理論と問題のミスマッチを克服しよう

 中心市街地活性化の取り組みがうまく行かないのは、
①状況の認識
②解決策の案出
③解決策の計画化
という『中心市街地活性化基本計画』の作成プロセスで利用された「知識」、「理論」が適切ではなかったからだ。
当社が最近強調しているところです。

 全国的な規模で明らかになりつつある新スキームに基づく取り組みの挫折ですが、その原因はスキームにあるのではなく、スキームの枠組みで作られた『計画』に用いられた「知識・理論」が、状況・課題に適合していなかった、というところにある。

 取り組みを挫折から立ち直らせるには、取り組みを導く理論を取り替えることが必要だ、というのが当社の主張です。

 「理論など別に使っていない」という人がいるかも知れません。当社も「うまく行かないのは理論が装備されていないから」と指摘したこともあります。
しかし、本当のところは、「装備している理論が状況にマッチしていない」というのが正しい表現です。
我々は、ものごとを判断するにあたって、脳内に蓄えている知識を用います。知識の多くは「言葉」「理論」です。

 用いる言葉・理論が間違っていたり、あいまいだったりすると、結果的に判断を誤ります。
例えば、「活性化」という言葉の理解があいまいな場合、活性化のために計画される事業も「活性化」との関係があいまいになります。

 例えば、「商業はまちの花、住む人来る人が増えれば商店街は活性化する」という理論を脳内に持っていれば、商業活性化の取り組みは「住む人・来る人増やすための取り組み」になるわけです。
取り組んだ結果、何が起こったか?
結果を見れば、取り組みを導いた「理論」が現実問題とミスマッチしていたことがよく分かります。

 我々は好むと好まざるとに関わらず、「脳内理論」をもって外界を判断・評価し、「行動」を計画します。その結果はもちろん自分自身に帰って来るわけです。
とするならば、自分がどのような「理論」に基づいて行動しているのか、ということを自覚しておく、「理論」が外界を認識する道具として適切であるか否かを時々チェックする、ということはとても大切なことです。

 中心市街地活性化を導く理論、基本計画の作成を導いた理論は果たしてその任務にふさわしいものであったか否か?

 問題はこのようなレベルで起きているのでありまして、「もの余り・店あまり」という状況において、「もの不足・店不足」時代の常識・理論をもって問題にあたっている、理論が現実とミスマッチである、というところに全国規模での「取り組みのミスマッチによる挫折」の原因があるのです。

 もう一つ、考えていただきたいことは、全国的な取り組みの停滞について、その原因を指摘し対策を提案しているのは当サイトだけ、ということです。
全国的な取り組みの推移・現状は、明らかにそれらの取り組みを導く慣行的理論 ―商店街全盛当時の商業理論をはじめとする― がもはや中心市街地が直面している問題情況を理解するための理論としては役に立たないことを示している、というのが当サイトすなわちクオールエイド社の主張です。

 当サイト以外で試みられている取り組み改善の提案は、すべて、これまでの取り組みを導いてきた「理論」について反省的に評価する、という作業の必要を自覚しないまま、慣行的理論のもとで相変わらず“シャッターの外側”、つまり売場以外における施策で“シャッターの内側”で行われるショッピングを活性化しようというレベルの提案です。
「点や線の取り組み」から「面の取り組み」へ
「商業施策」から「住む人来る人増大」へ
表見の施策は変化しますが、施策の案出を導く理論は旧態依然です。

 もはやこのような「施策の入れ換え」で状況が改善されることはない、ということに思い至らなければならない。
取り組みを導く「理論」を転換することこそが「中心市街地活性化」を可能にする「道」への第一歩です。

 「理論の転換」をどう実現していくか?
当社は“『行動計画』の作成”という課題への取り組みによってこの難関を越えていくことを提唱します。
新・基本計画はその体裁から「計画期間を通じた具体的な行動のための計画」にはなっていません。ご承知のとおりです。
基本計画に基づいて活性化に取り組んでいくためには、基本計画をもとに「行動計画」を作ることが必要です。
これまで作っている都市は無いようですが。

 当社は『行動計画」を作成するプロセスでこれまでの計画~実施を導いてきた理論を更迭、新しい理論と取り替える、という取り組みを提唱しています。

『行動計画の作成を提案する』
「理論の転換」に共鳴されるみなさんへ。

 理論が変わればこれまで陳腐化していた各種の取り組みが全く新しい意義・意味をもって再登場、「活性化への道」を切り開くことが可能になります。 
立場の如何に関わらず、協働を実現して「活性化への道」を切り開いていきましょう。

「理論武装」について(長文ご注意)

 「パラダイムの変換」という言葉の方がなじみのある人が多いかも知れませんね。
「理論武装」とは何か、なぜ必要か、どのように獲得すればよいのか、等々について述べてみたいと思います。
 言うまでもなく、「商店街活性化」に限らずマーケティング全般がうまく機能していないのは、「もの不足時代」の理論で「もの余り時代」の現実に対応しようとしているミスマッチが原因ではないか、というのが私の一貫した問題提起であり、そのことを前提にした理論の提唱です。

 人間は毎日、外部の状況についての情報を入手し、機会と危機を評価し、対応策を考える、というような作業をしています。これは、ビジネスに限ったことではなく、毎日の生活のあらゆる分野で私達がふつうに行っていることです。
 このような情報の収集や加工は、白紙の状態で行われるわけではありません。何の先入観も持たないという条件は、いわば生まれたての赤ん坊のようなものであり五感を通じて取り込まれる情報を理解することは、生来持っている「快-不快」判断以外は出来ない、ということを意味します。

 私たちは自分の脳内に、生まれて以来これまでに経験したことで作られている膨大な知識を持っています。これらの知識は、外界を理解するための道具であり、「理論」と考えることが出来ます。もちろん、この理論はこれまでの経験から得られた「仮説」であることが多いことは言うまでもありません。
 情報を理解するということは、新しい情報を既に持っている理論のなかに位置付ける、ということです。この「既に持っている理論」は先入見と呼ばれます。つまり先入見は一種の理論なのです。

 外界から得られたデータは、先在する理論(知識)と照合されて理解されます。
理解するとは常に新しい経験を古い理論で理解する、ということであり、これは自分が持っている仮説の範囲に新しい状況を押し込むことです。
 さらに言えば、外界を理解する、ということは外界に自分の理論を押しつける、ということだと言っても良いと思います。また、そのような作業で認識した外界への対応(問題の解決策の案出-実行)もまた、自分が持っている理論(先入見)に基づいて作られるということです。

 つまり、人間の環境に対する働きかけは、徹頭徹尾、その人が持っている知識.理論に依拠している、ということになるわけですが、考えてみるとこれは大変なことです。我々が自分の持っている理論の能力から離れることが出来ないとなると、さて、自分がいま持っている理論は、現在~将来の外界を理解する道具として適切だろうか、という問題が生じます。(ここから科学が生まれるわけですが、科学については個人サイドで考えていきます)

 私たちが持っている知識=理論はこれまでの人生において、さまざまな機会にさまざまなルートから入手したものですが、互いに矛盾していたり、関係する外界の一部しか説明できない不十分なものであったりします。
 また理解しなければならない対象が大きく変化したりすると、これまでの理論で理解し行動したのでは対応を誤る -期待した結果を得ることが出来ない― ということも有り得ます。

 理論は出来るだけ頻繁に点検し評価し改善したいものです。事実、私達は毎日のように自分の理論を訂正しながら生きている、といっても過言ではありません。

 以上を踏まえて、商店街活性化に関する理論 ―現に持っている知識― について考えてみましょう。

今日、商業関係で「理論」として流通しているのは、ほとんどが郊外型ショッピングセンターが存在しなかった時代の商業に関する知識をもとに作られています。
 例えば、「小売集積の顧客吸引理論」、ライリーやコンバースの仮説とは、ショッピングセンターが登場する前の、二つの都市間の地域からの買い回り商品の買い物行き先について確率的な予測を行う手法でした。仮説が経験的に成立した=使えたのはショッピングセンターが登場する以前の買い物行動に対してだけなのです。

 現在の購買行動を考えてみますと、
①最寄りの店が購買行き先であることから「最寄り品」と呼ばれる食料品や日用消耗品は、車立地のスーパーマーケットまで出かける。
③気にいるものが見つかるまでショップを巡回することから「買い回り品」と呼ばれた選好性の高い商品(ファッション)などは、行きつけのショップで気にいるものがなければ買うのをやめる=買い回らない、
という行動が多くなっています。

 このように、現在(つまり、もの余り、店あまりという環境)の商業環境は、従来(つまり、もの不足、店不足という時代)の理論では理解できないことが多くなっています。
むしろ、従来の理論では気づくことの出来ない変化が起こっている、といってもよいでしょう。(この変化に気づかないと、消費購買行動の変化に対応することが出来ません)

 環境は激変しているのに、環境を理解し・手を打つための道具である理論は昔のまま、ということではせっかく苦労して対応策を考え、実行しても効果を得ることは出来ません。例えば、店前通行量がお店の業績を左右したのは、もの不足時代のことです。この時代は歩いている人が全て「もの不足」であり機会があれば、いろんなものを買いたい・欲しいという人がほとんどでしたから、商店街の通行客=潜在顧客だったのです。

 もの余りとは、通行客のほとんどがものに不自由していない、という状況であり、通行客は自店の潜在顧客でも何でもありません。こういう時期に店前通行量を増やす=イベントなどで不特定多数の人を集めるという「もの不足時代」の理論で対策を講じても成果が挙がらないのは当然です。
 
 古い理論をその根拠について再検討しないまま、新しい事業の企画に利用し、計画を実行することは、古い理論の新しい現実への押しつけ、ということです。
「現実」はどんな理論を押しつけられてもけして文句は言いませんが、その結果は必ずその理論を用いた自分自身に戻ってきます。すなわち、期待していた成果は挙がらず、時間とコストが宙に消え、徒労だけが残ってしまいます。
多くの商店街がいままさに体験しつつあるところです。

 このような結果が起こるのは「理論」と現実のミスマッチ、無意識のうちに使っている理論が時代遅れになっている、ということに気付かないということが原因です。

 考えてみればこれは大変なことです。
あなたやあなたの商店街、あなたの都市だけではなく、日本中の商業関係者のほとんどが、知ってか知らずにかはともかく、時代遅れの理論で商店街活性化に取り組んでいるということを意味していますからね。
活性化が実現できないのも無理はないわけです。

 「理論」とは対象について私達が持っている知識の全体のことです。意識しているかどうかに関わらず、私達は既に持っている理論でしかものごとを見ることは出来ません。時代が変わったから、新しい理論が必要だ、ということは同じものごとを新しい理論で見なければ効果的な対応が出来なくなっている、と言うことですね。

 「理論武装」とは無意識のうちに行動の基準にしている理論・知識と、現在の商業環境をきちんと説明出来る整備された知識とを置き換えることを意味します。けして白紙の状態の頭に理論を植え付ける、というようなことではありません。不断に行っている理論の改善に意識的に取り組む仕事です。

 転換期には全ての人が、“理論武装しますか、それともこれからも古い時代の常識を現実に押しつけ、その結果としての失敗を甘受しますか? という問いを突きつけられています。

 私どもが提案しているのは、

 もはや従来の理論に固執する限り分野を問わず、いくら努力しても期待されている成果を挙げることは絶対に不可能である、最優先で取り組まなければならない課題は、理論武装=理論の置き換えである、違いますか?
ということです。

 くり返しますが、間違った理論を押しつけられたからといって現実は文句を言ったり悲鳴を上げたりはいたしません。ただその結果が間違った理論を押しつけた側に帰ってくる、ということです。

 古い理論と置き換える理論は新しければ何でもよい、というわけにはいきません。
さしあたり私が推薦できるのはもちろん当社の理論です。
他にはあまり見あたりませんしね。

※まとめ。

①白紙の状態・先入見無しでものごとを見ることは出来ない。
②ものごとを認識するとは、先入見の外界への押しつけである。
③問題解決には問題をきちんと理解・説明できる理論が必要である。
④転換期には古い時代の理論を新しい理論の置き換える仕事が必要である。

ということについて理解されたことと思います。
「理論武装」とはそういうことですね。

 当サイトが提唱している内容を理解するということは、単にこれまでの先入見とは一風変わった知識として、つけ加えるのではなくて、繁盛店づくり、中心市街地商店街活性化、都市経営などをはじめ、「経営」において直面する問題の解決を導く理論として採用する、ということでないと実効的な価値がありません。

 これまでの経験の中で蓄積している「商業」についての先入見を当サイトの主張と一々突き合わせ、矛盾・対立する部分があれば徹底的に吟味したうえで、あらためて選択し直す、当サイトの理論と置き換える、という取り組みが期待されています。

 関係者が無意識のうちに外界認識-問題解決に使っていた、未整理の知識の山、断片的な知識の集合と当サイトが提唱する理論とを置き換えるということは、どういうことでしょうか?

 それは、無意識のうちに使ってきたさまざまの知識を一つの「体系」のなかに位置付け、先入見を全体的に筋の通った体系に整理すること、つまり細切れのまま蓄積してきた知識を「新しい時代の見方」を基準に再編:再統合する、ということを意味しています。
 理論の置換とは、細切れ知識の寄せ集めを新しい視点で整理して体系化すること、付け加えではなく、整理して置き換えることだと言うことに留意していただきたい。

 考えなければならないことは、これからも見よう見まね・断片的な知識を頼りにやっていくつもりですか、それとも頑張って新しい理論と置き換えますか? ということです。

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以上、旧メルマガ『コンサルタントの眼』 No.40 2003/4/18 (Fri)より。


 クオールエイドの特徴は、現場のコンサルタントでありつつ「理論」レベルの仕事にも取り組んでいる、ということでしょうか。
仕事をする上で必要と考える知識・理論・技術がどこにも提供されていないため、やむを得ず。

 当サイト常連の皆さんは、好むと好まざるとに関わらず、「理論の交換」という問題に直面していおられるわけで、これに地元だけで取り組むのは大変です。着手まで、着手後、それぞれいろいろと「難所」が待ちかまえています。
当社のこれまでの業務は、活性化実現の支援であると同時に、「難所」との戦いでもありました。

 どちらかといえば「活性化の実現」への取り組みよりも「難所」の処理にあたって挫折する、ということのほうが多い。つまり、活性化が実現できないのは、それが難しいからではなく、関係各方面の「方向と方法」についての形成が難しいため。
その原因は「問題をどう理解するか」という入り口での合意形成が無かったこと、さらにいえば「問題の理解」という合意が必要だということが理解されていなかったため。
「理論の交換」につながる合意は予想以上に難しいのです。

 ということで。
新スキーム、基本計画に基づく取り組みの現状を考えつつ、昨日に引き続き「理論」についての繰り言を述べました。

活性化の挫折は理論の失敗

 1/5年という経過点を迎える新スキームに基づいて作られ・取り組まれている新中心市街地活性化基本計画の多くがその目的達成に接近できないでいます。
接近できない、ということは“事業に取り組んでいる間もまちの空洞化は進行しつつある”わけです。

 どうしてこういう事態が起きているのか?

 その原因は標題のとおり、基本計画の作成をリードした「理論」が役に立たないレベルの代物だった、というところにあります。

 理論の役割とは何か?

中心市街地を活性化するためには:
①中心市街地活性化という問題を理解する
②事業主体の力量を判定する
③活性化実現の方向と方法を策定する
④所要の事業を計画する
⑤段取りよく事業に取り組む
という一連の仕事が「間違いなく」実行されることが必要であり、その全プロセスで「理論」が不可欠です。「理論」とは、ものごとの理解であり、解決策の案出であり、実行の導きですからね。

 とするならば、取り組みにあたってまず重要なことは、直面している問題の解決に適した理論を手に入れること。
現場ではあまり問題にされていないようですが・・・。

 あらためて理論のポジションや具備要件などについてきちんと理解しておかないと、問題情況の理解・解決策の案出・取り組みの計画などについて、あり合わせ・持ち合わせの理論のつぎはぎで対処することになります。
こういうレベルの理論で解決できるような問題ではありませんからね。
“空洞化した中心商店街を活性化する”という前代未聞的課題は。

 全国的な取り組みが成功していない、ということは全国の取り組みに共通した欠陥があるということ。
それは「理論の至らなさ」である、というのが当社の指摘です。
どちらの基本計画をみても
①取り組むにあたっての理論の重要性
②当該計画の理論的ポジション
などは全く問題意識さえありません。
したがって、計画されている事業もそれがなぜ中心市街地の再活性化を実現するために必要なのかという根拠を欠いたまま、多分、どこでもやっているから、というお粗末な「言い訳」を根拠に計画されているのではないでしょうか。

 作成から一年、相変わらず成果が挙がらないことに各方面から疑問の声が挙がってくるわけですが、「どうして成果が挙がらないのか」取り組んでいる当事者も分からない、というのが現状でしょう。
 分からないのも当然といえば当然、「取り組みには理論が必要だが、そのことが理解できず、理論の吟味を怠ったまま、従来的・見よう見まねだけで取り組んできた」ということが多くの都市に共通する失敗の最大の原因です。

 理論の点検が必要ですが、点検する能力は持ち合わせていないのですから、まずは「中心市街地活性化への道」を提唱している理論を入手すること。
本当は、複数入手して比較検討したいといころですが、さて、「活性化実現の方向と方法、幾つ提唱されているでしょうか?

 少なくとも、当サイトにおいて一つは提案していますが・・。

 一周年を迎えて虚心にこれまでの取り組みを振り返ってみると、欠けていたのが「適切な理論」だったことは容易に理解されると思うのですが、現場ではどうなんでしょうね。
中心市街地を活性化する、という任務に忠実であるならば、「波風は立てるまい・前車の轍からはみだすまい」という処世術が幅を利かすことはない、と思いたいところですが。

 理論の更迭を決意するか、のんべんだらりと挫滅を待つか、問題はこのように突きつけられていますけど。

※このテーマ、重要ですから続きを【都市経営】で。

「個店不沈の法」 再論

 沈み行く商店街立地だが、うちだけは是が非でも生き残りたい!!
という誰かさんのホンネにお答えしてみました。
「個店不沈の法」を求めて(URLは再後段に) 
おかげさまで発表当時は喜んでいただいたようです。

 その後、当社的「不沈の法」、進化しましてバージョンアップ版がこれ:
『再論「個店不沈の法」』
 元記事は2002年10月ですから、以来、もちろん変化・進歩があるのが当然でありまして。
最近のtakeoの理論的・実践的到達点を踏まえてあらためて論じています。
ぜひ、ご笑読くださいませ。

ちなみに原本:
『「個店不沈の法」を求めて』
 
 毎度のことながら、読んだ、とか、面白かった、とか、なかった、とか一筆メールいただくと話がいっそう弾みます。

「一店逸品」を繁盛づくりに活かす

 当社の理解をば、あらためて。

『一店逸品 私はこう思う』

一店逸品の本質は何か? 一店逸品は、「販売促進」です。
通常の販促同様、売れている店が取り組めば売れるし、売れていない店が取り組んでも効果はありません。
「運動」だとか「繁盛店づくりのスタート」などといっても意味はありません。

『続・一店逸品』

 ここでは「一店逸品」について、実際に取り組んでいる皆さんよりもずっと理論的・効果的な取り組み方を考えています。これほ逸品についてきちんと考えて取り組んでいるケースは無いと思います。
しかし! それでも「一店逸品」から繁盛店を作っていくのは極めて難しいことを論証しています。
一店逸品、これでも止めませんか(笑

『一店逸品・起死回生』
それでも止めない! 絶対止めない!という人のための、一店逸品への取り組みから「繁盛店」へ至る道を考えてみました。

 特に最後の『起死回生』スレッドは、一店逸品を繁盛店づくり=業容転換に利用するには、という視点で考えていますからリーダーさんたちはぜひシビアに検討してください。

 「販促」としての一店逸品から脱却、繁盛店づくりに活かすには
①「一店逸品」を理解する
②「繁盛店」を理解する
という理論作業に取り組んだ上で、
③繁盛店づくりに一店逸品を活かす方法
を考えつく、ということが必要です。

“「一店逸品」は運動である”というのが取り組まれている皆さんの合い言葉だそうですが、「運動」だから考えなくてもよい、ということはありません。
繁盛店づくりと一店逸品、ぜひ考え合わせてみてください。

中心商店街再生の研究

 国では〈中心商店街再生研究会〉という組織が新設され、「中心商店街の再生」が研究されています。そろそろ成果が公開される頃でしょうか。

 “中心商店街の再生について研究する”今どきになってこういう調査研究にあたる組織が立ち上げられなければならないということ自体、大変な問題の所在を物語っておりまして、「法」のスキームが出来上がった後で「研究」が始まるとは、それでは、従来的スキームの改革・改善として提出された新しいスキームはなにに基づいて作られているのだろうか?ということですね。
もちろん、当社のようにあらかじめ理論を装備し、「中心市街地活性化という問題」を理解し、「活性化への道」という〈解決策〉を準備している場合は、それに合わせてスキームを活用して「計画」を作ればよいわけですから何の問題もありません。

 ところが実態としては、問題の理解と解決策を持たないまま、スキームに基づいて思いついた事業を羅列すれば「活性化計画」が出来上がる、それに取り組めばまちを活性化できる、という短絡的な思いこみに基づいて取り組まれる、という事例が多いわけですから、
①問題の理解 と
②解決策の案出 と
③取り組みの計画
三者のあるべき関係についてあらためて確認しておくことが必要ではないか、ということですね。
 ウェブ上でもいろいろな提言が行われていますが、それらの提言は、依って立つ理論が示されていません。
従来的な取り組みの改善を目指すものですが、基本的な問題の理解と解決策の関係が適切に理解されていないために、目的達成という本来の任務に適切に対応することが出来ていません。
といった問題は、内容が多岐に渡っており、当サイト全体が対応しているところです。ご承知のとおり。

 以上を踏まえて「調査研究」について。
 中小小売商業、商店街の振興に関する調査研究はこれまでも多く行われているはずですが、残念なことに、成果の蓄積が見られません。商業に関する〈専門用語〉の共有、定義の共有も実現していません。
 実際に陳腐化し「再生」が必要な商店街が現前するのですから、〈再生〉という課題を直視しながら「理論作業」を行えば、成果を得ることはそれほど難しいとも思われませんが・・。

 今回の研究会の成果は、ぜひ、「商店街再生」という問題の理解&解決に必要な〈専門用語〉の定義という作業にもしっかり取り組んでいただきたいものです。

 と、ここからが本論です。

 新『中心市街地活性化法』のスキームが発足して二年、早いところでは『基本計画』の作成~新しい取り組みが着手されて一周年を迎えています。
計画期間の2割が既に消費されたわけですが、果たして目標数値達成などの進捗状況などは如何でしょうか。

 うまく進捗していない、とか、数値目標は達成可能だが商店街の活性化という目的実現には結びつかないようだ・・、といった「中間結果」が見られたら、「目標の見直し」が必要かも知れません。もちろん、「目標の見直し」は事業体系の見直し・指導理論の見直しを意味するわけですが・・・。
これまでの取り組み、指導的な役割を担ってきた「商業理論」「都市計画理論」の中身が問われなければならない。

 折しも新『基本計画』第一号・青森市からは、取り組みの「中核事業」であった複合集客施設「アウガ」の物販部門の不振が伝えられています。
 これから対策が講じられるるわけですが、問題は、「対策」がどのレベルで考えられるか、ということです。

 中心市街地に集客力のある都市機能(施設)を整備することで、来街者を増やし、これを商店街に回遊させることで中活性化を実現する、という新スキームの基本シナリオは、今回はじめて登場したものではありません。

 旧スキーム当時から、このシナリオに基づく取り組みは、よく見られましたが、期待された成果は挙がりませんでした。(アウガ自体も整備されたのは旧基本計画において)
中心市街地に非物販集客施設(図書館とか)を整備した、数百万というオーダーで来駕者が増加したが、商店街への回遊は実現しなかった、という事例は多いのです。

 こういう結果は、“回遊とは何か、発生させるには何を為すべきか”という問題を解明しないまま、場当たり的に事業に突入することが原因で発生しているのですが・・・。
早急に対応策が講じようとされていますが、対策に先立ってこれまでの取り組みの総括が不可欠です。
さらに言えば、総括が適切な「問題」を探し当てるためには、理論的な総括が不可欠です。

 一般に「集客施設を整備することで回遊を創出し、活性化を達成する」というシナリオを描くなら、実行に移す前に「実効性」を確認しなければならない。

○〈回遊〉とは何か? なぜ起こるのか? を解明する。
すなわち、〈回遊〉について理解すること。
○「回遊を発生するには、何をしたらよいか?」
すなわち、「回遊」を実現する施策を考える。
 この二つの異なる性格の問題に〈解答〉を出すことが「理論」の役割です。〈解答〉が得られれば、従来的取り組みの至らなさが疑問・否定の余地無く現れます。

 「図書館を建てて人が集まれば商店街が活性化する」

 取り組みの失敗は、眼を凝らせばいくらでも見えるはずですが、どういうわけか関係各方面には「他者の失敗事例に学ぶ」というビヘイビアがありません。もっぱら「成功事例」ばかり珍重されるのですが、「勝ちに不思議あり」多くの場合、成功事例にはあなたのまちでは実現できそうもない様々な要因が複合的に作用しています。
それを無視して「○○に取り組めば商店街は活性化する」と短絡するのがある種の「失敗事例」に共通する「失敗の原因」です。

 ということで、こと、ここに至れば「調査・研究」のテーマは、あれこれの施策についての調査研究ではなく、
“これまでの取り組みはなぜ成功しなかったのか”
ということを解明する、というところにあるのではないか?
それも、ことここに至れば、アイから図の施策レベルの適否の評価に終始するのではなく、「ものの見方・考え方」つまり「方法論」レベルに遡って「成功しない理由」が追求されてもいいのではないか?

 活性化への取り組みの軌跡はそのまま「挫折の歴史」です。
毎回、「これまでの取り組みは○○だった」と皮相的な〈総括〉が行われ、次は「○○ではない方向」で新たな事業が導入され流、というパターンの繰り返し。
「問題の解明&解答の案出」という作業が自覚的・理論的に行われないため、問題の解明という段階を無視した・場当たり的・衝動的な取り組みが、手を変え・品を変えながら、ずうっと継続されているわけです。
〈失敗〉の教訓化も行われていません。

「これまでの取り組みはなぜ成功しなかったのか?」
商店街の再生について研究するというのなら、まずはこのことをきちんと〈理解〉し、その上で何を為すべきか、〈解答案出〉に取り組む、という「理論的アプローチ」をしないと期待されている成果を得ることは出来ない、と断定しなければならない。

 この問題を理論的に解明しないと、またしても「商店街を空洞化した犯人」探しに終始することになります。
またしても「真犯人」を名指しして「捕り物」に向かうことになるわけです。
今回、指名手配されている「真犯人」はどうやら地権者のようですが・・・。

 犯人だと思って捕まえてみたらどうも違うらしい、では本当の犯人はだれだ? というレベルで模中憶断、当てずっぽうで施策を考え・実行する、という「闇雲」的方法で取り組んでいる・取り組み方自体が問題だ、ということに早く気づいて、メタレベルで適切な方法を講じないと、また次の「真犯人捜し」に奔走することになりかねません。

 「地権者」の次に指名される犯人は、「テナント誘致に応じないナショナルチェーン」になるのでしょうか。
そうすると対策は、ナショナルチェーンを対象に「空き店舗活用事業」の補助金を使わせる・・・?
話はどんどんズレまくって行くわけですが・・・。

 再生研究会の研究テーマ・提案される方策が「所有と利用の分離の実現」レベルならば、理論的問題解決という課題については、個々の都市ごとに取り組まざるを得ないことになります。

 一周年を迎えた・迎えつつある中心市街地の課題は、
“これまでの取り組みはなぜ実っていないのか”
という現状を理論的に解明し、突破していく〈解答〉を案出するという「理論的」な問題に取り組むことです。
この作業を「よく分からない・出来そうもない」ということでサボったままで事を進めようとする都市は、失敗にさらに失敗を上乗せする、という従来的取り組みを継続することになります。

 関係者としては“そんなことはない”と確信したいところですが、その確信には根拠がありませんね。
他方、「失敗に失敗を重ねる」結果になるであろうことは、理論的・合理的に推察されるところです。

“これまでの取り組みはなぜ実っていないのか”
具体的な個々の事業に問題があったのではなく、それらの事業を「解答」として位置づける理論段階に問題があったのです。
このことについて真摯な反省をしたうえで、全体としての取り組みを再点検しなければならない、と思い当たった人は作業着手に先立ち、当社の支援を受けることを検討してください。
自力試行だけで「期待される成果」=取り組みについての「ものの見方・考え方」を「理論志向・解決志向」に転換することは容易ではありません。多分、時間掛かりすぎ。

□商店街主催の商人塾

 昨夜、佐賀市北水商店街(協)の第40回総会が開催され、takeoは20年度の主要事業に位置づけられている「繁盛店づくり」、商人塾について説明しました。
40周年といえば、組合の草分け的存在ですね。
商人塾の〈勉強〉は、「勉強と実践と交流」の〈三種混合〉です。
その一 〈勉 強〉
①問題情況を理解する
②直面する問題に解答を出す
その二 〈実 践〉
①〈解答〉に取り組む
②取り組む過程で発見される問題に取り組む
その三 〈交 流〉
①取り組み経験を交換する
②交換過程で新たな問題解決に取り組む

 ということで、“繁盛する売場が軒を連ねる”商店街の再生を目指す商店街が勉強しなければならない〈理論〉は、“活性化の推進に役に立ちそうな「知識」を増やすこと”ではなく、問題情況を理解する、解決すべき問題の解答を出す、という作業に密接に関わっています。
理論無しで状況を理解する、問題の解答を出す、ということは不可能だ、というレベルでの〈勉強〉です。

 大事なことは、問題解決に利用している「理論の性格」。
〈理論〉を用いて解答(解決のシナリオ)を作り、問題を解決しているのだということを自覚していない取り組みで用いられている〈理論〉には多くの場合、シナリオに「無理」があったりします。

 ということで、いまどき必要な「調査研究・勉強」とは、〈理解と解決〉のための理論を装備する、という課題に直結していないと、現下、中心市街地・商店街が入り込んでいる袋小路を脱出するという問題の解答にはなりません。
本当の問題を解決する「解答」の一つが、当社が提供する「商人塾」です。
商人塾的・理論的勉強を抜きにした「活性化への道」がどうして構想できると思うのか、ひとつ、じっくり考えてみていただきたい、と思う今日この頃、皆さん、当ブログの最近の論調との相性はいかがでしょうか。
  

中心市街地活性化 キーワード集

 取り組みには、たくさんの言葉を利用することが必要ですが、言葉の意味するところをきちんと踏まえていないと、適切な「行動」の基礎とすることが出来ません。

 次のような言葉について、あなたはどう理解して活用していますか?
①中心市街地関係
 ○中心市街地
 ○中心市街地活性化
 ○都市機能の増進
 ○経済活力の向上
 ○「中心市街地活性化基本計画」の役割
 ○中小小売業商業の高度化
 ○業種・店揃えの最適化(テナントミックスマネジメント)
 ○タウンマネジメント
 ○TMO(「まちづくり会社」という呼称は疑問)

②商業関係
 ○商業集積
 ○ショッピングセンター
 ○ショッピングモール
 ○ワンストップショッピング
 ○集客力
 ○商品構成
 ○販売促進

③当社独自の用語
 ○ショッピングコンプレックス
 ○ワンビジットショッピング
 ○業容革新
 ○購買促進
 ○理論
 ○問題解決
 ○問題情況

 如何ですか。
思いつくままに挙げてみましたが、活性化実現のシナリオ・活性化への道はこういう言葉を駆使して作られます。
一々意味を反芻しなくてもこういう言葉を操って問題状況を適切に理解することが取り組みを成功させる必須条件です。
意味がはっきりしていない言葉がありましたら、【サイト内検索】などで確認されることをお奨めします。

 言葉の意味は、一度理解したら「無意識」のレベルに格納しておくこと。が能力アップの秘訣です。
今年の「商人塾」では、理解・使い方が原因で使いこなされていない能力を活用するための「見方・考え方」をどんどん提供します。
能力は、見方・考え方が変わると、それだけで「向上」します。って知っていましたか?

タウンマネージャーの公募

 最近Web上で時々見かけます。

 タウンマネージャーを公募する、という安直な方法を採用した時点で
①計画内容の至らなさ
②計画作成過程の至らなさ
③作成に参加した関係者の至らなさ
を天下に晒していることになります。
したがって、ネット上で公募するのは、上記のような都市の実状を公開していることと同義ですから、一刻も早く取り下げられることをお奨めします。

 そもそも、ネット経由の公募制というのは
①自力では適任者を確保できない という都市が
②都市の基本計画をネット上でチェックして「これなら自分の能力で采配できる」と判断した人が応募してくれる
③その結果、適任者を選任できる
ことを期待しているのでしょうが、「そんな人がいるはずがない」のでありまして、どうしていないのか、その理由は自分で考えてください,といいたいところですが。

 「基本計画」を作成する段階でタウンマネージャーの必要性は分かり切っていたわけですから、
①その時点で適任者を確保し、計画作成過程でリーダーシップを発揮してもらう
②活性化の実現についても取り組みが円滑に運営される仕組みを考える、
といった作業に従事してもらわなければならない。
くらいのことは考えておくべきでした。というか、計画作成を委託するならタウンマネージャー的役割を果たせる人へ、プランニングとマネジメントをセットで委託する、というのがあるべき取り組み、でしょう。

 他人がそれも「商業活性化の計画作り」としては素人同然の人たちが作った計画をもとに「活性化を実現してみせる」という能力を持った人なんかが有り余っていて、ネット経由の公募にひっかかって来る、などということはあり得ない、ということに思いが及ばないとしたら、そのこと自体が「一大事」です。

 御地の「基本計画」をもとに御地の中心市街地を活性化する、ということは当該計画つくりを主導した人・組織にも出来ないのではないでしょうか。(委託してみたら如何でしょう)
それをですね、公募段階で「やって見せます」という触れ込みで応募していくる人=作成過程・都市中心市街地の問題情況について全く無知の人ばかりですが、そういう人たちの中からどう適任者を選定するんですか?
応募者中ベストのスペックを持った人が「タウンマネージャー」としての適格性を持っているとは限りませんし。

「公募」と決めた時点で御地中心市街地の活性化には赤信号がつきっぱなし。
 タウンマネージャーという職能は公募で確保できる、と考えた時点で、冒頭①~③的情景が目の当たりに浮かぶわけですね。

 適任者がおらず、公募するくらいなら自前で育成した方がよっぽど正解です。
とりあえず、地元関係者の中から候補者を選任して、例えば当サイトの提供資料を勉強してもらう、並行して「先行事例」をチェックしもらう、その一方で商店街を半年くらい巡回すれば基礎的体力が付くと思います。

 公募マネージャーさんが勉強して、その成果を皆さんに示し、基本計画の至らないところを「行動計画」の作成で補完する、自立的に業務を開発して取り組みを推進する、ということは期待できません。
マネージャーを公募していったい何をしてもらうんですか?

 皆さんが作った計画、きちんと取り組めば中心市街地は確実に蘇る、取り組みは簡単だから担当者は公募でOK、と考えているんですよね。
大丈夫ですか、ホントに? ということです。

理論無き取り組みの危うさ

 人を集めれば商売は繁盛するとか、商店街活性化とは空き店舗を処理することである、といった浅はかな理解に基づく取り組みは、スキーム発足一年を経た今日、次々に行き詰まりを見せてきました。

 当社は、これまでに発表された『基本計画』の多くは、“理論的バックボーンのない、思いつきレベルの事業が羅列されているだけではないか”と(もちろん、根拠を述べて)批判しています。既にご承知のとおり。

 『基本計画』に計画されている「中心市街地活性化への道」が理論によって裏付けされていない、ということは、当該都市の関係者(外部からの招聘を含めて)が“問題を理解していない”ことを物語っています。
問題を理解せずに解決出来るはずがありません。

 「住む人・来る人を増やす」、「通行量を増やす」といった取り組みが解決しょうとしているのは、どういう問題なのか?
提出されている解答から遡及して、逆に問題を定義してみる、出されている解答を実践することで解決されようとしている問題は本当に「中心市街地活性化・都市機能の増進と経済活力の向上」、とりわけ劣化・陳腐化している既存商業機能、とりわけ商店街の賦活を達成できるものであるか否か、検討してみられることをお奨めします。

 問題と解答としての「つじつま」が合っていない事業計画は、けして問題の解決に至ることが出来ません。
理論としての一貫性を備えていない事業群を羅列しただけの『基本計画』で中心市街地を活性化することは不可能です。
そればかりか成功しない事業は、解決すべき新たな問題・コスト要因になりますから、くれぐれもご注意。
計画の見なおしが喫緊の課題である由縁です。

 いつも申しあげているとおり、中心市街地活性化基本計画の計画としての性格〈計画性〉は、都市計画的(区画整理・再開発、施設建築)計画とは全く異なります。
都市計画的計画が、「空間」の計画であるのに対して、こちらは「状況」の計画 ―都市機能が増進し、経済活力が向上している状況を創り出す― です。
 問題の解答として「状況」を創り出すための計画は、計画そのものが「実現を目指す状況にいたる筋道である」ことが不可欠、計画とは解答であり、問題の理解であり、隅から隅まで理論で満たされていなければならない。

 繰り返しますが、理論とは「問題の理解」です。
基本計画を読めば、都市の「中心市街地という問題の理解」が、したがって「問題を理解する能力・問題解決能力」もおのずと判断することが出来ます。
「都市経営」の将来も基本的に予測できることになる。
中心市街地活性化、「自立的都市経営の試金石」という当社の位置づけがますます重要になっています。

 昨日取り上げた青森市の取り組み、アウガ=賑わい拠点=活性化実現への戦略的拠点が、その拠点性を発揮できないことが明らかになった今、青森市の中心市街地活性化の推進体制が取り組むべき課題は、「中心市街地活性化」という問題をもう一度しっかり理解すること、です。

 アウガの再建に奔走している間も、“中小小売業の競争力の根幹”である「業種揃え・店揃え=テナントミックス」の劣化・空洞化は進展するはずであり、もちろん、アウガの再建が果たされたからといってこの問題の解答とはなり得ません。
もともと、アウガ=中心市街地問題への解答というのは誤った理解でしたから。

 一般に期待されている役割を果たせない戦略的施設は、ひたすら存続を自己目的とする「無駄なコスト」になりかねない。
理論無き「解答」は、解答のつもりが新たな問題になってしまう、という教訓は、全国各地で見られるところ、アウガに限ったことではありません。

 賢者は他者の経験に学ぶ。
得られた教訓はまたしても、「理論無き取り組みは失敗に至る」ということです。
「人口」や「通行量」に眼がくらみ、「アクセル」や「ブレーキ」などにかまけて、「中心商店街・商業機能の活性化」という問題を理解しない、理解しようとしないレベルの取り組みが成功することは絶対にありません。
 理論装備に取り組まない都市の実践は、必ず同じ轍を踏むのだということを肝に銘じておきましょう。

 皆さんの『基本計画』、果たして「中心市街地活性化という問題」の解答になっているでしょうか。
こういう問題があるのだ、と自覚した人が口火を切って「問題の再定義」に舵を切らないと、現行的取り組みのままでは中心市街地は再起不能レベルに転落していきます。
この機会に、しっかり声を挙げるべきです。

 新スキーム発足一年を経過して、「理論無き取り組み」の将来を象徴するような事例が生まれたわけですが、自分たちの計画は果たして取り組みの結果が新たな問題を生む、という鉄を踏むことを免れているかどうか、シビアな見直しが必要です。

 もちろん、見直しは理論をもって行わないと無意味です。

「実践的な取り組みとは理論的な取り組みだ」
適切な理論を装備していない都市の取り組み、必要により当社が支援します。
とりあえず、意志決定権者=首長に“見直しが必要だ”という情報を上げること、届くように仕組むことは担当者の仕事ですね。

 各地の計画・取り組みに対する当社の「批判的作業」、さらにシビアに展開していく所存です。

アンケート調査の陥穽

 商店街の実態について、アンケート調査が行われることがあります。
例えば:

 “商店街実態調査は、全国の商店街を取り巻く環境やその実態を、アンケート調査により把握し、今後の商店街振興施策の基礎資料とすることを目的として実施しています。”

 ということです。
組合に調査用紙を配付、回答を得てまとめる、という手法で行われます。

次の点に注意。
①回答で直接分かることは、「商店街の実態についての回答記述者の意識」です。「商店街の実態ではなく「実態についての回答者の理解するところ」です。
「必要な施策」についても、客観的な必要性ではなくて回答者の主観的願望かも知れません。

 このようなアンケートの結果が「商店街活性化施策」起案のヒントになっていることはご承知のとおりですが、その「位置づけ」については:『七不思議 その三』をご参考まで。


 最近は「所有と利用の分離」が取りざたされていますが、これも「再開発したいが地権者が賛成しない」というケースを一般化、商店街を活性化するには所有と利用を分離しなければならない、という新たな活性化策が取りざたされています。

これまで
○点や線の取り組みではダメ
○商業施策だけではダメ
○通行量が増えないとダメ
といろいろ「ダメ出し」がありましたが、今度は
○所有と利用を分離しないとダメ、ですか、そうですか。

と思わず、横道にそれてしまいましたが。
商店街の問題は、「買い物行き先としての魅力が(相対的に)陳腐化・劣化しているが、改革改善の方向・方法が理解されていない」というところにあるのでありまして、「上記のような実態調査」で分かることは、商店街の皆さんは自分たちが直面している「本当の問題」を理解していない、という「実態」ですね。

 調査主体には、このような実態を踏まえて対策を講じる、というシナリオのもとに調査をしたわけではないでしょうから、結局、調査の結果はまたしも「その三」的事例を増やす結果に終わるのでしょうか。

 調査って、ホントは「設計」が難しいんですよね・・・。
知りたいことを相手に投げれば知りたいことが返ってくる、というのはあまりにも牧歌的です。

 あるべき施策の方向は、
中心商店街を活性化するには
①広域において分担する商業機能(事業開会)を決定し、
②あるべきテナントミックスを構想し
④既存商業者の自助努力及び空地空店舗の活用によりそれを実現していく(タウンマネジメント)
というトータルの取り組みが構想、計画されなければならない。『基本計画』のメイン・商業の活性化はこのような意味での「タウンマネジメント」計画の推進で実現されます。
まちづくり会社とは、このタウンマネジメントにあたる組織のこと、TMOそのものです。
そういえば、このところ、「TMO」という言葉があまり使われませんがどうしたんでしょうか。
総括抜き・無かったことにして「まちづくり会社」に飛び移ろうとしても、どっこいそうは問屋がおろしません。
総括抜きでTMOをポイするようでは、早晩、まちづくり会社もポイすることになります。
これは今から予言しておきますね。

青森市のアウガ、黄信号点滅という情報

 かいたろさん~木下さん経由で知りました。
青森市中心市街地活性化の戦略拠点と位置づけられていた「アウガ」について、業駅不振のため、いろいろ打開策が講じられるようです。


ちなみに当社は、申請・認定第一号で名を馳せた同市の基本計画をいちはやく批評しています。


 アウガには二つの使命がありまして。
その二 中心市街地の「核」としての機能を果たすこと。
その前提として
その一 独立自営商業施設としての存続を確立すること。

その二については当社は、はじめからアウガにはムリな注文だと指摘していたと思います。
その一についても危惧される事態になっているとすれば、同市の計画に追随した都市は要注意、あらためて基本計画を再点検すべきではないでしょうか。

 それにしても、アウガを賑わい拠点として構想されていた同市の中心市街地活性化、抜本的な見直しを迫られているのでしょうか、いないのでしょうか。
 勝ちに不思議あり・負けに不思議無し。
挫折した計画には必ずその内部に「挫折要因」を内包しています。特に、商業施設の場合、「要因」は分かり易いのですが・・。

 かいたろさんのブログでは、再開発事業による核的施設の設置、失敗例として佐賀市の例が挙げられています。
エスプラッツ挫折の原因ははっきりしておりまして、企画段階にプロの商業コンサルタントが参画していなかったから。
見よう見まねで「らしい」施設を作っても消費購買行動の前には通用しない、ということをキモに銘じておくべきです。

 それにしても、ですね。
こういう計画を立案推進した専門家の責任はきっちり追及しないと、業界のレベルが上がらないのではないか。
従来的レベルの構想・計画で活性化出来る状況ではない、というのははっきりしているわけですから。

問題情況論

 当社提供の商人塾、今年度から大幅に内容を革新しています。
「商売は理屈だ!」ということを前面に押し出して、潜在能力(保有しているが未活用の能力)を喚起して繁盛店づくりに活用する。
当社開発の最新理論をどんどん提供します。

 特に標題の「情況理論」は、従来の「環境変化の理解」の枠組み、
①生活の変化
②競争の変化
③人的変化

①解決主体の情況
②生活・消費購買行動の変化
③競合状況
と視点を改善することで、より分かりやすく・使いやすくなりました。

 従来の取り組みとはひと味もふた味も異なる・即効性抜群の講義になります。
夫婦、親子、スタッフ揃って参加されると効果覿面です。
商人塾の開催については、趣旨・期待される効果をしっかりPR、「聞いてなかった」という決まり文句がでてこないよう、周知徹底をどうぞ。

中心市街地活性化・実効ある取り組み

 昨日から中小機構の商業活性化アドバイザー派遣により、甲府市に出張しています。
本日は、市役所の関係部課のみなさんと『実効ある取り組み』についての研究会及びTMOとの「テナントミックス」推進のための「商人塾」の実施についての打ち合わせでした。

 ご承知のとおり、スキームでは“中小栗商業の競争力の根幹”である業種揃え・店揃えの最適化すなわちSC業界で言うところの「テナントミックスの最適化」すなわち、「テナントミックスマネジメント」を重視することが提唱されていますが、これまでのところ、「中心市街地におけるテナントミックスマネジメント」のあり方についての理論=仮説の提案は行われておりません(当社は、鋭意、チャレンジしていますが)。

 新しく創設されるまちづくり会社の中心任務は、基本計画に明らかにされているはずの中心市街地に再構築を目指す商業集積が広域において分担する「商業機能=特定の消費購買行動に対応するショッピング行き先」を実現する「テナントミックスマネジメント」です。

 この任務がSC的マネジメントと異なるのは、テナントミックスの最適化が、既存小売商業者の「業容革新」及び空き店舗のリーシングという二つの異なる手法を駆使して取り組まれる、ということです。
これは、これから郊外型SCが生き残るために不可欠のマネジメント手法ですが、SC業界はまだその必要性を認識していないと思います。
中心商店街が取り組む課題は、SCのノウハウの応用ではなく、SCがこれからイヤでも取り組まざるを得ない課題ー既存テナントを入れ替えないテナントミックスの最適状態維持ーを先取りした取り組みになります。
そういう意味では小売業界・前人未踏のチャレンジであり、その成果はSC業界垂涎のノウハウとなることでしょう。

 この出張の目的は、実効ある取り組みの「スキームの再確認・共有」と6月にスタートする商人塾の打ち合わせですが、タウンマネジメントの基本は、テナントミックスマネジメントであることをあらためて確認した次第です。

 もちろん、それは商人塾~個店群の業容革新という取り組みで推進されます。基本計画に掲げられた「都心型商業機能」を実現するタウンマネジメントの中核的取り組みが「商人塾」が担うわけです。
「まちづくり会社(準)」との初顔合わせ、事業取り組みのすりあわせも終了、これから事業説明会~募集が行われ、6月下旬、第一期商人塾がスタートします。

能力装備 途上的取り組み

 中心市街地活性化をめぐる問題状況について。

 目下取り組まれている中心市街地活性化の取り組みはどのような条件下で取り組まれているのか。
条件を理解することで「よりよい取り組み」を企画することが出来ます。
取り組みが難儀している折から、問題状況を確認することは喫緊の課題です。

□中心市街地的・商店街的問題状況

 既存の基本計画ではほとんど取り上げられていませんが、特に留意しなければならないことがいくつもありまして。

その一 「もの余り・店余り」
 家には消費財があふれ、買い物行き先もまたリアル・バーチャル両面に渡って枚挙にいとまがない。

その二 「業種揃え・店揃え」の不備
 国が『基本的な方針』において“中小小売商業者の競争力の根幹”と喝破している「業種揃え・店揃え」が相当劣化かしている。「店揃え」はもちろんのこと、各個店の「品揃え」も陳腐化している。

 言うまでもなく、その一は「小売商業」の市場環境、その二は、主体側の状況です。

さらに大きな問題は、

その三 中心市街地・商店街活性化への取り組みは、この問題状況を理解していない
ということがあります。
 一般に、問題を理解せずに問題を解くことが出来ません。
小学生でも分かることだと思うのですが、どういうわけか、中心市街地関係ではそういう状況になっています。

 このことは何を物語っているのか?

その四 主体の状況が解決すべき問題の一部になっている

ということですね。

 事業全体が所有している、問題状況の理解・解決策の案出に不可欠な商業理論、都市経営論、計画論、組織論といった「知識」が不足しているか、あるいは不適切だということです。

 以上は、状況を理解されたにとっては大変な事態です。

状況は、「勉強し直して、一からやり直す」ことを許してくれません。
現状見てのとおり、というところからスタートして、有るべき「中心市街地」の構築を目指すわけですが、どう取り組むべきか?

 いずれにせよ、事業主体の「問題解決能力」は圧倒的に不足しており、事業に取り組みながら・能力自体を開発していかなければならないことは明白ではないでしょうか。

 能力が不備・不足しているのは、当社のような理論的・実践的な支援に当たる「専門家」も同様です。
何しろ前代未聞の問題、関係者全体が能力的に「開発途上」という状態からの着手であることをしっかり確認しておくことが必要です。

 中には、「不備・不足」を自覚していない関係者も多いわけで、論外、といわなければならない。
取り組みを進めるにあたっては、「開発途上」からの取り組みである、という自覚を関係者が共有すること。
そうすると何にどう取り組んで行けば「不備不足」をカバーすることが出来るか、一番手前の問題に対処する姿勢が作られます。

 この姿勢が無いと、所要の情報・機会はみんな素通りすることになります。

20年度 商人(あきんど)塾スタート

 今週からスタートします。

第一陣は、佐賀市北水商店街協同組合が、中小機構、中央会の支援を受けて取り組む「ミニ商人塾」。
23日、総会開催に合わせて組合員の皆さんへの説明会を行い、6月第2週から講義スタート。
内容は、前年度試行した事業の「改良バージョン」です。

説明会の資料を作成しつつ、あらためて「テナントミックスの最適化」を追求するテナントミックスマネジメントを導入するための事業としての適格性を確認した次第です。

 商業活性化関係の「数値目標」として当社の〈一押し〉は、「商人塾参加者数」です。環境与件の変化の如何に関わらず、事業主体の努力で達成することが可能であり、かつ、取り組めば取り組むだけ個店の業績、「テナントミックスの最適化」への取り組み、推進体制が整備されていく、という〈スグレモノ〉です。

 当社的には、これまでの経験の集大成として新スキームにおける「中心市街地・商店街活性化」の核心である「テナントミックスの最適化」の具体的な推進に取り組む時期を迎えることになります。

 これを皮切りに各地の取り組みがスタートして行きますが、状況については折に触れて報告したいと思います。

仮説~試行法と「覆証理論」

 問題解決。
見よう見まね的・慣行的ノウハウが通用しない時代にあっては、信頼に値する理論を確保し、それを基盤にした論理的な推論の結果(仮説)をもって対処していくことが必要です。
「仮説~試行法ですね。

 大切なのは
①適切な理論を装備(創発)する
②推論過程を適切に操作する
ことであり、さらに、
③推論や問題解決のプロセスで「覆証(*)的事象」の有無について常に監視する
という姿勢を持つこと。
「未知の領域」への挑戦は、この仕事の「妥当性」を信頼して進められるわけです。
もちろん「定義の重要性」はここに関係しており、推論過程の成果は「定義」の適否と密接に連動します。

 新しい記事はその実証になるのではないでしょうか。
【商店街・起死回生】『空き店舗問題というものは無い』

 「理論を基盤にした合理的推論」は、当社的問題解決法の「キモ」です。上記のスレッドではその利用がよく分かると思います。
より理論的な説明は長くなりますので、いずれ【理論創発・死闘編】で。

(*)覆証とは:初出ですが、「主張を覆す事実としての証拠」のこと。“人通りが増えても(それだけでは)商店街は活性化出来ない”という推論~主張は、“人通りを増やしたら自然に繁盛するようになった”商店街の実例を一カ所指摘されればそれでオジャンです。何ごとであれ、提出される主張が気に入らず・しかし論理的に対抗できない反対派は、「覆証」となる事実を見つけてきて提示すればよろしい。
もちろん、我々の推論過程は常に「覆証」的事実の有無についてはきっちり探索しながら行われます。たいていの批判は「織り込み済み」です。それでも、「覆証」がでてくる可能性は常に存在し、理論は常にひっくり返される可能性があり、あるいはみずから改良しなければならない余地があるわけです。


◇コムデギャルソン

 昨日、吉田さんの投稿に関連して久しぶりにコムデのビデオを見たら気合いが入りました。
(1/6~6/6まで通してどうぞ)

 有名なデザイナーたちが川久保さんを批評していますが、デザインの機能を否定するデザイナー、川久保玲の評価としては隔靴掻痒です。

 少し書き足します。
吉田さんが話題をだしてくれたお陰で、新しい展開・楽しみが生まれました。
ギャップ、ユニクロなどとの関係もこれから考えてみたいと思います。

専門用語の定義

 極めて重要なことですが、商業系、都市計画系ともにその用語は十分体系づけれておりません。
その理由は、両者とも理論よりも個別具体の事業案件からスタートした、という出自に依るところが多いのではないかと思います。
理論が準備されていない状況で個別具体の案件を企画するとなれば、「先行事例」を参考にするのが手堅い方法です。

 「理論抜き」の取り組みが成功しますと、次の案件、そのまた次の案件とことごとく、理論抜き・先行事例随従という手法で取り組まれることになる。以下、同じ。
環境が右肩上がりの間はそれでOK、事例より大きく作る、ということでよかったかも知れません。
どんどん事例が積み上げられて、「デファクトスタンダード」となりました。
専門用語の定義なんかどうでもよい、というノリでした。

だが、事業を取り巻く環境が大きく変わるとそうはいきません。

 理論に基づいて仮説を立て、目標を設定し、「試行錯誤」的にアプローチしていく、という本格的・正統な取り組みが必要になります。
しかし、いったん出来上がったデフォは、自覚的に批判し、対案によって覆されない限り、「事実上の基準」として機能します。
今、我々が直面しているのはまさにそういう状況ですね。

 従来の「成功事例」追従型の取り組みでは事業の成功は見込めない、しかし、「事例追随」以外の手法は持ち合わせていない、というわけです。

 この情況をどうしたら突破出来るのか?

 まずは、専門用語の定義を確定し、関係各方面で共有しなければならない。「問題解決」に必要な「知恵」をだしていくためには、使うコトバが明確でなければならない。

 プランナーさん、マネージャーさんの就任後最初の仕事は、「専門用語」を定義し、それを共有すること。
業界にはありませんから、それぞれの都市において作業しなければならないわけですが、この仕事の緊要性を理解しているプランナーさん、マネージャーさんは真っ先にこの仕事を提案するはずです。

 この仕事の重要性をアピールし、取り組みを提案しないプランナーさん、マネージャーさんはその時点で「失格」です。
心当たりのある人は、今からでしっかり取り組んでください。

〈未曾有〉に〈仮説〉をもって渡り合うには

 『「水道理論」から「時間堪能」へ』というファイルがあるのですが。
(水道哲学、この記事を書いたころは、検索掛けてもほとんどヒットしなかったのですが、今や様変わりです。)

 我々は、“もっと豊かに・もっと安楽に”という「人類的コンセンサス」を追求すれば、間違いなく「環境」のキャパシティと衝突することが、だれの眼にもあきらかになっている、という時代に生まれ合わせているわけです。

 この時代、人間は、歴史上、いまだ経験されたことのない問題情況に直面しています。

 日々生活を営んでいる「環境」と我々自身との関係をどう考えて生活を営むべきか?

 「生活をどう編集するか」ということを、「環境を維持する」という「土俵の確保」について、「個々人のレベル」で考えなければならない時代です。

 このような時代における「マーケティング」には、「メタ」の課題がありまして、つまり、我々は「マーケティングの土俵を再構築する」という作業に取り組まなければならない。

 この情況をマーケティング機会として活用するにはどのようなアプローチを取るべきか?
 「人間が環境と衝突する時代のマーケティングは如何にあるべきか?」
ということですね。
いまだかって経験したことのない状況において我々はどのように行動すべきか、何を頼りに進んでいけばよいのか。

 当社の「時間堪能マーケティング」につながる問題意識ですが、目下【都市経営】で取り上げている「目標設定」問題にも通底しています。

 これまで経験したことのない問題情況に対応しなければならないとき、人は何を頼りにすることが出来るのか?
 という問題がありまして、
①従来的慣行をもって対処する
②新しいアプローチを考える
という方法があり得ます。

 ①的アプローチについてはここでは取り上げません。
特に考えておきたいのは、②を選択した場合に留意すべきこと、でありまして、いろいろとあります。
【理論創発】のテーマです。

 高度成長貴の「指針」となった「水道哲学」の松下幸之助さんや、「日本列島改造論」の田中角栄さんが今の時代に「指針」を出すとすれば、それはもちろん「水道理論」や「日本列島改造論」では無いはずです。
百年一日、今でも担いでいる人たちがいますけど、ご両人の志とは無縁ではないでしょうか。

 新しい「指針」が求められるわけですが、問題情況は新しい「指針とその実践」に二つの条件を課しています。

 慣行的アプローチが壮大な「失敗への道」である以上、針路変換が必要ですが、「成功事例」はなく、我々は「成功への道」を「仮説」を頼りに描き、「試行」としてその道を歩まなければならない。

このとき「仮説~試行」的アプローチに課せられるのが次の二つの条件です。
①環境条件を維持すること
②失敗は許されない
 ①については説明の必要はないと思います。問題は②です。

 「仮説に基づく試行」にはいくつかの理由から“失敗は許されない”のですが、なぜ失敗は許されないか?
失敗しないためにはどうアプローチすべきか?
ということを考えておかなければならない。

 ちなみに、“商店街活性化は賑わい回復で実現できる。賑わいは通行量の増大で実現する”というのは、どこから見ても「仮説」です。
この仮説に基づいて活性化の実現に取り組む場合、
“②失敗は許されない”をどう担保するか?
という問題があり、「目標設定」にはこの問題への対応という側面があるのですが、まあ、取り組んでいる人たちはほとんど気づいていないところです。

 支離滅裂的内容になりましたが、〈ケリ〉は【理論創発】で。

中心商店街再生研究会

「中心商店街再生」についての学識経験者による研究会が設置され、活動状況が発表されています。
『小売業の外部性とまちづくり』など、従来的パラダイムを超えた商業論を展開されている石原武政先生が座長を務められたのではなかったかと思います。 

  目下、かいたろさんが「まちづくり会社」を中心に精力的に検討されています。

 研究会の成果は次のところにアップされています
『中心商店街再生研究会資料』

趣 旨:
経済産業省では、中心商店街の空洞化問題に対して、商店街の不動産の所有と施設利用・商業経営を分離し、まちづくり会社が、利用権を集約して一元的に商店街でテナント・マネジメントを行うことにより、商圏の規模・需要構造に応じた適切な店揃えを実現することで、空き店舗を解消し、中心商店街を再生する方策を、有識者、専門家による研究会を設置して検討を行うことといたしました。
*************** 引用終わり *****************

 「法」にでていた「まちづくり会社」の機能についての研究です。当サイトでは、活性化協議会の機能では基本計画のマネジメント、特に商業機能の活性化、「中小小売商業の高度化」を中核とする中心市街地の商業機能としての再構築は出来ない、ということを指摘して、旧TMO体制の再構築について提案していますが、「まちづくり会社」も活性化協議会では対応できない実務を担当する組織です。

 気になるのは、「テナントマネジメント」という言葉が使われていること。これは「業種揃え・店揃えの最適化=テナントミックスマネジメント」ではなくて、どうも「空店舗マネジメント」のようです。
とするならば、「テナントミックスの最適化」における「既存商業者の自助努力の組織化」という課題には、だれがどう取り組むのか。

 という問題がありまして、研究されている「まちづくり会社」は、商店街ぐるみの既存個店群の業容革新を含む「業種揃え・店揃えの最適化」を推進する体制にどう位置づけられるべきか、そもそも「体制」は如何にあるべきか、週末に検討してみたいと思います。
 
 いずれにせよ、研究成果・提案を受けて「まちづくり会社」を設立、「テナントマネジメント」に取り組もうとする場合、新しい推進体制と『基本計画』との整合性をどう確保するか、という問題があります。
 『基本計画』における「推進体制」の項については、何度も指摘しているように、「タウンマネジメント推進体制」を構想しておかないと、実務段階で必ず大変な苦労をすることなります。
『整備改善活性化法』当時、「TMOマニュアル」がスキームのスタートに遅れたために、その内容が基本計画に反映されなかったことが、『基本的な方針』の読み込み不足と相まって、取り組みを「もっぱら周辺事業」に集中することになってしまったことが想起されます。

 いずれにしても、『基本的な方針』の「中小小売商業の高度化」については、もう一度しっかり確認しておきましょう。
基本方針で述べられている“中小小売商業の競争力の根幹”である「業種揃え・店揃えの最適化”とは、「空地空店舗への有効活用(テナントリーシング)」ではなく、中心市街地・商業街区の総体を対象にした「タウンマネジメント」であり、その中心業務は、街ぐるみの「テナントミックスマネジメント」です。
もちろん、このテナントミックスマネジメントは、既存SCの「テナント入れ換え」とは理論的・実践的に雲泥の違いがあります。

 中心市街地活性化は趣旨的に「既存中小小売商業の活性化」を含意しており、このスキームを利用して「ハードを新調してナショナルチェーンにリースする」というのは、「心得違い」だと思います。
この点、あらためて【都市経営】で検証します。

都市経営と計画作成能力

 地方自立が求められる時代、都市経営という任務にどう取り組んでいくべきか、所在や規模を問わず、全国の都市が一様に直面している課題です。

 都市経営、ひとことで言えば、
“〈生活の場〉としての都市を充実させることを目的に、手持ち及び調達可能な資源を活用して、生活条件の維持・改善及び所得機会の維持・拡大を図ること”
ということで如何でしょうか。
ちなみにこれは「中心市街地の活性化」の定義、“都市機能の増進及び経済活力の向上”に通じますね。
あらためて、「都市経営」が「問題領域」として直視しなければならなくなった背景についてはいずれ【都市経営】で考えていきたいと思います。ここでは、20世紀末~今世紀初頭という時代に新しく設定されることになった問題領域だ、としておきます。時代環境の変化が「都市経営」という課題領域を設定することを要求している、ということです。
もちろん、取り組むべき具体的な問題は、今に始まったことでは無いものが多いのですが、問題を取り巻く環境与件、解決主体の条件が様変わりしており、総合的・多面的な取り組みが必要となっているため、手慣れた問題領域についても慣行的な対応では解決できない、あるいは外部に予期しない負の効果をもたらしてしまう、という傾向が多く見られるようになっています。

 今や、新しく発生する問題についてはもとより、従来的な問題領域についても、新しいアプローチが必要になっています。
 当サイトの正面課題である中心市街地~商店街活性化などはまさにその典型的なケースと言えるのではないでしょうか。
数十年にわたって取り組まれてきた問題ですが、これまでの「問題の定義~解決施策」のセットが効果を挙げられない、という事態が起きているわけです。
もちろん、これは商店街活性化という領域だけに起きていることではありません。これまで、慣行的専門分野別に取り組まれていた問題が従来的問題設定では解決できない、という事態に立ち至っているのでありまして、「問題解決」が「都市経営」という新しい視点をもって取り組まなければならない理由はまさにここにあるわけですね。

 というように問題情況を理解すると、「問題解決にどう取り組んでいくべきか?」というこれまでは自覚せずに済んでいた作業にあらためて着目することが必要になります。

 新しい取り組みが必要な状況にどうアプローチすべきか?
という「問題解決の方法を自覚的に選択する」という〈メタ〉の問題を解決しなければならない。

 ということで、このところ集中して取り上げている中心市街地活性化基本計画の「果たすべき機能」と「実際の出来映え」との乖離は、まさにこの〈メタ〉の領域に関わる問題の現れ、ですね。
慣行的な取り組みでは「暗黙ご了解」だったことがあらためて「そのいみするところ」についてきちんと吟味し、「問題解決~都市経営」の文脈のなかに位置づけなければならない。

 早い話。
『基本計画』とは如何にあるべきか、ということが理解されていないまま、マニュアル~先行事例に則して文言を並べて基本計画を作ると、あるべき計画とは似ても似つかぬ代物が生まれたりするわけです。
「もの不足」という時代には、「いい物をどんどん安く」ということが「問題」でしたから、一々、「問題は何か」「どうアプローチすべきか」ということを考える必要は少なかったわけです。
もっぱら「どう作るか」という現実・具体の問題解決に専念すればよかった。

 ところが。
「もの余り」時代は、「何をどう作るか」「それはなぜか」ということが大きな課題でありまして、従来的な「如何に・どう作るか」というアプローチは一部「先進産業」と言われる分野でしか成立しません。
「従来的・慣行的な分野」には「如何に・なぜ」という新しいアプローチが必要になっています。

 都市経営、問題解決、ビジョン、計画、目標といった「用語」は、新しいアプローチが必要な状況においてはあらためてそれらの言葉の意味するところ、相互の関係などを確認することが必要です。

 「都市経営」の課題は、もちろん“都市経営に関する問題を解決すること」です。つまり、都市経営の上位概念は「経営」であり「問題解決」であり、計画は問題解決のシナリオを形成する活動の領域ごと、時系列による配置ですね。
もちろん「計画」の機能は「目的達成のシナリオの効果効率的な推進」にとどまるものではありません。
さらに重要な機能を持っていますが、長くなりますのでその話は機会を改めて。

 都市経営という新しい問題領域において「計画を作る」という仕事には、これまであまり考えずに済まされてきた〈メタ〉の装備が必要です。
「計画を作る」、適切な計画とはどのような計画か、適切な計画を作るために必要な能力とはどのようなものか。
という抽象的な問題がありまして、これを整理することなく、従来的・慣行的レベルで「計画」を作り推進すると、問題を解決するどころか状況をさらに悪化させ、引いては計画に即した取り組み自体が新しい問題を産み出す、という恐るべき可能性もけして少なくありません。

 計画作成にあたる皆さんは、このあたりについてくれぐれも十分配慮されますよう。
といっても右から左に「問題解決理論」やら「計画作成論」が入周できる状況ではありませんので、「理論装備にどう取り組むか」ということも考えていただかなければならない。

 ということで、当サイトはそういう課題に直面し、かつ、当社との協働でその解決に取り組もうとしている皆さんの「メタの能力の装備」に貢献することを目指しています。

RSCの戦略課題を教訓に

 RSCにおけるテナントミックスマネジメントといえば、「元気のあるショップ」と「元気のないテナント」を入れ換えることでした。

 これからは違います。
SC間競争が激化すると、「元気の無いテナント」が退出したSCは「元気のないSC」と見なされて「元気のあるショップ」が寄りつかなくなります。空きスペースが埋まらないわけで、商店街の「空洞化」と同じことが起こるわけです。面白いですね。
実際に空きスペースに後続テナントを招致できないケースはどんどん増えていると思います。
いろいろと学ぶことがあるのですが、それは後ほどゆっくり、ということで。

 RSCが直面する戦略課題は、“モールから脱落するショップを出さない”ということです。
退出されると補充が出来ません。
補充が出来ないとテナントミックスが劣化するわけですから、「じり貧スパイラル」に陥ってしまいます。
何としても現有ミックスで「最適化」を追求しなければならない。
 これは、これまでテナントを使い捨てにしてきたデベロッパー、マネージャーにとって未曾有の問題情況、為す術が分かりません。

 RSCはこの問題に如何に対応すべきか、ということは後ほど考えることにしまして、この、RSCが直面している問題情況から中心市街地は何を学ぶべきか?
まずはこちらを取り上げてみたいと思います。
「中心市街地を一個のショッピングモールに見立てて」という旧法当時の『TMOマニュアル(第二版)』における「方向」の提案は、丸亀商店街の再開発事業の進展などもあって、あらためて脚光を浴びることになりそうです。
再開発~売場確保~テナント誘致という「方法」で商店街を活性化する。

 “中心市街地を「RSC」に見立てて再開発する”という路線ですが、「業種・店舗揃えの最適化=テナントミックスマネジメント」をテナントリーシング=SC運営ノウハウで代行しようというお手軽発想ですね。
もちろん、郊外のRSCとの競合政策上、テナント群は「ワンランク上」のショップを集めなければならない。

 この手法は既に「行き詰まり」がはっきりしておりまして、上に書いたように、テナントが脱落し始めると補充が効きません。

第一に、出店に応じるショップが限定されることからなかなか「ミックス」がうまく行きません。
新しい競合関係が(RSCというよりも)上位都市の中心商店街との間に発生する。「ブランドショップミックス」ではなかなか勝ち目がありません。郊外のRSCと上位都市の中心市街地という二面の競合に挟まれたニッチ狙い、というわけですが、このポジションできちんと「ショッピンモール」を構築するのは極めて難しい。

第二に。腹背にライバルがいる商圏への新規参入ですが、この方向で将来にわたってモール全体として業績を維持、成長していくことは相当難しい。業績が維持できないショップは撤退することになります。
後を埋めるが大変なことは、RSCが直面しているとおりです。

 ということで。
「中心市街地を一個のショッピングモールに見立てる」という方向を「郊外型RSCの手法を採用する」というように理解すると、これからRSCが直面していく課題をモロに共有してしまうことになりかねません。
一部では「まちづくり会社」ですか、土地を借り受けて再開発の手法でショッピングモールを作る、という方向が採用されそうな雲行きですが、RSCが直面している課題を見れば、けして追随することが活性化への道ではないことはあきらかです。

 これからRSCはかっての商店街と同じように、空き店舗の発生~新規参入者の不在~空洞化の進展 という道筋をたどっていくところが増えてきます。安易な「テナントミックスマネジメント=リーシング」という手法でやって来ましたから、「空洞化」に対処するノウハウがありません。
かって商店街で発動した空洞化のメカニズムが、これからRSCでも
どんどん発生するわけです。
中心市街地へショッピングモール的ノウハウを導入する、という方法は、「時代遅れ」ですね。

 ちなみに。
当社が提唱する「活性化への道」としての「ショッピングコンプレックスとしての再構築」その中枢を担う「中心商店街のショッピングモール化」とは、郊外型RSCのノウハウの模倣ではありません。
既存個店群の業容革新と空地空店舗を利用した新規参入によって漸進的に構築していく「ショッピングモール」は、RSC的テナントミックスマネジメントとは全く無縁のポジションを目指します。

 既にお気づきのとおり。
この手法は、RSCが直面している戦略課題=既存テナントミックスの「編制」を変えずにテナントミックスの最適化と実現するということで、お察しのとおり、RSCにとってもこれから不可欠となるマネジメント手法です。

『行動計画』作成のお奨め (再)

 当社は、
①出来上がった基本計画に明らかに不備があるが、
②諸般の事情で改正が出来ない
という事情にある中心市街地に対して、計画の不備に対応することで活性化の実現を担保するため、対応策として『中心市街地活性化行動計画(仮称・以下単に『行動計画』)』の作成を提唱しています。

 多くの『基本計画』は後で確認しますが、基本的な構造に不備があり、このまま計画を推進してもその結果として中心市街地が活性化される可能性はほとんど期待できません。
このところ集中的に取り組んが『基本計画』の検討や、各地の計画内容の検討を通じて、このことはさらに鮮明になったことと思います。

 しかし、『基本計画』の不備があきらかになったとはいえ、作成から一年足らずで大幅な改正をするというのは、制度的に難しいかも知れません。「改正」には相当のエネルギーが必要であり、その分、肝心の活性化への取り組み、意欲に負の影響がでないとも限りません。
 また、『基本計画』には市街地の整備改善や都市機能の増進などについての計画も多数含まれているわけですが、現時点での「見直し」ともなると、各方面への予測しがたい影響が出る可能性も否定できません。

 ということで、あらためて『基本計画』を上位計画としながら、新たに「行動」レベルの計画を作成してその「不備」に対処することで、基本計画本来の目的を達成しようというのが『行動計画』の趣旨です。

 これまで何回も引用、説明しているとおり、国は、『基本的な方針』において、従来、商業の活性化についての取り組みが期待されたような成果を挙げられなかった原因として、
①個々の商店街ごとの活性化努力にとどまり、複数の商店街による広域的な中小小売商業の発展に結びついていないこと
②もっぱら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業の競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取り組みが不充分であったこと
③主に事業を営む中小小売商業者を中心とした取り組みであり、地権者等との連携が不充分であったこと
④まちの様々な事業主体との連携が不足していたこと
が挙げられています。
 これらを踏まえて、今後の取り組みは、
1 商業者を取り巻く様々な関係者との連携に立った意欲的な中小小売商業者による
2 業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し3 周辺地域に波及こうかの認められる商店街等中小小売商業の高度化を通じた
4 中心市街地の賑わい回復に資する取り組みを戦略的かつ重点的に促進する
というように枠組みされています。
(『基本的な方針』第7章2 (1)中小小売商業高度化事業②趣旨) 
 この構枠組みを当該中心市街地の問題情況を踏まえて、「シナリオ」に作り、かつ、具体的な取り組みの連鎖として計画するか、ということが『基本計画』の主任務ですが、実際の計画ではこの「趣旨」が期待するものにはなっていません。

 取り組みの枠組みを簡潔にまとめてみますと、
①事業主体は中小商業者である
②主要な事業領域は「業種揃え・店舗配置」、「基盤整備」、「ソフト事業」である
③関係各方面と連携しつつ、戦略的に、重点的に事業を実施する
ということです。( あらためて身近な『基本計画』の骨格と比較して見てください。)

 当社が提唱する『行動計画』は、この「商業の活性化」への取り組みの中核部分について、あらためて
①『基本的な方針』及び当該中心市街地の問題情況を踏まえ
②現状からスタートする「活性化への道」をシナリオに描き、
③「活性化への道」をたどるために必要な各般の事業を計画し、
「実現への行動」を組織するものです。

 キーワードは、
「中小小売商業者が事業主体」「①業種揃え・店舗配置、②基盤整備、③ソフト事業の一体的促進」ですね。

 行動計画の作成にあたって、特に留意しなければならないこと:
①「業種揃え・店舗配置」は既存店舗の業容革新を含む
②既存中小商業者の経営技術の向上・革新が喫緊の課題である
ということ。
この二つの課題への取り組みを如何に効果・効率的に立案できるか、というところに『行動計画』の成否、ひいては中心市街地化の成否が大きく左右されるといって過言ではありません。

 作成されている『基本計画』の基本的な「欠陥」、補完するための『行動計画』の必要性、『行動計画』の要件などについて、あらためて確認してみました。

 ということで、当社は研究者ではなく「業者」ですから、“出来ないことはいわない、言ったことはやる”わけでありまして、“『行動計画』の作成」が必要であり、作成しなければならない”
という境地に至った皆さんの取り組み、計画作成~実務実践のプロセスを首尾一貫、指導支援する、というのが㈲クオールエイドの事業機会です。

 このところ強調しているところですが、当社のキャパから支援可能な件数は自ずと限られます。目下「協働体制」の構築を目指していますが、機能するようになるまでは時間が掛かりそうです。
「アクセル」問題など、喫緊の取り組み構築が必要な中心市街地、商店街の皆さんは、なるべく早くコンタクトをとってください。
 
 いろいろと事情につい思案する前に、何はともあれ、当社に事情を説明されることをお奨めする次第です。

中心市街地のテナントミックス

 中心市街地活性化、取り組みの特徴の一つは「専門用語」が定義無しで濫用されていることです。
問題領域が多岐に渡り関係者も多様な取り組みですから、各専門分野についてあらかじめ所要の知識を持った人ばかりが参加しているわけではありません。たとえば、都市計画系と商業系とでは使用している用語は同じでもその意味するところは全く違う、ということはいくらでもありそうです。
例えば「回遊」とか「吸引力」とか。

 基本計画の作成を牽引する専門家がスタート時点でまず最初に実現しなければならないのは、「専門用語の定義の共有」ですが、果たして実際の取り組みでこの作業が行われたでしょうか?
 ほとんど行われていません。その証拠に「基本計画」には「用語集」が付いていません。作成過程に参加していない人(特に商業者)にも配付、理解してもらわないと事業推進がうまく行きません。
本来なら、計画決定後、商店街・商業施設を対象に説明会を開く、計画書を配付する、といったことは当然やらなければならないことですが、行った都市は極めて限られているのではないでしょうか。商業者に説明しなくても実行できる事業だけが計画されている、ということでしょうか。

 今からでも遅くはない(遅かったとしても)ので、特に商店街の皆さんには「中心市街地・商業の活性化はこういう段取りで実現する」という説明会を開かれたら如何でしょうか。

 これから基本計画の作成に取り組まれるところは、ぜひ心掛けていただきたい。
その時、「これじゃぁ、おらっちには関係ない」などとそっぽを向かれないように。

 前置きが長くなりましたが、標題について。

 基本計画ではよく「テナントミックス」という言葉が使われています。もちろん定義抜き、です。

 文脈から判断すると、
①空店舗・空地を利用して
②欠業種・業態を誘致する 
ことらしいと分かります。

 テナントミックス=空店舗(出来れば空地にも)を欠業種・業態で埋めること、ですね。もちろん、右から左にこちらが寄贈する業種業態の出店希望が出てくることは難しいので、「だれでもいいから空店舗埋めて」ということになってしまったりする。

 いずれにしても、テナントミックスとは空店舗にテナントを誘致すること(つまり、テナントリーシング)、という意味で使われています。ここからテナントリーシング(SC)=ショッピングセンターのスキルということでSC経験者がタウンマネージャーに招聘されたりするわけです。

 テナントミックスの本当の意味は、
①商業集積が全体の業容で実現する「来店目的」を定義する
②②を実現する業容三点セットを構想する
③品揃え~売場揃え~テナント構成を計画する
④適格テナントを集め・配置する
⑤最適状態を維持する
ということです。
まあ、SC業界でどう定義されているかは知りませんが。

 中心市街地活性化の文脈で使われるとき、「テナントミックス」は“街ぐるみでの業種揃え・店揃えの最適化”であり、ここでいう「業種揃え・店揃え」とはとりもなおさず、「街ぐるみでの品揃え」のことです。わが商店街ではどのような類型のショッピングが可能か、ということ。

 つまり、機能が空洞化している商店街を「業種揃え・店揃えの最適化」に取り組むことで「ショッピングの場」として再構築する、というのが中心市街地・商業の活性化の目標ですね。
皆さん、耳にたこができているかも知れませんが、このことはしっかり覚えておいてください。
他の文脈で使われたらビビッとアンテナに響くくらいに。

 テナントミックスは、“空き店舗に商店街には無い業種の店を誘致する”とか、“一流ブランドショップを誘致する”などで実現できるほど簡単なことではありません。
上記①~⑤に取り組むことが「業種揃え・店揃えの最適化」であり、これを実現することで集積としてのターゲットに想定する消費購買行動に対する吸引力を創造し、同時に各個店の「売り上げ」を確保する基本条件を作ります。

 そのためには、『基本計画』段階で「中心市街地の商店街・商業施設が一体となって実現を目指す「商業機能コンプレックス」を定め、単位商店街・商業施設のあるべき姿を描き、既存の各個店が「テナントミックスの最適化」の取り組みに積極的に参加し、各個店の業容革新を通じて集積の業容構築に参加する、という仕組みを作らなければならない。

 これを実現しないと。
①中心市街地の集客力が構築できない
②劣化スパイラルは加速の一途
という結果が必ず起こります。

 余談ですが、当社が提案・提供している「商人塾」は、中心市街地、現状ありのままからスタートする「テナントミックス最適化の道」でもあるわけです。

 さて、新スキームをしっかり理解していれば「テナントミックス」とは“業種揃え・店揃えの最適化”のことであり、それは“売場揃え・アイテム揃え”につながり、既存各個店の「業容革新」に直結している、ということは「専門家」ならすぐ分かることです。
そうしますと、活性化の実現には既存各個店の「業容革新」が必須であり、もちろん、これは業績不振に苦しむ各個店の利害とも直結しています。

 『基本計画』のメイン課題=「テナントミックスの最適化」の取り組みにおける最重要課題は、まず「既存個店の業容革新」であるという問題意識を共有することです。
 そのためには、「テナントミックス」という専門用語の意味するところをきちんと理解し、かつ、その理解を関係者全員が共有していることが必要です。
 なにはさておき、計画作成に関わる人たちは「勉強」を重ねて理解を共有しておかないと、「知恵」が出てきません。知識の裏打ちの無い意見は「思いつき」の域を出ませんからね。
思いつきが悪いわけではありませんが、採用するについては理論・知識による「裏打ち作業」が必要です。

 長くなりましたが、中心市街地活性化のスキームにおける「テナントミックス」の意味と意義、あらためて確認してみました。「テナントミックス」をこれ以外の意味で使うときは、それなりに定義し、かつ、使用する意義を明らかにして関係者で共有しないと何のために専門用語を持ち出したのか分からなくなります。

 というところで基本計画作成済みの皆さんへご質問。
皆さんの『基本計画』、作成に参加しなかった人を含めて関係者に何が「共有」されていますか?

 前回の基本計画作成~実施プロセスで確保し、現在も活用していることがありますか?
それは何ですか?

基本計画 一年経過時点の成果は?

 新スキームに基づいて作成された基本計画、続々と一年を経過しています。
果たして成果の方はどうでしょうか。

 takeoが関心をもっているのはもちろん、商業の活性化の達成具合について。それも具体的に。
一年間の事業取り組みの結果として、「繁盛」を実現した、あるいはその可能性が明確になったお店が何店舗あるか?
ということです。
え?そんな取り組みはしていないんだけど? という声が聞こえてきそうですが、すべての取り組みはこのことを目的に取り組まれているはず、活性化=経済活力の向上ですから即ち繁盛店が続出することが商店街の活性化、です。

 繰り返しますが「商業の活性化」とは繁盛店が続出すること、ですからね。(それとも他に定義がありますか?)
中心市街地立地において「活性化事業に取り組めば繁盛できる」ことを実証することが喫緊の課題、実証すれば空き店舗を利用した新規出店の可能性や、廃業を検討していた人が思い返して再チャレンジする、という可能性も出てきます。

 繁盛店を実現するということは、中心市街地・商業の活性化の取り組みにおいて最重要課題であることはいうまでもありません。

 そこで、新規取り組みスタート 満一年の総括として、
事業に取り組んだ結果、繁盛を実現した店舗が何軒生まれたか、ということは極めて重要なチェックポイントです。

 もし、期待したとおりに繁盛店が生まれていれば、基本計画に定めた「方向と方法」が実効性を実証したことになりますから、さらに取り組みを強化、スピードアップすることになる。
期待したように繁盛店が実現していなかったら、計画あるいは取り組みのどちらかに問題がある、ということですから早急に手を打たなければならない。

 え?、繁盛店の実現なんか計画に入っていないんだけど。
というところは、大問題。いったい何をもって計画をチェックするつもりですか?
通行量? 全体の販売額? そんなものでは判定不能です。
とれとも5年先まで何のチェックもしないつもりですか?

 ということで。
無いものは仕方がありません。今からでも「繁盛店の創出」を事業計画の欄外にでも加えて、繁盛店を実現する取り組みを企画してください。
一年経って一店も実現できない「繁盛店」が、二年、三年、五年経ったからといって一斉に実現できるはずがない。ムリです。

 一年経った時点で、計画された事業に取り組んだ結果として「繁盛」を実現するお店が続出しない基本計画は、少なくとも「商業の活性化」に関する限り、ハッキリ、間違っていると思います。
(それともこれから続々と生まれてくる、と論証できますか?)

 そこで提案です。
計画推進一年を経過して「繁盛店」がちっとも見えてこない中心市街地は、別途「繁盛店づくり」の取り組みを計画すべき。

 折から国は中小企業の「経営革新」を重点事業として施策を講じています。

これを活用して次のような取り組みを企画、繁盛店づくりを推進されることをお奨めします。
その一
その二

 この企画は、今年度既に取り組みを決定しているところ、検討中のところがあります。興味のある方はメールでどうぞ。

 一周年を迎えるところ、二年目に入るところ、プレッシャーは強くなるばかりです。石にかじりついても繁盛店を作り出さなければならない。
 くどいようですが、「繁盛店づくり」に取り組まずに中心市街地を何とかしようというのは、あまりにも虫が良すぎる考え、消費者には通用いたしません。

続きはサイトの【都市経営】で。

RSCが実現している「中小小売業の競争力」

 RSC=「リージョナルショッピングセンター」=広域型ショッピングセンターと直訳されていますが、このSCが分担している小売機能は、「パーソナルニーズ・セルフ」という消費購買ニーズです。(ちなみにこのことを発見したのは、ご承知のとおり、takeoですね)

 RSC、特にわが国のRSCの場合、集客力はモール部分が主要に担っています。もはやGMS(「ホームニーズ・セルフ」という消費購買ニーズに対応)はRSCの核機能を果たすことが出来ません。モール部分との乖離が著しい。

 モールの集客力とは何か?
「中小小売業の競争力の根幹」である「業種揃え・店揃えの最適化」を日々実践しているのがRSCのモール部分です。
つまり、ここでは恒常的に「業種揃え・店揃えの最適化」が取り組まれているわけで、「競争力の根幹」を強化する・最適化の取り組みはショッピングモールでは既に取り組まれているわけですね。まあ、単にテナントの入れ換えに過ぎない、と言う見方もありますが。

(こうしてあらためて考えてみますと、かって「市街地の整備改善のための事業」と「商業等の活性化のための事業」を“一体的に推進することで実現を目指す目標”が「中心市街地に立地する商業集積群を一個のショッピングモールに見立てて活性化を実現する」とされていたときの、「ショッピングモール」の意味するところが明白になります。
ショッピングモール即ち、中小個店による業種揃え・店揃えでつくられたモールを中核とするパーソナルニーズ対応型の商業集積です。

 このことが理解されないと、ショッピングモールをめざす、といいながら、アーケードの整備だったり、空地・空店舗へのテナント誘致だったり、挙げ句の果てはRSCを誘致したり、というハチャメチャになってしまうわけです。
「理論」の必要性、あらためて確認してくださいね。

 思えば。
中小商業の競争力の根幹は「業種揃え・店揃えの最適化」にあるということは、ずうっと以前から国によって提唱されてきました。
「高度化事業」とはそのための事業だったわけです。

 ところが実際の高度化事業ではもっぱら施設整備・ソフト事業に偏重し、「業種揃えの最適化」は高度化事業と並行して商店街・個店が独自で取り組むこととされていたわけです。
高度化事業に取り組んだことがある人は、計画書に個店の「業容革新」について計画して提出することになっていたことを覚えていらっしゃるかも知れません。コンサルタントの「作文」で済ませたから覚えていないかも知れません。
いずれにせよ、「業容革新」に個店ごとに取り組む、というスタンスが二重に間違っていました。
第一に、個店レベルで業容革新に取り組むノウハウが無かったこと。第二に、「最適化」の基準となる集積として分担する商業機能を明確にしなかったこと。

 こうして商業の高度化は、施設・サービスの高度化に終始し、肝心の「業種揃え・店揃え」は共同店舗によるSMつくりを除いて全く取り組まれませんでした。
行政もこのことを総括することもなく、『整備改善活性化法』の「基本的な方針」にはあらためて「業種揃え・店揃え」が競争力の根源=集約力そのものであることを明記しながら、実現への適切な指導は行われなかったし、もちろん、総務省の行政評価には一言も出てきませんでした。

 ショッピングモールがモール部分のテナントミックスの最適化の取り組みによって集客力を維持・強化している状況を見ると、今さらながらに、「業種揃え・店揃え=テナントミックス」の最適化こそが中心市街地・商業の活性化の最大の目標だ、ということが理解されることと思います。
この課題への取り組みをきれいさっぱり放棄していたわけですから、あなた、周辺事業にいくら精を出してもお客が集まってくるはずは無く、活性化が実現するわけがありません。

 ということで。
中小小売商業の競争力の根幹は、「テナントミックスの最適化」にあるわけで、(おっと、この場合、中小小売商業とは中小小売店舗のことであって、資本規模などは無関係ですから念のため)そのモデルはRSC即ちショッピングモールに実現されています。

 では、中心市街地の中小商業が一致団結、実現を目指すショッピングモールは既に郊外で実現されているではないか、とお考えのあなたがもし、当サイト初見参の新人であればなかなか鋭い着眼ですが、常連さんですとチト問題です。

 パーソナルニーズには、「セルフ」とラグジュアリィ志向の「カスタマイズ」がありまして、中心市街地はもちろんカスタマイズニースを標的とするモールを目指します。
(常連さんには常識ですね)

 カスタマイズ志向のパーソナルニーズに対応するショッピングモールとしての再構築、これがクオールエイド社が目下到達している「中心市街地活性化への道」、個店と組織が一体となって実現を目指す中心市街地立地の商業集積が分担する商業機能です。

 もはや迷うことはないと思いますが、如何でしょうか。
今年度、当社はわが国においてはほとんど実現されていないこのタイプの商業集積としての再構築を目指す取り組みを力の限り、支援していく所存です。
あなたの都市も、こっち系を目指すなら、一日も早く当社へ連絡を。
「実現への道」を案内できるのは目下のところ当社だけ、案内無しで取り組むのもスリルがあって面白いかも知れませんが、失敗したときのリアクションがコワイはすです。 

中心市街地 中小商業の高度化と個店の活性化

 多くの基本計画において、中心市街地に立地する個々の中小小売店はどのように位置づけられているか?
ほとんど言及されていない、というのがこれまでに作られた基本計画の水準ですね。
なぜ言及されていないのか?

 中心市街地の中小小売店は、中心市街地活性化の実現にどのような役割を果たすことが期待されているか?
な~んにも期待されていない、というのがこれまでの計画ですね。
それとも何か、中小個店に対する要望とか期待かとか努力目標などを掲げている基本計画がありますか?
ありませんね。

 それもそのはず、小売業の盛衰を決定するのは「街区の居住人口」であり、「交流人口」であり、「街区の通行量」だというのが多くの基本計画が意識的・無意識的に依拠している「商業理論」ですから、個店はひたすら人口や通行量に左右される受動的な存在であり、個店が自力で取り組める「シャッターの内側」の改革などは、人口や通行量の増大に何の影響も及ぼすことが出来ない、と見なされていますから、個店ごときに取り組んでもらう必要はない、というわけでしょう。

 一方、商店街を商業集積・ショッピング行き先である、と普通に考える立場にとっては、「ショッピング行き先」としての「個店・売場」の機能を整備することは、何よりも優先的に取り組まなければならない課題です。
商店街活性化の骨幹的課題が「業種揃え・店揃え」である、とはまさしくそういうことですね。

 ここでいう「業種揃え・店揃え」とは、突き詰めれば「この商店街ではどういうショッピングが出来るのか」という消費購買ニーズからの問いかけに対する回答であり、「品揃え・アイテム揃え」がその答えの中身です。
業種揃えとは、空き店舗に補助金を利用して欠業種を誘致する、というレベルの話ではなくて、“この商店街では何が買えて何が買えないか、それはお客の消費購買行動にとってどう評価されるか”ということを考え、商店街ぐるみで「ショッピング行き先」にふさわしい「品揃え」を実現するのだ、ということなんですね。何度書いたことか(笑

 つまり、商店街の街並み(ショッピングモール)はいったいどのような業容(アソートメント、アシスタンス、アンビオンス)の個店群で構成されているのか、ということが「業種揃え・店揃え」の問題であり、「業種揃え・店揃えの最適化」を目指すとは、商店街が実現を目指す「ショッピング行き先」を構成するにふさわしい業容の個店をとおりに配置する、ということ。

 この配置はもちろん、
①既存個店の業容の革新
②空き店舗への適格店舗の誘致
の二つを柱とする取り組みで実現していきます。
これがタウンマネジメントの基本業務です。

 “中小小売商業の競争力の根幹である「業種揃え・店揃えの最適化」”は、既存個店の業容の革新及び空地空店舗への適格業容の誘致という取り組みを通じて実現されるわけです。
どうもこのことがよく理解されていないのではないか?

 言うまでもなくRSCのモール部分は、中小小売店舗によって構成されています。
モールの顧客吸引力は「中小商業の競争力の根幹」である「業種揃え・店揃え・アイテム揃えで実現されていますよね?
モールに参加している中小個店にとって「競争力の根幹」は、GMSの集約力ではなくて「モール自体の業種揃え・店揃え」です。もちろん各テナントは、モールの一員にふさわしい業容を実現し・維持しなくてはならない。
モールに出店したテナントが、モールの「業種揃え・店揃え」とは無関係に自分の都合だけで業容を考えていたら、たちまち「業種揃え・店揃え」から脱落、退店のやむなきに至ります。

 「まちを一個のショッピングモールに見立てる」というアプローチの本当の意味が今度こそ分かりましたか?

 “商店街を一個の「ショッピングモール」に見立てるという提案は、「業種揃え・店揃えの最適化」を追求しなければ「集積間競争」時代における商店街の活性化は実現できない、という認識に基づいています。
RSCを成立させているのは、究極、それを構成している個々の店舗の業容です。それぞれの個店が相乗効果を発揮する業容を実現することで全体の魅力を創り出しています。

 商店街の場合も同様でありまして、お客から見た「ショッピング行き先」として使いたい売場がどれだけ揃っているか、ということが買い物行き先としての商店街再生のバロメーターになるわけです。

 あらためてこのように考えますと、商店街立地の各個店は、「活性施策の推進で救済されるべき存在」ではなくて、「繁盛を再生するためには商店街が取り組むべき「業種揃え・店揃えの最適化」に積極的に参加し、その実現を目指さなければならない、ことがよく理解されると思います。

 個店は、将来にわたる繁盛を実現するためには、「商店街のテナントミックスの最適化」に参加しなければならない。商店街は、「買い物行き先としての役割」を再生するためには、立地する個店の業容革新を組織し、空地空店舗の活用と相まって「商業集積としてのあるべき姿」を実現しなければならない。

 個店の業容革新を無視した商店街の活性化は実現できず、また、商店街の「買い物行き先としての再構築」という方向と連携しない個店の自助努力は将来にわたる繁盛を約束するものではありません。
商店街の取り組みと個店の取り組み、一体的に考えることが不可欠ですが、そのためには「小売業の高度化」と「業容」という「専門用語」を十分理解し、日常的に使いこなすことが不可欠です。

 ということで。
「個店の繁盛実現と商業集積の活性化」にどう「一体的に取り組んでいくか」という問題は、『整備活性化法』当時から中心市街地・商業の活性化の根本課題ですが、しかしみごとにスルーされて来たため、「袋小路」に突っ込んでしまっている、というのが現状ですね。

 袋小路からの脱出は、「個店の繁盛と集積としての再構築
」に一体的に取り組んでいく「論理と戦略」無しには不可能だということ。
そろそろ「実践段階」に入らないと「使える時間」がありません。

「中小小売商業高度化事業」

 「中小小売商業高度化事業(以下「高度化事業」)」は、『整備改善・活性化法』ではじめて登場した、中心市街地活性化を考える上で欠かすことの出来ない概念(専門用語)ですが、その意味するところをどれだけの人が理解しているか、といいますと、さあ、どうでしょうか。

 少なくとも、これまでにWeb上に公開されている基本計画ではほとんど理解されていないように見受けられます。
これは大変なことでありまして、
○高度化事業を理解しないで、高度化事業を適切に計画することが出来るのか?
○高度化事業を理解せずに計画された高度化事業で中心市街地活性化を実現することが出来るのか?
という大変な疑問が生じるわけでありまして、これは本当に大変な問題なのですが、皆さん、大変な問題だ、ということは理解していますか?

 中心市街地活性化のスキームでは多くの「専門用語」が、定義しないままで使われています。特に商業関係の用語については、多くの場合、定義が行われていなかったり、定義されていても実態にそぐわなかったりしているため、スキームの構築にあたってはあらためて定義することが必要だったと思うのですが、「ショッピングモール」など定義抜きで使われており、このことが原因となって生じている混乱もあるようです。

 ということで、スキームを十全に使いこなすには、まずは専門用語を理解するという作業が必要です。多くの場合、定義されていないので、前後の文脈関係から理解する、という作業も必要になります。そうしますと否応なく「商業をどう理解しているか」ということが問われるわけですね。

 ここで取り上げるのは、「中小小売商業高度化事業」という用語です。初出は、『整備改善活性化法』です。
その意味するところは、(以下、「都市経営・入門編」過去記事から引用)
「中小小売商業高度化事業の趣旨」

*********** 元記事における引用 *************
『基本的な方針』第7章 (1)中小商業高度化事業
①趣旨
 中心市街地における中小小売業業の活性化のための取組が、従来、
1.個々の商店街ごとの活性化努力に止まり、複数の商店街による広域的な中小小売商業の発展に必ずしも結びついていないこと
2.もっぱら基盤整備などの周辺事業に止まり、中小小売商業としての競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が不十分であったこと
3.街のさまざまな事業主体との連携が不足していたこと
などを踏まえ、商業者を取り巻く様々な関係者との連携の上に立った、意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、周辺地域への波及効果の認められる商店街等中商小売商業の高度化を通じた中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的かつ重点的に促進するものである。

*********** 元記事における引用終わり ***********

そもそも「中小小売商業高度化事業」とはどういう事業かといえば、
法第七条「定義」7 に定められている、
①商店街整備事業
②店舗集団化事業
③共同店舗等整備事業
などです。
参照:
空店舗などにも適用されます。

高度化事業とはこういう事業のことですから、
「中小小売商業の高度化」の目的を「商業機能の高度化」すなわち、
①高度化している消費購買行動への対応
②多様・激化している競争への対応
 というように、活性化を実現するために必要な努力の総合と考えれば、「中心市街地の商業の活性化=商業機能の高度化」は、法定の「中小小売商業高度化事業」の取り組みに終始するものでは無いことは明らかでしょう。

「中小小売商業高度化事業」は、「中心市街地の商業の活性化」という目的を達成する目標である「中心市街地の商業機能の高度化」を実現するための事業ミックスの一部を構成するものである、という位置づけです。
もちろん、どのような高度化事業をどのような仕様で実施するかは、中心市街地に実現を目指す「商業機能」によって規定されます。

 ここで述べられている「趣旨」を視点に高度化事業を構想するならば、必要な事業・取組の範囲は、高度化事業の範疇に止まるものではない、ということですね。

“意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、周辺地域への波及効果の認められる商店街等中小小売商業の高度化を通じた中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的かつ重点的に促進するものである”

「中小小売商業の高度化」は、高度化事業の手法、上記①~③を駆使して取り組む、業種構成・店舗配置の最適化、基盤整備、ソフト事業を総合的・一体的に展開・推進することで実現されるもの、高度化事業による施設整備はそのための手段です。

 目的は、高度化事業の計画・実施ではなく、「商店街等中小小売商業の高度化」であることをくれぐれもお忘れなく。

 人通りが増える、大型店を誘致する、あるいは街区の整備、共同施設の整備などなどに「つまみ食い」的に取り組めば「商店街等中小小売商業の高度化」が実現する、その方向に接近できる、というのは大きな誤解です。

法に定められた中小小売商業高度化事業は、
①高度化している消費購買行動への対応
②多様・激化している競争への対応
すなわち、様変わりしてるい経営環境において中心市街地の「商店街等中小小売商業」が活性化するための取組の総称としての「商店街等中小小売商業の高度化」への取組、事業ミックスの一環として位置づけられ、取り組まれないと所期の目的を達成することはできません。このことは声を大にして強調しておきますね。
 〈引用終わり〉

 「中小小売商業の高度化」と「中小小売商業高度化事業」の関係が理解されたでしょうか。
ちなみに引用したのは2006年8月の記事です。
基本計画作成の関係者(担当者・受託者)が『基本的な方針』をしっかり読み込み、「中小小売商業の高度化」と「中小小売商業高度化事業」の“区別と連関”を理解し、計画作成に反映させ、この計画をもとにTMO以下の組織が「業種揃え・店舗配置、基盤整備、ソフト事業」を一体的に推進することで「ショッピング行き先」としての中心市街地の再構築に取り組んでいれば、中心市街地の様相は今とは異なり、
①「総務省の行政評価」の内容が異なり
②「まちづくり三法」の改正内容が異なり
さらにいっそう「中心市街地における商店街等中小小売商業の高度化」を推進する方向で「紛れ」のない方向と方法が提示されることになったかも知れません。

 ということで、『基本計画』を作ってしまったところも、これから作る都市も、「中小小売商業の高度化」という文言の意味することについては、もう一度しっかり確認されたうえで、「何を為すべきか」あらためて構想することが必要だと思いますが、あなたはどう思われますか?

基本計画のマネジメント

 都市において中心市街地活性化基本計画をマネジメントしているのは誰か?
計画のマネジメントとは、計画を作成し、実施組織を立ち上げ、実施プロセスを統制し、実施結果を評価する。
さらに評価の結果を計画に反映する。
という作業です。通常「経営管理」と言われる業務です。
既存の基本計画でこの業務に当たる組織を指定しているものは皆無ですね。
本来なら当然、基本計画の作成にあたった行政の部局が担当するわけですが、そもそも基本計画の作成を所掌した部局が明記されているのは「中心市街地活性化推進室」を立ち上げているところだけですが、ここが「基本計画のマネジメント」を担うことが明記されているかどうか・・・。

 一部では、活性化協議会の任務に類似業務が課せられていることもありますが、協議会は協議体、「マネジメン能力」は装備されていないはずです。

 基本計画の管理はなぜ必要か?
内外環境が揺動定まらない状況において、しかも状況を把握するための理論や、実践を推進する技術が不充分なままスタートする活性化の取り組みですから、計画が万全であることは期待できず、また、実践も計画通りに進むとは限りません。

 取り組みの進展、時間の経過に伴って、計画~実践を評価し、所要の改善を行う体制を作っていくことは大変重要であり、計画~実践の全体を管理する職能は不可欠です。
 これが設置されていないと言うことは、適切な事業評価~改善の機会を持たないまま、5カ年間を過ごしてしまう、その結果、計画は推進されたが目的は達成出来なかった、という致命的な欠陥をもった取り組みになる可能性があります。

 takeoが基本計画のプランニングに携わったスキルを高く評価できない理由の一つはこのことにあります。

 即ち、プランナーさんは「法」のスキームに即して中心市街地活性化に取り組んで行くにあたっては、「基本計画を管理する」という重要な業務があり、これを担う体制を基本計画に織り込んでおくことが必要だ、という、プラニングのイロハに無知のまま計画作成を担当してしまった、という実態があるわけです。
このことが意味するところはなにか・・・・・?

 緊急の問題は、当サイトがこれまでに作られている『基本計画』に共通する重大な問題点を指摘しても、それを「自分の責任・仕事」と受け止め、対処しようとする人が現場にいない、ということです。
プランニング実務を担当した外部受託業者はとっくに退出していますし、委託した部局は「作成」は担当したものの「管理」については“聞いていない”ということでしょうから。

 ということで、当サイトの重大な問題提起は、これを自分の職務に直接関わる問題だと受け止め、執務の参考にしようとする人は極めて限られていることになります。

 早い話。この記事を読んでいらっしゃるあなたのまちでは、サイトにおける最近の問題の指摘や提案をどう活用することができますか?

 「計画作成プロセス」を管理する体制が必要だということですが、本来なら業務を委託する行政が担うべき任務ですが、先行事例を見る限り、わが国の行政機関にそのような機能が備わっているとは思われません。
対応としては、「計画作成プロセスを管理する業務」を外部に痛くすることになります。

 制度的にこれに対応するのは、中小機構の商業活性化マネージャーだと思いますが、スキームの完全な理解に加えて「計画管理スキル」+「商業理論」という能力を備えた適格者を、だれが・どのようにしてピックアップするのか、という問題があります。
制度に頼らず、自力で調達する、という方法もありますが、やはりピックアップする能力が問題です。

 いっそのこと組織内で所要のスペックを明示して募集する、というのも一法かも知れません。
その場合、従来の組織ビヘイビアとの関係を調節する、という作業が必要になるでしょうが、本格的な「都市経営」を志向する場合、遅かれ早かれ出てくる問題、中心市街地の場合は、スキームが降りてきていますからその分、やりやすいと言えばやりやすい。
ビヘイビアの改革改善を図るという点からも一石二鳥かも知れません。

 「計画作成プロセスの管理」という業務をどうこなして行くべきか?
外部受託は選択肢だと思いますが、中心市街地活性化 関連業界のプランニング能力の水準からして、計画作成業務の受託先とは別立てで確保することが必要ではないかと思います。計画作成業務の委託先が「本当に実効ある計画を作るプロセスをマネジメント」してくれるとは限りません。

 多くの都市がこのような問題状況に陥っているわけですが、考えれば考えるほど大変な事態、当社との連携抜きで脱出できるとはとうてい思われないのですが・・・。

「アクセル」誘致の意義

 先日、RSC進出について論議が続いている中心市街地の勉強会に参加しました。
『中心市街地活性化実現の方法と方向』の内容について、二日間、6時間の勉強です。
「アクセル」をめぐる推進派と反対派の対立、各地で起こっているようですが、結果としてどちらが実現しても「責任」は大変重くなります。
今回の勉強会は、進出という大まかな方向が決定するなかで、どのような対応策が考えられるか、という、切実かつ、状況を先取りした課題への取り組みでした。

 結論は、進出が「中心市街地活性化のアクセル」になるかどうかは、オープンまでの2年間に皆さんが何に・どう取り組むかに掛かっている。“イオンが出てきてよかった、お陰で商店街活性化に取り組み、成功した”といえるかどうかは皆さんの店づくり・まちづくりの取り組み次第、ということ。
毎度のことながら、中には引き気味の人もありました。
 事後のアンケートを見せてもらいましたが、「市の回し者ではないか」という評もあったりしまして。

 「イオンが来る・迎え撃つぞ」「ラグジュアリィモールとしての再構築」を合い言葉に、商店街発生以来始めて、という質と規模の取り組みを組織することが出来るかどうか。
出店を「ラスト・チャンス」にうまく利用していただきたいものです。

 と言うことで、当サイトでは「回遊性の創出は不可能」などと、何かと批判することの多い「アクセル」ですが、出てくると決定したからには、表はもとより裏に回っても出来る限り利用しなければならない。
このあたり、これまでの出店の経緯・現状を見ますと「してやられた」という感が強い。もっともRSC側も「回遊の創出」を期待されても何をどうしたらいいのか、皆目分からない、というのが正直なところ、「共存共栄」も出来れば実現したいところですが、どうすれば実現できるかは分かりません。
もちろん、そのために自社の収益を損なうことはまっぴら、ということでしょうから、何にも期待は出来ません。

 「回遊」とは、RSCが広域から集めたショッピング客を街なかに引き込むこと、くらいにシビアに考えておかなければならない。「RSC」という来街目的を「RSC&商店街」に、さらには「商店街」に変えることが出来るかどうかは、商店街の取り組み如何に掛かっています。
当社の知り合いにはゆめタウンが集めたお客をこっちが引き剥がす、と威勢のいい商店街もありました。

 アクセル、商店街の皆さんの自助努力の組織化に利用できなければ、その導入は商店街の空洞化をいっそう加速するだけです。

 アクセルの進出にあたっては、「回遊性の創出」など共存共栄の実現を担保する「協定」を締結する自治体もあるようです。でも、何を協定すれば回遊が担保されるのか、双方無知のままでの協定ですから、出来上がってみると「何のお役に立つのやら」というものばかり。
商店街とRSC間にシャトルバスを運行する、などが切り札視されていたりしますが、これはRSCにお客を運ぶだけ、RSCからの回遊はありませんからね。

 協定を結ぶならもっと重要、もっと切実なことがあるのですが、まあ、ここで手のうちを見せるとRSCさんに対抗策を講じられそうなので(笑

 アクセルの誘致を商店街活性化にどう利用するのか?
これまでの事例ではほとんどが失敗しています。
失敗事例を踏まえつつ、どう利用すれば「起死回生」の一手になるのか、商店街の皆さん自身が自分たちの問題としてしっかり取り組むことができれば、「アクセル」誘致の意義も最小限は確保されます。
商店街の奮起が無ければ、アクセル誘致の成果はアクセルの独り占めに終わりますからね。

 その第一歩は、RSCについて、中心市街地阿活性化について、しっかり勉強する機会を早急に確保することです。「勉強」抜きでアクセルを利用したり、対応したり出来ると思っている人はいないと思いますが、勉強しなくちゃ、と思いつつ実現できなければ、もう何が起きてもかまわない、と努力を放棄していると見なされてもやむを得ない。
「中心市街地活性化」も夢のまた夢で一件落着、ですね。

※当サイトにおいて、「アクセル」とはご承知のとおり、10,000㎡以上の集客装置、とりわけ商業施設・特にRSCのの中心市街地への誘致を指しています。

基本計画 目標数値の怪

 中心市街地活性化の新スキームでは、総務省の行政評価など従来の取り組みの総括を踏まえて、実効ある取り組みを促すために、新たに作成される基本計画においては、具体的な目標数値を設置することになっています。Web上に公開されている基本計画にはそれぞれ目標数値が設定されていることは皆さんご承知のとおりです。

 ところがこれまた多くの基本計画に共通していることですが、特に、商業の活性化・「賑わい創出」という事業領域における目標の選択および設定の仕方には大変な問題があります。
その問題の度合いたるや、実際に確認されると
①いますぐ目標設定を変更しなければならない
②プランニング能力の欠陥が歴然、担当者を変更しなければならない
という結論がでてしまうというレベルなのです。
以下、簡単に説明します。

目  標:「賑わい創出」
目標数値:「通行量の増大」

目標について:
 そもそも、通行量が増えることがにぎわい=商店街の活性化=経済活動の活性化に直結するものではないことは、当サイト、これまでも実例を挙げつつ、縷々説明してきました。通行量が増えたからといってシャッターの内側におけるショッピング行動が増えるとは限らないのです。通行量の増加がショッピングの増加に直結するのは、増えた通行量が「ショッピング目的の来街」に起因する場合に限ります。
(ここではこのことは主題ではないので、以下の論議はサイト内検索で。)

 目標数値について。

 実際に見積もられている通行量の増加は、①居住人口の増加 ②非・商業施設への来訪の増加 ③イベント参加 などによるものであり、「ショッピング目的」は記載されていても one of them です。
これでは通行量の増加が即・商店街的賑わい=シャッターの内側のにぎわいに直結するわけがない。
イベントで大量に来街したお客が①買い物客に張るわけではない ②翌日以降の通行量とは無関係、ということは実例を見れば明らかです。

 さらに問題は、通行量の増加をショッピングに結びつけるための「売場の魅力アップ」という取り組みが全く計画されていないこと。繁盛している商店街の場合、
①繁盛している個店が多い 
②繁盛店でのショッピングを目的に来街したお客がまちなかを回遊する
ということで通行量が多くなるわけですが、通行量を増やすことで繁盛を実現しようとする場合も、「売れる店づくり」は必須課題のはずですが、取り組みはほとんど計画されておらず、「商業は街の花、、住む人・来る人を増やせば商店街は活性化する、という「藻谷流(いまも主張されているのかどうか)」の弊害でしょうか。
 
 「商業の活性化」の取り組みにとって、通行量という数値目標がほとんど実効性のないものであることは、実際に取り組んでみればたちまち分かることです。
ところが、「目標期間」に問題があるため、この欠陥は最後まで発見されず、その結果、5年間の取り組みの結果は「壮大な無」の終わってしまう可能性が高いのです。

○目標設定期間の問題
 多くの基本計画に掲げられている目標数値の達成時期は、計画終了時点になっています。(大事なことですから最寄りの計画で確認してください。)
二つ問題がありまして。

第一、計画終了時点で目標が達成出来なかったらどうするのか?
第二、目標数値を達成出来たとして、「商業的賑わい」が実現しなかったらどうするのか?

 ということですね。
こういうことが計画終了時点ではじめて分かる、それまでは分からない、というのは大変なことです。

 言うまでもなく、目標は目的を段階的に達成するために設定するものです。
特に「通行量の増加」という目標の場合は、「商業活動の活性化」という目標を達成するために掲げられるわけですが、この目標~目的の関係は、「推論」を含んでいますから、取り組みながら一方でその整合性を検証していかなければならないという条件を持っています。
通行量の増加は商業活動の活性化・繁盛店の出現を促すか?

 事業に取り組みつつ、その「目的」レベルへの実効性を確認し、期待どおりの「目的達成」への貢献が生まれない場合には、目標を変更しなければならない。
上述のとおり、通行量という目標は実効性(これを実現すれば繁盛店が出現する)を実証されているわけでは無いですからね。

 ところが目標年度が計画終了年度に設定されている場合、その時点で「目標が間違っていた」、「未達だった」「並行して別の取り組みが必要だった」ことが分かっても「後の祭り」、既に商店街の機能劣化は再興不能なところまで進んでいるかも知れません。特に商業者をはじめ関係者の「意欲」はもはや「挫折」していることでしょう。結果するのはやり直しのチャンスの無い・最終的な中心市街地活性化の失敗です。

 「実効ある取り組み」とするために設定される目標、目標数値は、取り組みの目的との整合性を確認するために設定される、という側面を持っています。
目標のクリアが確実に目的達成への接近となっていることが確認されること。
予定通り目的に接近していればそのまま既成計画を推進する、接近できていなければ、目標を誤っていたか、数値を誤っていたか、取り組みに不具合があったか、いずれにせよ、取り組み・計画を修正しなければならないことが分かります。
「目標設定」にはそういう機能があることはプランニング関係者ならばイロハのイ的常識です。

 したがって、目標は、計画期間の最後に「一発勝負」的に設定するのではなく、計画期間を適切に区分し、期間ごとに目標(数値その他)を設定しなければならない。

 目標設定は、
①計画そのものが所期の目的達成の方向及び方法として妥当であるか、
②目標の達成度合いは計画期間中の目的達成を可能としているか
という二つのことについて、取り組みが結節を迎えた時点で評価するために設定するわけです。

 目標には、計画して取り組む事業の目的整合性、進捗度合いの適否を評価するという機能を果たすことが求められますから、そのためには、計画期間のなるべく早い時期から段階的に設定し、節目節目におけるチェックを可能にしなければならない。

 プランニングの常識をもとに基本計画を見たとき、計画終了時点に、それも目的との整合関係が定かではない「通行量の増加」を掲げるというのは、都市が経営資源を集中して取り組む計画にしてはあまりにも非計画的・一発勝負市愚いるのではないか、と懸念されるわけですね。

 と言うことで。
 目標数値を「通行量」とし、その検証時期を計画終了時点とするのは、プランニングの専門家であれば絶対に犯さない「まちがい」だと思います。
そもそも「数値目標」を計画終了時点に「一発勝負」で設定するというのは、中心市街地の活性化に計画を立てて取り組む、目標を設定して計画をマネジメントする、という計画~実施のマネジメントの常識に無知な人がプランニングを担当したのではないか、そのことが一号計画への無批判的な追随による、全体としての基本計画の出来映えをもたらしているのではないか、という疑問を抱かせるものです。

 あのですね。
「計画・プランニング」と通称「都市計画」とは全然異なる概念ですからね。
「都市計画」の専門家が、即・プランニングの専門家だと言うわけではありませんので、それぞれ状況におけるチェックが必要です。
もちろん、商業系のコンサルタントがプランニングの専門家ということも一義的ではありません。
これから作成される都市は、所要スキルの調達にはくれぐれも慎重にされることです。

 誤った目標設定をしている基本計画は早急に修正することが必要です。
ということを了解されたら、計画の修正・見直しに向けて「行動あるのみ」ではないでしょうか。 
有限会社クオールエイド
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有限会社 クオールエイド

  • Author:有限会社 クオールエイド
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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