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お勉強の時間 パート2

 わが国の小売業界において、「運動」とも言えるような能力革新の取組が行われたのは、スーパーマーケットの導入~発展という時代に限られています。商店街に立地する独立自営商業者が奮起して新しい事業機会を確保すべく、商いの傍ら、自分の知識・技術の革新に邁進しました。わが国を代表する大手小売業の多くがほとんど同じ時期にスタートし、同じような能力革新の機会を活用しています。

 当時の「革新」には二つの特徴がありまして、第一に、消費が「国民」というレベルのターゲットを持ったこと、 第二に、「スーパーマーケット」という革新的な業態が完成した形で導入されたこと。
この二つの条件が相まって、小売業界、とりわけ「大量販売」という言葉に象徴される業容が小売業界を席巻したわけです。
以来今日まで、個別企業においてはさまざまな能力開発などの努力が続けられています。

 しかしながら、業界を挙げて「能力革新」の熱気があふれた、というのはスーパーマーケットの登場~普及という時期のみであり、以来、小売業界には、大店法の制定・緩和、撤廃、中心市街地活性化法の制定など、何度も重大な環境変化が押し寄せていますが、二度とこのような「疾風怒濤時代」は起きておりません。
どうしてでしょうか?

 二つの理由が考えられます。

一つは、直面している環境の変化が「事業機会」として認識できなかったこと。
経営学では「変化はチャンスである」と教えていますが、変化は従来の視点(知識・技術)を前提としていては「チャンス」と認識することは出来ません。
チャンスと見ることができる「視点の変化」が未だに実現していません。
かっては可能だったのに、その後はなぜ出来ないのか?
それが第二の理由です。

 当時は、スーパーマーケットという「成功体験」が有りました。当時の独立自営商業者、つまり皆さんの先輩方は誘い合わせてセミナー、米国視察にどんどん参加したと言われます。
当時の米国はスーパーマーケットの成熟時代、「成功事例」を目の当たりにして「小売業の未来はこれだ」と確信をもって文字通り。わき目もふらず突っ込んでいくことが出来ました。

 こうして考えてみますと、「事業機会の発見」も「知識技術の革新」も「米国の先例への追随」という条件があったことが大きく影響しています。
「知識・技術の革新」も“流通先進国・米国に学ぶ”ということで、米国詣でが続けられました。そして導入されたのがスーパーマーケットの経営理論であり、技術でした。
 スーパーマーケットの経営・技術論が「小売業の経営・技術論」として導入された、ということはしっかり押さえておきましょう。今日に至るまで、わが国の小売業の経営・技術理論は、強くスーパーマーケットのそれの影響を受けています。というか、現在の小売業の経営理論は、スーパーマーケット理論の換骨奪胎で成り立っている、と見ることが出来ると思います。

 このように考えてみますと、国民的レベルでの消費普及という課題に有効に対応し、事業機会の獲得に力を発揮した「スーパーマーケット理論」で、スーパーマーケット成熟期以降の小売業界の状況を新しい事業機会として認識できるはずがありません。
チャレンジに確信を与えた「成功事例」も存在しません。」

 で、何が言いたいのかと言いますとw、かっての大変革の時期には、「成功事例」があり、「成功を導く技術」(米国における試行錯誤の結果)が準備されていた、このことが革新を導く大きな力になったのだが、以来今日まで、変化を機会と見る視点の確保は、個別企業レベルの取組になっており、業界全体が動く、というようなことは今日までありませんでした。

 変化は機会である、という独立自営商業者の基本的な視点を確認するならば、今日の中心市街地・商店街を取り巻く変化は、これを「危機」ではなく「チャンス」ととらえない限り、「ものにするエネルギー」は出てきません。
これまでの環境変化への対応はずべて「危機への対応」であり、したがって、「守り」だったと思います。
「守り」の経営がお客に喜ばれ、支持されるはずがないではありませんか!

 ということで、中心市街地・商店街活性化への取組は、「危機」を前提に“意欲が出ないからシャッターの外側の施策で何とか”といったレベルで脱出できるものではありません。

 “中心市街地・商店街は新しい事業機会に直面している」ということに確信が持てない限り、取組はすべて「無」に帰することになります。
機会をものにするためには、前人未踏・成功事例のない「活性化への道」を切り開いていく以外にありません。
お手本がないということでは、大手小売業の創業者たちが取り組んだ時代とは比べものにならない厳しい状況ですが、独立自営商業者としての生き方を全うしたいなら、決意を新たにまずは「お勉強」から、というのが当サイトの提唱するところです。

 独立自営商業者の皆さん、時代と課題において、あなたのやるべきことは決まっていると思うんですけど。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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