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「商業の活性化」は誰の仕事か?

新しいスキームでは、「中心市街地活性化協議会」を設立することが求められています。中にはこれを効果の挙がらなかったTMOの代替組織と誤認している向きもあるようですが、とんでもないことですね。
「中心市街地活性化」の中心的命題である「商業の活性化」果たして誰のお仕事なのか? キチンと考えてみましょう。
もちろん、takeoの妄念任せではなく、スキームの大元締めに基づいて検討します。

参考資料:閣議決定『中心市街地の活性化を図るための基本方針』

参照個所
第 七 章『・・・商業等の活性化のための事業及び措置に関する基本
的な事項』
2. 『具体的事業及び措置の内容等』
(1)  『中小小売商業高度化事業』 
①  『趣 旨』

******** 以下引用 ***********
<反省事項>
 中心市街地における中小小売商業の活性化のための取組が、従来、
a)個々の商店街ごとの活性化努力にとどまり、複数の商店街によ
る広域的な中小小売商業の発展に必ずしも結びついていないこと、

b)専ら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業として
の競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が
不十分であったこと、

c)主に事業を営む中小商業者を中心とした取組であり、地権者等
との連携が不十分であったこと、

d)街のさまざまな事業主体との連携が不足していたことなどを踏
まえ、

<新しい方向> 

a)商業者を取り巻く様々な関係者との連携の上に立った、
b)意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備
及びソフト事業を総合的に推進し、
c)周辺地域への波及効果の認められる商店街等中小小売商業の高
度化を通じた中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的か
つ重点的に促進する.

************* 引用終わり(<>内はtakeoが付加) *************

中心市街地活性化の新しいスキームにおいて、
①「商業の活性化」の事業主体は誰か?
「意欲的な中小小売商業者」だと明記されています。

②事業の中身は?
「業種構成・店舗配置(即ち売り場連携の再構築)、基盤整備及びソフト事業」です。

③進め方は?
「総合的に推進し、中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的かつ重点的に促進」する。

これが新スキームにおける
「商業活性化のための事業」
「事業主体」
「進め方」
だということを、上記『基本方針』に基づいてしっかり確認してください。

 さて、皆さんの『基本計画』ではこの趣旨にもとづいて、「意欲ある中小小売商業者」が主体となって推進する「総合的・戦略的・重点的な取組」が計画されているでしょうか?

皆さんの『基本計画』、“もっぱら、周辺事業に偏した取組”などにはなっていませんよね?

もちろん、当社の提案は“スキームでいわれているからその通りにやろう”ということではなく、“スキームで提唱されていることは、「商業の活性化」という問題から見て「適切な方向と方法」だから、その通りにしましょうよ、ということです。


> ①「商業の活性化」の事業主体は誰か?

 もちろん、全体的な「売り場連携の再構築」は、この人たちだけで実現できるものではなく、出来るだけ多くの商業者の漸進的な参加が不可欠であり、さらに空地・空き店舗を利用した新規参加者の誘致も必要です。

 新しい取組の牽引者、スターターに位置づけられているのが、「意欲ある中小小売商業者」ですが、さて、この人たちをどう組織化するのか、大きな課題です。
 そもそも「意欲的な中小小売商業者」って誰のこっちゃ、とうこともある。
そんな人たちって いたっけ?とか。

※ ついでに、「周辺事業」もキチンと理解してください。

周辺事業とは:
①メインの事業である「意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置・基盤整備及びソフト事業」のうち、
②基盤整備及び集客関連事業のこと。
「住む人・来る人を増やす」事業は、メインの事業から見れば「周辺事業」です。

 つまり、メインは「売り場ミックスの再構築」であり、再構築される売り場ミックスの「よりよく機能させる」、「使い勝手を良くする」ための取組が「周辺事業」ですね。
あらためてこうして整理すると、これまでの商店街活性化や中心市街地の商業の活性化の取組が「専ら、周辺事業に限った取組」であったことがよく分かります。もちろん、これでは買い物客が帰ってくるはずがありません。
新しい取組は、「売り場ミックスの再構築」をメインとする、中小商業者の自助努力を主体に再構築しなければならないということですが、皆さんの基本計画、既存中小小売業者の取組の位置づけはどうなっていますか?


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『基本計画』 ふたつの課題

 法改正から1年、新スキームの効能を問う声はまだ聞かれませんが、この段階で予測できることがあります。

 次のふたつの問題に正面から取り組んでいない『基本計画』は、従来のパターンから抜け出ることが出来ておらず、計画している事業内容に関わらず、前計画の轍を踏むだろう、ということです。

 ではふたつの問題。

★その一 
 
 計画作成に先立って「中心市街地活性化への道」のシナリオを描きましたか?

 シナリオを描くとは、
① まず、1 活性化された中心市街地の定義 2 既存及び
調達可能な経営資源の掌握 3 環境の把握及び変化の
予測等を理解する。
② ①を踏まえて、「この方向に進んでいけば活性化を実
現できる、進む方法はこの通り」という筋道を考える
③ 筋道を歩き通すために必要な骨格となる事業を構想する

この作業の成果が「シナリオ」,『基本計画』で計画される個別の事業は、このシナリオを現実化するための取り組みです。

 さて、御地では基本計画作りに先立って、計画を導く「シナリオ」を作りましたか? 
シナリオ無しで作られる基本計画とは、思いついた事業を羅列しただけ、の可能性があります。要注意です。

 シナリオ作りに資するため、当社では次の講習会を提案しています。

中心市街地活性化の方向と方法

 これはあくまでも当社が独自に提唱するもの、食わず嫌いも当然あり得ます。
しかし、内容はともかく「方向と方法」については、個別事業の立案に先立って必ず確立しておかなければならない。
どこかで「シナリオの作り方」を修得することが必要ですが、さて・・・・。

 シナリオがある程度見えていないと、せっかくの「これまでの取り組みの総括」の機会も「感想の言い合い、言いっぱなし」に終わってしまいます。

★その二

 「中小小売商業高度化事業」を理解する。

 中小商業振興策といえば、昔から高度化事業ですね。
かっては単発で取り組まれ、その後、全国ほとんどの商店街振興組合が作成した『商店街活性化ビジョン』のメイン事業となり、法制定以降は中心市街地全体を対象に取り組まれることになっています。

 問題は、この事業の目的が十分理解されていない、ということです。

 高度化事業推進の背景には、
①中小商業の競争力の根幹は「業種揃え・店揃え」にある
②自然発生的な集積である商店街では「業種揃え・店揃え」の実現は容易ではない。

 という事情があり、高度化事業への取り組みを通じて、「業種揃え・店揃え」の改革・改善を実現していく、ということが事業の究極のねらいです。
 疑う人は高度化事業の計画書をご覧あれ。ちゃんと個店の「三点セットの革新」計画をそれぞれ作成することが義務づけられています。

 近年、高度化事業の効果が薄れているのは、商店街の「業種揃え・店揃え」が劣化しているにもかかわらず、施設整備、ハコもの、販促ツールなどなど、高度化事業本体にのみ集中して、肝心の「業種揃え・店揃え」については、全く取り組んでいない、ということが原因です。

 考えてみてください。「中小商業の競争力の根幹」である「業種揃え・店揃え」の充実化という作業をほったらかしにしたまま、三点セットの革新に比べれば“補完的事業”である高度化事業だけに精を出したとして、いったい、何がどうなるというのでしょうか?

 「業種揃え・店揃え」は従来のまま、劣化の一途をたどる商店街に高度化事業の竣工成果を見に来い、ということでしょうか・・・?

 もちろん、「業種揃え・店揃え」とは商店街に欠業種を誘致しようというレベルのことではありません。

 単独では集客力に限界がある中小小売店が繁昌するためには、相互の協力によって「個々の来店目的」を越える「来街目的」を作り出すことが不可欠です。
そのためには、商店街を一つのショッピングモールに見立てて、「買い物行き先」としての「来街目的」を定め、各個店がそれを分担実現する、という取り組みが不可欠。
この取り組みが進んではじめて「競争力の根幹」である「業種揃え・店揃え」が実現されます。
「業種揃え・店揃え」とは「街ぐるみでの品揃え」のことなんですね。

 高度化事業が所期の成功を収めるためには、事業に先行または並行して「個店の業容革新」に取り組まなければならない。もちろん、取り組みは個々の店舗の自由裁量ではなく、組織としての取り組みでないと成果が得られません。

 中小商業・商店街の活性化が最終目的である以上、高度化事業は、自然成長的商業集積としての商店街が、「業種揃え・店揃え」に取り組み、「ショッピングモール」へと自己革新していくための「契機」と位置づけることが出来ます。

 このあたりについては、現在、【商店街起死回生】で「商店街 一から始める活性化」のテーマで取りあげています。

 中心市街地活性化は、
①商業活性化の位置づけ
②商業活性化のシナリオ
が無いと計画らしい計画は立てられません。
 もちろん、②の背後には「競争力の根幹の革新強化と高度化事業の役割」の理解が控えていなければならない。

 待った無し・やり直し無しの中心市街地活性化、ここで指摘したふたつのテーマ並びにその連関についてしっかり考え、理解したうえで作られた基本計画でなければ、所期の役割を果たすことが出来ないと思います。
果たして御地の『基本計画』は如何でしょうか。

※思い当たるところがある人は、メールでどうぞ。
対応策の構築を支援します。

『活性化の方向と方法』が定まっていないところは、ものは試し、上掲の当社提供の勉強会の開催をご検討ください。

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「考え方」を考えてみる

方法論:研究方法そのものについての学問的論議(新明解)

 研究に限ったことではなく、われわれは、未知の対象や状況で「問題」にぶつかったとき、“これはなんだ?”という問に続いて“これはどう考えたらよいのだろうか?”ということを考えなければいけないことがあります。
なにも「学問」に限ったことではありません。

 ふつうならば“これはなんだ?”という疑問が起こると、手持ちの情報について検索して、“同じケースは無いか”、“似ている辞令はないか?”と照合して、落ち着き先を決定(分類)します。
この方法は、「未知のものを既知のものと照合して理解する」という未知のものを理解するための方法の一つです。

 本当に今まで経験したことのない対象や問題にぶつかった場合はどうでしょうか。
手始めはもちろん、既存の情報とつきあわせ、しかるべき分類に所属させられないかどうかを検討します。
どうも、これまでの情報では納得できる理解に至ることが出来ない、というとき、“どう考えたらよいか”という問題が起こります。“考え方という問題”すなわち「方法論的問題」が生まれるわけです。

 「中心市街地活性化」について考えてみましょう。
これまでの取り組みは、“従来「点」や「線」の取り組みでうまく行かなかった商店街活性化を、「面」で取り組むことで達成する」と言われたように、「方法」としては“従来同様の取り組みを規模的に拡大する”ということでした。
しかし、うまく行きません。そこでスキームを改正して、「住む人・来る人を増やす」という+アルファに取り組むことになりました。
 しかし、藻谷さんの言説の批判など、当サイトがキチンと検討し批判しているように、この路線では活性化を実現することは出来ません。どうしたらよいか?

 というような場合に登場するのが、「方法という問題」です。
“空き店舗は埋めれば良い”、“SC時代の商店街活性化はSCの手法を導入すればよい”といった「即応的パターン」の破綻を踏まえれば、“どうしたらよいのか”を「どう考えるべきか」というレベルからあらためて考えてみよう、ということになるわけです。

 多様な対策を講じてきたにも関わらず、長期低落という趨勢には止めが掛かるどころか、「加速」という傾向さえ見られる今日、“問題のとらえ方を考え直してみる”というアプローチは当然あってしかるべきでしょう。
“スキームが変わったから、新スキームに合わせて従来どおりの事業群をセットすればOK”認定はそれでOKかも知れませんが、「活性化」の実現はどうでしょうか?
「スキーム」は“この枠に納めれば中身は何であろうと「成功」させることができる”、魔法の器ではありませんよ。

 新スキームの登場、新・基本計画の作成という課題の登場を契機に取り組まなければならないことは、“「考え方」を考え直す”ということです。
幸い、今度は「中心市街地の定義」も示されていますし、これをアレンジすれば、「我がまちの中心市街地活性化」を定義することが出来ます。これをどう活用すべきか?

 これまでの取り組みでは、通行量が減ったといえば通行量増大策、空き店舗が増えれば空き店舗活用、郊外に大型店が出れば規制する、といった「現象即応」という手法で取り組んできました。
「対症療法」ですね。これは“見ればわかる”状況を変えようとすることであり、たとえ成功したとしても“状況が起きた真の原因”
の解決になるとは限りません。
“分かる人には当たり前のこと”、“分からない人は今でも分かっていない”かも知れませんが。

 わが街だけならいざ知らず、何しろ中心市街地という中心市街地、何しろ都市という都市ほとんどすべてにおいて、「状況即応体制」がことごとく失敗しているとするならば、「考え方」を変えることが必要なのではないか?
「中心市街地活性化という問題の考え方」についてもう一度考えてみるべきではないか?
という問題意識が生まれてくるのは当然です。

 “「考え方」を考える”。「方法論的問題」ですね。
 目下、新スキームへの「即応」を目指して新・基本計画作成の取り組みがたけなわですが、さて、“これまでの延長上の取り組みではうまく行かない”という判断に立ち、“取り組み方を考えてみる”=「方法論的レベルの問題」としてアプローチしている都市が幾つあるのか、残念ながら、これまでにネット上に公開されている基本計画の多くは、「方法の問題」を直視しなかったようです・・・。

①問題を明確に定義する
②問題を構成している要因を分析する
③解決の方法を案出する
④取り組みを計画する
⑤計画を実行する
という問題解決のプロセスは、「問題解決」という作業では一般に取られる方法です。

中心市街地活性化という仕事が直面している「方法論的問題」は、第一に、「問題解決のプロセス」を検証してみること。
たとえば、上記の「問題解決のプロセス」などを参考に、
“取り組みの各工程における「取り組み方」に問題はなかったか?”検証してみること。

  もちろん、当サイト常連の皆さんは、取り組みの経緯・現状から「考え方を考える」ことの必要性を痛感し、参考事例を渉猟する過程で逢着されたという方がほとんどであり、「考え方を変える」という喫緊の課題への取り組みの最先頭に位置されているわけですが、路線をどう切り替えていくのか?
「切り替え方」の方法論的検討も必要かも知れません。

 目的・目標を明確に定義し、達成に向けて必要な事業ミックスを構成、一体的に推進することで「活性化」を実現していく「活性化への道」を描くこと、「現象即応」に変わる新しい方法の選択に向けた取り組み、うまく行く方法を案出しなければなりません。

 再度強調!「新スキーム」について。

“「スキーム」は“この枠に納めれば中身は何であろうと「成功」させることができる”、魔法の器ではありませんよ。”

このスキームに何をどう組み込んでいくか、あらためて考えてみよう、というのが中心市街地活性化というお仕事が直面している「方法論的問題」です。


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こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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