資本主義を発明した夫婦

 資本主義創成期の原動力としては、
1.勤労精神・・・ヴェーバー
2.貨幣愛・・・ゾンバルト
が定番ですが、いつか【理論創発】で取り上げたことがある「百貨店を発明した夫婦」・プシコー夫妻こそがシステムとしての資本主義を創発した、というのが同書を訳した鹿島さんの卓見です。
鹿島茂『デパートを発明した夫婦』講談社現代新書

同書へのtakeoの感想

 資本主義が機能するためには、会社組織が不可欠ですが、これは勤労精神や貨幣愛では機能しません。
それぞれの動機・目的を達成する手段として企業と関わりを持つ人々の動機・目的に応える仕組みがあり、ちゃんと機能することが必要です。

 鹿島さんによれば、百貨店ボンマルシェでは、社員持ち株制度、自己評価制度、退職金制度などなど、「資本主義、かくあるべし」ともいうべき制度が発明されています。
会社制度草創期、会社の創発ときびすを接して「関係者の期待に応える」制度が作られていたわけで、組織は組織に先行し組織の外に存在する目的を達成するために作られる」というドラッカーさんの組織論をもじれば、「人は、みずからの目的を達成する手段として組織に参加する」わけで、参加してくる個々人の目的達成編期待に応えることは企業にとって不可欠の目標の一つだということになる。

 「会社は株主のもの」という会社法のお約束があたかも真理でもあるかのように幅を利かすのはけして資本主義の原理原則ではないのでありまして、とくに小売業の場合、その組織原理はあらためてプシコー夫妻に学ぶことが必要です。
このところ断続的に百貨店について考えていますが、なかなか先に進みません。
百貨店といえば、このところ企業合併と店舗の撤退話ばかりですが、そもそも百貨店とは何であったか、存続するためには何をしなければならないか、といった論議はほとんど無いようです。
論議がない、というところに百貨店の本当の危機が象徴されています。

 当サイト、百貨店からのアクセスも結構多いようです。
百貨店の業容転換など【理論創発】あたりで議論するというのはいかがでしょうか。

 上掲『百貨店を発明した夫婦』、昨日行きましたら甲府市春光堂書店に平積みされていました。
アクセス出来る方は是非同店でどうぞ。
同店は「まちなかの本屋さん」小規模な書店の業容転換に取り組まれており、その転換ぶりは文字通り日進月歩、この時期業績は右肩上がりだそうです。
店づくりの現状も確認してください。

商人塾 三題

その一

 商人塾の目的は、実施することや参加することにあるのではなく、
1.参加者の繁盛を実現する
と同時に、これを通じて
2.中心市街地・商店街所在の商業機能の再生可能性を実証し、
3.活性化の推進を担う人材を育成する
ことを目的としていることは既によくご承知のとおりです。

 このような使命を担う商人塾のビジョンは、「ラグジュアリィニーズに対応する業容の実現を通じた顧客の創造」です。

 ラグジュアリィニーズ=時間堪能仮説によれば、不況下にあっては塾生が追求する「ラグジュアリィショップ」では業績(客数・客単価)がいっそう向上するはずです。

 今日は、「おもてなしイベント」の準備総仕上げ段階の甲府市商人塾に出かけます。「不況になるとラグジュアリィショップの業績が向上する」仮説について、実際に個店レベルで検証する機会、楽しみです。
結果については、明日報告します。

その二

商人塾の特徴のひとつは、参加者の特性(業種・規模・性別・年齢など)が多様なこと。年齢でいえば、20歳代~80歳代まで網羅しています。参加途中での脱落がないのも年齢不問。
「商店街は高齢者多いからだめ」といった「常套句」にまったく根拠がないことがよくわかります。

 一昨日は佐賀市の非中心市街地所在の水ケ江商人塾で巡回および勉強会でした。
一週間ぶりの巡回でしたが、80歳を越したご夫婦が二人だけで経営されているお茶屋さんで夫婦そろってファサード~店内レイアウトの改善を進められていました。
 ご主人いわく。
「禅宗では、まず石を一個動かせ、というが、商人塾の手法はこれに似ている」ということです。
庭園などで配置されている石をひとつ動かせば、全体のバランスが微妙に変わり、新しいバランスを作り出すためには次から次へ配置を変えていかなければならないとか。
 漸進的業容改革の手法も同じですね。

 ご主人、次は銃器を減らさなければ、と張り切っておいでです。来週はお手伝いに行きます。

その三

 商人塾もようやく普及期に差し掛かってきたのかもしれません。
『基本計画』で『商人塾を3年間継続実施する」と計画している与論町の基本計画を始め、甲府市その他、『商人塾の実施』が盛り込まれている基本計画が散見されるようになりました。
先に認定された薩摩川内市の基本計画には、
1.個店の業容転換を目的に
2.3時間×10時間の商人塾を
3.3年間にわたって継続実施する
と計画されています。当社は関係しておりません。
ほかにもありそうですね。

 ほかにも検討中の都市や商店街がいくつもありまして、当社的には講師の育成・確保が課題になってきたようです。
商人塾修了者で「面白そう」という人は手を上げてください。

都心型商業の再構築 二題

その一 甲府市中心市街地商人塾

 毎日新聞地方版が取り上げています。

「過去のセミナーは知識のみで終わったが、商人塾は講師が実際に店に来て繰り返し変革を求めるので、やる気になった」との声が上がり、中心商店街再生のために商人塾 ... 商人塾の第2期生の募集は来年度に行う

 “お金を掛けず、計画を立てず、出来ることから取り組み、繁盛店を再構築する”
甲府市中心市街地で取り組まれているクオールエイド流商人塾の現段階が紹介されたものです。
7月~9月の3ヶ月間、3時間×12回の講義と臨店指導、体験交流の三点セットで取り組まれました。
3ヶ月間の取り組みでレポートされているとおり、客数&客単価アップを実現したお店が続出しています。
実際は、記事よりも理論的、実践内容も品揃え・サービス・内外環境の「業容」全般に渡っています。

 今後は次年度開催される第二期商人塾・シニアコース、タウンマネジメントの実働部隊としての活躍などが予定ー期待されています。

その二 タウンマネージャー

 タウンマネージャーの任務については、設置しているところでも明文化されていないようですが、スキーム的にははっきりしておりまして、「中心市街地所在の商業機能のショッピングモールとしての再構築」の取り組みについて責任を負うのがその使命です。
そのつもりで人選しないと基本計画が動きません。

 その使命から導かれるタウンマネージャーの任務は、
「基本計画に示されている活性化の方向と方法について関係各方面をその気にさせること」です。
任務を果たすためには、
①活性化の方向と方法について、その実現可能性を確信していること
②関係各方面、特に商業者をその気にさせること
③商業者の取り組みを支援すること
という「スペック&スキル」が必須です。

 このあたり、どうも「公募型」では等閑に付されているようですが、わざわざ新しい職能を設置するのは、これまでの取り組みとはまったく異なる方向と方法の実践を成功させるためですから、上記のスペック&スキルが求められるのは当然ですが、さて、実態はどうでしょうか。

 問題は、基本計画レベルで商業活性化実現の「方向と方法」が示されていないこと。就任したタウンマネージャーは、スキームと基本計画とを首っ引きで“ショッピングモールとしての再構築”に取り組んでいく『行動計画』を作成するという仕事が待ちかまえています。
そうしますと、タウンマネージャーさんの仕事は、上記3項目以外に、
④『行動計画』のプランニングを指導支援すること
という一項が加わることになります。

 なかでも大変なのは、商業者を「その気にさせる」という仕事。
独立自尊の商業者の自助努力を一定の方向に誘導する、組織化するという仕事は、従来の商業界には無かった仕事であり、職能ですが、ここに適任者を得ることが出来るかどうかに活性化の成否が掛かっているといって過言ではありません。難題ですが、どう解決しますか?
こういうレベルの問題はきれいにスルーして進められているのが、これまでに認定済みの都市の取り組み、そろそろ見直さないと残すところ「あと4年」ですからね・・・。

 ちなみに、これからタウンマネージャーを目指す人は、『タウンマネージャー初級検定』:
http://quolaid.blog13.fc2.com/?q=%A5%BF%A5%A6%A5%F3%A5%DE%A5%CD%A1%BC%A5%B8%A5%E3%A1%BC%B8%A1%C4%EA
クリアするくらいのスペック&スキルは備えておかないと上記の任務を遂行する基礎的資質が備わっているとは言えませんが、備わっているかどうかはやってみなければ分からない、というところもありまして。
これは「たたき上げ」によってのみ身につけることが出来る、というのが当社の実感です。

 縁あって重責を負うことになった皆さんは、ご自愛の上しっかり頑張ってください。
当サイトはあなたの味方、影ながら応援しています。

基本計画作成段階の不備

 蛇の道は蛇。
プランナーたるもの、中心市街地活性化法のスキームを一瞥したとたん、「このスキームを活用するために都市に必要なスペックとスキル」がハッキリクッキリ脳裏に浮かび上がらなければならない。
そうしないと計画は作れません。

 これはもう『総合計画』などとは違って、本職・本物のプランナーでないと作ることが出来ません。
スゴ腕のプランナーが、所要の知識を収集・加工して「活性化への道」をシナリオ化する。
「道を歩むプロセスで道を歩む力量を修得する」という計画になりますから、半端なシナリオライターでは勤まりません。いくら見てくれ良く作っても機能しない計画では目的を果たすことが出来ません。

 中心市街地活性化というテーマは、自分たちの力量に合わせてゴールを決める、というわけには行かない仕事、「活性化する、したい」と言ったとたん、眼前に妥協を許さないゴールがそびえることになります。工夫できるのは、どうしたら効果的・効率的にゴールに到達できるか、ということですが、スタート時点で安易な道を選ぶとたちまち行き止まり、となるわけで、スタート前にゴールまでを一挙に見通す眼力がないとプランニングは出来ません。

 中心市街地活性化というお仕事、なみの仕事と違って、これまで経験してきたプランニングは役に立つどころか、そのレベルで基本計画を考えるととんでもないことになります。
まあ、出来るプランナーさんなら、企画段階から「タウンマネージャー候補」の参加を要求するでしょうね。
プランニングに責任を持とうとすれば、実施段階のマネジメントにあたる要員をプランニング段階に参加させて計画の一部始終を理解させておかなければならない。理解する能力が不足していれば修得させなければならない。

ということでプランニングのプロセスは関係者を「勉強」させるプロセスでもあるわけで、こう言うことを理解し、かつ勉強プロセスの先生が務まるようでないとプランニングは受託できないのですが、まあ、そういうことを理解している関係者はほとんどいないわけで、つまり、ものの役に立つ基本計画は出来上がらず、マネジメントが出来るマネージャーはいない、という現状がもたらされるわけで、一知半解的なレベルでトライするととんでもないことになりますね。

 推進体制の不備は計画作成段階に胚胎されているわけです。
これから計画を作るところはくれぐれも要注意。
真っ当なプランナーを捜し当てることが成功への第一関門です。

適任者がいない場合は、当社が一部始終を支援(プランナー&タウン・マネージャーの養成を含む)を受託します。 

通行量とかハコものとか

 新スキームがスタートした当時、活性化の眼目は「通行量」ということでした。
商店街が衰退したのは通行量が減ったから、と「商店街商売」一筋の役員さんたちから聞かされて、「通行量が増えれば活性化する」と短絡してしまったわけです。
“商店街を活性化したかったら住む人・来る人を増やさなければならない”ということで、「人増やし作戦」が大々的に計画されました。

マンション、公共施設、観光施設、コミュニティ施設等々の建設
各種イベント、タウンコンシェルジェ、案内マップ、空店舗の活用、etc.,

これらの計画に取り組むことで「住む人・来る人」を増やし、商店街の通行量を増やせば街は活性化する、という目論見でした。結果はどうだったか、言うまでもありません。

計画を実施したところは、それなりに「住む人来る人」が増えましたが、それが商店街の通行量の増大につながり、通行量が商店街の活性化を実現したところはほとんどありませんでした。
つまり、「商店街活性化」という目的にとって「通行量を増やす」という取り組みは効果を発揮することができなかったのです。
典型的なケースでは、年間700万人を集客する公共施設と併設された商業施設が計画売り上げ高の半分しか達成できず、営利事業としての存続んみ赤信号が点っているところさえあります。
施設外・商店街への回遊などほとんど期待できない事態です。

どうしてこう言うことが起こるのか?
答は簡単でありまして、考えが浅はかだった、ということ。

そもそも、商店街の通行量が激減したとき、地域住民の買い物機会も激減していたのか?
そんなことはありません。商店街の通行量の増減に関わらず住民はそれぞれ「買い物行き先」を確保していました。商店街の通行量が減ったということは、かって商店街に買い物に来ていた人たちが商店街以外に買い物行き先を見いだし、そちらに移っていったことを意味しています。
商店街の通行量の減少は、お客から見れば、商店街以外に買い物行き先(たぶん、お客にとって商店街よりも使い勝手の良い)が出来ているわけです。

 この人たちが買い物客として商店街に帰って来てもらうためには、商店街を現在の買い物行き先よりも優れた買い物の場として充実する以外にありません。
“街を一個のショッピングモールと見立てて機能を充実させる”という旧・整備改善活性化法当時のスキームでしめされていた「活性化の方向」はまっすぐその実現を目指していました。

 今日、「ショッピングモールとしての充実」は、まったく形骸化しています。
“ショッピングモールとしての再構築を目指す”としながら、内容抜きの「空地空店舗の活用」だったり、甚だしい場合は「アーケードの付け替え」をもって“ショッピングモールへの転換”と称する事例さえあります。ショッピングモールといえば一義的には郊外の大型ショッピングセンターのことですが、ショッピングセンターと商店街の違いは、“雨が降っても傘を差さなくて済む”というところにあるのだと思っているらしい。
アーケード完成の暁には地団駄を踏むことになるわけですが、そのころは移動しているわけですか、分かります。

ということで、先行事例において「通行量対策」が不調に終わることがだれの眼にも明らかになった今日この頃、次に登場したのが「空地空店舗の所有と利用の区分」という手法ですね。
この度も、商店街商売専一の役員方の“空店舗の持ち主が貸し渋って困る”というぼやきを聞き、“そうか、空地空店舗の貸し渋りを何とかすればいいんだ”とばかりに憶断実行、さっそく、空地空店舗をまとめて「再開発」を目指す事例が出てきました。

 問題は、「再開発」という手法で実現を目指す「買い物の場」についての議論がほとんど行われていないこと。
中心市街地・商店街において「核」としての機能を果たす商業施設とはどのようなものか?
まったく手つかずの課題ですからね。
ご承知のとおり、百貨店はその任にあらず、百貨店を核にショッピングセンターを計画しても「核」はおろか当該施設の採算性にも?が付きます。

 こんなことは、先行事例についてちょっと検索すればたちまち分かることですが、それでもやってみたい人が後を絶たない、というのが21世紀初頭の日本国の都市経営の実態です。
商店街活性化さえ実現できないレベルで「地方分権」などとは片腹痛いのであります。

 他方、「モノが売れなければ商店街ではない」、「モノを買うのは買い物客だけ」という、ごくごく真っ当な考えのもと、「買い物の場としての商店街の再構築」に取り組む事例も徐々にではありますが、増加の兆しがあり、中には大きな成果を挙げている都市も出てきました。
「住む人来る人を増やす」ことも「空地空店舗の所有と利用の分離」も結構ですが、それらの手法を使って実現したいコトが「買い物の場としての充実」であるならば、それらに先んじて取り組むことがあるのではないか、ということでありまして、図面を描く手をしばし止めて、“「買い物の場としての充実」を実現するには何が必要か”ということに思いを凝らしてみるというのは如何でしょうか。

 このところ、“商業者の自助努力を中核とする商店街活性化への道”について、勉強したい、視察したい、というケースが出てきていますが、あなたのところはどうします?
住む人・来る人増やし、ハコ作りというこれまで全国で取り組まれて成功事例のない方策にしがみつくのか、それとも新しい試行に注目するのか。
まずは情報を得たあなたが行動しなければ始まりません。

百貨店はどこへ行く

小売大手再編 お客にどんな利点あるの
2008年10月26日 西日本新聞 社説

************* 引用スタート ***************

 『小売業界の再編が止まらない。』

 「ミレニアムリテイリング」「J・フロントリテイリング」「三越伊勢丹ホールディングス」「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」と聞いて、すぐにピーンとくる人は百貨店通である。

 分かりやすいのは三越と伊勢丹が経営統合した「三越伊勢丹」で今春、誕生した。「J・フロント」は大丸と松坂屋で昨年9月、「エイチ・ツー・オー」は阪急、阪神両百貨店で同10月、それぞれ発足した。「ミレニアム」は西武百貨店とそごうで2003年に統合している。

 そして、ここにきて「エイチ・ツー・オー」と高島屋との資本・業務提携が発表された。3年以内の経営統合が前提というから、そうなると、大手百貨店で単独で存続するところはなくなる。

 ちょっと前の大手銀行再編劇を思い起こさせる。不良債権処理を加速させ、国際競争力の回復を図る。そんな掛け声の中で「三菱東京UFJ」まで、あれよあれよと言う間に集約されてしまった。

 大手百貨店に再編を迫っているのは縮んでいく一方の消費だ。景気悪化という一時的な要因だけでない。少子高齢化、人口減少によって縮小するばかりだ。そんな弱気な見方が業界を覆っている。

(中略)

 時代の変化に合わせて企業も変わっていかなければならない。みんなで分け合っていたパイが小さくなるなら、あきらめるか、競争相手を次々に追い落としていくか、誰かと手を組んで踏みとどまるか、進む道を選んでいくしかない。

 小売再編は、変化に即応して自ら仕掛け、新たな需要を掘り起こすような「攻め」の姿勢ではなく、組織防衛に重きを置いた「守り」の雰囲気が強い。

 だから、百貨店再編によって消費者にどんな利点があるか分かりにくい。魅力的な商品やサービスがいろいろ出てくるのではないか。そんな期待感を高めるような競争が本来必要なのではないか。

 福岡市はその格好の舞台になる。新博多駅ビルの核店舗となるのは「エイチ・ツー・オー」+高島屋だ。天神地区には「三越伊勢丹」「J・フロント」の店舗がある。ここで新たな魅力を提案する百貨店の華やかな戦いを期待したい。

************* 引用終わり ***************

 社説氏も言うとおり、この動きは「守り」であって積極的に市場の活性化を目指すものではありません。
国内小売業の合併は、新しい需要を喚起するという期待がまったく持てない、先行きにまったく自信が持てないなかでの「大きい方が安全かも」という退嬰的な選択ではないか。

 福岡で新しく発生するグループ間「競争」が「華やかな闘い」を期待する、というのが社説の結語ですが、それまでの文脈からは期待できないことがハッキリしています。

 百貨店再生の方向は「ラグジュアリィ・モール」の核店舗を目指す以外にはありませんが、ラグジュアリィ=スーパーブランド程度の理解ではいつまで経ってもせっかくの機会をモノにすることはできません。

 商人塾参加者の店舗に百貨店からテナントに迎えたいというオファーがあった、断ったところ、「買い取り仕入れ」で取り組むことになった、といおう事例がありまして、百貨店さん、そこからどういう教訓を得たか、がポイントです。
商人塾では“そのあたりは百貨店がやっているから任せたら」といった話が出ます。
こちらはその分、自店の「業容」を専心追求出来るわけです。

空気を商品にするマネタリアン

 社会制度のうちもっとも効果的なものは市場である、という妄信が極まって到達したのがマネタリアン(マネタリストにしてリバータリアン)、理論的に主導しているのがアナルコ・キャピタリスト・無政府資本主義を唱えるフリードマンであることは周知のところ。

 空気の商品化である二酸化炭素排出権の市場化もフリードマン以下のシカゴ学派のお仕事です。教育バウチャー制度かも。

 先日、大阪府の知事が高校生に「この国は自己責任が原則だ」と宣っておりましたが、“恨むなら親を恨め”ということでしょうか。自分に都合のいいときだけ自己責任を持ち出すマネタリアンの腐臭がしました。

 「市場讃仰主義」とでも呼ぶ他はない主張がはびこっておりますが、その背後にあるのは「私利私欲」であること、他の立場と変わるところはありません。
何ごとによらず、言っているのは誰か、どういう利害を代表しているのか、ということはしっかり確認してかからないと、トバッチリを受けることになります。

「空き店舗」を経営資源に

 タウンマネジメントの中心課題:テナントミックスの最適化に取り組む上で空き店舗という存在は、二つの特性を持っています。

①商店街のショッピング行き先としての現状=機能の空洞化を体現している

②取り組みの展開によっては活性化の実現に強力な推進力となる可能性がある。

①については説明の要は有りません。

ここでは②について。

 商人塾では現在の業容をスタート台に「ラグジュアリィニーズ」に対応した業容へと漸進的に転換していきます。
既存の店舗面積と新たに実現していく業容とがうまくバランスが取れるとは限りません。
また、企業としての成長を目指すなら、せっかく獲得した「繁盛店づくり」ノウハウ、活用機会を既存店舗外に求めることも選択肢です。

 業容の拡充、経営の多角化、商店街立地の繁盛店の経営課題ですが、その受け皿になるのが「空地・空店舗」。
ぶっちゃけ、改革意欲に乏しい営業店舗よりも、使い道自由の空地空店舗のほうが「空洞化からのカムバック」には役に立つ、という時期がすぐにやってくる、というのが商人塾の実感です。

 “空店舗があって良かったね、お陰で「街ぐるみの転換」がちゃっチャと進む”となりたいものです。
各地の商人塾受講者の中には「空店舗を利用して自店と補完しあう業容を展開する」というチャレンジも始まっています。
過去にもありましたが、今年は数、スピードとも画期的です。

 空店舗は、商店街のテナントミックス&事業拡大を目指す個別企業にとってもってこいのチャンスです。よそからの出店などを期待するより自分たちで使うことが出来るようになれば商人塾と商店街活性化、相当歯車が合ってきたことになります。
空地空店舗は商店街活性化の武器、といいきることが出来るようになってはじめて「活性化の可能性」がだれの眼にもにとっても実証されることになるのかも知れません。
ということで、実際に動きがスタートしているjことを報告しておきましょう。

ク教授のノーベル記念経済科学賞受賞

 毎度のことながら、ことさらに「科学賞」と名付けられているところが痛々しい・・・。

 クルーガー教授は、仮借のないブッシュ批判・アンチグロバライゼーシヨンで世間的にも有名でしたが、この受賞でさらにポストグローバリズムを代表する経済学者というポジションを確保しました。
恐慌寸前、大統領選間近、という絶妙の間合いの受賞で、まあ情況が異なっていればどうだったろうか、という人もあるようです。

 そんなことはともかく。
ク教授の理論的な立ち位置は「正統派」であり、正統派の至らなさをちゃんと?受け継いでおられます。
Daily Flashでちょっと触れていた教授への批判とは、
『グローバル経済を動かす愚かな人々』とタイトルされた評論集所載の「偶然の理論家」という小論への言いがかり(笑 でした。

 タイトルを思い出したのであらためて走り読みしましたが、ウーム、やはりどうもおかしい。主流派に共通する「おかしさ」のような気もします。
もう一度考えてみたいと思いますが、つきあってくれる人いらっしゃいませんか?

 ク先生のおっしゃっていることは「セイの法則」の拡張版「供給の拡大は雇用の拡大をもたらす」が前提になっていますが、“そんなこといつ誰が決めた”というのが批判の骨子です(笑

 ポスト資本主義、時間堪能型社会といった思いつきに興味がある人には面白いかも知れません。

商人塾的情況

 修了の時期を迎えています。
振り返ってみますと今年取り組まれた三カ所のなかには、スタート時点で関係団体の強硬な反対を受けたこともありました。
3時間×10回というカリキュラムを提示されて、“一回こっきり、2時間の講習会にも参加しない連中が続けられるはずがない”予算の無駄遣いに終わることは確実、というわけです。

 そういうケースを含めて開催された塾に共通していること。
① 途中中退者ほとんど無し。(三箇所中一人)
② 欠席者はほとんどが事前に通知あり
③ 所用で遅刻しても極力出席
ということで、ご心配は杞憂に終わりました。
どちらさんもこれまでの経験では考えられないことだそうです。

 参加者の様子も「様変わり」だそうで、商人塾参加を契機に商売への態度、まちづくりへの参加姿勢がびっくりするほど変わった、とお互いに評価し合うことも各地共通です。

 これから年度内は商店街活性化を推進していく体制の構築を目指すことも共通しておりまして、「商業者による商業者の自助努力の組織化を中核に推進する商店街活性化」の具体的な推進に向けて。

 ますは、基本計画を基礎に「行動計画」の作成に取り組む準備です。
その過程で「方向と方法」についてあらためて集中した研修に取り組み、関係各方面によるアリーナ(土俵)の構築、共有の実現を目指します。

 取り組みの中核を担う一期生の活躍が期待されます。
実働する推進体制の構築が必要であり、構築作業を担うのは自分たちである、という自覚がありますから、進捗も早いはずです。
さらにいえば、商人塾に行政、商工団体、TMOが参加したか、それとも商業者中心の取り組みに終始したか、ということでこれからの取り組みの進展が変わります。

 いずれにせよ、「行動計画」を作っていくプロセス、またしても「勉強しながら」であることは共通しています。
いつも・何ごとも・「勉強しながら」というのが中心市街地活性化の取り組みの一大特徴、勉強を伴わない取り組みは成功しない、と覚悟しておいたほうがよろしい。

「ドクトリン」という無理難題

 アルビン・トフラーの『戦争と平和』の冒頭に、ペンタゴンの将官グループの訪問を受けるくだりがあります。
尋ねてきたのはベトナム戦争の総括を踏まえて来るべき戦争に対する「ウオードクトリン」の作成にあたる郡部の軍部の俊英たちです。

 「ウオードクトリン」は、「戦闘教義」などと訳されていますが、今ひとつ、原語のコンセプトを表現できません。
これは、軍隊の「戦闘方法」の基本のことで、想定される敵との戦争において勝利を獲得するための我が方の戦闘体制・戦争における行動のキャパを定めます。
想定される敵とそのスペック&スキルに対して、調達可能な戦力を持って勝利を得るためには、何を為すべきか?
国民の意識が変わり、戦争・戦闘の要素が変化することを踏まえて新しい・起こりうる戦争への準備が緊急の課題になっていました。

 彼我の人命の損傷を出来るだけ押さえて(もちろん米軍の損耗はミニマムに)目的を達成するため、あるべき戦争はどのように戦われるべきか、兵力のスペック&スキルはどうか。
グループは、将来の戦争の様相について「未来学者」トフラーさんの意見を聞きに来たわけです。
 ピンポイント爆撃などIT技術の粋を動員した新しいウオードクトリンは、湾岸戦争で勝利を収めました。
戦争の勝敗は、「ウオードクトリン」の優劣によって左右される側面があり、優れた戦略といえども「ドクトリン」で劣っている軍隊を最終勝利に導くことは至難でしょう。
シーザー、ナポレオン、織田信長など「戦争の達人」は、革新的な「ウオードクトリン」を創発することで「ドクトリン優位」というポジションを占めました。

 で、話はクルリンパと変わりまして、中心市街地活性化。

 中心市街地とりわけそこに位置する中心的な都市機能である商業機能・商店街を活性化するには、どのような「ドクトリン」が必要か?
という基本的な命題がありまして、もちろんこれを策定するのは「言い出しっぺ」である国ですね。

①「中心市街地活性化」を定義する
②活性化を取り巻く環境与件及びその趨勢を把握する
③「活性化の方向と方法」を決定する
④「方向と方法」を確保するために必要なスペック&スキルを見積もる
⑤「スペック&スキル」を確保する方法を決定する

 というような作業が成功裡に達成されてはじめて「中心市街地活性化基本計画」の作成に着手することが出来るわけです。
重要なことがありまして、基本的な戦力となるのが、
①これまで、中心市街地の空洞化を阻むことが出来なかった商業集積の自助努力が主体となる取り組みである
②既存の「スペック&スキル」は、新しい取り組みにとって役に立たないどころか、かえって取り組みを阻害する可能性さえ持っている
③既存の「スペック&スキル」の改革は取り組みにおける最大の課題である。
④この課題への取り組みは、「中心市街地活性化」の多面的な取り組みの主要な一環として他の事業群と並行して取り組まれ、所期の水準に到達しなければならない。

 簡単に言えば、
①ショッピングモールとしての再構築を目標に
②早急に手を打たないと衰退してしまう既存商業者の自助努力を組織し、
③「テナントミックス」を担う主要メンバーにふさわしい「スペック&スキル」を装備させなければならない
④取り組みに「準備期間」は与えられない
という条件で「ウオードクトリン」ならぬ「中心市街地活性化ドクトリン」を構想・構築しなければならな買ったのですが、誰も作らなかったし、そもそもドクトリンの必要性が理解されなかったわけですね。

 ということで、我が「商人塾」は、あるべき「中心市街地活性化ドクトリン」の中核を占め、その成否を左右するきわめて重要なポジションを占めています。
『基本計画」は、このドクトリンを基礎に立案されるべき「応用編」という性格を持っています。 
言ってみれば、「商人塾」を「ファランクス」とするドクトリンを眼前の作戦においてどう運用すれば見事勝ちを収めることが出来るか?

 というところに基本計画のキモがあるわけです。
各方面が実施を望む「補助金付き事業」を集めてホッジキスすれば一丁上がり、というわけにいきません。
指揮官を養成する過程で「戦史教育」が必須になっているのは、戦争に「ドクトリン」の応用と言う側面があることを理解させ、「ドクトリンの発揚としての戦争・戦闘」というポジションを理解させるためだと思われます。

 「中心市街地活性化」は、どこでどうしてそういうスペックを準ビスのでしょうか。
基本計画、やれやれ、やっと認定された、後は商業者の仕事だ、と重荷を下ろしたつもりのプランナーさん、よし、ここから先は俺の出番、、というタウンマネージャーさん、思いこみの如何を問わず、「ドクトリン」無しではどうにもならない、ということを当サイトなどを参考にあらためてしっかり覚悟してください。

至急ご案内

 商人塾が修了もしくは修了間近のところに対する視察申し込みがあるようです。
これまでの開催ではほとんど無かったことで、いよいよ商人塾的活性化への道に対する関心が拡がって来たのではないかと喜んでいます。新しい交流のなかからお互いに取り組みの進展につながる成果を得てください。
視察を計画されているのはいずれもこれまでtakeoが「活性化への道」や「繁盛店づくり」の勉強会に呼んでいただいたところ、それぞれこういう形でさらに一歩を進められることになりました。

 中心市街地・商店街活性化が思うように進まない都市・商店街のみなさんへご提案です。
 みなさんの都市・商店街でも今後の展望を切り開くために、選択肢としての当社が提唱する「中心市街地活性化へ道」などの勉強会を企画されたらいかがでしょうか?

おすすめする勉強会
※「中心市街地活性化の方向と方法」

※「SC時代の商店街活性化」

※「繁盛店づくり」


 年度中のことでもあり、予算措置が難しいことが考えられます。この場合、中小機構の「活性化アドバイザー派遣制度」の活用を検討されてはいかがでしょうか。
 実施する内容は、御地の問題状況に合わせてカスタマイズします。これまでの取り組みを否定することなく新しい方向と方法に移行することを目指すには最適、認定基本計画があるところは、その活用・目標達成に「自信」を持て留用になる「+アルファ」を手に入れることが出来ます。
商店街活性化を実質的にになう推進体制の確立を保証する「方向と方法」を提案しているのは当社だけだと思います。

 何はともあれ、まずはメールをどうぞ。

「商人塾」は”漢方薬”?

 ご承知のとおり、商人塾は「漸進的な繁盛店づくり」を目指す取り組みです。

1.漸進的
2.計画は立てない
3.細切れ試行
4.間違ったらやり直す
などの特徴から、その効果は徐々に現れるのだろうと勝手に思い込み、「商人塾は漢方薬だ」と勝手に解釈する人がいます。

 とんでもないことです。

 商人塾は、
1.状況も
2.繁盛したいと考える人の能力も
3.その他のもろもろも
すべて現状ありのままからスタートして、
最短・3ケ月で新しい繁盛軌道に乗せる、という方法でありまして、もちろん、「漢方薬」という表現にこめられている「飽きずに続ければそのうち効果が現れてくる」というようなしろものではありません。

 そういう受け止め方をしていると、商人塾の「効能効果」を獲得できなくなる恐れがあるので要注意。

 ついでにもうひとつ。
「ラグジュアリィに進路をとれ」ということから、不況下には不向きではないか、と懸念される人もありそうです。

 とんでもないことです。

 繁盛軌道に乗っている人は確認済みのはずですが、不況が深まると、ラグジュアリィ嗜好のお店にお客が集中します。
客数・客単価アップが実現するのです。

 なぜそうなるか?
説明はサイトであらためて。

久留米市 井筒屋撤退後の都心再開発

 当ブログでもときどきコメントしている福岡県久留米市の中心市街地活性化。

 伊勢丹撤退後の北九州市で一人気を吐く井筒屋の久留米店は、来春2月の撤退を表明しています。言うまでもなく久留米市中心市街地の「核」ですから、抜けられると大変、再開発がらみの動きもレポートしてたところでですが、西日本新聞が同店撤退後の街区再開発の動きを報じました。

************* 引用スタート **************

【久留米井筒屋 来年2月閉店 机上の再開発 公金論先走り 市、中心部空洞化に危機感】

   =2008/10/13付 西日本新聞朝刊=

 福岡県久留米市中心部で72年間営業してきた久留米井筒屋の来年2月末での閉店が、8月に発表されてから12日で、2カ月を迎えた。地元の落胆は大きかったが、発表直後に久留米井筒屋跡地を含めた周辺の商店街一帯(約6,800平方メートル)に7階建ての複合商業施設を建設する再開発構想が浮上し、期待も膨らむ。ただ閉店まで5カ月を切り、肝心の事業主体も決まらない中で、同市が構想実現に向けた支援態勢づくりを進めるという異例の展開をみせている。 (久留米総局・坂田恵紀)

 「当社として『提案』『提示』は一切しておりません。当社はあくまでも地権者として、再開発のご提案をお受けする立場でございます」
 9月11日、久留米井筒屋の親会社、井筒屋(北九州市)は、A4用紙1枚のコメントを発表した。前日に江藤守国・久留米市長が市議会で「井筒屋(側)が地権者に対し、再開発構想を説明した」と発言し、朝刊各紙にその記事が掲載されたことへの対応だった。

 「井筒屋が説明した」とされる複合商業施設建設構想は、同店周辺の地権者と市職員が出席した会合で、作成した三井不動産販売(東京)の担当者が示したものだった。同社は、構想作成を「井筒屋から依頼された」とし、会合でもそう前置きしたため、市を含め出席者は「井筒屋の提案」と受け取ったという。

 井筒屋は構想への関与を否定しているが、コメントは、再開発の事業主体になるリスクを避けたい考えを、市や商店街関係者に強く印象づけた。
    ◆   ◆
 井筒屋が受け身なら、久留米市も「まず、井筒屋が再開発プランを提示すべきだ」と距離を置く。周辺一帯の再開発だが、その大部分の土地や建物は、井筒屋が所有するからだ。

 一方、構想実現に向けては、江藤市長は「使える制度は使う」と公金投入に前向きな姿勢を示す。市は、国や県、市のさまざまな補助制度の活用を検討中で、市内部には「少なくとも10億円の公金投入が必要」と、具体的な額も出ている。

 さらに市では、複合商業施設建設までの間、井筒屋に近くの空きビルに一時入居してもらうという案や、完成した施設には井筒屋が入るのはもちろん、テナント確保のために市関連施設の入居も検討している。

 そこには、市中心部の商店街の空き店舗率が8月末で25.5%に達する中で、「2010年度までに10%以下にする」ことを市長2期目の公約に掲げる江藤市政の危機感がにじむ。久留米井筒屋閉店に手をこまぬいたままでは、市中心部のにぎわいが一層薄れる懸念があるからだ。
    ◆   ◆
 ただ、国も自治体も財政難の中で「市中心部の再開発に巨額の公金投入が必要か」との疑問が、市議会の一部から出始めている。

 先月17日、商店街組合関係者が、構想の早期実現への支援を要望した席上、江藤市長は「皆さんの切実な要望は、市民の声」と3回繰り返した。公的資金投入が、商店街だけの救済ではなく、市民全体が望んでいることを強調し、市議会や市民の疑問の声をかわす狙いがあったとみられる。

 机上の構想の上に、公的資金投入による支援構想が進む事態‐。事業主体は今のところ、誰が見つけてくるのかも含めて不透明なままだ。

*************** 引用終わり *****************

■ 一般論レベル

 中心市街地・商業街区の再開発は、「理論の再構築」が必要な段階に来ています。
特に“中心市街地活性化全体の「核」と位置づけられた開発で成功した事例はほとんど無く、むしろ新たな問題を惹起する可能性が高い”というのがこれまでの事例の総括ではないでしょうか。
エスプラッツ、アウガなど。他にもあまり報じられていない事例は数多いですからね。
 実効性を持った商業理論に基づいて計画しないと、空洞化した中心市街地活性化の切り札のつもりが、文字通り“ミイラ取りがミイラになる”ことが大いに懸念されます。

 この問題、当サイトでは『アクセル&ブレーキ』問題として詳しく論じています。
中心市街地活性化、と考えたとたん、次に出てくる問題は、“郊外型大型ショッピングセンターとの役割分担をどう考えるか?”ということなんですが、『基本計画』などを読む限り、そういう問題式は表面化されておらず、“あたかもショッピングセンターなどは現在~将来において存在しない”かのような口振りの活性化策になっていることはご承知のとおりです。
 そのことのツケが「先進都市」の取り組みの相次ぐ挫折、という結果をもたらしているのですが、当の「先進事例」においてさえこのことが自覚されていない、という惨状が「中心市街地活性化」の今日的到達点。

 突破していくには一にも二にも「理論武装」だということは、理論武装に取り組んでみてはじめて理解されることかも知れません。

■ 久留米市の場合
 
 消費購買力の市外流出を阻止し、中心市街地との回遊を実現する、という位置づけで開設された「ゆめタウン久留米」の一人勝ちが続いているわけですが、新しく構想される「核」~商業施設は、ゆめタとのポジショニングをどう図るのか?
大きな課題です。

 さらに、“市中心部の商店街の空き店舗率が8月末で25.5%に達する中で、「2010年度までに10%以下にする」ことを市長2期目の公約に掲げる江藤市政(引用記事から)”にとって、問題は再開発だけではありません。
現在も進行中の街区全体の「劣化スパイラル」をどう食い止め、反転、繁盛への軌道に乗せるのか。
 「井筒屋を中心とした再開発さえ出来れば」というのは、危険がいっぱい。そういうシナリオで取り組まれた先行事例はことごとく
失敗しています。

 再開発の推進と平行してこれまで手つかずになっている「商店街立地の既存個店の繁盛再生~自助努力の組織化による商店街の商業集積としての再構築」という課題を直視しないと、再開発の推進が周辺街区の空洞化を促進することになりかねません。
 
 個別・久留米市の場合、喫緊の課題は「商人塾」への取り組み、
①理論を修得し、
②既存個店群の繁盛を再生し、
③中心市街地の賞偉業立地としての可能性を実証する
ことが、「中心市街地活性化」が直面している究極の課題だということを理解することが先決ですが、関係各方面の問題意識は奈辺にあるのか、注目していきたいと思います。

■ 百貨店
 各社とも「現在~将来における中心市街地の商業立地としての可能性」を調査研究したりはしていないでしょうから、(当サイトにはそれぞれお出かけいただいておりますが)、自店を含めた「再開発で構築すべき「核」の内容・機能を突き詰めて構想するにはとても至っていないと思います。

 「時間堪能」を推進すべきポジションに位置しながら、時間堪能が現段階の消費購買ニーズの「核」であることに気づいていない、という情況で「足踏み」をしているわけですからね。 

■ ということで、

 せっかく開花寸前まで来ている「ラグジュアリィ・ニーズ」ですが、対応し提案する側がしくじるとそれこそ真っ逆さまとなる可能性が否定できません。

 中心市街地、関係各方面にとっていますぐ必要な取り組みは、なにはさておき、「商業理論」を装備することですが、このままスイする限り、その必要性を自覚することなくめそめそと自壊していく中心市街地が多いことは明らかです。

 誰がどう突破口を切り開いていくのか。
国をはじめ関係各方面に突きつけられている課題ですが、誰がどう取り組んでいるのか。
管見の限り、目下取り組まれているのは、当社と緊密に連携した商人塾事業を展開、理論・技術を装備しながら果敢にチャレンジしている二、三のケースだけのようですが・・・。

 中心市街地再開発の課題と取り組みのあり方については、久留米市の事例を中心に【都市計画】で考えていきます。
ご一緒にどうぞ。

☆ 〈甲府市中心市街地商人塾〉は、11月中旬、第一期商人塾受講者による「業容転換 お披露目イベント」が企画されています。既に視察を計画している都市もあるそうです。
「商人塾」事業の内容、取り組み、各個店における成果を一望できる画期的な機会だと思います。

「先進事例の視察」を計画中の人にお奨めです。 

“ものが売れなければ商店街ではない”

 当社、商店街活性化に取り組む土俵でありまして、その後に“儲からなければ商業者ではない”と続きます。
昨日は、後期商人塾のスタートでした。

 中心市街地活性化法では、活性化の定義として「都市機能の増進」と「経済活力の向上」が掲げられています。
そこで問題:
その一 「都市機能」について
①中心市街地所在の商業施設群は「都市機能」か否か?
②都市機能だとすればそれがになっている都市機能とは何か?
③その都市機能が「増進」するとはどういうことが起こることか?
如何ですか?

 その二 「経済活力の向上」について
①「経済活力」とは何か?
②中心市街地所在の都市機能のうち「経済活力の向上」に直接関係しているのは機能は何か?
③「経済活力の向上」を実現するには何をしなければならないか?
如何ですか?

①中心市街地所在の都市機能としての
②商店街をはじめとする商業集積群を活性化する
ことは、中心市街地活性化法の目的である「都市機能の増進及び経済活力の向上」を直接的に実現する、「法」の目的にピッタリ合致する数少ない目標ですね。
(もともと、旧法は「中心市街地の商業機能の活性化」を目的に制定されたことを想起されたし)

 では、この目標は何をもって達成されるのか?
商店街をはじめとする商業集積がその本来的機能を発揮することによって、ですね。

 本来的機能とは何か?
言うまでもなく「物販」「物売り」です。
お忘れの人もあるかも知れませんが、商店街、商業集積の存在意義は「物販・もの売り」ですからね。
商店街・個店は“ものが売れてナンボ”でありまして、ものが売れなければ商店街では無い、ものが売れない商店街は商店街でなくなっていくのは当然といえば当然のことです。

 もちろん、情況は厳しいわけでありまして。
世の中全体が「もの余り・店あまり」というなかで、さらに中心市街地に立地する商店街群は、外にRSCをはじめとする大型集積、うちにコンビニ、ドラッグをはじめとする近隣型新業態と腹背に競合の進出を受けているわけです。
 
 こういう状況にも関わらず、自助努力を発揮して「ものが売れる」商業集積へと転換していくことこそが商店街活性化の有るべき方向と方法であり、もちろんこれは中心市街地活性化のメインとなる仕事です。

 商店街がになう都市機能は小売・物販機能ですが、実際に「もの売り」はどこで行われているかと言えば、そのほとんどは「個店」の内側、売場で行われています。
都市機能としての物販機能は究極、個店の売場で担われているのでありまして、まあ、こういうことを今さらあらためて言わなければならいというのも情けない話ですが、時に「もの離れが進んでいるから商店街は物販ではなく・コミュニティ機能を充実させるべき」などと言い出すバカがいたりしますから念のため(笑

注「バカ」とは、せっかく自前のアタマを持っていながら使おうとしない人たちのこと。自分の頭を使う代わりにいつかどっかで聞いた話の片言隻句を覚えておいてオウムのようにしゃべります。

 “「もの離れ時代」にものを売る”、百貨店が尻に帆を掛けて逃げ出す立地の状況において「ものを売る」のが商店街及びそこに立地する各個店の事業機会であり、社会的機能であり、「売り上げ・利益」とは自らがになっている社会的機能をどう果たしているか、そのバロメーターであるわけです。

 そもそも、ものが売れるということは、売っているものを買って生活に役立てている人がいるということであり(お客ってそういう人ですよね)、商店街、商店はものが売れてはじめて都市機能として機能している、ということですから。
ものが売れない商店街・個店は社会的機能を果たし切っていない、ということにもなります。
それなのに、「物売り機能の充実」という取り組みに集中できない「活性化」の多いこと・・・。

 “ものが売れなければ商店街ではない、儲からなければ商業者ではない”
昨日の勉強会であらためて確認した次第です。

 水ヶ江商人塾、新規参入者二人を迎え、今回は新しい試みにチャレンジします。

中心市街地的商業活性化の本当の意義についてはこちら:
『中心市街地活性化は経済活性化の緊急課題』

 2002年の記事ですが今でも通用するというのが、南友諫早、です。

『基本計画』に賭けられない商業者

(承前)

 中心市街地活性化基本計画。
その役割は、中心市街地所在の都市機能の増進と経済活力の向上を実現するために、
①目的達成に向けて実現可能な目標を設定し
②都市内外の情況を把握し、、
③現有及び計画期間中に調達可能な人材及び資源を秤量して、
④目標を実現する「方向と方法」を定め、
⑤達成するために必要な基本的な事業群を計画する
というところにあります。

 課題を「商業の活性化」に絞れば、
① 中心市街地の商業の現状及びその環境を理解し、
② 都市内外・広域商圏において担うべき商業機能を決定し、
④ 既存商業者の自助努力及び空地空店舗などの活用によって③を実現していくシナリオを作成し
⑤ ④を実現するための各種の事業を計画し
⑥ TMOを司令塔とする推進体制を作り,
取り組んでいく
という計画になっていなければならない。

業者が、『基本計画』の商業の活性化の項を読めば、自分たちの置かれている状況及びそれに対処して繁盛を再生する道・自助努力の方向と方法が示されている。
一読、新たな自助努力に挑戦していく勇気と希望が湧いてくる。

 中心市街地の現状においてホンキで商店街の活性化を実現するために作ったのであれば、以上が「あるべき基本計画」の中味です。
そのキモは、“商業者が読んでその気になれるかどうか”、商業者がその気になって取り組まないと商店街の活性化は絶対に実現できません。

 ここで問題は、
各都市の基本計画、果たしてそういう内容をもって作られているかどうか?
作られているとして、その「方向と方法」は商業者の胸に響くものであるか否か?
ということであり、さて、商業者の皆さんから見てそういう基本計画になっているかどうか?
と考えれば、答えはウーム・・・です。

 そもそも、商業者を除く関係各方面の立ち位置が「法」のスキームが前提にしているところと大きく異なっているように感じられてなりません。
「法」は中心市街地・商業の活性化について、中小商業者の自助努力を主体に取り組んでいくスキームとして作られているのですが、対する『基本計画』は、空洞化する商店街立地の商業差を「救援」することを目指して作られているのではないか?

中心市街地に住む人来る人を増やす
物販・非物販の集客核を作る
集客イベントを企画する・・・

“ほ~ら、こうすればお宅らの商売も昔みたいに出来るようになるでしょ。”
とは行かないことは、これまでの経験・情報で既に周知のところとなっているはずです。

 あれこれの施策で「商業者を救済する」ことはできません。くどいようですが、商業者は自らの自助努力で自店及び商店街を都市住民の「買い物行き先」として再構築する以外にその存在価値=事業機会を確立することはできないのです。
 心ある商業者には分かり切ったことですが、実現していく「方向と方法」がこれまでの経験や指揮者の提言からは出てこない、というのが実状です。
もちろん、仲間内には「昔は良かった、人通りが増えれば街は繁盛する」と考え、『基本計画』に「救援」を期待している人もいたりして、なかなか一致した行動がとれません。

 このような情況に、“ほらみろ、うちの商業者はやる気がない”と決め付け、商業者の気持ちとは関係無しに「救済策」を羅列した『基本計画』を作っても、「法」のスキームが期待する「活性化された中心市街地、活性化された商店街、立ちならぶ繁盛店」を実現することは不可能です。
各種の施策を成功裏に完了してもその結果街に繁盛が復活することはありません。

 「救済策」を計画し、実践した先行都市の経験が誤解の余地無く示しているところではないでしょうか。

 中心市街地に立地している商業者は、その所属する商業集積・商店街が目指すべき商業機能としてのポジションを決定し、自助努力を組織してその実現に向かわなければならない。取り組みの基礎として「自店の繁盛」実現にトライしなければならない。

 現下の状況において商業者の自助努力だけでこれを実現するのは極めて困難であり、中心市街地所在の都市機能の増進及び経済活力の向上に責任を持つ関係各方面とともに「方向と方法」を共有して取り組んでいかなければならない。

 ということで作られたのが『中心市街地活性化法』の趣旨ですが、残念ながらこれまでに作られた『基本計画』は「法」の趣旨を体しておらず、商業者の胸を打つことが出来ません。

 ぶっちゃけ、「異動」のある関係各位はいいとして、問題は自分の財産・事業を『基本計画』に賭けなければならない商業者の皆さん。
『基本計画』のどこをどう読んでも“これで商売の未来が開ける”“自分の事業の命運と自分のライフタイムをこの計画に賭ける”とは思えないわけですが、どうしましょう?

 “基本計画には頼らない、我が道を行く”というのは立派ですが「我が道」を行こうとすれば『基本計画』サイドから待ったが掛かります。もちろん、「待った」をかける側に活性化実現への確信があり、「四の五のいわずに付いてこい」といいきる自信は無いわけで、かくして「三すくみ」が出来上がります。
この情況を打開していくには。

 あらためて「法」の趣旨から読み解き直し、『基本計画』に挙げられていない「活性化の実現に必要な自助努力的事業」を体系的に計画し、『基本計画に基づいて作成した行動計画』として関係各方面が共有する。「別個に進んでともに活性化を実現する」という取り組みのあり方を構築していくことが必要です。

 とはいうものの、その過程にはこれまたいろいろな困難がありまして、実際にこのプロセスに取り組んでいる皆さんは大変苦労しています。
問題の性格上、なかなかおおっぴらにはなりませんが・・。

 一方、商店街が陥っている「劣化スパイラル」は止まることがありませんから、商店街・個店にとってスパイラルからの脱出は最優先課題、「方向と方法の共有」は脱出作業のかたわら行うことになります。
もちろん、スパイラルからの脱出は関係各方面共通の目標ですから、自助努力による脱出の可能性が見いだせれば「方向と方法の共有」への活路が見えてくることでしょう。

 商店街・商業者が陥っている劣化スパイラルからの脱出、日常的な「営業活動」そのものとして取り組んでいく「方法と方向」はどこにあるか・・・?

 という問題意識に対する解答、進むべき方向と方法を提案しているのが当社の「勉強会メニュー」です。


 関心がある人は、なにはさておき、まずはメールでコンタクトを。
※当社の勉強会、これまで“お金が無くて出来なかった”という事例はありませんので念のため。

商店街活性化と基本計画

 中心市街地・商店街活性化の取り組み、必ずしも新スキームに基づいて取り組まれるケースだけではありません。
次のようなケースが考えられます。

①新スキームにより基本計画を作成、認定を得て取り組む場合
②新スキームにより基本計画を作成、認定を受けない場合
③旧スキームで作った基本計画で引き続き取り組む場合
④基本計画を作らずに取り組む場合
通常はこれら4つのケースのどれかに該当すると思います。

 いずれにも共通することがありまして、
①~④、いずれの枠組みで取り組んでも商店街活性化に成功したケースは極めて限られています。というか、当社的定義を基準に考えればほとんど無いに等しいわけですね。

 これは由々しいこと。
①基本計画を作成し、認定を受けた取り組みも
②認定を受けていない基本計画による取り組みも
③旧スキームによる計画に基づく取り組みも
④基本計画を作成していない取り組みも
そのほとんどが活性化に成功していない、というのはどうしたことか?

 あまり問題になっていませんが、トンでもないことですよね。

 共通していることがありまして、いずれのパターンにおいても、商業・商店街活性化の推進が「商店街~個店」を通じた総合的な取り組みとして計画されていません。
特に、買い物の場=究極的な来街目的が存在するはずの「個店」の内容充実(当社的には「業容の適正化)に実際に取り組む仕事が計画されていない、という点では、どのパターンもまったく一緒だということです。
恐るべし、です。

 商店街活性化は、「買い物行き先としての機能の充実」を意味します。そこに立地する各個店のシャッターの内側が「買い物行き先」として再構築されることがなければ「買い物の場」として機能することは無いのでありまして、すなわち、商店街の活性化を実現することはできません。
基本計画の有無、またその内容の如何に関わらず、個店のシャッターの内側を「買い物の場」としての再構築へのチャレンジを欠いた取り組みで商店街が活性化できるはずがないのであります。

 基本計画の有無に関わらず、中心市街地・商店街の活性化を本当に実現したかったら、各個店のシャッターの内側の取り組みを計画しなければならない。
基本計画がある場合もない場合も「商店街活性化すなわち商業集積としての機能の再構築を推進する行動計画」を作成し、個店~街区の取り組みとして総合的・一体的・計画的に推進しなければ、商店街の活性化は夢のまた夢に終わります。

 この計画作りはホント難しいですからね。
そもそも、全国的に成功事例のない、商店街を活性化するために必要な計画を素人で作れると考えるのが不思議。
(それとも立てることが出来ますか?)
 プロ以外にはおそらく何をどう計画すればよいのか、さっぱり分からないはずです。
こんなときに「計画はみんなで作る」とか「地元の計画だから地元に詳しい地元の人間で作る」などと「ままごと」を言わないように。
商業・商店街を活性化するための計画は、プロにしか作ることは出来ません。餅は餅屋、プランニングはプランナー(笑
おっと、肩書きは無関係、要は計画が作れるかどうか、素人とか地元云々は無関係、言うまでもないことですが。

 問題は、商店街活性化の行動計画を、地元の皆さんとの協働で作り上げることが出来るスキルを持ったプロのプランナーさんがなかなかいない、ということでありまして。
“私はプロです。これこの通りの実績がある”といわれてもホントに役に立つ計画を作る腕前を持っているとは限りません。これまでの諸計画を顧みれば思い半ばを過ぎるというものです。

 ということで、基本計画の有無に関わらず、商業・商店街活性化に取り組むための計画は、プロの手によって作ることが必要であり、しかも困ったことにプロのプランナーはなかなか確保できない、という情況があります。
このあたり、ちゃんと理解して対策を考えなければならない。

 という問題があることを分かっていただいたでしょうか。
まずは、
①全国に共通するこういう問題が本当にあるのか
②あるとしたら、この問題にどう対応するのか
従来的取り組みやいきさつはひとまずカッコに入れて考え抜かなければならない。

 以上、“中心市街地・商店街活性化を何が何でもやり遂げなければならない”という立場に立っている人を対象に提案やら激励やらを行っているつもり、そういう立場に無い人には「何のことやら」かも知れませんが、いずれ思い当たるときがあるかも知れません。ないかも知れません。

中小小売商業高度化事業 (長文)

 中心市街地活性化基本計画ではよく計画されている「中小小売業業高度化事業」ですが、実際の基本計画をみますと、その意義、内容などについてほとんど理解されていないケースが少なくありません。活性化事業に取り組んでも成果が挙がらない理由の一つはここにありまして、基本概念についての理解を欠いたまま作成された基本計画が有効であるはずがない。
 今さらながらですが、高度化事業の意義について説明したいと思います。

1.問題の所在

 中心市街地活性化法の中心的課題は底意所在する商業機能の活性化であり、とりわけ、商店街群を一個のショッピングモールとして再構築すること、すなわち陳腐化し、劣化している商業機能を「高度化」させることです。

 『基本的な方針』では、中心市街地における商業の活性化のための事業を①中小小売商業高度化事業 ②特定商業施設等整備事業 ③その他 に区分されています。
これらを取り組みの柱として基本計画を立案するにあたって、間違いやすいのが「中小小売商業高度化事業」の意味するところ。

 最初に申しあげておきますが、これを間違うと言うことは「商業の活性化」という問題領域全体についてとんでもない「誤解」をしている、ということになりますからね。
問題を取り違えておいて正解を出す、というのはあり得ないことですから、「中小小売商業の高度化」を正しく理解し、正しく位置づけ、正しく取り組まないと「商業の活性化」に届くことは出来ません。

 まずは、『基本的な方針』第七章(P10~13)をあらためて熟読玩味してください。
何ですか、中には「基本的な方針」を読まず・理解せず・活用せずに基本計画を作ってしまった、というプランナーさんもいらっしゃるようです。
青森・富山以下、先行都市の「見よう見まね」というのは見られがち、両市の計画が「中小小売商業高度化事業」の的確な理解の上に作られているか否か、については皆さんそれぞれチェックしてみてください。

 なお、「先行事例」の視察に行かれる際は、『基本計画』において「中小小売商業高度化事業」がどのように説明され、位置づけられ、取り組みが計画されているか、ということをきっちりチェックしてからにしましょう。
そもそも、『基本計画』において、「高度化事業」の趣旨・位置づけについてしっかり説明が行われないような取り組みは「先行」の名に値しません。

 先行作成されている基本計画には「基本的な方針」を読み・かつ、これに基づいて作成されたとはとうてい評価できないものが結構あったりします。
どこの計画がそうだとは言いませんが。

 ということで、あらためて「中小小売商業高度化事業」について、基礎の基礎から確認したいと思います。

※この作業、「整備改善・活性化法」当時の計画作成に先立ってきちんとやっていれば、ひょっとしたら計画の見なおしは必要なかったかも知れません。
 それくらい大事な作業ですからそのつもりでおつきあいください。

※なお、基本計画が出来上がり、認定も終わったところは、『基本計画』を基本とする「行動計画」を作成することが必要です。
作り方についてはあらためて検討する機会を持ちたいと思いますが、すぐに必要だと感じている人は、当社宛申し出てください。
簡単、かつ、低コストで適切な行動計画を作成する方法を提供します。
ただし、まずはとりあえず、「中小小売商業高度化事業」の完全制覇にチャレンジましょう。


2.高度化事業の目的

 そもそも高度化事業の目的は何か?

 高度化事業スタート時点の問題意識は、
①商店街に立地する個店は、消費購買行動の受け皿としてよく機能している
②近年進出してきた大型店の影響を受けている
③事業機会を確保するには、協同によって「規模のメリット」を実現しなければならない
ということでした。高度化事業=共同施設事業、共同経済事業のスタートです。

 共同の取り組みで実現しようとしたことは何か?
大型店との競合対策のようですが、本当の意味するところは違います。高度化事業が対応しようとしたのは、「消費購買行動の高度化」です。

 これまで、既存商店街しか「買い物行き先」が提供されていない間、お客にとって「ショッピング行き先」とは商店街が提供している〈業容3(アソートメント アシスタンス アンビオンス)〉のことでした。
百貨店、SM、GMSなどの登場による新しい買い物の場の提供は、お客にこれまでの狭いショッピング体験とは大きく異なるショッピング環境をもたらしました。新しい「選択機会」が提供されたわけです。
ショッピング行き先を選択し、新しい経験を蓄積することでお客の生活・購買についての知識はふか深まり、消費購買行動は多様化しました。
つまり、消費購買行動は、商店街全盛時代と比較して格段に「高度化」したわけで、「高度化事業」は表見、「大規模商業対策」のようですが、本当は「高度化した顧客ニーズへの対応」でした。

 商店街にとって「大型店対策」とは、“それらの出店により高度化した顧客ニーズにどう対応するか”ということですからね。
高度化事業は、その中の「規模のメリット」という言葉で表現される課題への対応を意味しています。共同施設、共同サービス。
しかし、一番大切なことはそれらの整備を通じて実現を目指す「ショッピングの場」としての総合的な機能の充実です。

 つまり、狭義の高度化事業とは商店街が「ショッピングの場」としての充実を目指ず取り組みのうち、「サービス&施設」についての共同事業のことです。
それが成功するためには、広義の高度化すなわち「ショッピング行き先として具備すべき要件の高度化」を目指す取り組みが計画され、その一環としての共同施設・サービス事業の取り組みでなければならない。

 個店にとって、「ショッピング行き先」としての機能のうち、もっとも重要なのは「品揃え・売場揃え」であり、商業集積・商店街の場合は、「業種揃え・店揃え」です。
もちろん、これは「欠業種」の店を誘致する、ということではなく「高度化した顧客ニーズ」に対応する「集積の高度化」、「アイテム揃え・売場揃え」を実現するための「業種揃え・店揃え」でないと意味がありません。

 国の『基本的な方針』では「中小小売商業の競争力の根幹」として「業種揃え・店揃えの最適化」が提唱されていますが、これは中小小売商業の競争力というよりも「商業集積の競争力」といった方がより適切ではないでしょうか。
郊外型SCのモール部分の「競争力」はそこに出店しているテナント群の「業種揃え・店揃え」に掛かっています。

 お客から見た「業種揃え・店揃え」とは何を意味するのか?
考えてみましょう。


3.高度化事業の目的=OVSの提供

 だれでもそうだと思うのですが、自分に興味がないアイテムばかりが売られているお店に頻度高く出掛ける人はありません。
お店に出掛ける目的を考えれば明らかです。

 どうせ出掛けるなら、ショッピング(買い物・下見・冷やかし・暇つぶし)にあれこれ使えるショップが揃っている方が楽しく、行き甲斐もあるというものです。
業種揃え・店揃えは、どんな人・ニーズにも対応するお店があれこれと揃っている、欠けている業種など全くない、ということではありません。特性の客相から見て「ショッピング」の対象になるお店・売場がどう揃えられているかということですから、お間違いの無いように。
 ちなみに、このことを指摘しているのは、多分、当サイトだけのはずです。

 RSCのテナントミックスは「自生的」でありまして、「元気のいいショップ」を揃えて開店、経過で売り上げ低迷、改善できないショップはお引き取りを願う、後がまには「元気のいいショップ」を連れてくるというパターンですが、二つの前提条件がありまして。

その一 RSC固有の客相のお眼鏡にかなわないショップは業績が低落する

その二 後がまに座りたいショップがひしめいている

 この二つがRSCのテナントミックスマネジメントの基礎ですね。
①業績が基準に達しないテナントは撤退させ
②予備軍から適材を選択採用する
と、お手軽なマネジメントです。(このレベルがRSCのテナントミックスマネジメントです)

RSCの客相とは:
①パーソナルニーズについて
②はやりの匂いぎんぎんのアイテムを
③低価格&セルフで買いたい
という客相ですね。

 こういうお客から見て業容A3をピッタリ作り上げ・維持管理しているショップが「元気がいい」わけです。

 ちなみにRSCの戦略的環境は、この「元気のいいショップ」予備軍が払底しつつあること。ダメになったら取り替えればいいさ、という安易なテナントミックスマネジメントが通用しなくなる日が目の前です。
RSC間競争の決着は一方の空き店舗の発生~定着化=「空洞化」をもたらします。人工商店街、所詮は商店街と同じ末路をたどります。

 これを防ぐには、正真正銘のテナントミックスマネジメント、現存個店の業容A3の改革による「入れ換え無しのテナントミックス最適化」をマネジメントできるかどうか、今後RSC間の競争は、この“眼には見えないレベル”が主戦場になるはずです。

 話がそれました。

 中小小売商業の高度化とは、こういう話だということが納得されたでしょうか?
消費購買行動の向かう先は「ワンビジットショッピング」の充実度合いで決まる、高度化事業の目的はショッピングデスティネーションを充実させることにあり、中心市街地の場合、
その方向は:ラグジュアリィ、
実現の方法は:現存個店群の業容革新と空地空店舗の活用
ですね。

 これがいまどきの「小売商業高度化」の定義ですが、慣行的理論に呪縛されていては、いくら国の『基本的な方針』をながめても「高度化事業」の意味が分かりません。
 意味が分からないと「対策」も「解決策」もまともなものが出てくるはずがない。せいぜい、ハコを作り直してプランドショップを招聘する、ということくらいしか思いつけないわけですが、ブランドショップが陳腐化して撤退した後は何で埋めますか?
という話もセットで考えないと、中心市街地のショッピングモール話は出来ません。政令都市のなかには中心商店街はチェーンストアの抜け殻だらけという例もあります。

 「小売商業高度化」の意味するところが理解されると、高度化事業の取り組みがハコもの整備ではないことがよく分かります。ハコの整備と同時並行で現存個店群の業容A3の革新を実現しないことには、賑わいの創出など出来るはずがないのです。
ということが分かれば『基本計画』jに記載されている高度化事業への取り組み方も多少は違ってくるのではないでしょうか。

 当エントリー、活性化は適切な「理論」あってのものだねだ、ということがよく分かる話になったかと思いますが如何でしょうか。
中心市街地活性化に取り組んでいくために必要な理論をフルセットで提供しているのは、自慢者に阿が(笑、クオールエイド社だけだということ、あらためて確認してくださいね。

認定を目指さない中心市街地活性化基本計画

 というものが世の中には存在するのでありまして。

何故、認定を目指さないのか、といえば、
積極、消極二面に理由があります。

その一 消極的理由
 
 簡単でありまして、認定を獲得することで提供されている支援制度を活用するためには「自己負担」分の原資を用意することが必要ですが、その手だてがない、ということですね。

 自己負担分が用意できなければスキームに準備されているモロモロの支援措置は「高嶺の花」、認定を受ける意味がありません。

では認定を受けなければどうなるのか?
ということですが、そこで考えてみたいのが、
スキームはなぜ変更されたのか?
ということです。
もともと「中心市街地の商業の活性化」を目的に作られたスキームが「中心市街地の都市機能の増進」と目的を拡大されたのは、
①これまでの取り組みでは商業の活性化が実現できなかった
②中心市街地の商業の活性化は商業的施策だけではムリ
という総括が行われ、
③商業の活性化には「住む人・来る人を増やす施策が必要だ」と言うことになり、折からの「環境対応」やら「コンパクトシティ」とかの影響もあって
④中心市街地所在の都市機能を一挙的に活性化させる
という方向へスキームが変わったわけです。

 その結果、中にはこの際中心市街地のあれもこれも一挙に活性化させる、という意気込みのもと、あれもこれも新設する、という計画を作ったところも出てきました。

 余談ですが、あれもこれも取り組んだ結果、新設施設を含み中心市街地はどうなっているか、については何カ所かレポートしています。
基本計画、みごと認定をパスすれば中心市街地活性化の実現にお墨付きをもらったも同然、ではありませんからね。

 その二 積極的理由:

 こちらはすっきりしておりまして、お金が無いので認定基準に叶う基本計画は作れないが、中心商店街の活性化はなんとしても取り組み、実現したい、というわけです。

 “はじめから認定を目指さないが、基本計画を作って活性化に取り組む”ということで、認定以外は新スキームに則って作られている、推進体制も含めて、という事例があります。

 諸般の事情で「認定基本計画は作れないが商店街の活性化には取り組みたい」という都市は意外と多いのではないかと思います。
実例を踏まえつつ【都市経営】で検討したいと思います。
これは既に認定を得ている基本計画を持っている皆さんにも大いに参考になるスレッドになるはずです。
 興味のある人は(たぶん、そこそこあると思うのですが)ご参加ください。

商店街活性化における「繁盛店づくり」の意義

 中心市街地・商店街に繁盛店を作る、という取り組みについては「反対」という人はたぶん無いと思いますが、その位置づけについてはいろんなポジションが考えられます。
①中心市街地活性化を実現していく中核となる取り組みだ、とする当社的な位置から、
②全体の動きを阻害しなければ取り組んでもらって結構
という立場まで。

 昨日は、「立地」の理解をめぐる二つの立場について考えましたが、その続きとして「個店の繁盛」について考えてみましょう。

 「個店の繁盛」は前述のとおり、誰もが願うところですが、その実現方法については大別二つの立場があり、それは「小売業をどう見るか」ということに関わっています。

 昨日書いたとおり、小売業は「立地」に関連して
①立地依存型の産業である と見るか
②立地創造型の産業だ、と見るかで「繁盛づくり」「活性化策」は天と地ほどに違います。

■「立地依存」派の場合
 「小売業は立地すなわち、人口~通行量に依存する産業だ」と意識・無意識に採用している人にとって、“活性化が必要になっている”という情況は、
①人口が減っている
②通行量が減っている
ことを意味します。
このような認識に基づいて「小売業の活性化策」を考えると、
“人口の多い・通行量の多い場所に移転する”ことが最善の手段だと言うことになります。そうですよね?

 ところが、商店街あるいはそこに立地する個店の場合、おいそれと移転することは出来ません。あるいは移転できる条件にある人はとっくに移転してしまっているかも知れません。

 移転する、という最善の選択肢が採用できない商店街及びそこに立地する個店は活性化するために何をしなければならないか?
当然、「立地」を改善する仕事に取り組むことになります。

①人口を増やす・・・マンションを建てる
②来街者を増やす・・非物販の集客施設を建てる・イベントに取り組む
③店前通行量を増やす・・核店舗を誘致する、景観を整備する
というような事業に取り組むことになります。

逆に見れば。
こういう活性化策を考え、実施している人たちは、“小売業は立地産業であり、その命運は「立地」に掛かっている”と信じているわけです。

 中心市街地立地の商店街が空洞化し、個店の経営が低迷悪化しているのは“立地が悪区なっているせい”ですから、住む人を増やし・来る人を増やさなければならない、となるのは当然ですが、さて、本当に“住む人を増やし・来る人を増やせば”街は活性化し、個店は繁盛するのか?

 中心市街地活性化の取り組みがスタートして8年、検証するための事例は数多くあります。
住む人・来る人を増やすための事業:
○店舗付きマンションを建設した事例
○非物販の集客施設を建設した事例
○「核店舗」を建設した事例
などなど。さらに
○集客イベントを増やした事例
○一店逸品など人寄せ販促事業に取り組んだ事例
も多数あります。

 その結果、何がどうなったか?
事業のほとんどが「商業の活性化」を実現することが出来ませんでした。
特に「商業核」を作ろうとした事業では、
①集客核としての機能を果たすどころか
②自店の経営自体もうまくいかない、
という結果に陥っているところが少なくありません。

 どうしてこういうことになっているのか?
これらは「小売業は立地産業だ」という認識に基づいた取り組みであり、それらの取り組みがことごとく失敗しているという現実は、
「小売業=立地依存産業」という認識では中心市街地活性化は実現できない、
ことを実証しているのではないでしょうか?

 立地依存派が取り組む「繁盛店づくり」には、「立地の改善=通行量の増加、入店客の増加」という抜きがたい発想がありまして、
①イベントなどで店前通行量を増やせば繁盛する 
②一店逸品などで入店客を増やせば繁盛する
という考えですが、いずれも繁盛を実現することは出来ません。
 全国各地で実証されているとおりです。

※この問題は極めて重要であり、詳しく論じなければならないので、以下の議論は【商店街起死回生】で続けます。
ホンキで商店街活性化・繁盛店づくりに取り組む人にとって、けしてスルーすることの許されない問題です。
ぜひご参加ください。

小売業における立地の考え方

 中心市街地活性化の基本課題は商業街区の活性化であり、そのまた中心となる課題は、既存個店の活性化すなわち劣化スパイラルに陥っている商店街所在の各個店をあらためて繁盛させる、ということです。

 既存個店の繁盛は、取り組みの大きな目的であることは、関係者に共通した認識ですが、実現の方法をめぐってはいくつかの対立する考え方があります。
そのもとになっているのは、“小売業とはどういう事業か”という理解・認識の違いです。

 小売業についての認識・理解を「立地」についての考え方で分けますと、大きく二つに分けることができます。

①小売業とは立地依存産業である、という考え方 
 この考え方によれば
 ○商業が成功するためには立地のいいところに店を出すこと
 ○いい立地とは人口や人出が多いところである
 ○商業が空洞化するのは立地条件が劣化したからであり
 ○活性化するためには立地条件を改善しなければならない
 という推論にもとづいて「活性化施策」が講じられます。
 
  多くの基本計画はこのような小売商業観をもとに立てられていることを確認してください。

 もう一つは、
②小売業とは立地創造産業である という考え方。
 ○小売業にとって大事なことはお客から見た「来店目的」を作ることである
 ○「立地」は来店目的を実現するための条件の一つである

 個々の商業者の出店戦略は、立地についての考え方で①を取るか、②を取るかで大きく変わります。 
①はお客の多いところに出店する、②はお客の集まりやすいところに出店する ということになるわけです。

 この違いは、立地選定に止まらず経営戦略全体に大きく影響するものです。例えば新規出店する場合、
①の視点を取る企業は、業容は一定のまま、業容が適合する立地を
選定して出店する、ということになり、
②の場合は、様々な条件を総合して立地を決定したら、立地特性に応じて業容を変えることで「集客」を実現することになります。

 この違いは大変大きいものです。
商店街活性化に取り組む場合、①と②では取り組みの内容に雲泥の差があります。

1.小売業=立地依存産業という立場の場合
 小売業の衰退は即立地条件の劣化によるものであり、活性化するためには、立地条件を改善しなければならない、という理屈から、
①立地条件の基本である「住む人・来る人を増やす」
②集客力のある施設を導入する
③集客イベントに取り組む
などが主な施策になります。
 「立地依存派」にとって、もっとも有効な繁盛再生の手段は「立地移動」ですが、中心市街地・商店街の場合、それは「出来ない相談」で有り、次善の策として上記のような施策に取り組まれるわけです。
 しかし、そもそも肝心要の「立地条件」で郊外に負けている(というのが彼らの基本認識)わけですから、内心、施策の効果には疑問を感じています。疑問があるために、なかなかホンキになれない、という欠陥があります。

2.小売業は立地創造業である、という立場
 小売業の衰退は、当該店舗あるいは商業集積を買い物行き先とする消費購買ニーズと現に提供している小売機能(品揃え・サービスミックス・売場環境)との間にミスマッチが生じており、お客の「買い物行き先」としての評価が低下していることが原因で起こる、と考えます。
 活性化するためには、消費購買行動の変化、競争環境の変化を確認して、来店目的・来街目的を再構築しなければならない。
つまり、モロモロの商業施設・機能の立地を前提にしながら、中心市街地・商店街立地で成立する小売業のあり方を考え、実現しないと活性化することは出来ない、という考え方になります。
 従ってその取り組みは、
①「郊外型商業」の全盛時代において
②中心市街地・商店街で成立可能な小売業のあり方を定義し
③既存個店・集積の自助努力をもってその実現を目指す
ということになります。

 現在、主流となっているのは「小売業=立地依存産業」という認識に基づく取り組みですが、これはことごとく失敗しているのは既にご承知のとおりです。
特に注意すべきは「集客核」についての考え方。
「立地主義」の場合、「来店目的」は軽視する傾向が強く、核を作る場合にもその「来店目的」はほとんど検討されないまま、「見よう見まね」で作られることが多く、その結果、「核」になるどころか、自分の存続さえ赤信号が点っている、という例が多いということです。「集客核」と位置づけられて取り組まれる大型施設づくりの多くは、自分たちが考えている「立地理論」を無視しています。
立地理論も来店目的も無視して作った施設がうまく行くはずがありません。まして、「核」になれるなどということは金輪際あり得ないことです。

 如何ですか?
立地依存と立地創造、立地についての考え方がちがうと、取り組みの全体が大きく変わり、その結果もまた大きく異なってきます。

 皆さんの基本計画、皆さんの商店街・個店活性化の取り組みの基本にあるのは、
「立地依存」という考え方ですか、それとも
「立地創造」という考え方ですか?

 あらためて確認してみると、いろいろと見えてくることがあります。

経済とは何だろうか

 危機深まる世界経済ですが、そもそも経済とは何か?

 【理論創発コーナー】では目下根井雅博さんの『経済学とは何か』の書評にチャレンジ中ですが、なかなか進みません。

 ケインズさんは、「誰もが知らず知らずのうちに過去の経済学者誰かの主張の影響下にある」と喝破したそうですが、そうだとすれば我々は経済学を無視するわけにはいきません。
そもそも経済学者は経済について何を言っているのか、ということを吟味しなけならないわけですが、そうすると「経済学者は「経済学」という学問分野において何を研究対象にしているのだろうか、ということからあらためて理解しなければならない。
経済とは何か? まずこれを定義しておかないと「経済学」の良し悪しを吟味することは出来ません。

 我々がその影響から免れることの出来ない「経済学者」とは何を研究し何を主張しているのか?
そもそも経済学者が研究しているとされる「経済」とはいったい何を指しているのか?

 というあたりを考えないと「経済学とは何か」は考えられないのでありまして、ふと思いついたのですが、もし「学問は定義に従う」という一般論が成立するなら、‘世の経済学は研究対象である経済をどう定義しているか”という問題が成立します。
経済学者にとって経済とは何か?

 このように問題と立ててみますと、経済学者で「経済と何か」という問題を成功的に立てた人は無かったのではないか?と思われるのでありまして。
「経済学とは稀少性の配分について研究する学問」という有名な定義がありますが、では経済とは「稀少性の分配」のことかといえば、そうだという人は少ないでしょうね。
経済学とは市場(価格形成のメカニズム)を分析する学問だ、という人もいますが、では経済とは市場のことか?といえばそうではない、ということになる。

 ということで、経済学とは何か、について考えようとすれば、話は当然、「経済とは何か」「何をもって経済学の対象とするのか」その定義は妥当か、ということの検討に向かわざるを得ないのではないでしょうか。

 グローバリズムを主張しているのはクローニーキャピタリズムであり、その理論的支柱はフリードマンが代表するマネタリズム&リバータリズムである、と考えられますが、いうまでもなく、現下、世界経済はマネタリアンの影響下に呻吟しているわけです。

 経済の抜本的な処方の「方向と方法」は「経済とは何か」についてあらためて定義することからスタートすることが必要ではないかと思われます。

 ということで、根井さんの『経済学とは何か』についての検討は、断続的に続いておりますので報告しておきます。

 ところで。
ノーベル経済学賞の正式名称は、「ノーベルを記念するスウェーデン国立銀行による経済化学賞」であることはよく知られていますが、
①ノーベルの子孫から“ノーベルの名前を僭称すること”への異議が出されていること
②「経済学は経済科学なのか」という疑問が自然科学者から提起されていること
③受賞者の大半をフリードマンをはじめとするシカゴ派の学者が占めていること
などは、あまり知られておりません。
(本山美彦『金融権力』)

 ここにもクローニーの香りが漂っています。

問題情況と問題認識のミスマッチ

 「中心市街地活性化法」のスキームで活性化に取り組むということは、次のことを意味します。

1.中心市街地活性化のメインテーマは商店街をはじめ商業機能の活性化である

2.商業機能の活性化とは劣化している機能の再生である

3.商業機能の再生は、都心型商業を再定義し、テナントミックスとして再構築することで実現する

4.テナントミックスは、既存個店の業容転換および空地空店舗への新テナントの誘致で実現する

5.真っ先に着手べきは、中心市街地に繁盛店を実現して「事業機会としての可能性」を実証することである。

以上は、中心市街地活性化法のスキームを素直に読めば導き出される「活性化の方向と方法」ですが、残念ながら、多くの都市における「中心市街地活性化」の大勢はいまだにもっぱら「ハコもの」「景観」「イベント」「一店逸品」などの単発の取り組みに終始しています。

 問題状況の認識が絶望的に誤っておりまして、その結果として何十年にもわたって全国で取り組まれ、まったく成果が挙がらないことが明々白々となっている事業群に何の疑問も抱かずに取り組む、という情況が目の前に拡がっています。

 その間も情況は着実に変化しておりまして、このところ報道されるのは、商店街が杖とも柱とも頼む百貨店の相次ぐ撤退表明、さらには百貨店が業績不振の言い訳にしている“商店街の天敵・RSC”の業績先行きにも大きな疑問符が付いているということ。
これはもちろん、ほとんどの中心市街地活性化基本計画がその基礎としている情況判断の対象となる情況が様変わりしていることを意味しているわけですが、大勢は「中心市街地活性化とは活性化事業に取り組むことだ」という浅はかな認識のもと、活性化化事業に一過的・単発的に取り組むだけ。
時間とお金を無駄にしているわけですね。

 この情況を如何に打開していくか?
当サイトご常連の皆さんが直面しておられる課題です。

 直面しているのは、問題状況と大勢を占めている関係者の情況認識との恐るべきミスマッチにどう対処するか、ということ。
直面する問題が明確になれば、打つ手がわかってくるはずです。
まずは、問題状況の適切な認識を共有するための事業が取り組まれなければならない。
当社が提供している「勉強会」のメニューには、御地の情況打開の第一歩となる企画があるはずです。活用をご検討ください。

 今さら勉強なんか、と思われるかも知れませんが、情況認識が変わらない限り、活性化の取り組みの軌道が修正され・活性化実現への展望が生まれることはありません。
☆取り組みについての質問はメールでどうぞ。

ゆんぬ商人塾

 既報のとおり 「経営革新塾」として取り組まれていますが、一昨日、第6回の講義を修了、昨日は「経営革新」に取り組む店舗の支援でした。
中盤を迎えて、各個店の転換速度が差が歴然としてきました。
薬店、美容室などを先頭に業容転換を漸進させる名かで「経営革新」の実現に向かうもの、新商品の揮発に向かうお店など、成果を挙げるお店が増えるなかで、従来通りの業容からなかなか脱出できない人もある。
 どこの商人塾でもみられる中盤での傾向ですが、ここからどう所期の目的達成にシャッターの内側に努力を集中するか、支援する側にもいっそうの工夫が必要になっています。

 巡回終了後、商工会長さんに夕飯をごちそうになりました。
中心商店街でミニスーパーを経営しておられ、商人塾では毎回最前列に陣取って受講されています。
ゆんぬ商人塾は、基本計画の目標である「ショッピングモールとしても再構築」を実現する為の中核となる事業として位置づけられていますが、同時に地域興しを担う「産品の域外移出と来訪人口増大」を推進する商工会の事業活動のコアとなる人材・事業の育成を目指しているとのことでした。


 講義には毎回行政の中心市街地活性化担当者も受講されています。このほど、活性化協議会もスタートしており、いよいよ取り組みが本格化していくことになります。

 併せて商工会では「全国展開事業」も取り組まれており、地域興しは繁盛店づくりから、という道筋が見えているこれからの展開がますます楽しみです。

ドクトリンなき混迷

 百貨店、量販百貨店の撤退が相次いで報じられます。
三越、ジャスコ、セイユー・・・。

 撤退の理由は業績不振。
分かりやすい話ですが、分かりにくいのはなぜ業績不振に陥ったのか、撤退を決めるまでにどのような経営努力が払われたのか、ということです。

 当サイトではかねがね百貨店、量販百貨店は、自分の商売を定義していないことを指摘してきました。
定義がないと、予測される中・長期的な環境の変化に対応していくための「経営教義」を持つことができません。
その結果、業容は行き当たりばったり、もっぱら「売り上げ」を基準にした目先のテナント入れ替え以外に打つ手がありません。
もちろんこの路線は、候補テナント群が枯渇すれば万事休するのでありまして、候補企業が出店するかどうかはSCの景況次第ですから、なにやら空き店舗が埋まらなくなって劣化スパイラルに陥っていった商店街空洞化のメカニズムが全国のSCにおいて再現されそうな気配です。

 不採算店舗の撤退は、あるべき決断か知れませんが、売れれば続ける・売れないなら閉めるというのは、ある意味他力本願でありまして、売れる理由・売れない理由は解明されていませんから、これはもう閉鎖し続ける以外に無いのではないか。

 自分の商売を定義する
定義に基づいてドクトリン(業容三点セットの骨格)を決定する
業容を展開する
という小売業のあるべき姿が理解されていないと、大企業といえども「劣化スパイラル」を免れることは出来ないのです。

 百貨店、量販百貨店の行く末は混沌としておりますが、その原因は経営環境にあるのではなく、それぞれの企業の社内にあるのだ、ということを理解していないと“やっぱ不況だ無知が売れないのも無理はない”などと奇妙な納得をしてしまうことになりかねません。

 もちろん、この時期にもかかわらずというかこの時期だからこそというべきか、、ちゃんと売り上げを伸ばしていくのが商店街立地のラグジュアリィニーズ対応の専門店です。

立地としての可能性の実証

(承前)

 中心市街地の活性化に向けて、関係各方面の取り組みを組織するためには、中心市街地・商店街の商業立地としての可能性・現実性を実証することが必要です。

 何しろ、
①日本全国
②規模も立地特性も多様な
③ほとんどの中心市街地・商店街が
④軒並み空洞化している
という状況において、当該中心市街地の各商店街をはじめとする商業集積群を活性化しようというわけですから、

第一に、活性化実現の方向と方法(広域商圏における存在価値とそれを実現する方法)を明らかにすること
これは当然、同じく広域商圏をターゲットにする郊外型・大型SCとの「棲み分け」という課題を解決しなければならない。

第二に、活性化実現の方向と方法が「達成可能」であることを実証しなければならない。
実証するのは、目指す「方向と方法」について
①既存の商業者が
②その現有能力で取り組めば
③達成できる
ということです。

 「実証」段階ですから、巨額の投資伴ったり、やり直しの出来ない内容では困ります。
従って、立地の可能性の実証は
①お金を掛けずに
②現有能力で取り組める
③やり直しが出来る範囲
で行わなければならない。
早い話、当社が提唱している「繁盛店づくり」の方法で繁盛店を作ることが「中心市街地・商店街立地の可能性」を実証する取り組みになるわけです。

 考えてみるまでもなく、これまでの中心市街地活性化の取り組みにおいて、このような「可能性の実証」という作業はほとんど行われておりません。常にぶっつけ本番であり、それも“この事業に取り組めば○○が実現し、その結果商店街は活性化される”といった一発・一過性の事業がほとんどだったと思います。
その結果、なにが実証されたか?

 現在までに実証されているのは“こういう取り組みか方では中心市街地・商店街の活性化は不可能だ”ということです。
「こういう取り組み方」とは、
①商店街活性化とは何がどうなることか、定義しないまま、
②いわゆる「活性化を実現する事業」に一発・一過で取り組み、
③結果については反省しない
という取り組みですね。

 中心市街地活性化の最大の武器は、これまでの「失敗経験」ですが、これを今後のとり組みに活かすためには、「批判的総括」が不可欠です。

 批判すべき第一は、「活性化のための事業」なるものに、論理的なチェックを行わず、実効性も確かめないまま、風評に基づいて取り組んでしまった、ということではないでしょうか。
○○市が新たに××事業に取り組んだらしい、という噂を聞いてさっそく我が中心市街地に××事業を導入する。導入に際して○○市における取り組みの結果についての批判的検討などは一切行わない、という安易さ加減について。
もちろん、導入し取り組んだ結果についての反省も行われない、という取り組みのあり方全体を反省しなければならない。

 この反省に基づいて取り組むのが「実証事業」ということになります。
中心市街地・商店街が、取り組み方によっては「商業立地」としての可能性を十二分に持っていることを、実践を通じて証明していくこと。
 これが成功しない限り、既存及び新規参入を期待する商業者が「その気になって」中心市街地活性化の隊列に加わることはありません。少なくとも算盤勘定の出来る人なら当然のことではないでしょうか。

 基本計画所載の各種事業の本格的・全面的な展開に先立って、当該基本計画による取り組みが中心市街地の活性化を目指計画して脱尾であることを実証しなければならない。
その実証は、既存商業者の有志による自助努力によって行われる以外にないわけですが、これはもちろん、有志を募ってその自助努力に依存すれば実現できるというものではありません。


実証の道は、
①商店街の環境条件は現状通り 
②実証事業に取り組む商業者の力量も現有の通り
③お金はかけず
④最短時間で達成せよ
という条件のもとで挑戦することになります。
 先駆的・実験的な取り組みですから一年も二年も掛けるわけにいきません。

 いかがでしょうか。
整備改善活性化法時代、イベントに取り組んでもマンションが完売しても、活性化への道は閉ざされたままでした。
新スキームにおける取り組みは当時とどこがどう変わったのか?
「活性化を実現していく方向と方法」があらためられない限り、新しい事業メニューや手法を採用しても結果は決まっています。
従来の結果が繰り返されるだけ、ですね。

 かくてはならじ。
ホンキで活性化を実現しようと考えるなら(考えない人はいないと思いますが)、なにはさておき、まずは「活性化の可能性」を実証しなければならない。
 この課題の所在を指摘しているのは当サイトだけ、従って、取り組みの方法を提案しているのも当社だけです。

「商人塾のお奨め」

 中心市街地の活性化、可能性について確信が持てないと勝負が出来ません。
これまで確信無しであれこれ試行してきたわけですが、もはやこれまでのような「活性化とは活性化事業に取り組むことである」というレベルの取り組みは許されません。
一日も早く“この方向で事業に取り組んでいけば間違いなく活性化できる”という確信の持てる「方向と方法」を」獲得しなければならないわけですが、

 いつ・どこで・どうやって「方向と方法」を手に入れますか? それとも
これからも・従来どおり・成果の挙がらない方向と方法を継続するつもりですか?

 イベント、マンション建設などが活性化への道だと主張する人たちは、
①イベントの結果、繁盛店が生まれた
②マンションを建てた結果、繁盛店が生まれた
ことを報告し、他のみんなも「やれば出来る」ことを実証しないと、活性化を実現することは出来ません。
人は増えたが、空洞化は止まらなかった、ということでは「無効の実証」になってしまいかねません。

 御地の中心市街地、悠長な取り組みが許されるほど甘い情況ではないのではないかと思われますが・・・。

中心商店街の立地性を実証せよ

 イベントによる人集めや、所有と利用の分離を研究することも結構でしょうが、それより何より、最優先で取り組まなければならないテーマがありまして。

 「中心市街地、特に中心商店街の商業立地としての将来にわたる可能性を実証する」
ということですね。
本来なら『整備改善・活性化法』当時に取り組んでおくべきことでしたが、ご承知のとおり、どこも取り組まれておりません。
面妖なことでありまして。

 劣化スパイラルに陥っている商店街を活性化するには
①既存商業者に頑張ってもらう
②空地空店舗を利用した新規参入を促進する
という取り組みが必須ですが、その前に

☆これからの中心市街地・中心商店街は中小小売業の立地としてグーである
ことを実証しなければならない。
そうしないと、
①既存商業者もホンキになって繁盛店を目指してシャカリキになりにくいでしょうし、もちろん、
②空地空店舗を利用した新規出店もおいそれとはいきません。

 中心市街地が商業立地としてOKであることが実証されれば、
①既存商業者の自助努力、眼の色が変わる
②空地空店舗への出店が始まる
ことは、当然ですね。

 他方、立地としての可能性を実証しない場合、
劣化スパイラルに陥っえちる現状において、なんの努力目標も展望も無いまんまで
①頑張れ とか
②出店して とか
いわれても、その気になるのは難しい。

イベントに取り組むから とか
アーケードを造り替えるから
とかいわれてもですね・・・・。

 ということで、このあたりのことはサルにも分かる話なんですが、関係者にだけは分からないのかどか、よく分かりませんが、「実証しよう」という機運はなかなか盛り上がりません。
既存・新規を問わず、中心市街地で商売をしてもらいたいのですから、立地の可能性はきちんと説明しないと、算盤が弾けないのではないか。

 え? 説明出来るならとっくにやっている?
そうですよね・・・。
でも出来ないと、何にも言えないんじゃないですか?
「意識改革」とか・・・。

 ひょっとしたら「意識改革」が必要なのは、基本計画に基づいてマネジメントに取り組むと称している皆さんの方ではないか、といったら怒られるでしょうか?

 ということで、さっそく事業に取り組むことも結構でしょうが、「可能性の実証」を抜きにしての取り組みはやがて必ず行き詰まります。
それとも「そんなことはない」と論証できますか?

目的・計画・経営

 実現したいこと、達成したい目的がなければ、計画は立てられません。というか、一筋縄では実現できない目的があってはじめて「計画」を立てて取り組むことが必要になるわけですよね。
そういう意味では新スキームによる基本計画も、
①中心市街地に何を実現したいのか、目的が不鮮明
②取り組む事業と不鮮明な目的との関係が定かではない
というレベルのものが多いようです。
 タウンマネジメントを任務としているはずのTMO(まちづくり会社も同様)も、スキームに登場しているから作っただけ、任務も従って権限もあやふやなまま、というところが多すぎ。

 一般に経営の機能は《計画~統制~評価》といわれます。
目的があり、その目的を達成するための計画があってはじめて成立するのが経営ですから、目的が無い、目的を達成するための計画も無いという状態で「経営」だけが立派に機能する、というのはあり得ないことです。
このあたり、優れたタウンマネージャーさんには頭の痛いところだと思いますがどうでしょうか。

 “経営するのだ”“マネジメントだ”と声高に唱えることは出来ますが、マネジメントは目的・計画を超えることは出来ませんから、まあ、そういうレベルで終始することになります。

 さて、“中心市街地は都市の顔”とは関係者の間でよく言われることですが、中心市街地が都市の顔ならば、

①中心市街地活性化は都市活性化の顔 であり、
②中心市街地の経営は都市経営の顔 かも知れません。

 とするならば。
“中心市街地を一瞥すれば当該都市の経営能力が即座に分かる”
ことになります。
“都市の問題情況は、中心市街地に集中的に現れている”
かも知れません。

 「地方分権」が唱えられるようになって久しいものがありますが、この間、地方の「経営能力」の分析評価は行われたのか、その結果はどうだったのか?
という問題がありまして、関係各方面、分権有理、分権さえすれば地方が直面している問題情況は一挙にクリアされるかのような話が蔓延していますが、中心市街地の問題情況を見れば、そういう話に乗るわけにはいきません。

 そもそも「分権」かそれとも「自立」か、という基本中の基本についての議論も行われないまま進められている分権話、実現していい目にあうのは、中央から権限を委譲される方面だけかも知れません。
権力が身近になった分、そこで生活する人々は窮屈になるかも知れません。
まして、「経営」が理解されていない、スキルが装備されておらず装備の必要性も自覚されていないという情況で進められる「地方分権」の行く末は、中心市街地を見ている人にとってはあまりにも危険がいっぱい、ではないでしょうか。

 地元のことは地元が一番詳しい、というのは迷信でありまして、従って、地元の問題は地元で取り組むのが最適だ、というのも真っ赤なウソですね。
疑うものは、自分たちで計画を作り・取り組んでいる中心市街地活性化の現状を見よ、といっておきましょう。

参照:
[技術と民主主義]

商店街立地の繁盛店づくり

 もの余り・店あまりという経営環境をきちんと理解して取り組めば、けして難しいことではありませんが、“難しくない”といえるのは実際に繁盛店づくりにチャレンジして成功してはじめて言えることかも知れません。
チャレンジしない人にはいつまで経っても「難しいこと」「実現できないこと」かも知れません。

 商店街立地での繁盛店づくり、出来ないと思う人はさっさと転・廃業すれば良いのでしょうが、なかなかそうはいきません。何とか「起死回生の一手」はないものかと思いつつ、「思うだけ」の日々が続くばかり、日夜、時間を浪費しているわけですね。
せっかく「繁昌」を実現できる条件が整っているのにもったいない限りです。

1.繁盛店の作り方

 商店街立地で売り上げ不振に陥っているお店を繁盛店に転換させるのは、難しいことではありません。
業種・業態・店舗面積などに関わらず、もちろん、店主以下関係者の経験やノウハウの良し悪しなどにも関係なく、やるべきことをやれば繁昌=客数・客単価の向上を実現することが出来ます。
それも、とくべつの投資 ―設備の改善やノウハウの導入など― は一切不要です。

 何故そう言えるのか?

 繁昌店へと変わるには、自店の「品揃え・サービス・内外環境」をもの余り・店あまりといわれる環境下の生活、消費購買行動のデスティネーション(標的)としてふさわしい業容へと転換していくわけですが、これはけして難しいことではありません。

 ①お金を掛けず ②出来ることから少しずつ ③失敗したら元に戻す という簡単な方法で漸進的に取り組めば実現できる。正しく取り組めば、2~3ヶ月間、集中的に取り組めば実際に客数が増え、客単価が上がっていきます。

 取り組むなかで、ものの見方・考え方がだんだん変わり、「お客のための買い物の場」として自店を見る目が進化します。
業容を変えていく技術も日々の試行のなかで身に付きます。
「繁盛店」の基礎が出来上がっていくのです。(まさか、と信じられない人には、「先行事例」を紹介します。)

 まずは自店が「繁昌への道」を切り開くこと。
老朽化している店舗施設の改善とか、商店街ぐるみの活性化など、モロモロの課題についての話はそれからでありまして。
まず、自店の「繁昌への道」がみえてくると、
①自分の商売は将来にわたって繁昌できる
②他の商売もやろうと思えば出来る
③他の人もやり方さえ分かれば繁昌できる
ということに確信が持てますから、後は仲間を増やすだけ、商店街活性化=通りに繁盛店が軒を連ねる状態を創り出すことはけして夢ではなくなります。
後に続く各店は、目の前に仲間が実現した「成功事例」があり、かつ、転換のやり方もいろいろと教えてもらえますから、成功度合い、スピードともにどんどんアップしていきます。

 これに段階的・系統的に取り組んでいくのがクオールエイド流の「商人塾」です。繁盛店づくりは仲間と一緒に取り組めば、所要時間が短縮できるうえに、「商業集積」としての商店街の活性化に取り組んでいく基盤が作られます。

2.街ぐるみの活性化
このような取り組みが進展していくのと平行して、
①商店街をどのような「商業集積」に仕立て上げるか
②テナントミックスはどう構想するか
③既存店舗の業容転換にどう取り組んでいくか
④空地空店舗をどう利用するか
などなど、「商店街活性化の根本課題」について商店街の仲間同士で突っ込んだ話し合いが出来るようになります。
それぞれ「繁盛店づくり」の体験を共有していますから、極めて突っ込んだ話し合いが出来るようになります。
空店舗だって“なんなら自分で二店目を出しても良い”わけですからね。業種業態は望みのまま。

3.推進体制の整備
 商店街でこのような体制が出来ると、中心市街地全体の活性化を実現していくために必要な行政・商工会議所・まちづくり会社・商店街組織という四者による「推進体制」が目的・目標・達成のシナリオを共有して構築することが可能になります。
 ここまで来ればしめたもの、あらためて『基本計画』をもとに『行動計画』を作成し、役割を分担し、それそれがやるべきことを分担しながら共通の目的・目標を実現していく、というあるべき取り組みが実現するわけです。

4.スタート
 以上のような「活性化への道」・シナリオがありまして、まず、なにはさておき「商店街立地に繁盛店を実現する」ということが第一歩です。

 とにもかくにも、“商店街立地でもやり方によっては繁盛店を実現できる”ということに確信を持てないと話は始まりません。

 縁あって当サイトにお越しいただいている皆さん。
ご承知のとおり、当サイトが提唱する「道」の実践は「商人塾」に集約されています。
当サイト的には、「中心市街地活性化の成否は商人塾の成否に掛かっている」と考えています。
当サイト提唱の「道」は「商人塾」から。
開催にあたってのモロモロの課題の解決には当社も微力を尽くします。
何ごとに限らずメールでご相談を。

出店環境一変

 各地で計画されていた大型商業施設の進出が変更されたり、延期されたりするニュースが多くなっているようです。
先に取り上げた佐世保市の「ポートルネッサンス」について。

********* 引用スタート ***************
ポートルネッサンス21計画:契約遅れ“足踏み” 
佐世保市議会で懸念の声も /長崎
9月20日15時1分配信 毎日新聞

 佐世保市の港湾再開発事業「ポートルネッサンス21計画」で、商業施設を整備する計画地の売買契約締結のための手続きが、当初予定より約半年遅れていることが19日、分かった。同日開かれた市議会都市整備委員会で市が明らかにしたもので、委員からは「事業者は撤退するのではないか」と先行きを懸念する声が相次いだ。
 市によると、3月に事業者をアパマンショップホールディングス(本社・東京)に決定。4月には「予約契約」を結ぶ予定だったが、いまだに締結に至っていない。
 予約契約は、契約議案を議会に上程するまでに結ぶ「仮契約」の前段となるもの。市では過去に例がないため、契約書の作成に時間をとられたといい、今月末までの締結を目指している。
 一方のア社は、中心商店街との「共存・共栄」を目指して基本計画を策定中。これまでに市との協議を9回、商店街との協議を3回重ねたが、「少し時間が欲しい」との意向を示しているという。
 市は2010年度完成予定は変更していないが、委員からは「『予約契約』というのは拘束力があるのか」「中心商店街との協議が難しいのは最初から分かっていたことではないか」といった声が上がり、市側が答弁に詰まる場面もあった。
 梅崎武生・市港湾部長は「ア社の意欲は十分感じられる。引き続き実現を目指して取り組む」と述べた。

********** 引用終わり ****************

 記事によれば“中心商店街との「共存・共栄」を目指して”商店街との協議その他をしているために遅れているとか。
行政・デベロッパー・商店街それぞれ大変のようです。

※以下は、一般論です。

 既に出店が確定している事例でも、着工が遅れたり、規模が修験されたりする事例が報じられています。
建設コストの高騰、消費の低迷という環境の変化にどう対応するのか、デベロッパーさんは、文字どおり、進むも地獄、退くも地獄という状況ですが、突破に向けて問題をどう設定するか、トップの力量が問われるところです。

 RSC間ではいよいよ「カットスロート・コンペティション」局面の到来ですが、競合への対処ではなく消費購買行動の変化にどう対応するか、という着眼で「業容転換」に取り組む以外に「勝ち残り」を実現することは出来ません。

 「立地や店面」の競争から「業容」の転換へ。
高利用が生き残るための方向と方法は、業態を問わず共通しています。RSCの新しいフォーマットを発明しなければならないわけですが、シーラカンス的GMSを未だに革新出来ない企業が果たして・・・・?

 もちろん、RSCが困ったからといってその分商店街が一息つけるわけではありません。近くのSCが撤退したらその向こうのSCに足を伸ばすだけ、商店街に客足が戻ってくるなどということは「あり得ない」ことですから念のため。
有限会社クオールエイド
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ