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勉強になった本

 久しぶりで紹介してみます。
当ブログに常連していただいている人なら、たぶん、興味をもってもらえる思われるものです。

その一 河上肇 『貧乏物語』 岩波文庫

 若い人に小林多喜二『蟹工船』が読まれているそうですね。
そういう時代が来るとは思いもよりませんでしたね。
蟹工船で思い出したのが、有名なマルクス経済学者・川上さんがマルクス経済学を信奉する以前に書かれたこの本です。戦前は、この本を読んで経済学を志し、川上さんの軌跡を追ってマルクス経済学に入る人が多かったそうです。
あらためて、今、パラパラめくってみますと、「貧乏解消への道(川上さん的貧乏は、「ワーキングプア」のこと)」は、この本が問題提起しているあたりから再構築すべきではないか、などと思われます。

 経済学は、おのれを定義して「稀少性の配分に関して研究する学問」と称したりしていますが、ウソ・デタラメもいいところ、経済学がやっているのは経済の現状をどう説明するかということだけ、学的な説明とはどういう方法を用いなければならないか、というあたりについてはとんと関心がないようで、その結果、経済学は現状を市場とその環境の必然として説明するだけ、「貧乏の根絶」などは金輪際アタマの中にありません。

ちなみに、ワーキング・プアとは「就労生活困窮者」のことです。
片仮名書きするとぼやけてしまう感じがするのは、私だけでしょうか。


その二 エマニュエル・トッド 『世界像革命』 藤原書店

 イラク戦争開始当時、米国に対抗した仏・独連合の理論的支柱となったと言われる、フランスの人口人類学?者、トッドさんの入門編です。
「世界像」とは、「世界・歴史」の説明ですが、説明するためには基本的な視座が必要です。
マルクス主義の場合はご承知のとおり「生産関係」でした。
生産関係~階級をもって世界・歴史を説明し、その将来を予測しようとしたが、失敗しました。

トッドさんの「世界像」は、家族システムを基本概念にしています。
マルクス主義が説明できない「なぜ資本主義的関係が未熟なロシア、中国でマルクス主義を奉じた革命が成功したか」を「家族システム」概念を使って説明しています。
ベトナム戦争が終わった直後、70年代中期にソ連崩壊を「家族システム」から予測して論壇を驚かせたのがデビューだそうです。
トッドさんは大変面白い。他の著作もお薦めですが、既に愛読されている人もおられるかも、ですね。

『経済幻想』 藤原書店
『帝国以後』 藤原書店

 「帝国」視されている米国についての分析も極めて鋭い。
ポスト冷戦~ポストイラク戦争の世界の枠組みを予測していますが、説得力があります。

トッドさについてウィキ

 takeoは経済学に強い偏見を持っておりまして、“あんなもので社会を論じられたらたまらない”と思っています。
経済学は「一般経済論」を立てることができず、過去のデータで未来を推し量ることに終始する以外にありません。経済学的には「これまでになかった」事実が起こるたびに彌縫するのですが、そのたびにさらに怪しくなっていくようで、主流派は、ひたすら市場に任せればうまく行く、というバカの一つ覚え、対する少数派は市場の趨勢を容認した上での「セーフティネット」制度の補完をいう程度です。
 その点、トッドさんはグローバル経済VS国民国家経済という構図を論じており、別格です。

 takeoは経済のグローバル化は推進するものではなく、対応するものだと思っています。

 もう一冊。

岡田英弘 『歴史とは何か』 文芸春秋新書

歴史とは何か、真っ正面から論じられています。
歴史に「進歩」はあり得ない、従来の常識とは全く違う観点から説得力をもって展開される理論に引きつけられます。
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