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先行事例の「挫折」に何を学ぶか

 全国の商店街の多くが衰退の趨勢ないしその恐れがある、と言われるようになって久しいわけですが、もはや問題は単に衰退趨勢ということだけではなくなっています。
衰退の趨勢は、手を拱いていた結果ではありません。この間、全国の商店街、至る所で様々の対策が講じられてきました。
ご承知のとおり。

 にもかかわらず、衰退趨勢を押しとどめる、反転繁昌への道を切り開くことに成功した、という事例は五指に満ちません。
このことは、しっかり確認しておくことが必要でしょう。

 問題は、「活性化策」として取り組まれた個別の事業はそれなりに「成功」するのですが、それらの事業が目的としていた「商店街の活性化」に接近することは出来ない、ということです。
ソフト・ハード、事業の性格を問わず、活性化を目指して取り組まれた個別事業は、整斉と実施され当初の計画通りに終了します。
事業は「成功」です。
しかし、その成功がもたらすはずの「商店街の活性化」はほとんど実現しません。

 商店街の活性化を目的に取り組まれる個別事業は「成功」しているが、その目的である商店街活性化は実現しない。
これまで取り組まれてきた商店街活性化の総括です。

 事業は成功したが期待した結果が出ないということは、端的に言って、商店街活性化を実現することを期待して企画された縫策・事業が活性化につながらなかった、ということであり、これは“商店街の活性化はこれらの事業に取り組むことで可能である”という「理論」が誤っていたわけです。

 事業は成功するが結果が出ない、この間の取り組みはこういうことの繰り返しであり、その原因は“この事業は商店街活性化の実現に直結している”と主張している「理論」にあったのだ、ということです。

 ところが。
「事業は成功したが活性化は実現されなかった」という事態が全国的に起きているにもかかわらず、個別事業の挫折(事業は終了したが目的は達成できなかった)は、その原因まで遡ってきちんと総括されていません。その結果、これらの事業を導いた「理論」が責任を問われることはほとんどありません。

 理論を実践した取り組みはほとんど挫折して要るにも関わらず、理論は淘汰されずに生き残り、相変わらず「個別事業」の根拠となり、相変わらず挫折が続いています。
状況を虚心に眺めれば誰の眼にも明らかだと思います。

 事業は成功したが結果は得られない、という事態が続発するならば、事業を導いた理論を疑わなければならない。当然のことでありまして、理論を批判的に検討して、その欠陥を剔抉(てっけつ・えぐり出すこと)しない限り、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。商店街活性化、中心市街地活性化の取り組みにおいては、takeoの知る限り、取り組みを指導する「理論」がその資格を問われたことは一度もありません。

 ここで「理論」と言っているのは、特に体系的な整合性を持った
理論に限りません。“商業はまちの花、住む人来る人が増えれば商業は活性化する”というのも商店街活性化のための取り組みを指導する「理論」の一つです。この理論を信じる人は、商店街の活性化を実現することを目指して、「住む人・来る人」を増やすための事業を計画し、取り組むことになります。
その結果、事業は成功し「来る人・住む人」は増えたが、商業は活性化しなかった、という事態が起きたとすれば、これは明らかに「理論」が間違っていたということであり、次の段階では「理論」を改善するか、別の理論を採用することになります。
というか、そうしないと「失敗」に学ぶことにはならず、具体的な事業は変わっても指導理論は温存され、相変わらず「住む人・来る人」を増やす事業に精を出し、その結果・・・、ということを繰り返すことになるわけです。

 もはやこういう繰り返しが許される事態では無いことは、ちょっと自分のアタマを使えば誰にでも分かることですが、自分のアタマを使わないと分からないことでもあります。

 というわけで、相次いで報告される「挫折」事例に何を学ぶのか、ということがあらためて問われています。
「数値目標」を立てていなかった、とか「所有と利用の分離」とかいろいろと企画が提供されていますが、根本問題は、それぞれの都市の取り組みが依拠している「活性化理論」は、果たして信頼に値するものであるか否か」ということをあらためて検証しtみることです。

 いくら数値目標を立てたり、所有と利用を分離しても、それが「住む人・来る人」増加の指標だったり、そのための施設整備であれば、今までどおり「挫折」する可能性は極めて大きい。

 「挫折」を危惧するなら、事業計画を立てる前に依拠する理論をしっかり吟味することが必要です。
従来どおりの理論を採用し続けるのであれば、相次ぐ「挫折」は理論には責任がない、ということを検証してからにすべきでしょう。

 人間は、実践での失敗を最小限にするために、「理論」をしっかり検証してその「過ち」を発見し、改良又は放棄します。
実践で失敗しないために、実践に先だって「理論の失敗」を発見しなければならない。
そのためにわれわれは「自分のアタマで考える」という武器を持っています。

 この武器を磨き、使い方についてあらためて習熟すること。
どうやらこのあたりに中心市街地活性化をめぐる「本当の問題」があるようです。

 あらためて、自分たちはどのような「理論」に基づいて中心市街地・商店街活性化に取り組んでいるのか、取り組みが依拠している「理論」を検証することが急務になっていると思われます。

 中心市街地・商店街の活性化はなぜ成功しないのか?
取り組みが依拠している「理論」が不適切だから。
理論が不適切なら、理論に基づいて、理論に導かれて企画され・取り組まれる事業で活性化が達成できるはずがありません。

 一日も早く「理論」の不適切さを見極め、淘汰しないといつまで経っても「事業は成功したが活性化は実現できない」という状況が続くことになります。
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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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