡単に言えば、
①ショッピングモールとしての再構築を目標に
②早急に手を打たないと衰退してしまう既存商業者の自助努力を組織し、
③「テナントミックス」を担う主要メンバーにふさわしい「スペック&スキル」を装備させなければならない
④取り組みに「準備期間」は与えられない
という条件で「ウオードクトリン」ならぬ「中心市街地活性化ドクトリン」を構想・構築しなければならな買ったのですが、誰も作らなかったし、そもそもドクトリンの必要性が理解されなかったわけですね。

 ということで、我が「商人塾」は、あるべき「中心市街地活性化ドクトリン」の中核を占め、その成否を左右するきわめて重要なポジションを占めています。
『基本計画」は、このドクトリンを基礎に立案されるべき「応用編」という性格を持っています。 
言ってみれば、「商人塾」を「ファランクス」とするドクトリンを眼前の作戦においてどう運用すれば見事勝ちを収めることが出来るか?

 というところに基本計画のキモがあるわけです。
各方面が実施を望む「補助金付き事業」を集めてホッジキスすれば一丁上がり、というわけにいきません。
指揮官を養成する過程で「戦史教育」が必須になっているのは、戦争に「ドクトリン」の応用と言う側面があることを理解させ、「ドクトリンの発揚としての戦争・戦闘」というポジションを理解させるためだと思われます。

 「中心市街地活性化」は、どこでどうしてそういうスペックを準ビスのでしょうか。
基本計画、やれやれ、やっと認定された、後は商業者の仕事だ、と重荷を下ろしたつもりのプランナーさん、よし、ここから先は俺の出番、、というタウンマネージャーさん、思いこみの如何を問わず、「ドクトリン」無しではどうにもならない、ということを当サイトなどを参考にあらためてしっかり覚悟してください。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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