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タウンマネジメント再考

 活躍中の全国のTMOさん、活動内容を見ますと商店街組織の「共同経済事業」などを、線から面へ拡大して取り組んでいるところが多いようです。それぞれ地に足の着いた活動を展開されているわけですが、問題は、日々の活動の延長上に何が見えているか、ということではないでしょうか。

 あらためて「タウンマネジメント」について考えてみます。

 中小小売商業振興策である高度化事業の目的は、中小小売業の「競争力の根幹」である、「業種揃え、店揃え」の充実にあることは、『基本的な方針』に明記されています。
これを受けて当サイトも都市経営コーナーで、特に最近は、「過去ログ・基本方針を読む(6) 」 などで、詳しく説明してきました。
 ちなみに、Web上で中心市街地・商業の活性化、その方向と方法、推進体制などについて、全国的な進展状況を踏まえての提唱が、管見の限り、なかなか見かけられないのは寂しい限りです。

 「業種揃え、店揃え」とは、いわゆる「テナントミックス」のことであり、ご承知のとおり、テナントミックスは、タウンマネジメント機関:TMOの主要業務とされていました。
あらためて、 タウンマネジメントとテナントミックスの関係を考えてみましょう。

 「業種揃え・店揃え」というとき、まず考えることは、「何を基準に揃えるのか?」ということ。昔は、近隣型商店街、地域型商店街、広域型商店街といった区分が行われ、それぞれどういった業種・業態の小売店が立地しているか、経験的に把握したものを基準に、「欠業種」を発見して何らかの方法で充填する、ということでした。
今日でも、空き店舗活用などのアプローチとして採用されている手法です。

 この方法は、ショッピングセンターが登場して以来、急速に無力化しました。
特定の買い物目的に対応する「売り場群」を独立企業の店舗で構成する、というのがショッピングセンターの集積としての基本的なあり方ですが、この段階になると、課題は「欠業種の補填」ではなく、「品揃えの充実」でありそれを担保するテナントの維持管理です。
ショッピングセンター時代のテナントミックスは、集積単位での「品揃えの充実」であり、それも“ここに来れば何でも手に入る”といった“売れそうなものは何でも揃える”=「」量販」発想ではなく、特定の購買ニーズを基準にした品揃えの充実をめざします。
 ショッピングセンターの場合、テナントミックスは、品揃え、つまりお客の来店目的の最重要テーマを構築し・維持するという「店舗管理」・ショップマネジメントの下位概念です。
 
 商店街が「店揃えの充実」をめざし、テナントミックス手法を採用するとき大事なことは、 この手法が上位目的である「来街目的」の実現を目的にしていることを理解すること。採用の目的は当然、街ぐるみで「買い物の場」としての「来街目的」を構築すること、ですね。
 ショッピングセンター全盛時代に、商店街が活性化をめざし再構築を図るには、

第一に、“当該商店街はどういう性格のショッピングの受け皿をめざすのか”ということを決定する。

第二に、その実現をめざして、「品揃え・サービス揃え・環境揃え」に取り組んでいく。

という仕事に取り組まなければならない。
「ショッピングゾーンとしての来街目的」は、この「三点セットの来街目的」を既存個店それぞれの「業容革新」、空き店舗等を利用したテナントリーシングで実現します。
 TMOがになうのは、「ショッピング行き先」として商業街区を再構築する全過程を「基本計画」をはじめとする計画にもとづいて管理することであり、これがタウンマネジメントです。
 マネジメントとは「言葉を形にすること」。ショッピング行き先としての中心市街地・商店街がめざすべき姿を明確に描き、これを漸進的に実体化していく、これがTMOの任務です。

 いつも申しあげているとおり、商店街の「店揃え」は、ショッピングセンターのテナントリーシング(既存企業の誘致)とは異なり、既存個店群の計画的な「業容革新」というこれまで考えられたことのない課題に取り組んでいくことによって実現していきます。
活性化の方向として、“ショッピングモールとしての再構築をめざす”ことを選択した商店街は、安易にSC的テナントリーシン(=空き店舗への繁盛店誘致)に陥ることなく、既存個店の自助努力の組織化による「街ぐるみの品揃え」を実現していく、「タウンマネジメント」をまっすぐ志向することが必要です。
 TMOも、名は体を現す、真性のタウンマネジメント=“ショッピングモールとしての街区機能の再構築”がその存在目的であることをあらためて確認、必要な体制構築に邁進することが求められています。

※サイトでさらに詳しく論じています。

タウンマネジメントかテナントミックスか

テナントミックス

再開発ビルの活用


よくまあネタがあるもんだな、で。
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粛々と進む活性化協議会の業務

 中心市街地活性化協議会が発足しているところでは、新スキームに則った基本計画つくりが順調に進んでいることと思います。
幸い?、先行事例も増えましたので、“ここまで書くのか”とかあるいはまた“この程度で良いのか”など、一応の目安がつくことになりました。

 これまでの認定で注目されるのは、大分県豊後高田市
行政人口25,000強、世帯数1万強という小規模都市の基本計画が認定されたことは、“新スキームは県庁所在都市規模以上でないと合致しない”といった風評が風評に過ぎなかったことを実証したものであり、わがまちの規模とスキームのミスマッチを口実(笑 に意志決定をした&しようとしていたところは、振り出しに戻ることになりました。
新スキームは、どちらかといえば中小規模都市向けですね。
実証した豊後高田市に敬意を表します。

 ということで、いろいろ考えて新スキーム採用を見送ろうとしていた都市は、あらためて「総括~意志決定」から再出発ですが、当サイトご贔屓の皆さんの都市ではいかがでしょうか。
まさかとは思いますが、何しろ皆さんは、圧倒的な少数派のはずですから・・・。

 さて、新年度も早や6月軌道に乗りつつあるであろう活性化協議会ですが。
ちょっと俯瞰してみますと・・・
             (俯瞰=高いところから広く見渡すこと)

 活性化協議会の特性 
○組織されているのは、既存の関係組織
○出席者は各組織の長又は準ずるもの
 従って、協議会の運営については相当の工夫が必要です。
だって、各関係組織の活動にも関わらず、街は活性化が必要になっているわけですから。各参加組織の活性化も大きな目標でしょう。
従って、取り組みの検討を行う陣容もこれだけでは心細いことは否定できません。専門家が招聘されています。
○都市計画関係の学識者を専門家として招聘する
ちなみに招聘される都市計画関係の専門家は、その専門領域の特性から
○「都市計画」の専門家であると同時に
○「計画」つくりの専門家 であることが期待されています。

さて、スタートした協議会の業務、まず第一は、もちろん、
①「新スキームの把握」でしょう。
 旧スキームとの異同、認定の基準や留意事項などなど。
招聘される専門家から説明を受けてお終い。所要は約1時間。

 次に取り組まれるのは、
②「これまでの取り組みの総括」でしょう。
ご承知のとおり、特にここは問題がありまして、
どういうスタンスで総括が行われるのか?
総括のありかた如何で新計画の方向が決定されますからね。
所要:30分。

考えられる「総括」としては、
○総括などはさておき、やりかけのハード事業を継続しなくちゃ
○総務省の「総括」のとおりだ、どこも成功していないし
○区域の設定が広すぎた
○事業が多岐多様に渡りすぎて、マネジメントが出来なかった
などなど。

 いずれにせよ、「事業に取り組んでいる間も空洞化は着実に進展し、現在に至っている」ことを直視した総括にはほど遠い。
多様な事業を推進してきたにもかかわらず、その結果として「繁昌」再生に成功した事例はほとんど無いことを直視すれば、“これまで取り組んできたことはいったい何だったのか”という真剣な話が交わされて当たり前なのですが。
このあたり、たとえ話がでたとしても「意識の改革が必要だ」などと決まり文句で流されて、結局、事業領域の拡大と数値目標の設定という予想されるパターンまんまの新計画の決定~申請に向けて、粛々と運営されていることでしょう・・・・。

 委員さんの中かからに、“我が組織はこの計画の出来映えに命運を賭ける”とか、“商業者・地権者の起死回生策として取り組んでもらう”という視点での発言などは、聞かれないでしょうねぇ・・・。
 
 結局、商業者を含め、誰も“自分の利害に関わる問題、自分の利害を大きく左右する問題”という位置づけで言動している人がいないということ。
本当は、商業者をはじめ関係の皆さんが、自分の事業の命運を賭ける取り組みだ、という位置づけの下、大小長短の算盤を弾きながら、口角泡を飛ばす勢いで議論を重ねる、という取り組みでないとダメなんですよね。

 競技化の状況次第では、当該プロジェクトの計画作成の主体であり、公共の利害の推進を職務とする行政の担当者が、「プロ」としての使命感をもって突破して行かなければならない局面があるかも知れません。


※クオールエイドのサイトについては、このところ、市町村、都道府県からのアクセスが増えておりまして、そういう状況を反映しているにちがいない、と思っています。

 年度前半が勝負、というところはいよいよ正念場、引き続き、所期の方向の実現をめざしてがんばってください。
当ブログがいくらかでもお役に立つよう念願しております。
取りあげる記事などに要望がありましたら、遠慮なくどうぞ。

進捗すれば良いというものでもない・・・。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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