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専門用語の理論負荷性

 今日は、見た目、ちょっと毛色の変わったお話を。

「理論負荷性」、聞いたことのない人はぜんぜん聞いたことが無く、聞いたことがある人もホントはよく分かっていなかったりする、「知識についての知識」領域の専門用語です。

 一般には「観察の理論負荷性」といわれ、“われわれはものごとを「白紙」で観察することは出来ない”“われわれは「理論」という色眼鏡を掛けて物事を見る”ということです。
たとえば、あなたのマイカーを“先入観無しで観察せよ”といわれたら、あなたには何が見えますか? 見えたものを説明できますか?

 というような話で、このコトバの意味・それが使われている文脈ももまた、「理論負荷」でありまして、業界ではあ~でもない、こ~でもないと議論されているところです。

 という話と関連していますが、昨日サイトの掲示板で紹介した本を読んであらためて感じたのは、「専門用語」ってホントに「理論負荷」だよな~ということ。
この場合の理論負荷とは、“一般に専門用語は、ある「専門用語の体系」に所属しておりまして、好むと好まざるとに関わらず、それら「仲間」の専門用語と一緒になって事物なり状況なりを‘見る・説明する’ために使われます。

 つまり、ある「専門用語」の背後には専門用語の一群(パラダイム)がひしめいているわけで、このことを「専門用語の理論負荷性」と名付けて見ました。専門用語を理解するには、その専門用語が所属する理論を踏まえなければならないわけです。

 たとえば。
「中心市街地の商業集積群を一個のショッピングモールに見立てて、テナントミックス手法を利用した「業種揃え・店揃えの最適化」の追求により活性化していく」
と言ったとします。

 この発言ははじめから終わりまで「理論負荷」されています。
「中心市街地」・・・「法」の定義
「商業集積」・・・・どういう定義を採用するか
「ショッピングモール」・・・何のことか
「テナントミックス」・・・何のことか
「業種揃え・店揃え」・・・何のことか
「テナントミックスの最適化の追求」・・・どうすることか
「活性化」・・・どうなることか

 如何ですか。
上の例文は、「中心市街地の商業の活性化」を表現していますが、これを活性化の取り組みに役立つように理解する・計画づくりに使いこなすには、一連の用語を一つの「理論体系」を構成している専門用語として理解し、それらが表している内容を把握しておかなければならない、ということですね。

 実際に使われている現場ではどうなっているか?
こう言うことには無頓着・適当に使っているというか、弄んでいるというか、「専門用語は適当に使って問題はない」という「理論?信念?」に基づき、そういう理論「体系?」を駆使して「活性化」を考え・推進している例が多すぎます。

 実践は「勝てば官軍」という考え方もありますから、そういうスタイルで取り組んで活性化できればそれはそれで結構かも知れませんが、結果が出るまでに数年掛かる、それからやり直しはなかなか難しい、と言う事情がありますから、没理論・出たとこ勝負、というのはなかなか採用しがたい方法です。

 と思うのですが、これまでに拝見した『基本計画』で「用語解説の部」が設置されているものはありませんでした。
皆さん、理論抜き・専門用語抜きで計画を作られたのでしょうか。

 背景知識(つまり「理論」です)抜きで使われる専門用語は、背景知識については相手と共有が成立している、ということが前提になっています。
現場の性格を問わず、現場での専門家のやり取りは常に「背景知識前提」ですね。「背景知識」はお互いちゃんと装備していることが前提になっています。
通常・多くの場合はそれで良いのですが、「中心市街地活性化」という領域の場合は、専門家といえども専門用語の体系的装備が出来ている・共有されている、とは限りませんから、話はやっかいです。
お互いに共有しているはずの専門用語が実は全く別々の意味で使われていたり、よく聞いて見ると「意味」を持たないコトバだったりします。
こう言うことでは、目に見える仕事は進むものの、肝心の「目に見えないレベル」の目的・目標の達成にはつながらないかも知れません。

 先に例として挙げた「中心市街地活性化の方向と方法」は、『整備改善活性化法』当時、国が提示していたものですが、これを理解し・シナリオを描き、所要の事業を計画するには「中心市街地活性化論」とも言うべき理論体系が前提になります。
考えてみれば国の提示も「背景理論前提」だったわけです。
説明はされていませんが。

 現場ではスキームの専門用語を「理論抜き」で用いつつ、例示されている事業群を編集して『基本計画』を作り、認定を受ければ補助金が流れ込み、ソフト&ハードの事業に取り組めばそれが「活性化」だと理解されています。数値目標などは付け足し程度。
これでは絶対に活性化を実現することは出来ません。

 目下、日曜日に買ってきた「中心市街地活性化 三法改正とまちづくり」を繙いていますが、あらためて、内容の「理論負荷性」ということを感じさせられました。
一方、現場では「理論」というコトバさえ聞かれません・・・・。

 中心市街地はなぜ活性化できないか?
答えの一端はこのあたりにもあるのではないでしょうか。

 と言うことで、当ブログの延々とした作業があるわけですが、さて、お役に立つかどうか、は皆さん次第。
そうしますと、たまにこういう毛色の話もさせていただかないと、ということですね。

 「専門用語の理論負荷性」納得されると当サイトとの親近性が強まります。理論・専門用語への態度は「中心市街地活性化」に限らず、一生の財産になるかも知れません。


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  • Author:進化する売場研究会
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    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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