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何を売るか どう売るか 藻谷氏批判

 藻谷さんの「何を売るか」論をヒントに、「所有と利用の分離」論を考えて見ます。

藻谷理論、Web上でみる限り、最近の到達地平は、“住む人、来る人を増やすだけでは商業の活性化は実現できないかも知れない。活性化を目指すには「何を売るか」が問題だ”ということのようです。

 いうも愚かながら「何を売るか」とくれば、これは当然、特定の時と場所における話ですから、特定の「時と場所」についての知識がないことには始まりません。
中心市街地というかっては都市を代表する商業集積地だったが、現在は機能が劣化し空洞化してしまっている街区をあらためて「ショッピングの場」として再建するためには、「何を売るか」ということだけではなく、
①街区の空洞化はなぜ生じたのか?
②今現在、市民の消費購買行動の「受け皿」となっている商業集積はどことどこか?
③消費購買行動の移動はなぜ起こったか?今現在、消費購買行動は何を目的にどう展開されているのか、その趨勢はどうか?
というあたりの知識を持っていないと話になりません。
(当社がいう「三点セットの環境変化」ですね。商人塾では開講後早い段階で修得します。)

さらに、あらためてショッピングの場として再構築を目指す以上、これらを踏まえて
④商圏内に配置されている各商業集積・施設と当該中心市街地との関係はどう考えるのか?という「ポジショニング」を構想する、つまり、当該中心市街地が商業集積として広域において分担する「何を売るか」を決定しなければならない。
もちろん、「業容理論」を前提にすれば、何を売るかは、どう売るか・どこで売るか、という問題は密接不可分です。(このあたりの議論は、当ブログにおいてはスイスイ展開されますが、他ではどうでしょうか。商業全般についての理解が前提になりますから、プロでもなかなか的確な議論は出来ないかも知れません。)

 余談はさておき「何を売るか」という問題は、広域商圏の現状及び中心市街地の現状を把握した上で「何を・どう売るか」ということを考えなければならないことは明らかです。
「何を売るか」が大切だということは、「何を売るか」については自分の好き勝手に決めることは出来ない、ということですからね。
物販立地としての時と場所についての知識が必要であり、もちろん、それは商業理論的見地からの知識でなければならない。

 あらためて藻谷氏の「何を売るか」論を見ますと、あっと驚く、「何を売るか」が重要だと指摘しながら、
①今どきの中心市街地では何を売るべきか、言い換えれば今どきの中心市街地で成立する小売業とはどのようなものか?
ということについては、ただの一言も述べられていません。
そうだそうだ、と思いながら読んできた人は背負い投げを食らったようなものです。

②「何を売るべきか」論の展開を放棄した藻谷氏はそこからいきなり、
“空洞化の元凶は不動産を賃貸しない所有者だ”と毎度のことながら、論証無しで決めつけます。「不労所得は許さない」といわんばかりの剣幕で、所有者に任せていたのでは活性化などいつまで経っても出来ないということで、TMOまたは民間有志が空地空き店舗を一括借り上げ、集約して活用する、と主張します。

 こういうことを主張するなら「何を売るべきか」をきちんと確立してからにすること、新たに構築を目指す商売について納得がいけば、不動産所有者もその気になるかも知れません。
「何を売るか」は不明のまま、所有と利用を分離せよ、テナントに又貸しすれば活性化できる、といわれてもですね。

「何を売るか」が重要だといいながら、結局、そこのところは「テナント任せ」ということですね。
ではそういう中心市街地の命運を託するに値するテナント候補企業がどこにあるのか?
また、既存個店の業容=「何をどう売るか」については、改革改善の必要はないのか?
といった問題はそっちのけで、「所有と利用の分離さえ出来ればOK」というのは、「空き店舗を減らせばOK」「住む人来る人を増やせばOK」といったこれまでのお話と同様、「○○さえ取り組めばOK」というワンパターンですが、こういうワンパターンのご託宣で済まされるのは、「三点セットの環境変化」小売商業を巡る環境変化が理解されていないからであり、理解する必要はない、という氏の立脚点が為せるところですが、仮にも他人を説得して自らが提唱する「中心市街地活性化への道」を歩んでもらおうというのなら、最低限の「論証」は必要ではないでしょうか。

 ということで、続きは【都市経営】を読んでください。
もちろん、藻谷氏が何をいおうと自由ですが、「全国自費で見て回った」というあたりに感激して、ご託宣を受け取る人が皆さんの中心市街地活性化の取り組みにおけるしかるべきポジションにいたりすると大変です。
後先考えずに不動産の集約に奔走したりすると、まじめに「何をどう売るか」ということを追求すべき取り組みが、「ハコもの」系の話に変わってしまいかねません。

 ということで、藻谷氏の「何を売るか」が大事だという説に賛同される人は、「何を売るか」は時と場所によって異なり、直面している課題は“今どきの中心市街地で商業街区をショッピングの場として再構築するには「何を売るか」だけではなく、「どう売ったらよいか」をセットで考えなければならない、ということについてどう思われるか、ということですね。
藻谷流では一切合切テナント任せになっているのですが。
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  • Author:進化する売場研究会
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