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思 考 実 験

 魅力のない店舗とは、お客から見て「買い物行き先」として魅力のない店です。魅力の有無、決めるのはお客であって、他の誰でもありません。
 お客は、自分の生活を作り上げるために必要な材料を手に入れるためにお店に来ます。早い話、お客がお店にやってくるのは、“ここに来れば、必要な材料が手にはいるに違いない”と事前の情報で選別して来店する。お客の来店目的は、お店の品揃えから「これだ」を思うアイテムをピックアップして持ち帰り、自分の生活の中で使うため、ですね。
お客は生活適品を持ち帰るために来店する。

 店づくりで大事なことは「品揃え」であることがよく分かります。「持ち帰る」商品が“揃ってないだろう”と思われるお店には「買い物行き先」としての魅力はありませんから、はじめからお客は寄りつきません。

 では品揃えさえ良ければOKかというと、けしてそうではありません。品揃えの中から「生活適品」を選び出すために必要な条件が整えられていてはじめて適品とのマッチングが成立する。すなわち、接客・サービスと環境が調っていなければ、「買い物行き先」としては不十分です。

 商品山積み、通路はひと一人やっと、接客はセルフまがい、というお店では、お客は適品に巡り会うことが出来ません。そういうお店の状況は、店外から一目瞭然ですから、「お試し入店」さえしてもらえません。
そういうお店が軒を連ねている商店街は、他の条件を如何に整えても買い物目的のお客は来てくれません。

 魅力ある個店、ターゲットにする客相からみて、買いたい商品・見ると欲しくなる商品が揃っており、優れた接客が受けられ、店舗内外の環境、陳列なども好みにピッタリ、という「三点セット」がきっちりしつらえてなければ、“もの余り・店あまり”が当たり前の今日、繁盛再現は不可能です。

 業績が低迷しているお店は、お客からみて「業容三点セット」が劣化していると評価されています。業績を向上させたかったら、まず、なにはさておき、自店の三点セットの改革、業容革新に取り組むことが必要です。

 ということで、思考実験。
旧・スキーム時代、皆さんの都市の基本計画の「一体的推進の目標」として、“ショッピングモールとしての再構築”が掲げられ、さらに、計画されたさまざまな事業の推進と並行して、“ショッピングモールをめざす個店の業容転換”、有志による“個店のの三点セットの革新”に取り組まれていたとしたら、どうなっていたでしょうか?

 商店街には新しい繁昌を実現する店舗が生まれ、周囲の店舗に波及する。TMOをはじめ、関係各方面には「再構築」のためのノウハウが蓄積される、それらを活用することによってさらに繁盛店が拡がっていく・・・・。
という結果が得られたのではないでしょうか。

ショッピングモールが実現するところまでは行かなくとも、中心市街地の諸処に“事業推進の成果として繁盛店が生まれ・後に続く店舗が生まれている”というところまでは到達出来たのではないでしょうか。
そうしますと新スキームでは、この実績を踏まえつつ、多様な事業の推進と並行して「ショッピングモールとしての再構築」に拍車が掛かる・・・。
もちろん、個店の業容革新への取り組み・繁盛店の増加を中核として。

 というように進んで、非・商業部門の取り組みと相乗的な効果を生み出す「中心市街地の都市機能の増進と経済活力の向上」が現実のものとなっていくことでしょうね。

 思考実験で明らかになることは、旧スキームでの取り組みの失敗は、スキームが原因ではなく、背景知識(商業理論)の不備が原因で起きた失敗です。

 そもそも高度化事業の目的は、「テナントミックスの創造」であり、ハード事業はそのための手段、推進するにあたっては、個店の業容革新は当然、並行しなければならなかった。これは都市経営コーナーで議論したところです。

 旧基本計画の場合も同様です。各種事業の推進と並行して「個店の業容革新」つまり「買い物の場の革新」が進められなければならなかった。
肝心要のこの事業に取り組まなかったために、いくらその他の事業を積み重ねても「買い物の場」としての再生にはほとんど近づくことが出来なかったわけですね。

 とするならば。
新スキームにおける「商業の活性化」の取り組みにおいて、「個店の業容革新」は、何が何でも・イの一番に・取り組まなければならない、戦略課題だということが誤解の余地無く了解されます。

 かって、商店街組織の共同事業では「シャッターの外側は組合の仕事、シャッターの内側は個店の仕事」とよく言われましたが、シャッターの内側が個店みずからが取り組むべき仕事だからといって、個店に自分だけで業容革新に取り組んでいく力があるとは限りません。
というか、商店街の実況を見れば「その力は無い」と見るのが正しいのではないでしょうか。

 新スキームにもとづいて作られる「中心市街地活性化基本計画」、活性化の成否は、突き詰めれば「個店の業容革新」の取り組みを計画できるかどうかに掛かっています。
「買い物の場」としての再生をめざすなら、具体的な「買い物の場」である、個々のお店・個々の売り場が「買い物行き先」にふさわしい三点セットを作り上げなければならない。

 まず、このことを中心市街地活性化協議会の共通認識・議論の基盤にすることが必要です。
これができるのか・できないのか、ここに新体制がこれまでの取り組みを乗り越えて活性化という果実を獲得できるかどうかの分かれ道です。

新しい合意形成への取り組みを誰が切り開くのか?
猫の首に鈴を付けるのはだれか?
いずれにせよ、都市経営、基本計画に責任を持つ市町村がみずから新方針を提起、合意形成に向けて努力すべきだと思いますが、如何でしょうか。
ご承知のとおり、当社は、“そうだ、その方向で取り組み再編だ”という取り組みを全面的に支援いたします。

 問題は、そういう取り組みを考え・実行する都市が少ないこと、さらに「ここに問題がある」ことを指摘するひとが少ないことです。当社と同し様な問題意識を表明されているところはwebで見る限りありません・・・。

 今や、全国なるべく多くの都市の取り組みが一斉に方向転換しなければ、成功する可能性はどんどん下がっていきます。
もちろん、メーカー、問屋さんの状況にマッチした支援・協働も不可欠、この人たちがその気になってくれると話はぐぐっと進むのですが、どちらさんもリストラとやらで人材難、“話は分かるけど・・”って、分かっても取り組まないんじゃあ、豚に真珠でしょ。


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魅力のない店

 小売商業の振興策としては、高度化事業をはじめいろいろと講じられてきたわけですが、このところ、“個店に魅力が無いと事業の効果が出ない”“個店の活性化が先決だ”、“原点に帰って、個店レベルの取組を強化すべきだ”といったことがよく聞かれるようになりました。
「魅力ある個店づくり」などと言われます。

 大事なことがすっぽり忘れられておりまして、高度化事業は、業種揃え・店揃えの充実を目指す取り組み、参加する各店はそれぞれ自助努力によって「経営革新」に取り組むはずでした。ところが実際に取り組まれた事業では、「自助努力」部分がすっぽり抜け落ちていたのです。
高度化事業は共同事業であると同時に、並行して各個店の経営革新に取り組む、個店及び商店街の「買い物の場」としての魅力を革新する事業なのですが、個店の取り組み=「個店の経営革新」がサボられていたのです。

 そもそも高度化事業は、「中小小売商業の競争力の根幹」である街ぐるみでの「業種揃え・店揃え」の再構築、すなわち、買い物の場としての各個店の売り場間に有機的な連携を作り出すことで商業集積間競争にうち勝っていこうとする商店街を支援するものです。
 したがって、共同事業への取り組みと並行して各個店の経営革新・業容革新に取り組む、共同事業の完成時点で参加各個店の業容革新も一定のレベルまで到達しており、顧客から見た魅力ある商業集積としての再スタートを切る、というのが高度化事業のあるべき姿です。
 高度化事業をはじめ、商店街の共同事業の目的については、十分理解しておかないと、せっかく新基本計画に基づいて取り組む共同事業・高度化事業の効果が、これまで同様、得られにくいことになります。

 商店街を活性化するためには、共同事業と個店の革新を「魅力ある商業集積」の実現に向けて、一体として推進していくことが必要なのですが、「魅力ある個店」づくりがものすごく遅れているため、いくら補助事業に取り組んでも街が活性化出来ない、いってみれば、二輪車の一方の車輪がさび付いているため、前へ進めない、という状況なのですが、ここにきて主張される“魅力ある個店づくり”とは、このさび付いた方の車輪を何とかしよう、ということですね。

 いかにも結構なことのようですが、またしても大事なことが抜け落ちています。

 「魅力ある個店」と言うとき、その「魅力」とはいったい何か、ということがどれくらい考えられているだろうか?
 魅力がある、とはもちろん、お客・潜在顧客の立場から「魅力がある」ということですが、本当に「お客の立場に立って」魅力ある個店づくりを考え・計画し・実践されているだろうか? ということですね。

 小売店が不振に陥る原因は、
①お客がいない ②お客が知らない ③他にもっと良い店がある
という、3つに大別されます。商店街立地のお店の不振の原因は、ほとんどの場合、「①お客がいない」ですね。
「お客がいない」というのは、「住んでいる人が少ない」という意味ではなく、商店街立地の個店を“自分の買い物行き先として愛顧している」というお客がいない・少ない、ということです。

 つまり、お客が考える「買い物に行きたい店」と、商店街の個店が作っている業容(品揃え・サービス・店舗の内外環境の総体)がミスマッチに陥っている。お店側が、これでよい、と考えているお店の業容が、お客にとって「私が買い物に行くとこじゃない」と評価されているわけです。

 「魅力ある個店づくり」を目指すなら、まずこのことをしっかり確認することが必要です。商店街に立地する個々の店舗の業容とお客の消費購買ニーズとの間に、大きなギャップが生まれているわけですから、いきなり「魅力ある個店づくり」に取り組むのではなく、まず、「お客にとって魅力あるお店」とはどういう店舗なのか、ということを十分考えて見ることからスタートしなければならない。

 しっかり考えておかなければならないこと。
それはまず第一に“自分たちの店舗は、お客から見て、「魅力がない」のだ”と自覚することです。
魅力がない=自分の買い物行き先ではない、ということですから、なぜ、自店はお客にとって「魅力がない」のか、まずこの実態としてのミスマッチの原因を解明しなければならない。

 お客はお店に買い物に行く目的は、“自分の生活を作るために必要な材料”を手に入れるため、ですね。
この来店目的を十二分に達成できるお店が「魅力あるお店」であり、お客に「買い物行き先」として支持され・愛顧され、その結果として「繁昌」することができます。
「魅力ある個店」とは、お店の現状に何かを足したり引いたりすることで、生まれるものではありません。
繁盛店を目指すからには、お客のニーズとのミスマッチをトータルに解消していくことが必要であり、「魅力ある個店づくり」とはまっすぐ「繁盛店づくり」を意味していないと、せっかくの取り組みが無題に終わってしまいます。

 魅力ある個店づくり、取り組むに当たっては、自分たちのお店には「買い物行き先」としてのあり方(品揃え・サービス・環境)に魅力がないこと、お客に「私の買い物行き先じゃない」と評価されていることをしっかり自覚し、業容革新こそが唯一のお客から見た「魅力ある個店」づくりへの取り組みだということを肝に銘じてください。

 まず、自分たちのお店が「どう魅力がないのか」を的確に理解することからスタートです。出来ることから取り組む、というのは正しい方法ですが、着手する前に「どこへ向かって進むのか」、「魅力ある個店」の全体像を理解しておかないと、進むべき方向が分からないし、効果の積み重ねも出来ません。

掲示板:「目指せ!繁盛店」のテーマです。

 さて、新法に即して作られた認定計画、個店レベルの課題への取り組みがほとんど企画されていないものが見受けられます。
相変わらず、全体の取り組みは全体のことだけ、個店の取り組みは個店で、ということでしょうか。
そういう路線では活性化できないことは、法制定以前から分かり切っていることなんですが・・・。

業容革新を取りあげていない計画を作った都市は、あらためて、高度化事業の目的、取り組み方などを確認する必要があると思いますが、如何でしょうか。

※クオールエイドサイトの記事紹介
 商業の活性化「三点セットのシナリオ」=競争力の根幹・高度化事業・テナントミックスは、「個店の業容革新」に直結です。
「商店街のテナントミックス」については、まず・しっかり理解し、その後で・忘れ、必要に応じ・さっと出てくる、ようにしておきましょう。参照

サイトでは高度化~テナントミックス論、目下再度挑戦中です。
決定版にします。

結局、個店がふんどしを締めないと・・・で。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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