FC2ブログ

「一番店商法」

□一番店商法

いろいろとバリエーションがありますが、まずは言葉の意味から。

①地域一番店とは:ある特定の業種・部門・品種で地域一番の品揃えをしている店のこと。
②何らかの理由で「○○という業種ならあの店が一番」という評判をとっている店のこと。

 さて、「店前通行量」同様、大変迂闊なことにtakeoは、こういう発想はとっくの昔に繁盛店づくりの実践において「役に立たない」と烙印を押され淘汰されているはず、とかってに思い込んでおり、全然気にしていなかったのですが、同業他店の売り場面積が気になる人とか、進出してくるSCの売り場面積にビビっている人、あるいは本質的に「小売業は人口対応」業である、と考えている人などの「戦略」として採用されるなど、その弊害は依然として後を断絶っていないようです。

そこで。
takeoは、こういう商法はもはや過去の遺物であり、迷妄でしかない、どの業界においても通用するものではない、と考えています。
まずは、迷妄の迷妄たる所以を明らかにし、さらに、「もっと儲かるものの見方・考え方」をあらためてご披露してご機嫌を伺いたいと思います。
言っときますけど、あなたの商売の将来を左右する「ものの見方/考え方」(=「パラダイム」)の転換のススメ、眉につばをたっぷり付けておつきあいください(笑

□人はなぜ地域一番店を目指すのか

 地域一番店、すなわち、業種、部門、品種、品目で地域において一番品揃えを多くそろえている、という業容を目指すのはなぜか?
いうまでもなく「そうすれば儲かる」と思っているから。なぜ儲かるのか?
地域一番店は、売り上げも一番になる(はず)。なぜならば売り上げは品揃えの多少に左右されるから、というのがこの発想の根拠です。
いろんな商品があれこれたくさん置いて置く、そうするといろんな人がどんどんやってきてあれこれ買ってくれる・・・・と夢想しています。

 まあ、その昔、商店街に忽然と出店してきた「量販店」にしてやられた自分あるいは先代の体験がお店のトラウマになっているわけです。
 -したがって売り場面積も一番広い- 店舗が競争に勝つ、つまりは一番売り上げが上がるはずだ、というトンデモ理論です。
こんなことを考えていると、
①うちは店舗が小さいから一番店商法が実践できない、と残念がりながら努力をサボる口実になる
②品種そろえで一番になれなくても、品種内で一番、品目内で一番といろいろ「一番ねらい」の方法はある。と言うように、そのまき散らす害毒は根深いものがある。

 発展型がありまして、「包み込み理論」=「競合他店の品揃えを自店にそっくり取り込んでしまうの法」。
今でもひょっとしたら流通していそうですから合わせて検討したみたいと思います。
ちなみに、こういう話を検討するときは、相手の「ネームバリュー」などにビビッちゃダメですからね。そんなものな過去の遺物、悔しかったら中心市街地を活性化してみ、といわなければならない(笑
「情報は出所によって判断してはならない」というのは情報業務のイロハです。

本論に帰って「地域一番店主義」です。
地域一番店を目指すのは、もちろん売り上げを確保するため。
「地域一番店を目指せば売り上げも地域一番になる」ということですが、業種・部門・品種・品目で地域一番の品揃えをすれば、どうして当該部門・品種・品目で地域一番の売り上げを作ることが出来るのか?

□地域一番店

今は昔、「総合衣料店」という業態がある頃に盛んに唱えられました。
当社所在の武雄市にも先駆的な企業がありまして、文字通り、一世を風靡しました。
どのくらい先駆的かと言えば、ここのノウハウを全国に普及させてこれまた有名になったコンサルタントがいた、というくらい。

とにかく、衣料と名が付くものは。
老若男女、何でもあり、という商品構成で、床から天井ぎりぎりまで商品をぎっしり詰め込み、お客は「ジャングル」探検よろしく店内をショッピングならぬハンティング(笑。
これにお客が押し寄せまして、期末バーゲンでは「晩期商法」というノウハウを駆使、「一品残らず売り尽くし」を実現していました。
こういう実例が「地域一番店」のモデルです。

繰り返しますが、地域一番店とは。
①地方都市の中心商店街において
②「業種」くくりの商品を出来るだけ幅広く品揃えすることで
③幅広い「客層」を集め
④消費需要の当該分野について出来るだけ多く吸引したい
という商売です。
こういう考え方が出てくる・受容される背景としては、
①商圏には人口が少ない(小売業は人口が相手と考えており、そのうえ、自分の立地には人口が少ない、と考えている)
②いろいろな人が少しずつ住んでいる
③売り上げを確保するにはいろいろな商品をそろえなければならない
④たくさん売りたかったら、たくさんそろえなければならない
というアタマの中の事情もありました。

 このような業容の商売が成り立つのは、消費需要がある特殊な条件を備えている時代に限られていまして、その条件とは次の三つ。

①お客の生活に対する知識・経験が不十分
②消費購買ニーズの量的拡大が進行中
③ショッピングの行き先が限定されている

如何ですか。小売業の原理原則、等と言っても所詮は我々が経験している時代の一部について該当する経験則である、と言うことでありまして、もちろん、こういう条件は、もの不足からもの余りへの過渡期前半の特徴でありまして、当時としては大当たりだったと思います。
服を買うのは盆と正月前、という「ハレとケ」が画然としていた時代から「欲しい服がいつでも買える」時代への転換期に活躍したのがこの種の経験則をもとに店づくりをした業態でした。

総合衣料店など、まさにこの典型でしたね。
この業態の大成功を目の当たりにした商店街のみなさんは、「売り場面積」の効能効果をいやと言うほど見せつけられたことになります。“うちももっと広かったら・・・”というのは当時の商店街の皆さんに共通した思いだったでしょうね。

こういうときに提唱された「地域一番店」商法。
なにしろ実例付きですから説得力があります。
しかも。
「店が狭いからと言ってあきらめる必要はない、業種がダメなら品種がある。品種がダメなら品目がある」と言うことで、とどのつまり、何でもいいから地域一番の品揃え(アイテム数)を実現することが「競争戦略」だ、となっていったのです。
とゆ~か、そ~ゆ~ことを提唱するコンサルタント及びその追随者がいた、ということです。

「いた」と過去形で書きましたが、現在でも「いる」かも知れません。
というか、Googleで検索してみたら、「地域一番店」120万件以上ありますから、「いた」などという情況ではないですね(笑

□すなおに考えてみれば

地域一番店、その実際の内容は
①売れていない商店街立地業種店の品揃えを
②全部自店で「包み込み」したら
③「売れない品揃え」の集大成ができあがり、
これではとても売れません。火を見るより明らかです。

 ところが、人口が少ない、いろんな人に売らないと売り上げが作れない、と言う思いこみが作用すると、「なるべくいろいろ」品揃えしたくなる。
ここにつけ込んでいるのが(笑、「地域一番店」と言う発想。
売り場が足りないなら、もっとギューギュー詰め込まなくちゃ、と言うことで通路にいったん足を踏み込んだら回れ右も出来ない(笑 という圧縮陳列のできあがり。その延長線上に現在の業容がある。

まずは、「地域一番店商法」及びその亜流がなぜ「間違い」なのか、「理屈」として説明します。
格闘し・理解し・業容転換を進める武器として活用してください。

□ 「一番店」は競合店志向

 「一番店」路線がダメなのは、第一に戦略がお客ではなく「競合」を正面において考えられている、というところ。
「競合店」があ~したから、うちはこ~しよ~、というのがこの路線の根本にある発想。それもライバルがやっていることがお客にとってどういう意味があるのか、と言ったことにはお構いなし、専らライバルをやっつけるには、という「差別化」路線が根本にある。

 「一番店主義」という差別化路線の一種において、差別化は、物量的にライバルの上を行くこと、物量でライバルと差別化する、ということです。
これがこの路線の正体ですね。
そこには、顧客志向ということはまったくありません。顧客は「差別化」にしたがって右往左往する受動的な存在だと見なされています。
おわかりの通り、こういう理解が曲がりなりにも通用したのは、
①もの不足
②店不足 したがってお客は
③生活、ショッピングの経験不足
という時代のことでした。
 いつも申しあげていることですが、もの不足⇔もの余り、店不足⇔店あまり、経験不足⇔経験十分 ではショッピングの課題は天と地ほど違います。この違いを無視すると、もの不足・経験不足という人にぴったりのお店が出来上がります。ご注意あれ。

 一番店は競合店よりもでっかく・多く、と言う志向でお客はそっちのけ、専ら近所の同業店の動向を気にしている、しょぼい商売です。この路線の弊害は「一番店」に限ったことではありません。「うちが不調なのは一番店のせい」と考えている皆さんに対する弊害のほうがよっぽど大きい。
何しろかっての「一番店」は今や影も形もありませんが、「一番店にいじめられている」と錯覚していた「非・一番店」は存続し・相変わらず「一番店商法」を信じている。

 その現時点での現れが「一店逸品」路線です。
「地域でうちだけにしかない商品」というのはどこからみても「ライバル志向」「差別化路線」ですね。
ちょうど今、サイトの【目指せ!繁盛店】で批判しています。
『一店逸品 私はこう思う』

 しばらく「業界の常識」は「お客の非常識」である、という話をいろいろ見繕って続けます。

ブログにも一番店商法?
ブログランキング

-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ