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「中心市街地活性化」推進体制

 ぼつぼつと各地の『認定計画』を読んでいますが大変勉強になります。

 基本計画の作成にあたっては、スキームでは示されていないが、当然、前提にしなければならないことがありまして、たとえば、
①計画の作り方・・・「実効性」の確保、計画書の作り方など
②背景知識・・・・・都市経営、商業、組織などについて、目的達成に必要なレベルの知識
③レトリック・・・・構想・伝達能力
などについては、所要の水準で装備しておくことが必要です。

 装備しているかどうかは、ある程度、計画の出来映えで判断することが出来ます。「基本計画」の出来映えは、当該都市の計画作成能力、ひいては経営能力の水準を反映していると考えられますから、極論すればこれで都市の将来について思いを馳せる人もあることでしょう。

 総合的に現れるのは、「法」第九条2項「基本計画に掲げる事項」において。

その第九号には、「・・・事業及び措置の一体的推進に関する事項」について定めることになっており、「基本的な方針」では、第9章で、
1.推進体制の整備
(1)市町村の推進体制の整備等 
(2)中心市街地活性化協議会の設置
2.事業及び措置の一体的推進
について示されており、基本計画ではこの項目に沿って「計画」が述べられています。

しかし、肝心要のことが抜けておりまして。

「一体的に推進」すべき個別の「事業及び措置」の推進体制はきちんと出来ているだろうか、ということ。

 当社正面の「商業の活性化」に限って述べてみますと、新法のスキームの前提となっている問題意識は、
①これまでの取り組みは、「点」や「線」の取り組みに終始したから成功しなかった
②これからは「面」で取り組まなければならない
③合わせて「人出」を確保する取り組みが必要である
ということですが、もちろん、これは③を実現すれば①や②については取り組む必要はない、ということではありません。
①や②の事業についても引き続き、というかこれまでの総括を踏まえると「抜本的」に改革した上で取り組まなければならない。
このことに異論はないと思います。

 問題は、要請されている新しい取り組み、個別の組織が取り組むべき事業や措置を推進する体制は整備されているだろうか?ということです。個々の事業を推進する組織体制が出来ていなければ、それらの事業はうまく所期の成果を挙げることが出来ないでしょうし、そういうレベルの事業を「一体的に推進」したからといって活性化が達成されることはありません。

 「協議体制」を作ることも大切ですが、推進について協議を行う「個別事業」ごとの組織について新設あるいは実動性を確保することも、これまでの取り組みの実況からして当然改革・推進しなければならず、基本計画の重要計画事項になるのではないでしょうか?
「基本的な方針」では、個別事業の主体は「健全に実在する」ことが前提にされていますが、都市の実況は、さて、どうでしょうか。協議体を作る前に、あるいは前後して、各事業組織(端的に商店街及びその連合組織)の整備・活性化が必要でしょう、ということです。

参 照:『商店街振興組合の実態と課題
こういう情況を否定できる単位商店街、「個別事業主体」が存在するなら「単位組織及び連合組織の活性化」に取り組む必要はないのでしょうけど・・・。

 もう一つ。
基本計画の中には、協議会の構成メンバーとして「個別の措置及び事業」の推進者である「単位組織(つまり単位商店街)」を含んでいないものが多いようです。推進協議会の協議の結果はメンバーによって尊重されることになっていますが、個別事業の事業主体が参加していない協議で所期の機能が果たせるのか?
「連合組織」の参加~上意下達出来る体制とも思われませんが。中には「商店街組織」の代表者を「学識経験者」の位置づけで参加させている例などもあります。協議会は、個別事業実施主体相互の協議の場ですから、商店街組織を組織として参加させていない協議会、そういう協議会を立ち上げる問題意識、はそれぞれ問題です。

 まあ、「単位商店街」などの事業主体が参加しなくても「一体的推進」が可能なレベルの基本計画である、と考えればそれでもよろしいのですけどね。
 庁内の「推進体制」の必要性もさることながら、実施段階を含む関係各方面を網羅した「推進体制」の構築はどうするのか?
という問題もあります。

 「経済活力の向上」面の事業の推進については、商工会議所orTMOなどが「調整」に当たるわけですが、そもそも、調整の対象となる事業を推進する個別事業体(商店街組織・事業組合など)は、活性化の推進という任務を果たせる実体を備えているのかいないのか、不十分だとすれば整備が必要だが、誰がいつどのように取り組むのか?

 当社が提唱する「TMO体制」ですね。
単位組織を集めれば体制一丁上がり、というわけには行きません。ショッピングモールの構成員としての機能を実現していくことが即・「商業機能の活性化」ですから、「単位&連合祖域の活性化」は、全体の活性化実現への大前提です。

 『基本計画』、商業の活性化を推進する「TMO体制」の整備及びこれを構成する単位組織の活性化を実現していく「措置及び事業」を計画していなければ、“画に描いた餅”に終わります。
当たり前でしょ? ですよね?

 ということで。
ということを認識しないまま作られた、組織の活性化抜きの計画を作成する主体の問題認識能力~解決能力については、あらためてチェックしたうえで所要の拡充を図るべきではないでしょうか。

 基本計画には「中心市街地活性化を推進する体制」が記載されていない例が多い。計画主体は自治体ですが、各種の意志決定の主体・事業主体は誰か、基本計画の主体と個別事業主体との関係如何、個別事業主体の事業推進能力は、といった問題を考えれば、個別の事情を踏まえれば、「基本的な方針」に示されている事項だけを計画すればOKとは行かないことはあきらかないはずですが。


 中心市街地活性化推進体制。
基本計画において、自治体・協議会・調整期間・事後実施者・支援者などを網羅した「推進体制」を設計し、「組織図」として示している例は、管見の限り、見あたらないようですが・・・。

 組織体制も実施する事業内容も、問題山積という情況でのスタートのように見受けられます。
 これから計画つくりに着手されるところは、努々これらの課題を積み残されることのないように・・・。

※この記事はサイトの【都市経営】で引き続き深化し、実務レベルの取り組みに貢献できるレベルまで進めます。


 ■ コメントのご紹介

“豪雪地域の行政に携わって”おられるKYさんから「コンパクトシティ」についてのコメントをいただきました。

ブログ過去記事にもいただいています。

 今や“誰も反対できないコンパクトシティ”的情況ですが、推進論者の主張って、「それは本当か?、なぜそんなことが言えるか?」という眼で検討してみると、ほとんど地に足のついていないものばかり。
 計画・推進に当たっては、あらためて背景知識、状況認識を踏まえた広い範囲での再検討が不可欠だと思われます。

 中心市街地関係者(つまり商店街立地の商業者)は、こういう路線が計画されたことを諸手をあげて歓迎、通行量増大の実現を指折り数えて魔っていたりすると、やがて取り組み全体が行き詰まった頃に、非・中心市街地からの反発・反動が一挙に押し寄せます。そうすると関係各方面はひとたまりもなく・「これだけやってもダメだった。というのも・・・」などといいつつ、潮が引くように撤退してしまいます。
目に見えるようですが、そのころ商店街はもちろんさらに空洞化が進んでおりまして、後悔の涙を流す人もなくなっている・・?

コンパクトシティ、あなたもご意見をお寄せください。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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