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儲からなければ活性化ではない

 秋涼の候、いよいよ事業フル回転のときを迎えました。
フル回転であるべきところ、実際は如何でしょうか。新スキーム発足2年目の秋、首尾良く初年度の取組の蓄積の上に新たな展開が始まっているでしょうか。

 当サイトではこのところ、ショッピングモールならぬショッピングコンプレックスをめぐる論考がスタートしています。 商業理論をはじめ所要の理論的作業を行いつつの取組です。 この時期に理論的作業が必要である、というところに中心市街地活性化の難しさが象徴されているようにも思われる今日この頃です。

 さて、中心市街地活性化といえば、「法」における定義から、都市当該地区における都市機能の増進と経済活力の向上です。 定義は都市計画方面のタームのようでもあり、当社ごときにはあまりなじみのない専門用語ですが、中心市街地といえば、従来、都市及びその縁辺広域の生活を対象とする「支援」を事業機会としている小売商業・サービス業をはじめ多様なビジネスが集積されている「産業立地」です。もちろん、これらのビジネスは「都市機能」です。
都市の市街地のなかで「中心市街地」の特性は、この「産業立地」という機能にあります。 

 当たり前のことですがあらためてこのことを持ち出すのは、「中心市街地活性化」とは、当該地区の固有の都市機能である「都市及びその周辺の生活に対する支援」という機能が小売商業をはじめ空洞化しており、そのことが地域全体の産業立地としてのポテンシャルを劣化させていることを問題として取り上げ、「都市機能の増進」即ち集積し・機能が劣化している「都市及びその周辺の毎日の生活に対する支援」を担う機能を増進するを通じて「経済活力の向上」即ち収益事業としての活性化を実現することを目的とする取組だからです。
早い話、「儲からなければ活性化ではない」のであります。
にもかかわらず、儲け話が占めるべき位置に座っていない。
では、儲け話は諦めたのかと言えばそうではなくて、住む人・来る人を増やせばなんとかなるのではないか、それを当て込んでハード事業に取り組もう・・・、というところがおおかたの基本計画だと思われるからです。

 中心市街地活性化実現のメルクマールは「事業に取り組めば儲かるようになる」かどうかです。小売商業を中心にもう一度繁盛するビジネス集積街区として復興させるのが中心市街地活性化の眼目です。
 中心市街地活性化に取り組む多くの都市に共通している課題は、いうまでもなく「小売商業機能の活性化」です。ご承知のとおり、中心市街地に立地する小売商業の空洞化は、「人口が増えている」、「他の都市機能は十全に機能している」という都市においても一様に進展している問題です。このことは、「人口を増やす」「他の都市機能を整備する」などを手段に「商業をはじめとする生活支援機能」の活性化を実現する、という発想に基づく取組では問題の解決が出来ないことを雄弁に物語っていると思います。

 中心市街地を産業立地として再生させる、これが中心市街地活性化の第一の目標であることに疑問の余地はないと思います。「複利機能」「居住機能」の整備増進なら何も法定中心市街地に限定して取り組む必要は無いはず、周辺市街地をも含む取り組みにした方がより合理的なはず、コンパクトなまちづくりとは「何が何でも法定中心市街地に限定して都市機能を整備する」ことを意味するものではないはずです。

 ということで、問題は「小売商業の活性化」実現の方向と方法です。
『基本計画』所載の事業に粛々と取り組めば、その結果として「商業の活性化」は達成される、と自信をもてるのか?
関係各方面特に商業者に対して「この計画に事業の命運を賭けてくれ」と自信を提案できる計画になっているのか?
特に新しいスキームでは大型集客施設について「アクセル&ブレーキ(以下「A&B」)」が施行されます。
これを中心市街地活性化の実現に直結圧せていくには、あらためてその意味するところを十分理解し、活性化にどう活用していくのか、そしてその結果として都市及びその周辺の住民の生活にどのような新しい効能効果を提供できるようになるのか?
ということをもう一度考えてみることが必要ではないでしょうか。
新しい効能効果の提供無くして経済活力の向上無し、です。

 今日、都市住民の多くは、複数の買い物行き先を持っておりみずからの生活の論理をもって「使い分け」ています。中心市街地の空洞化によって「買い物」に不自由を期待しているのは中心市街地居住者に限られていますが、中心市街地居住者の買い物不便を解消する、という着想では「中心市街地所在の小売商業」を活性化することはできません。他方、都市住民の大半は既に「買い物行き先」を十分に確保しています。

今日、中心市街地所在の小売商業の活性化を目指すならば、その方向はただ一つ、従来都市及び」その周辺に立地し生活を支援している多様な業種業態の小売商業が、まだ提供していない・提供すれば必ず住民の生活のいっそうの充実に貢献し、住民の支持を」得られる、という商業機能のありかたを発見・構想し、その実現・提供に取り組むこと以外にありません。
 問題へ取り組むにあたっては、このことを直視しておかないと、とんでもない誤答を出すことになってしまいかねないと危惧されます。

 目下【商店街起死回生】では別府市の取組を取り上げてケーススタディに取り組んでいるところですが、あらためて「中心市街地活性化とA&B」についてさらに本格的に考察してみたいと思います。
「A&B」はわが国の全小売商業を、ひいては消費財産業全体を巻き込む一大経営環境の変化です。中心市街地活性化は、全小売商業界がそれぞれの命運を賭けて取り組む戦略課題です。そのつもりで考察に参加していただきたいと思います。

 なお、密接に関係する「郊外型ショッピングセンター」などの考察にも「理論創発コーナー」で取り組んでいます。こちらにもご参加ください。

 産業立地としての中心市街地活性化は、「収益の場」としての再構築であり、「儲からなければ活性化ではない」、と考えればやるべきことははっきりしておりまして、個別企業は、儲かりたかったら儲けられるように自助努力を重ねなければならない。
その組織は、新しい取り組みに向けて「自助努力の組織化」の道筋をつけなければならない。
都市は必要な能力を結集して全体としての取組を成功に導く「タウンマネジメント」をプロデュースしなければならない、といういつもながらの提唱ですが、あらためて「活性化の方向と方法」に、「A&B」をきちんと配置した新しいシナリオを作りましょう。

合い言葉はもちろん
“儲からなければ活性化ではない”
本当に儲かるのか、儲かるためには何が必要か、この一点をはずすとこれまでの取組と同じ轍を踏むことになります。

 以上、これまでの延長でOKという人たちには関係のない話でした。



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白 旗 論 議

 白旗、戦争にはつきものですが、その意味するところは何か?

白旗(しらはた):降伏を表示する白い旗(『新明解国語辞典』)

 沖縄戦などの記録写真では、棒の先に白い布を結びつけて高く掲げながら投降する兵隊さんを見ることがあります。
白旗=降伏のサインというのは一部では常識化しているようです。

 開国をめぐる日米交渉の過程について議論されている『白旗伝説』というトピックがあります。
 ペリー来航、最初の交渉で、日本側に白旗を渡し、次のように書面で通告したというものです。
①通商を求める
②不承知なら武力をもってその罪を糺す
③日本も国法を立てて防戦するがよい、しかし当方の勝利は確実である
④戦いに破れ和睦を乞うならばこの旗を立てよ
⑤そうすれば攻撃を止めて和睦に応じるであろう
正式の文書は残っておらず、正式文書の筆写とされる文書が有り、その真偽をめぐって論争が行われています。

 米国側が本当にこのような文書と白旗を日本側に渡したのか、それともそういう事実は無かったのか、多年論議が行われています。
いろいろと問題点が有りまして、その分、議論も微に入り細に渡って丁々発止、興味津々です。
論者によっては、アメリカによる開国強要は我が国のトラウマだ、という「自虐史観」の根拠にされていたりします。
このトピックは扶桑社版の中学教科書にも採用されています。

論議の経過は 岸俊光『ペリーの白旗 150年目の真実』
にまとめられています。
有った/無かった 両派による応酬が客観的に紹介されています。

岸さんの評定では大勢は「無かった」派に有利のようです。

ネットで読める論争の一端ご紹介


 筆写文書の真偽。原本が有ったか無かったかはともかく、「白旗」が「砲艦外交」を象徴するものだということでは両者の認識は一致しています。
その上で「米国による申し渡しの有無」を争っているわけですが、もし白旗=砲艦外交であり、かつその有無を確認したいのなら、交渉のスタート~条約締結前後以降における米国の態度が「砲艦外交」の延長であったかどうか、これは記録が有ることですから、経緯を確認すればよいのでは無かろうか、と素人の単純素朴な感想ですが、そのあたりについては両派とも言及されていないようです。
勘案するに、‘白旗って作り話でしょ’ということでは無いでしょうか。

ともかく、大変面白い議論でありまして、カントさんが推奨される「公的討論」とはこういうものではないでしょうか。
ご紹介の一冊、お暇な折りにご一読をお薦めします。

 ちなみに、ハーグ陸戦条約では、白旗=(「降参」の印ではなく)「軍使・交渉」の標識であり、かつ、“軍使は不可侵”だそうです。
(第三章 第32条)
『新明解』さん、しっかりしてください。
「交渉」と「降伏」を間違えると、腹が立ち、理不尽な行動に決起したりすること、なきにしもあらず。


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