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商店街の「身動き」と基本計画の任務

 1月31日のエントリーで取り上げた、呉服町のパーキングビルについて、木下さんのブログで論じられています。
 おっしゃっていることは、まさにそのとおりだと思います。コメントさせてもらいました。
『商店街経営に結びつく負債とその連帯保証責任 』

 こういうことは、本来なら『基本計画』で対応あすべきことではないでしょうか。
「過去の投資が負担になって身動きがとれない」という状況において「活性化計画」を立てるわけですから、当然「身動きがとれる」ような対策を講じなければならない。
もちろん、平成徳政令・借金はチャラにしようということではありません。

「活性化=繁盛実現への道」を示し、その方向で「財政再建策」を講じる。
これは基本計画の重要な機能の一つだと思います。
それにしても基本計画は個別具体の商店街の問題状況について、知ってか知らずか、触れなさすぎ、というか、事情を踏まえた計画とはとうてい思えないものが少なくありません。

基本計画は、「商業の活性化」のうち、商店街について、
①こうすれば商店街は活性化、個店は繁盛する、
②組織の新しい収益機会はこう作る、
③したがって、投資は回収できるし、
④過去的債務も返済可能になる。
という「活性化への道」が計画されていなければ、何のための計画なのか分かりません。

 ということで、木下さんも心配していますが、各地の「新・基本計画」記載の各種投資案件、「回収可能性」はきっちり確認されているでしょうね。
「通行量が増えれば投資は回収できる」などということはありませんから、要注意。

 ご承知のとおり、都市内外から中心市街地を見つめる眼はとても厳しくなっています。今後ゆるむことは無いでしょう。
「既存計画記載のハード事業に補助金が使いたいから、新スキームに合せて基本計画を作り直す」といったノリでの取り組みが通用する時代ではない、ということが理解されていないのは、ごくごく一部の人たちだけ、といったら怒られるでしょうか。

 基本計画、「身動きが取れない」状態に陥っている肝心の商店街の皆さんからそっぽ向かれたりすると、いよいよ、何のための時間とお金だったのか、ということになります。
皆さんに「夢と希望」がわき上がる計画になっているだろうか、もちろん、徹底した自助努力は当然ですが、ということです。


誰が流れを作っているか

 相次いでネット上にアップされる各地の基本計画、他の事業領域に関してはいざ知らず、「経済活力の向上」実現の柱となる商業の活性化領域では次のような「欠陥」が共通しています。

1.広域的に分担する商業機能が明らかになっていない。
2.郊外型SCが「不在」と見なされている。
3.既存店舗の自助努力の重要性の指摘と支援制度の設置が欠落している
4.核的施設(百貨店など)の活性化に関心が届いていない。
5.商業活性化を推進する体制(四者体制)構築が放棄されている。

 如何ですか、このような欠陥を持っている計画ですが、このような欠陥を持ったまま、各種の事業(部分的事業)に取り組むことで、見事、商業の活性化=中心市街地の経済活力の向上を実現できるでしょうか。
如何ですか?

 さて、これまでに作られたほとんどの計画がこのようなレベルだということは、あらためて考えてみれば、ものすごいことですね。

 それぞれの都市で、固有の条件の下で取り組まれた計画作成過程だったわけですが、その結果、そろいも揃ってこのようなレベルの計画が作られるとは・・・。

 いったい誰がどんなつもりで作成過程を主導したのだろう?という疑問が起こります。

 実は、誰も主導した人はおりません。というか、わがまちの計画の骨格・活性化実現への道、そのシナリオは自分が描いた、という人はいないはずです。
目標もシナリオもない計画。
普通に考えればあり得ない話ですが、どうしてまかり通るのか?
誰がこのような流れを作ったのか?
基本計画をかくあらしめた犯人は誰か?
実は犯人はいないのですね。これが。

 基本計画をかくあらしめたのは山本七平さんの言葉を借用すれば「空気」です。
“基本計画、見直さないと支援が受けられない”
“新しいスキームを勉強して、マッチする計画を作らなきゃ”
“数値目標が必要らしい”
“う~む、よその計画はどうなっている?”
“え~とですね・・・”
という会話があったかどうかはともかく、基本計画の見なおしにあたって、これまでの取り組みを真摯に総括し、その結果を踏まえて新計画作成に臨む、という段取りがあったのかどうか・・。ありませんでした。

 作らなくちゃ、ということで何となく集まり、何となく「らしい」事業を枚挙し、何となく数値目標をきめて、何となくまとめてできあがり。

“何を言うか、会社作り、ハード事業などの合意形成には苦労したんだぞ”
でも、「何を目的にした会社、ハード事業なの?」と聞かれると、「スキームの要求に合致するための」「でないと支援が受けられないから」ということ以外、これといった目的は無いんじゃないですか?

 「商業の活性化」を実現するには、何が何でも取り組まなければ、ということで計画されたものじゃないはずです。
「何が何でも」的取り組みは、冒頭の5項目、これをきれいさっぱり放棄しておいて何をおっしゃいますやら。

 結局、前回同様「バックボーンとすべき商業理論を欠いたままの商業活性化事業」が羅列されることになり、その結果、冒頭で指摘したような基本事項が見事に欠落している計画が出来上がりました。
これは、計画作成能力~都市経営能力の根幹に関わる由々しいことですが、それはさておき。

 主導者無しでことが進むというのは、大東亜・四周皆敵・戦争以来のわが国の伝統です。
敗戦の総括無しでここまで来てしまったことのツケの一端が中心市街地に露呈している、といって言えないこともないわけで、旧基本計画の見なおしも「数値目標がなかった」「取り組みが商業偏重だった」、あ~、そうでしたか。

 基本計画。
あれこれの活性化事業に取り組み、歳月をやり過ごしているうちに、やがて明るい明日がやってくる・・・。
と、考えて作られたとしか思えないわけですが、まさかそういう考えの人はいないでしょうから、「みんなで考える」=「誰かが考えている」=「自分は考えていい」という各地にはびこる「省思考体制」のもと、誰も考えず・誰が作ったものでもない流れに支配されて出来上がった計画、ですね。

 5項目について、あらためて【都市計画】で考えますが、ぶっちゃけ、これはもはや担当部局、担当者さんレベルの話では無いのかも知れませんね。
「法」制定、「法」改正時点ではたしかに担当部門レベルの課題でしたが、ことここに至ればもはや担当部門レベルではどうにもならない・・・。
でしょうか?

 そうしますと、何のための部局か、ということになるわけですが・・・。

本格的な議論はサイトの【都市経営】で。
「基本計画の見直し、5つの課題」


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