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教育改革の改革を

教育改革の改革を

 雑誌『世界』6月号は、「教育改革」を特集しており、その中に次のような提言がありました。

『教育改革の改革を』 ―教育再生会議への七つの疑問―
提言者:マネジメントの観点からの教育再生研究会

 同会は、自民党所属の衆議院議員有志が“印象批評や感情論を排し、建設的で現実的な改革を提案したい・客観的データや先行研究を踏まえた合理的な教育政策を提言する”ということを目的に立ち上げたもの。
メンバーは、河野太郎 後藤田正純 上野賢一郎 篠田陽介 橋本岳 山内康一の各氏です。

提言は、“教育改革の議論はどうも噛み合わないものが多い”といい、その例に教育再生会議の第一次報告書(2007年1月)を取りあげ、“報告書にはすぐにでも実行して欲しいようなすぐれた提言もある一方で、議論の進め方に違和感を覚えるところもある。議論の進め方についての七つの疑問をあげるとともに、より建設的な議論を進めるための提案を行いたい”という趣旨で書かれています。

 論文の中心になっている「七つの疑問」を〈広範な関係者によって取り組まれる社会的問題へのアプローチへの疑問〉というように一般化した上で、「中心市街地活性化という社会的問題へのアプローチ」に当てはめてみますと、これがまあ、びっくりするほどよく似ています。論文が教育論議の現場で起きていると指摘されていることと、われわれが日頃中心市街地活性化の議論の現場で観察すること・感じることと共通するところが多い。よって来るところの原因が一緒かどうかはまた別に考えなければなりませんが、少なくとも現象としては大変似通っています。

 教育再生論議への疑問提起という本論の趣旨については、当サイトの守備範囲を超えていますが、提言が指摘している「七つの疑問」は、「教育」のみならず〈広範な関係者によって取り組まれる社会的問題へのアプローチ〉に共通して現れることがあるのではないか、特に当サイトの正面である「中心市街地活性化をめぐる議論・取り組み」においてよくみられる現象には指摘されていることがよく該当するのではないか、と考えさせられました。

 提言は、「教育改革の改革」からスタートすべき、といっておりますが、中心市街地活性化にも「取り組みの改革」が必要ではないか、と強く示唆されました。全文を紹介したいところですが、「七つの疑問」の項目だけ紹介します。

第一の疑問 委員の人選と事務局の動き方
※委員の人選は文化人、有識者、教育現場の専門家中心で、教育を専門に研究して来た人は含まれていない。専門家の意見をあまりにも軽視されていることが、議論に深みが欠ける要因となっている。

第二の疑問 前提となる問題意識のあいまいさ
※前提条件、あるいは前提となる問題意識があいまいで議論に深みがない。

第三の疑問 原因追及の軽視
※「学力低下」を前提に議論を進めているが、“なぜ低下したのか”という原因追及は行われていない。

第四の疑問 具体性に欠ける目標設定
※具体性を欠く、誰も反対できないような抽象的で美しいスローガンを掲げてもそれだけでは政策目標としては不十分である。

第五の疑問 方向性のあいまいさ
※方向性のあいまいさ、基本方針の矛盾もみられる。

第六の疑問 実証のない論理の飛躍
※因果関係が分からない、論理の飛躍と思えるような唐突な提言も多い。

第七の疑問 教育に対する過剰な期待
※教育再生会議の議論は、「教育ですべての問題を解決できる」という幻想に支配されていないだろうか。

 指摘されているような「疑問」が〈広範な関係者によって取り組まれる社会的問題へのアプローチ〉にしばしば起こるとすれば、「問題への取り組み方が新しい問題の原因となる」わけで、アプローチを改革することが必要になります。
 「七つの疑問」は、先にも書きましたが、文言を変えれば「中心市街地活性化」への取り組みにも共通するものが多く、“「教育改革の改革」が必要である”という結論なら、共通した状況にある中心市街地活性化の取り組みについても「活性化の改革」が必要かも知れません。

 本文は次のところにアップしてあります。
是非ともご一読、「我が身」に置き換えてみられることをお奨めするものです。

衆議院議員 山内康一 オフィシャルサイト 
教育改革の改革を―教育再生会議への7つの疑問」 

 ちなみに「中心市街地活性化への取り組み」において、〈広範な関係者によって取り組まれる社会的問題へのアプローチ〉が画期的に改善されると、それは都市経営の広範な各方面に応用され、成果を挙げることでしょう。
「三号要件」クリアのもっとも重要な課題です。

 ということで、クオールエイドではこのレトリックを全面的に採用して「中心市街地活性化の活性化」の喫緊の課題について、特に「中心市街地活性化協議会」や「TMO」、「TMO体制」のあり方を中心に考えてみたいと思います。

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認定基本計画 第二陣

 さる5月28日、11都市の計画が内閣総理大臣によって認定されました。
    

久慈市(岩手県)

金沢市(石川県)

岐阜市(岐阜県)
「問屋街の活性化」は“全国の中心商店街の願い”です。

府中市(広島県)

山口市(山口県):web未アップ

高松市(香川県)
丸亀商店街再開発事業 地元商業者の繁昌再現は?

熊本市(熊本県)
熊本城復元と駅の再開発と下・上どおりのショッピングモールとしての再構築。

八代市(熊本県)

豊後高田市(大分県)
“昭和の町”が市民&観光客の「買い物の場」になれるか?

長野市(長野県)

宮崎市(宮崎県)
橘通を中心に公園化 “公園にすればものが売れる”ということはない。

 立案に参画された皆さん、お疲れさまでした。いよいよ本番ですね。何からスタートでしょうか。

 他にも協議会を立ち上げたところ、「案」をWeb上にアップしているところなど、盛況を呈してきました。
が、本当に「法」が定義する内容で中心市街地活性化を実現していくシナリオ~取り組みとしての機能を備えた計画が作られているかといえば、さて、どうでしょうか。

 今さらながらですが「認定」っていったい何を意味するのでしょうね。
国が都市の申請にもとづき『計画』を詳細に検討して、「この計画なら中心市街地の活性化を実現可能である」と太鼓判を押す、ということでしょうか?
まさかそんなことは無いと思いますが、では?と考えますと・・・。

 アップされている各都市の新『基本計画』、ざっと見ましたが、う~む、takeo的には、忌憚のないところで、“計画されている事業がすべてつつがなく完了しても中心市街地の「経済活力の向上」について成果を挙げることは難しいかも”と思われます。

 第二陣以降、「経済活力の向上」を実現する方向と方法については、相当ハードルが高くなるだろうと思っていたわけですが、ふたが開けられてみるとこれは予測誤り、ハードルは低いままのようで、あらためて「認定」ってなんだ?

 旧スキームにおける『基本計画』の挫折は、一言で言えば、「中心市街地の商業の活性化」を構想するために不可欠の知識が装備されていなかった、ということが原因でした。商業者に自助努力の方向&方法として提案する、というあるべき形が実現されず、自分たちの計画として評価・認知されなかった、その結果「ショッピング行き先」としての魅力つくりを組織することが出来なかった、というわけです。

 新しい計画は、このことをしっかり踏まえたものでないと所期の目的を達成することはできないわけですが、さて、そういう視点で見たとき、果たして出来映えは如何でしょうか。
「商業だけでは・・・」とか「多様な都市機能」などと言ったとたん、「商業活性化」の努力は one of them になってしまいますが、そういう位置づけでなんとかできるような生やさしいことではありません。新『基本計画』では前回の計画以上に「商業の活性化」について実効ある取り組みを充実させなければならない。

 ハード事業の計画はそれぞれ工夫されていることでしょうが、それらを活かすために必要な「能力の転換」に取り組む事業についての計画はほとんど見られない、というのが三つの「新認定計画」に共通している問題点です。

 この問題については、当サイト【都市経営】コーナー、『青森市の基本計画を読む』で相当批評したところですが、役に立たなかったようです。まんざら縁がなかったわけでも無かったようですけど。

 検討の時期が遅かったということもあったかも知れません。第三陣には間に合ったと思いますが・・・。
考えてみれば、掲示板を読んだからといって、即、計画に反映させられるとは限りませんね。

 それにしても。
「人口」と「通行量」と「賑わい」と「経済活力の向上」といった「術語」については、きちんと定義し、かつ・相互関係を明確にしておかないと、‘マンションを建てて人を住ませると通行量が増え・街が賑わい・お金が落ちる’とか“月に一度イベントに取り組めば通行量が増え・年中街が賑わい・お金が落ちる”といったあまりにも「虫のいい話」ではないでしょうか。

 そこで簡単な思考実験:
あなたがまちなかのマンションに移住したとして、基本計画に基づく事業が着々と進展したとして、あなたは何のために街を出歩き、「賑わい」づくりに参加するのか、街のどこで何のためにお金を落とすことになるのか・・・。
結局、ショッピング機会が提供されていなければ、その他の事業は無駄骨に終わります。

 『基本計画』を援用しつつ、“これこの通り、ショッピングを堪能する機会を構築、提供しますからね”といえないようでは、ダメ。基本計画に引き続き、なるべく早く『中心市街地・商業街区活性化実践計画』的なものの作成に着手しなければ、基本計画記載事業の進展の有無に関係なく、中心市街地の空洞化はいっそう進むことになりかねません。

 中心市街地活性化は、暇つぶし、金満都市の道楽ではありません。「都市機能の増進と経済活力の向上」を総合的・一体的に推進・実現して「都市経営の実」を挙げ、その成果・ノウハウを都市全体に波及させなければならない。

 いわば、都市の命運が掛かっている一大プロジェクトですからね。機会があれば青森市についで、さらにもう一個所計画を検討してみたいと思っています。
「昭和の町」の取り組みや、人口26,000人ということで、小規模都市の「希望の☆」となるかも知れない大分県・備後高田市の計画を勉強してみたいと思っています。

 なお、「認定要件」は都市個有の条件をきちんと踏まえておれば、クリアするのは難しくないようです。
難しいのは、くどいようですが、「商業の活性化」について実効ある取り組みを構想すること。

※『青森市中心市街地活性化基本計画を読む』
その1

その2

その3

クオールエイドのサイトでは、今後とも“あるべき『基本計画』”についての論考を精力的にアップしていきます。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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