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中心市街地活性化 設備投資かムーブメントか

 認定された新基本計画の多くに共通しているのは、商業活性化に取り組んでいく上で中心とされている事業が、「法に定める特別の措置に関連する事業等」、「特例措置に関連する事業」に集中していることです。
つまり、中小小売商業高度化事業や戦略的中心市街地中小商業等活性化支援事業補助金等を活用した施設整備事業が、計画の中心となっています。つまり、設備投資主体の「活性化」というわけです。
 
 いうまでもないことですが、設備投資には目的が先行します。商業系の場合、設備投資は「デスティネーション」を充実させることを目的に行われます。商業施設の「デスティネーション」は、来店・来街目的は、「ショッピング」ですから、設備投資は「中身の充実」無しにはあり得ません。

 「中身」=品揃え・サービス・環境の充実があってはじめて新しい設備投資は効果を挙げられる、当たり前ですね。
 中身が旧態依然ではいくら新しいファサード、街路、アーケード等々の整備しても、デスティネーションは従来同様、空洞化したまんま、ということです。

 昔々、商店街立地の喫茶店などでは、“3年おきに内外装をやり変えないとお客に飽きられてしまう”といわれていたりしたのですが、当時の喫茶店は「時間堪能空間」を提供することが商売でしたから、そういうこともあったかも知れません。新規出店も相次いでいたことでしょうし。

 小売業は違います。来店してもらい・品揃えを吟味してもらい・買い上げてもらう、これで一丁上がり、というわけではありません。商品を持ち帰り、生活に組み込み、使ってみてはじめて「買い物の成果」が確認される。
小売業の仕事は、あまた製造されている類似商品の山から、当店が「顧客」と考える人たちの生活にマッチするであろう商品を吟味・集荷・陳列・提供し、来店するお客のニーズと
マッチングさせること。
この仕事がうまくやれるかどうか、お客が持ち帰った商品を組み込んだ生活に新しい満足を得られるかどうか、というところにお店の繁昌がかかっています。

 売り上げが低迷している、ということはとりもなおさず、お客のショッピングを堪能する、というニーズに応え切れていないことを示しています。
端的に言って、お客から見てあってもなくても・どっちでも良い店になっている、ということです。
こういうお店が、外装を鉄筋コンクリートに変えたり、歩道をタイル貼りにしたり、アーケードを掛けたり外したりしたからといって、お客のショッピング堪能が実現するでしょうか? 疑問符などをつける必要などないことですが。

 外見的にみた小売業は、立地、店舗面積、内外装、業種などの複合で成り立っています。当社的に言えば「業種」は「業容」であり、品揃え・サービス・環境の三点セットであることはご承知のとおり。

 さて、基本計画で計画されている活性化事業は、このうち、内外装と店前通路の整備を中心とした取組で、お客を呼び戻し、繁昌を再生しようということですが、どうでしょうか?

 内外装・店前通路を整備すれば・・・
①立地が改善されますか?
②店舗面積の不具合は改善されますか?
③品揃えはどうですか?
④サービスはどうですか?
⑤店内環境はどうですか?

何一つ改善されませんね。
つまりお客の来街・来店目的の満足に関わる項目はまったく改善されない、デスティネーションは依然として空洞化したまま、ということです。
信じられない人は、旧基本計画時代に、上記各項の事業に取組み、竣工した事例は全国各地にありますから、視察すれば一目瞭然です。

 takeoは、上記各項の事業が無意味だと言っているわけではありません。更新時期を迎えている設備は多いわけですから条件が整えば取り組むべきだと思います。
私が、「ダメだ」と申しあげているのは、あたかも設備投資でデスティネーション的な不備が改善されるかのような位置づけが行われている取組について、です。

 具体的にどういう取組かといいますと、設備投資は計画されていても、その設備投資が効能効果を発揮するために不可欠の、個店の三点セット改革の取組、商店街のショッピングゾーン、買い物の場としての「テナントミックス最適化」の取組が放棄されている取組です。

 商店街ぐるみでの「テナントミックスの充実」、それを実現する「個店の業容三点セットの改革改善」がメインの事業として据えられない限り、中心市街地が再び「ショッピングの場」として脚光を浴びることはありません。離れていった、お客が帰ってくることもありません。

 「個店の業容転換」の取組が組織され、軌道に乗っていくことこそが中心市街地活性化の成否を分かつ最重要課題、このことを自覚し、個店の経営努力・自助努力を「商店街・中心市街地のショッピングゾーンとしての再構築」という運動として組織していく、各種の設備投資は、運動にメリハリをつけ、前進させる手段という位置づけを持たせることが成功の秘訣、各種設備事業の竣工に合わせて「ショッピングの場」としての機能が着実に充実していく、というハード・ソフトの取組を一体的に推進していくことが求められています。

 「運動としての中心市街地活性化」を目指さない限り、基本計画の作成、活性化協議会の発足以下の皆さんの取組が報われることはありません。

 Web上に公開されている基本計画、どちらかといえば「設備投資」を重視するものが多いようですが、皆さんの基本計画は如何でしょうか?

 基本計画、街区整備・建物更新計画か、ショッピングの場としての再構築を目指すムーブメント(運動)の計画か、どちらを選択するのか、基本計画作成時点の「基本方針」で中心市街地の命運が大きく動きます。

 設備投資かムーブメントか、分かりやすい選択肢ですね。行政トップ以下の志向はもちろん、ムーブメントにあると思いますが、これを理論的に展開し、商業者をはじめ関係各方面に提案して合意を作っていくのは、担当部課の仕事であり、ブログ常連のあなたの仕事に他なりません。

 昨日、最近新しく認定された某市の基本計画を読んであらためて感じた次第です。


“そりゃあ、やっぱ運動だろう。”“ですよね。”
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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