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『基本計画』に賭けられない商業者

(承前)

 中心市街地活性化基本計画。
その役割は、中心市街地所在の都市機能の増進と経済活力の向上を実現するために、
①目的達成に向けて実現可能な目標を設定し
②都市内外の情況を把握し、、
③現有及び計画期間中に調達可能な人材及び資源を秤量して、
④目標を実現する「方向と方法」を定め、
⑤達成するために必要な基本的な事業群を計画する
というところにあります。

 課題を「商業の活性化」に絞れば、
① 中心市街地の商業の現状及びその環境を理解し、
② 都市内外・広域商圏において担うべき商業機能を決定し、
④ 既存商業者の自助努力及び空地空店舗などの活用によって③を実現していくシナリオを作成し
⑤ ④を実現するための各種の事業を計画し
⑥ TMOを司令塔とする推進体制を作り,
取り組んでいく
という計画になっていなければならない。

業者が、『基本計画』の商業の活性化の項を読めば、自分たちの置かれている状況及びそれに対処して繁盛を再生する道・自助努力の方向と方法が示されている。
一読、新たな自助努力に挑戦していく勇気と希望が湧いてくる。

 中心市街地の現状においてホンキで商店街の活性化を実現するために作ったのであれば、以上が「あるべき基本計画」の中味です。
そのキモは、“商業者が読んでその気になれるかどうか”、商業者がその気になって取り組まないと商店街の活性化は絶対に実現できません。

 ここで問題は、
各都市の基本計画、果たしてそういう内容をもって作られているかどうか?
作られているとして、その「方向と方法」は商業者の胸に響くものであるか否か?
ということであり、さて、商業者の皆さんから見てそういう基本計画になっているかどうか?
と考えれば、答えはウーム・・・です。

 そもそも、商業者を除く関係各方面の立ち位置が「法」のスキームが前提にしているところと大きく異なっているように感じられてなりません。
「法」は中心市街地・商業の活性化について、中小商業者の自助努力を主体に取り組んでいくスキームとして作られているのですが、対する『基本計画』は、空洞化する商店街立地の商業差を「救援」することを目指して作られているのではないか?

中心市街地に住む人来る人を増やす
物販・非物販の集客核を作る
集客イベントを企画する・・・

“ほ~ら、こうすればお宅らの商売も昔みたいに出来るようになるでしょ。”
とは行かないことは、これまでの経験・情報で既に周知のところとなっているはずです。

 あれこれの施策で「商業者を救済する」ことはできません。くどいようですが、商業者は自らの自助努力で自店及び商店街を都市住民の「買い物行き先」として再構築する以外にその存在価値=事業機会を確立することはできないのです。
 心ある商業者には分かり切ったことですが、実現していく「方向と方法」がこれまでの経験や指揮者の提言からは出てこない、というのが実状です。
もちろん、仲間内には「昔は良かった、人通りが増えれば街は繁盛する」と考え、『基本計画』に「救援」を期待している人もいたりして、なかなか一致した行動がとれません。

 このような情況に、“ほらみろ、うちの商業者はやる気がない”と決め付け、商業者の気持ちとは関係無しに「救済策」を羅列した『基本計画』を作っても、「法」のスキームが期待する「活性化された中心市街地、活性化された商店街、立ちならぶ繁盛店」を実現することは不可能です。
各種の施策を成功裏に完了してもその結果街に繁盛が復活することはありません。

 「救済策」を計画し、実践した先行都市の経験が誤解の余地無く示しているところではないでしょうか。

 中心市街地に立地している商業者は、その所属する商業集積・商店街が目指すべき商業機能としてのポジションを決定し、自助努力を組織してその実現に向かわなければならない。取り組みの基礎として「自店の繁盛」実現にトライしなければならない。

 現下の状況において商業者の自助努力だけでこれを実現するのは極めて困難であり、中心市街地所在の都市機能の増進及び経済活力の向上に責任を持つ関係各方面とともに「方向と方法」を共有して取り組んでいかなければならない。

 ということで作られたのが『中心市街地活性化法』の趣旨ですが、残念ながらこれまでに作られた『基本計画』は「法」の趣旨を体しておらず、商業者の胸を打つことが出来ません。

 ぶっちゃけ、「異動」のある関係各位はいいとして、問題は自分の財産・事業を『基本計画』に賭けなければならない商業者の皆さん。
『基本計画』のどこをどう読んでも“これで商売の未来が開ける”“自分の事業の命運と自分のライフタイムをこの計画に賭ける”とは思えないわけですが、どうしましょう?

 “基本計画には頼らない、我が道を行く”というのは立派ですが「我が道」を行こうとすれば『基本計画』サイドから待ったが掛かります。もちろん、「待った」をかける側に活性化実現への確信があり、「四の五のいわずに付いてこい」といいきる自信は無いわけで、かくして「三すくみ」が出来上がります。
この情況を打開していくには。

 あらためて「法」の趣旨から読み解き直し、『基本計画』に挙げられていない「活性化の実現に必要な自助努力的事業」を体系的に計画し、『基本計画に基づいて作成した行動計画』として関係各方面が共有する。「別個に進んでともに活性化を実現する」という取り組みのあり方を構築していくことが必要です。

 とはいうものの、その過程にはこれまたいろいろな困難がありまして、実際にこのプロセスに取り組んでいる皆さんは大変苦労しています。
問題の性格上、なかなかおおっぴらにはなりませんが・・。

 一方、商店街が陥っている「劣化スパイラル」は止まることがありませんから、商店街・個店にとってスパイラルからの脱出は最優先課題、「方向と方法の共有」は脱出作業のかたわら行うことになります。
もちろん、スパイラルからの脱出は関係各方面共通の目標ですから、自助努力による脱出の可能性が見いだせれば「方向と方法の共有」への活路が見えてくることでしょう。

 商店街・商業者が陥っている劣化スパイラルからの脱出、日常的な「営業活動」そのものとして取り組んでいく「方法と方向」はどこにあるか・・・?

 という問題意識に対する解答、進むべき方向と方法を提案しているのが当社の「勉強会メニュー」です。


 関心がある人は、なにはさておき、まずはメールでコンタクトを。
※当社の勉強会、これまで“お金が無くて出来なかった”という事例はありませんので念のため。

商店街活性化と基本計画

 中心市街地・商店街活性化の取り組み、必ずしも新スキームに基づいて取り組まれるケースだけではありません。
次のようなケースが考えられます。

①新スキームにより基本計画を作成、認定を得て取り組む場合
②新スキームにより基本計画を作成、認定を受けない場合
③旧スキームで作った基本計画で引き続き取り組む場合
④基本計画を作らずに取り組む場合
通常はこれら4つのケースのどれかに該当すると思います。

 いずれにも共通することがありまして、
①~④、いずれの枠組みで取り組んでも商店街活性化に成功したケースは極めて限られています。というか、当社的定義を基準に考えればほとんど無いに等しいわけですね。

 これは由々しいこと。
①基本計画を作成し、認定を受けた取り組みも
②認定を受けていない基本計画による取り組みも
③旧スキームによる計画に基づく取り組みも
④基本計画を作成していない取り組みも
そのほとんどが活性化に成功していない、というのはどうしたことか?

 あまり問題になっていませんが、トンでもないことですよね。

 共通していることがありまして、いずれのパターンにおいても、商業・商店街活性化の推進が「商店街~個店」を通じた総合的な取り組みとして計画されていません。
特に、買い物の場=究極的な来街目的が存在するはずの「個店」の内容充実(当社的には「業容の適正化)に実際に取り組む仕事が計画されていない、という点では、どのパターンもまったく一緒だということです。
恐るべし、です。

 商店街活性化は、「買い物行き先としての機能の充実」を意味します。そこに立地する各個店のシャッターの内側が「買い物行き先」として再構築されることがなければ「買い物の場」として機能することは無いのでありまして、すなわち、商店街の活性化を実現することはできません。
基本計画の有無、またその内容の如何に関わらず、個店のシャッターの内側を「買い物の場」としての再構築へのチャレンジを欠いた取り組みで商店街が活性化できるはずがないのであります。

 基本計画の有無に関わらず、中心市街地・商店街の活性化を本当に実現したかったら、各個店のシャッターの内側の取り組みを計画しなければならない。
基本計画がある場合もない場合も「商店街活性化すなわち商業集積としての機能の再構築を推進する行動計画」を作成し、個店~街区の取り組みとして総合的・一体的・計画的に推進しなければ、商店街の活性化は夢のまた夢に終わります。

 この計画作りはホント難しいですからね。
そもそも、全国的に成功事例のない、商店街を活性化するために必要な計画を素人で作れると考えるのが不思議。
(それとも立てることが出来ますか?)
 プロ以外にはおそらく何をどう計画すればよいのか、さっぱり分からないはずです。
こんなときに「計画はみんなで作る」とか「地元の計画だから地元に詳しい地元の人間で作る」などと「ままごと」を言わないように。
商業・商店街を活性化するための計画は、プロにしか作ることは出来ません。餅は餅屋、プランニングはプランナー(笑
おっと、肩書きは無関係、要は計画が作れるかどうか、素人とか地元云々は無関係、言うまでもないことですが。

 問題は、商店街活性化の行動計画を、地元の皆さんとの協働で作り上げることが出来るスキルを持ったプロのプランナーさんがなかなかいない、ということでありまして。
“私はプロです。これこの通りの実績がある”といわれてもホントに役に立つ計画を作る腕前を持っているとは限りません。これまでの諸計画を顧みれば思い半ばを過ぎるというものです。

 ということで、基本計画の有無に関わらず、商業・商店街活性化に取り組むための計画は、プロの手によって作ることが必要であり、しかも困ったことにプロのプランナーはなかなか確保できない、という情況があります。
このあたり、ちゃんと理解して対策を考えなければならない。

 という問題があることを分かっていただいたでしょうか。
まずは、
①全国に共通するこういう問題が本当にあるのか
②あるとしたら、この問題にどう対応するのか
従来的取り組みやいきさつはひとまずカッコに入れて考え抜かなければならない。

 以上、“中心市街地・商店街活性化を何が何でもやり遂げなければならない”という立場に立っている人を対象に提案やら激励やらを行っているつもり、そういう立場に無い人には「何のことやら」かも知れませんが、いずれ思い当たるときがあるかも知れません。ないかも知れません。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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