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「理論による拘束」を自覚しないと理論の奴隷となる

 このところ、当サイトでは中心市街地活性化の挫折の主要な原因は、理論の不備にあり、その原因は現在も全く改善されていない、ということを強調しています。
中心市街地活性化の取り組みは、当事者たちがそのことを自覚しているかいないかに関わらず、すべて理論に基づいて取り組まれており、取り組みの挫折の多くは理論の〈至らなさ〉に起因しています。

 このことに一刻も早く気づき、しかるべき手を打たないと、いくら手を変え・品を変えて事業に取り組んでも活性化に成功することはできません。

 ものごとを見て理解するとき、人間は、「ありのまま」に見たり、ありのままにに理解することは出来ません。我々は、常にこれまでの経験で作った「理論」をもってものごとを観察し、問題を発見し、解決策を講じます。このようなあり方は人間にとって基本的なものであり、この構造から抜け出すことはできません。

 例えば、〈商店街活性化〉について考えてみましょう。
商店街はなぜ、空洞化したのか?
ある人は、市街地に住む人、来る人が少なくなったからといい、ある人は商業機能としての存在理由をめぐる新しい商業集積との競合に遅れを取っているからだ、と説明します。
この二つのことなる説明はいずれも「商店街空洞化の原因」についての説明であり、理解であり、理論です。「住む人・来る人が減ったから」商店街が空洞化したのだ、という説明には、「商店街は街の花、住む人来る人があってはじめて開花する」というレトリックがあるかも知れません。もちろん、これも理論です。

 この理解を根拠にして、「対策」が考案されます。
「住む人来る人が減ったから」商店街は空洞化した、〈商業は街の花」であり、活性化するには住む人来る人を増やさなければならない、というわけです。
この理論に基づいて、商店街活性化に取り組めば、「活性化策」として「住む人・来る人を増やす施策」が講じられます。当然ですね。

 あるいは、商店街が空洞化したのは空き店舗が増えたから、という説明=理解もよく聞かれます。これも立派?な理解・理論です。この理論に従えば、活性化策は「空き店舗対策」がメインになることでしょう。その延長上には「所有と利用の分離」もあり得ます。

 今日、中心市街地・商店街活性化については、様々な取り組みが計画され・実践されていますが、それらはそれぞれ〈理論〉に基づいて取り組まれているわけです。
理論=仮説であることを忘れる、あるいは自分たちの取り組みは理論に基づくものではなく、理論以外の何ものかもっと堅い基盤(例えば「成功事例」とか「経験」など。これらも本当は「理論」です)に基づく取り組みだ、といった誤解があると、取り組みはその根拠を吟味することが出来ません。
根拠が間違っていてもそれを改善することが出来ないわけです。今日、多くの基本計画が陥っているのはまさにこの「無間地獄」ですね。

 目下、多くの都市の取り組みが挫折の危機に瀕しており、しかもその挫折については薄々は予測されながら、しかし、自覚的に改善への取り組みがスタートされることもなく、従来通りの路線を進められていることの背後には、「理論」についての無知が潜んでいます。

 理論について無知な人は、理論から自由に行動することが出来るわけではありません。
特に、これまでの行動が依拠していた理論の実効性が疑われる今日のような状況においては、第一に、自分の行動が理論に基づいていることということを自覚すること、第二に、理論は常に改善の余地があり、理論に依拠した実践の化で、それを吟味し、改善する機会を常に探索する、という姿勢が必要です。

 我々の行動の理論拘束性(我々の目的意識的な行動は、自覚の有無に関わらず、常に理論に基づいているということ)を自覚していない人は、理論を軽視し、理論などにはとらわれていないと錯覚しつつ、実際は吟味されていない・荒唐無稽な理論の奴隷になっていたりするわけです。
当社が吟味し、批判している各都市の取り組み、その基礎となっている『基本計画』の多くは、「理論拘束性」、理論の重要性が自覚されていません。
このことが、取り組みの挫折、いつまで経っても取り組みが改善されず、したがって挫折が繰り返されるもっとも根本的な原因です。

 あなたは、中心市街地活性化への取り組みに参加するにあたって、
 “え~、特に考えていないんだけど”という人は、これまで長年にわたって全国各地の取り組みを挫折させてきた、常識的・慣行的理論に拘束されており、かつそのことを自覚し、批判的に対応することが出来ない、いわば自分が無意識のうちに信奉している理論の奴隷となっています。
新しい装いに見える「新・基本計画」も慣行的・無批判的理論に拘束されている以上、その取り組みは否応なく挫折を経験することになります。
既に各地で報告されているとおり。

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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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