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軍事用語の借用にご注意

 わが国だけに限らず、企業経営関係の専門用語には、はじめ軍事用語から借用されたものが多いことはご承知のとおりです。

 戦略・戦術、状況分析、作戦計画などなど。
文事関係のれとりっくを援用する、すなわち経営を戦争に見立てるわけで、既に定着して久しいわけですが、理由が二つありました。

 第一に、「計画」ということ。対象範囲が広く、期間が長く、組織規模が大きい、計画の良し悪しが全体の成否を左右する、ということでは戦争は昔から何と比べてもけして引けを取りません。その分、「計画」についてのノウハウを他より進んでいます。

第二に、企業の主要な活動分野である「市場」には、ライバルがいまして、競争にうち勝とう、当方を何とか出し抜こうと虎視眈々と狙っています。このことから、競争相手を敵になぞらえて「競争戦略」や「作戦」をはじめ、軍事用語が頻繁に使われる。
「敵を妥当して目的を達成する」という行動のありかたを戦争と二重写しにするわけです。
中には、レトリックの導入の方法を間違えて、とんでもないことになっている例も少なくありません。
「ランチェスター戦略」などはその典型です。

 ということで、軍事用語を経営関係のレトリックに援用する場合は、しっかり考えておかなければならないことが有ります。

 それは、「企業経営」における「敵」という概念が、一般に競合企業のことだといわれ、誰も怪しむものはありませんが、本当に企業にとって敵は競争相手のことか?
そういう理解で軍事用語、軍事関係で古来蓄積されているノウハウ、ハウツウを経営畑に「翻訳」活用できるものでしょうか?

 私は大いに疑問を持っています。
この疑問については、掲示板で詳しく検討しますが、ここで申しあげておきたいことは、二つありまして、

一つは、軍事用語の「敵」を経営関係のレトリックに使うなら、その場合「敵」は「競争相手の企業」ではなく、「顧客」です。
何故そう言えるか? 答えは「理論創発」で。

もう一つは、「状況分析」について。
軍事における「状況分析」の対象になるのは、
①軍事行動の目的
②敵の状況
③味方の状況
④②および③に影響を及ぼす環境与件



と続きます。味方が現在どのような状況に有るか、ということは目的達成のシナリオ~計画を作る上で、大変重要なことです。
この分析が行動のスタート位置を決定するわけですから。
※関連を論じています。「プランニング能力

 多くのというか、ほとんどのプランナーが計画作成作業で、自覚してor無自覚のうちに、軍事用のレトリックを使っていますが、上述のとおり、レトリックの応用のしかたを間違えているために、とんでもない錯誤に陥っています。

 もちろん、この錯誤は「商業の活性化」をメインとする中心市街地活性化のスキームにもちゃんと移入されており、中には応用のしかたがまずいために、全体の取り組みをおかしくしてしまっている、というケースも散見されます。

 またしても、「恐るべし、レトリック」です。
 
そうそう、コンサルタント業界には、加えて医療関係のレトリック、専門用語も入ってきています。
「診断」とか。
「活性化」などは化学分野でしょうか。
言葉の輸入は知らず知らずのうちにその言葉が用いられる状況、結びついているレトリックも一緒に導入されます。
使うコトバに思考が導かれてしまう。

言葉の素性は、よく吟味してから使うようにしましょう。

ところで、企業にとって“「敵」とは「競争企業」のことである”というのは常識だと思いますが、この用語法は正しいでしょうか?

検討は【理論創発】で。
同コーナーでは新しいテーマの考察がスタートします。
○イズミこと「量販百貨店の新戦略」とか
○「コンセプト論」とか
○「通行量論」も展開中。
すべて当社サイト以外では入手できない情報です。

 特に、「軍事レトリックの応用」という当記事が口火を切ってサイトの各掲示板で考察中の諸課題は、基本計画作りの成否に大きく影響します。
もちろん、当事者である皆さんのスキルアップにも。
関係の皆さんはそのつもりで勉強していただきたく。

【理論創発】覗いて見るか、で。
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局面打開のために

 (前記事「商店街活性化 取り組みの蹉跌」を踏まえて) 

 前記事で指摘したような状況があるとするならば、現在各地で企画されている「従来型商業活性化策+非・商業施策」の組み合わせによって作られる『基本計画』で中心市街地の商業の活性化・経済活力の向上が達成されるはずがないことはいうまでもありません。
 実際、私が講師を担当した勉強会でも「新スキーム・計画でも自信がない」という声が聞かれます。

 これまでの取り組みはなぜ蹉跌したのか、その原因を直視し、適切な対策を講じない限り、“新しい”取り組みの旧態依然、覆轍は目に見えています。
これまでの取り組みの蹉跌をキチンと統括した取り組みが求められています。

 “出直し的”取り組みでは、消費購買行動の変化に対応するために必要な経営技術が、関係各方面に装備されていないこと、解決すべき問題と現有解決能力との間に大きなギャップがり、これを自助努力で乗り越える無ければならないこと、これが最も優先的に取り組まれるべき課題です。

 この課題を直視すること。ギャップを解消することが必要であること、このことがすべての仕事に優先するのだということを一点の迷いもなく確信し、解消への取り組みの構築をめざすこと。新しい基本計画の作成に先立ち、この課題についての認識をすべての」関係方面が共有すること。
これが、新しい「活性化への道」を歩き始める第一歩です。

 既にご承知のとおり、当社はスタート段階の取り組みを、「ミスマッチの解消」という問題を踏まえて提案しています。
 すなわち、勉強会『中心市街地活性化 実現の方向と方法』による“関係各方面の問題意識の共有」の実現と、仮説~試行法を駆使する「商人塾」による“実践を通じた能力の転換”の提案です。
 
 クオールエイドは、突破口としての勉強会を提案しています。

勉強会:『中心市街地活性化 実現の方向と方法


※状況によりアドバイザー派遣制度の利用をお奨めします。
商業活性化アドバイザー制度ご利用のお奨め

※開催の合意形成に先立ち、まずは当社へのご連絡を。
 開催に向けた合意の形成についても相談に応じます。

 これまでの取り組みに欠けていたのは何か?
欠けているところに眼をふさいだままの取り組みで活性化を実現することが出来るのか?

自問自答すべき問題はこのように立てられるのではないでしょうか?


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商店街活性化 取り組みの蹉跌

             (*蹉跌=つまづき転ぶこと)

 クオールエイドは、これまで約30都市の新・旧基本計画に目を通しています。
それらに共通しているのは、「状況分析」の不徹底です。このことは、当社がこれまで読んだものに限らず、ほとんどの基本計画に共有されている欠陥であると推測されます。
 
 状況分析の不徹底とは何か? それは、「商業の現状分析」にあります。基本計画では、中心市街地の小売商業の現状がおおむね次のように分析されています。

1.経営環境の変化
(1)モータリゼーションの進展
(2)競争条件の変化(集積間競争の激化)
(3)消費購買行動の変化
(4)中心市街地の人口の減少
(5)都市機能の配置の拡散

2.商店街の対応

3.空洞化の現状
(1)空き店舗の増加(店舗の減少)
(2)小売販売額の減少
(3)通行量の減少
(4)イベントなど販促活動の陳腐化
(5)高齢化・後継者難

 如何ですか。ぶっちゃけ、「3」的数字を並べただけでは、分析の名に値しないのでありまして、これらの数字・結果はなぜもたらされているのか、分析すべき問題は別のところに厳然としてありました。

 このことに気づかず、あるいは気づかぬ振りをして看過し、「3」的状況がもっぱら「シャッターの外側だけ」に起因するものであるかのようにみなして活性化策を企画した、ここにこそ、全国各地の取り組みがほとんど躓き、所期の成果を挙げることが出来なかった究極の原因があるのではないか?

 環境変化及び空洞化は、もちろん、ある日突然起こったことではありません。
特別の事情があった場合を除き、変化は漸進的でした。
すなわち、変化には対応策を講じることが可能であったし、実際、商店街組織(以下「組合」)は、さまざまな環境変化に対応するため、多様な支援制度を利用しつつ対策を講じてきました。それにも関わらず・それらの取り組みを含んだ結果として、「空洞化」という現状が到来しているわけです。

 つまり、「1 経営環境の変化」と「3 商店街の現状」との間に、「2.商店街の対応」があったのですが、これが所期の成果を挙げることが出来なかった・・・。

 ここが重要でありまして、商店街(組織・個店)はけして手を拱いていたのではない、各種支援制度を活用しつつ、対策を講じてきたにも関わらず、現状に至っているのだ、ということを率直に認識しなければならない。
このことに注目すれば、「なぜ成果が挙がらなかったのか?」という解明すべき問題に直面することになります。

 ところが、ここをあっさりと“点や線の取り組みだったから成果が挙がらなかった”とか、“人口減、都市機能の拡散がある中で商業施策だけに偏していた”などといった「総括」で済ませたため、対策としては従来型施策の「面での取り組み」、「人口増大施策・都市機能の集約化」が目論まれている、というのがおおかたの都市の“新しい”取り組みではないでしょうか?

 点や線の取り組みではなぜ成果が挙がらないのか、人口減や機能拡散が発生していない都市においても中心市街地の商業の空洞化は起きているがそれはなぜか、といった点は全く考えられないまま、新しいスキームへの“飛び移り”が始まっているわけです。

 問題はどこにあったのか?
あらためて自問自答しなければならないのは、これまで事業に取り組んできた、中心市街地に立地する商店街、各個店は、環境の変化に適切に対応しうる能力を持っていたかどうか 、ということです。
環境の変化は、来街・来店客数の減少、業績の悪化として目に見える形で経営を直撃します。店主以下の関係者は、当然、業績禍福をめざし対応策を講じるわけですが、にもかかわらず、業績の悪化・低迷が改善されることはなく、状況がより厳しい店舗から廃業していく、残っている店舗の将来も不透明きわまりない、というのが多くの商店街立地の現状実態でしょう。

 環境の変化に対応しようとしたが、的確な対応が出来なかった。その結果、活性化への取り組みの真っ最中も空洞化が着実に進展する・・・。
問題はまさにここにあるのでありまして、ここを見逃せば、打つ手を間違ってしまいます。多くの『基本計画』がそうであるように。

 問題は、個々の経営がこれまで営々として作り上げてきた、店づくり(品揃え・サービス揃え・環境整備)の技術では、環境の変化に対応することが出来ない、対応すべき変化と対応能力にミスマッチが生じている、ということです。
 いうまでもなく、商店街は「都市及び周辺住民の買い物の場」という機能を受け持っているわけですが、具体的にその機能を果たすのは個々の店舗の「売り場」です。
この売り場を作る技術が(環境変化の結果としての)消費購買行動の変化に対応できない、というところに大きな問題があるのです。
このことを指摘し、原因を分析し、対策を講じている基本計画はほとんど皆無とではないでしょうか?

 対応不能(能力と課題のミスマッチ)はなぜ起きているか?
 これは商店街の歴史を考えれば、よく分かります。
多くの商店街が発展し、全盛を極めた時代は、高度成長期の中期頃です。わが国全体が「もの不足」から離陸しようとする時代、「もの不足・店不足」という状態から脱出することが国家的課題である時代のことでした。詳細は書けませんが、「商品を並べさえすれば売れた」時代から「品揃えの差別化」「新製品をいち早く仕入れたものが勝ち」という時代の間が商店街の全盛です。

 繁昌の秘訣は、①人通りの多い立地 ②面倒見のいいメーカー問屋とのつき合い ③売れ筋情報のキャッチ ということでした。 この三つを実現するのに、今日のような「業容」的発想は必要なかったのです。
 「立地に頼り、問屋に頼り、売れ筋に頼る」 すなわち当社のいう「三頼主義」・「商店街商売」です。
(詳しくは文末URLの記事参照)     
 この経営ノウハウは、「もの不足・店不足」という時代から「もの普及(~差別化)・店舗増大」という時代に限って通用したもの、「もの余り・店あまり」といわれる現在では全く通用しません。問題はここから生まれています。

 商店街における商業機能の空洞化は、消費購買行動の変化に対応するために活用する経営ノウハウが、端的に言って「時代遅れ」になっていることが原因で起きています。
もし、空洞化が「人口減」や「都市機能の拡散」が原因で生じているのだとしたら、そういう現象が起きていない都市では空洞化は起きなかったはずです。しかし、一部の商店街を除き、ほとんどの中心市街地の商店街が、人口や都市機能の動勢に関わらず空洞化しています。商店街の空洞化は、人口や都市機能云々では説明できません。

 もちろん、郊外型商業の急速な進出ということがありましたが、それは単に立地の好悪ということで見るのではなく、「商店街商売」では郊外立地の「新業態」に対応することが出来なかった、と見ることが必要です。

 逆説的にいえば、商店街を取り巻く環境の変化、結果としての業績悪化は、漸進的に進みましたから、「経営能力の抜本的な改革」の必要性が自覚されることが無かったのではないか? もちろん、「商店街商売」が転換すべき「方向と方法」も誰からも提案されていませんでしたし。

 こうして、現在、商店街に立地する多数派の店舗の経営能力と活性化を実現するために必要な能力との間に大きなミスマッチが生じています。目下起きている環境変化は、開業以来駆使してきた商店街商売のノウハウでは絶対に対応できない、従って、「買い物の場」としての商店街の活性化、すなわち、個々の売り場の業容革新は、個店の自発的な自助努力に任せていたのでは、いつまで経っても実現することはありません。もちろん、シャッターの内側の各種補完施策が実を結ぶことも無いのです。

 中心市街地活性化法制定以来、全国で推進されてきた取り組みが、今にいたって「やり直し」が必要になっているのは、施策立案の前提となる、実態の的確な分析、特に小売機能を担う個店の経営能力の水準についての冷徹な評価が出来なかった、というところに根本原因があります。このことに気づかないまま作り直される基本計画は、これまで同様、蹉跌への道をたどることが約束されているも同然ではないでしょうか。

 ミスマッチを直視すれば、商業活性化策は大幅に改革されることになります。
不思議なことに、これまでに認定された「新基本計画」では「活性化施策の革新」はほとんど見られません。それは、「従来の取り組みが蹉跌した根本原因」が未だにつかまれていないからです。
活性化の実現は、「環境と対応能力(努力)のミスマッチ」を直視し、対策を講じることから生まれません。
このことを、一点の疑問もなく納得し、関係各方面共有の問題意識とすること。
今、もっとも優先して取り組まなければならない課題はここにあると確信していますが、あなたは如何ですか。

※当社は一貫してこのミスマッチを直視し、これまで支援するご縁のあった、都市、商店街にはそのことを直言し、また対策を提案してきました。当社の「商人塾」はこの問題を解決していく方向で提案されている唯一の方法だと思います。

※「商店街商売」については次の記事を参照してください。

商店街商売から脱却せよ・その1

その2

※おなじみ『商店街の七不思議


※引き続き“いますぐ取り組む局面打開の方法”をアップします。


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こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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