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藻谷流活性化論の検証

 中心市街地活性化をめぐる論議は相変わらず低調のようです。
各地の取り組みがうまく行っているならことさら議論をすることもないのかも知れませんが、軒並みといってよいほど蹉跌が繰り返されている状況では、「指導理論」の適否が問われてしかるべきでしょう。

 昨日の西日本新聞では、“エスプラッツ再出発から1年 まちなか再生道半ば”と題して佐賀市中心市街地現状をレポートしています。web上に公開されていないようなので、全文引用します。

西日本新聞 2008年8月3日 佐賀版

************* 引用開始 *****************
 佐賀市の中心市街地活性化を託された再開発ビル「エスプラッツ」(同市白山二丁目)が、グランドオープンという形で再出発して丸一年が過ぎた。集客数は目標に届かず、周辺商店街の人通りも回復しない。「まちなか再生」は道半ばだ。一方で、中心部の人口は増加に転じ、「ハローワーク佐賀」の誘致計画も浮上。活性化への種が少しずつ芽吹き始めているようだ。(佐賀総局・布谷真基)

■名店街が自己破産へ
 エスプラッツは、1998年4月、中心市街地の地盤沈下に歯止めをかける切り札として開業が、約3年後、管理運営する第三セクターが経営不振のため破産。2003年には1ー3階の商業スペースの閉鎖に追い込まれた。同市は当初、支援に慎重な態度を見せていたが、結局、約10億円を投入して1~3階を購入。店舗の誘致を進め、07年4月に部分開業。同年8月1日には一階にスーパーなどが入り、全面オープンした。
 同市などによると、この一年のエスプラッツの集客数は、一日平均で3,424人。三月以降は3,500人以上で推移しているが、目標の3,960人にはまだ届いていない。
 5月末には近くの呉服町名店街協同組合が自己破産の申請を決定。エスプラッツが、中心市街地空洞化の歯止め役を果たしていないことが浮き彫りになった。近くのある商店主は「エスプラッツが再出発しても、人通りは微々たるもの。画期は全く取り戻せていない」と力無く話す。

■市中心部は人口増加
 だが、明るい兆しも出てきた。中心部ではマンションの建設が相次ぎ、ファミリー層などが入居。07年度の中心市街地人口は、最低だった00年度に比べると10%増まで回復してきた。
 こうした中、同市はエスプラッツの西側約130メートルにある白山駐車場にハローワークを誘致する構想を発表。事業主や求職者など一日千~千五百人の利用が見込まれ、賑わい叢出につながるとみている。
 エスプラッツ指定管理者「ミズ」の伊藤勝之管理室長は、「今後はイベントなどを通じ、エスプラッツと周辺住民、商店街が一体的に浮揚できる仕掛けを打ち出していきたい」と力を込める。

■地元が議論の中心に
 多くの中心市街地活性化策に携わる佐賀大経済学部の長安六教授(地域政策論)は、「定住人口増加やハローワークの誘致は、まちなか再生のプラス要因」と評価。一方で「行政や商工会議任せにせず、当事者である地元住民や商業者が中心になることが不可欠。どのように人を回遊させ、経済効果に結びつけるか、関係者同士で議論を深め、それを実行に移すべきだ」と指摘する。
 ************** 引用終わり *************

 目下のところ、ハローワークの誘致に期待が寄せられているようですが、700万人を超える集客数を誇る青森市アウガを持ってもまちなかの賑わいは創出できていません。ハローワークへの来訪者(予測では年間40万人以下)は、明確な目的来訪者ですから、種が少しずつ芽吹き始めた」とまとめていますが、さて、何が「種」でどこに「芽」が出ているのか・・・。
関係者も、、「今後はイベントなどを通じ、エスプラッツと周辺住民、商店街が一体的に浮揚できる仕掛けを打ち出していきたい」といっているそうですが、言うはやすし、この程度のコメントでは成案をもっているとは考えにくい。
 佐賀市の中心市街地、「劣化スパイラル」からの脱出は難しい。

 中心市街地活性化は、商業施策よりも「住む人・来る人の増加で実現する」ということを基本方針とする同市の中心市街地活性化基本計画は、ご承知の人も多いと思いますが、藻谷浩介さんが「監修」されています。
 つまり、藻谷さんが太鼓判を押した取り組みの結果が上記の報道場合、第三者が公開しているデータの分析に基づく「提案」が主たるお仕事のようですが、佐賀市では珍しく、現場に携わっておられたわけです。

 藻谷さん的活性化=「中心市街地に住む人、来る人を増やせば街は活性化する」という「理論」に基づいて基本計画を作成、実践すれば、その結果、何がどうなるのか、検証してみるよい機会だと思います。
 なかなか成功事例が出てこないわけですから、そろそろ、「指導理論には問題はないのか」という疑問が出され、検証が行われ、指導理論の淘汰が行われるべきではないか。
いつまで経っても同じことの繰り返しでは、中心市街地、市内各方面に申し開きが出来ません。

 と思うのですが、世の中では依然として「住む人・来る人を増やせば街は活性化する」という路線が主流を占めており、残念ながら、これを検証してみよう、しなければならない、という動きはほとんど見えていません。

 皆さんも日々、「自力思考省略派」との対応に苦労されるわけですが、あらためて、「住む人・来る人増加路線」藻谷流を徹底批判します。併せて最近打ち出している、「商店街が活性化できないのは地権者が非協力的だから」という「理論」も検証します。

【都市経営・入門編】です。 
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  • Author:進化する売場研究会
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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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