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第三号(効果)要件

 『中心市街地活性化法』における中心市街地の定義は、その第二条において「三要件」として示されています。
「基本的な方針」も含めて「法」全体を吟味すれば、中心市街地とは「当該都市中心の商業街区」のことであるということに誤解の余地はありません。
しかし、心の底から「中心市街地の定義」を納得するは、もちろん〈背景知識〉が必要であり、その上さらに、“中心市街地(商業)活性化への〈道〉も見えていなければならない。

 これは、きわめて重要なことでありまして、〈背景知識〉を持たず、従って〈道〉も定かではないという都市の場合、「定義」の意味するところが理解できず、従って当然のことながら、適切な施策を講じられるはずも無いのであります。
基本計画で講じる施策群とは〈道〉を歩くための手段群ですからね。
“どこからどこに向かうべきか”ということを理解していなければ、施策の立てようが無い、と思うのは私だけ?

 〈背景知識〉は、〈道〉を構想・決定するにあたっては「不可欠の〈前提条件〉」です。
必要・前提条件を無視して基本計画が立てられ、取り組まれたのが旧スキーム時代の中心市街地活性化だったわけで、その結果は、結局、成果を挙げることが出来ないまま、新しいスキームに移行、という流れになっているのではないでしょうか。つまり、「必要な“背景知識”を欠いた取り組みでは“これからの取り組みに対する教訓”も残らない・・・。

 以上は、旧スキーム時代に多くの都市が陥っていたのではないかと推測される〈隘路〉ですが、さて、新しいスキームでの計画つくりは、このことの真剣な反省のうえに立って進められているかどうか、これまでの取り組みの問題点・課題はきちんと認識され、乗り越えられようとしているのか、皆さんの都市では如何でしょうか。

 前スキームの「行き詰まり」を受けて登場した改正『中心市街地活性化法』ですが、上述のとおり、きちんと理解するためには当該都市の地誌的条件をはじめ〈背景知識〉を準備していることが必須条件です。中でもどこの都市でも共通して必要な〈背景知識〉は、「商業理論」「都市経営論」などの一般論。
もちろん、〈知識〉を使いこなす〈技量〉も不可欠です。

 さて、「中心市街地の三要件」を所要の〈背景知識〉を動員しつつ読み解けば、これは上で書いたように、“都市中心部の商業街区”のことであり、基本的に施策はここを対象に構想されないと、“いろいろ作ったがそれがどうした”と評される結果に終わることになりかねません。
このことについては、あらためて【都市経営】コーナーで〈背景知識〉を動員しつつ、説明します。

 さて、今日特に取りあげてみたいのは、「三要件」の一つ、「三号要件」です。

 三号要件:(引用「基本的な方針」から)
第三号要件:当該市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切であると認められること。(「法」)

 ※市町村及び周辺地域の市街地の規模、配置、相互関係等の現状、総合計画、都市計画や産業振興に関するビジョン等のまちづくりの方針等との整合性について確認し、当該市街地の活性化に取り組むことが、当該市町村のみならず、その周辺の地域の発展にも効果の及ぶものであるかをもって判断する。(「基本的な方針」)

 このところ私が読む機会のあったいくつかの都市の「新・『基本計画』」では、いずれも三号要件は「躓(つまず)きの石」となっています。
つまり、計画されている中心市街地活性化の目標を達成することが、“市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切である”(法)、“当該市町村のみならず、その周辺の地域の発展にも効果の及ぶもの”(基本方針)である、と本当に自信を持っていえるだろうかということでありまして、「人口の中央部集中」や「求心的アクセスの整備」などで、果たして“波及効果”が生まれるものかどうか・・・。

 都市の経済活力が劣化し、広域合併などの影響が徐々に現れるなかで「周辺の地域」のなかには、居住人口の中心部への移動による過疎化や都市機能の劣化を懸念するところもあるはず、納得してもらえる計画であるか否かは、中心市街地のみならず、広く都市経営全体の成否に関わることです。

 一度は挫折した活性化、再チャレンジはこういう状況で行われるわけですから、絶対に失敗は許されません。もちろん、「第三号要件」については周到な上にも周到に達成を図らなければならない。
“中心市街地が活性化すれば、税収が増え、これをもって周辺部に手当をする”などという「壮大な」計画も読ませてもらいましたが、その前に中心市街地への投資の回収可能性を計算するのが先ではないでしょうか。

 さて、第三号要件が求めている中心市街地活性化とは、中心市街地が活性化することで、その成果が”周辺の地域の発展にも効果の及ぶ”ような方向なり、性格を持った取り組みでなければならない、ということです。
早い話。中心市街地が活性化すれば、その結果・成果が周辺の地域に波及し、それらの地域の発展に効果が及ぶ、ことが求められているのでありまして、“え~、中心市街地の活性化さえ難しいのに、周辺のことまで考えられない”というのでは、「法」のスキームに反することになる(笑 スキーム違反はともかくとして、〈背景知識〉を伴いつつ「中心市街地の定義」lを読み解けば、中心市街とは商業街区のことであり、商業街区の活性化は、「周辺の地域の発展に効果」の及ぶものであることが理解されます。

 さらにいえば。
中心市街地の活性化は、「三号要件」がきれいに達成される方向と方法で追求されないと、そもそも、「中心市街だけの活性化」は実現できないのだ、ということも分かるのです。
 三号要件をどう取り扱おうとしているか、ということは『基本計画』の出来映え―活性化を実現できる計画であるか否か―を判断する試金石ですね。

 ということで、「第三号要件」について論じようとしましたが、「前振り」だけでこの長さとなりました。本論はあらためて【都市経営】コーナーで提案します。

 中心市街地の活性化を実現するためには、その「導き」となる『中心市街地活性化基本計画』の作成するに当たっては、①〈背景知識〉を動員しつつ我が中心市街地の問題情況を把握した上で ②〈背景知識〉をもってスキームを読み解き、スキームが中心市街地活性化のスキームとして適切であることを確認し、③活性化を達成するために必要な事業ミックスを構想・構築する、という事前作業が必要です。

 とりあえず、「背景知識を前提にスキームを理解」したい人のために、当社が行った「背景知識を動員しつつ基本方針を読み解く」作業をあらためて紹介します。
【都市経営】の過去ログに収納されている8本のスレッド
基本方針(案)を読む』から、
基本方針を読む(まとめ)』
まで。
一大長編ですが、この機会に既読・未読を問わず読破、自分のものにされることをお奨めします。

※阿吽語“コンセプト”を考えるスレッド もどうぞ。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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