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イオン系SSMの中心市街地出店


 イオン系スーパー、マックスバリュー九州は、まちづくり三法改正の動きを踏まえ、大型店の郊外出店などで苦戦する九州各地の中心商店街を「新たな進出先」と位置づけ、出店していく
1号店は来年3月、鹿児島県鹿屋市の中心市街地の再開発ビルのキーテナントとして出店する。市側は、これを商店街の「核店舗」として集客増や空店舗の営業再開などにつながることを期待している (西日本新聞5月25日)

 三法改正への対応として、予想されていた「絵に描いたような」動きですね。
この出店で何がどうなるか?
まず、マックスバリュー。これは、いわゆるスーパー・スーパー・マーケットに分類される。
来店目的は、スーパーマーケット同様。『日本型スーパーマーケット創論』によれば、「内食提供業」、当社的にいえば、「主婦〈相〉の買い物にワンストップに対応する」業容です。
品揃えは、食料品・家事用消耗品・ドラッグ主体。
セルフ、ワンウエイコントロール。

 当社のショッピングセンター類型でいえば、コンビニエンスマートとしての登場でしょうか。
 市側が報道通りの期待をしているとしたら、「業態」やショッピングセンターの意味が分かっていない、ということになります。
中心市街地はもとより、再開発ビルの核テナントとしても大いに疑問です。先行事例がありますからね。再開発した中心市街地の核となるべき商業ビルの一階に核としてスーパーマーケットを配置したため、施設全体のコンセプトが無くなり、「集積」としての力を発揮できませんでした。
一階メイン部分にスーパーマーケットを配置するということは、当該施設が「近隣・最寄り型」であるとアピールすることですから、そのつもりで全体との整合性を考えることが必要です。
この時期、中心市街地活性化に関係する人達は、当社が提供しているレベルの「商業知識」は必須ですからね。
ホントの話。

□中心市街地への出店事例
 マックスバリューにはすでに中心市街地への出店経験がいくつかあるはずです。
たとえば佐賀県伊万里市では、区画整理で開発されたJR伊万里駅に隣接する好立地・中心市街地に昨年出店しています。
□伊万里市の窯業事情
 同市の中心市街地を取り巻く環状線には、先行してパワーセンター、ディスカウントストア、スーパーマーケットなどが立地しています。
中心商店街は高架駅を挟んで北側、距離150mに位置しています。

 商店街から見た影響は、「バッティング」です。業容からして周辺既存のスーパーマーケット、薬局などは深甚な影響を受けます。当たり前ですね。既存店舗に壊滅的な影響を与えられないようではこの立地にわざわざ出店する意味がありません。

□中心商店街に対する影響は、
①食品、薬局が大きな打撃を受けた。(ワンストップの効果)
②「買い回り」的行動は起きていない。(購買行動の相違)
③商店街区をアクセス道路として利用されるため、交通が渋滞
など、まず予想されるとおりのところです。

 はっきりしていることは、この業態に中心商店街の「核店舗」としての役割を期待することは出来ない、ということです。(「核店舗」については【用語集】参照のこと】
また、集客施設の「核」として検討する場合は、施設全体を「最寄り型」に変質させる、あるいは重要な一階部分だけ全体のコンセプトとはまったく無関係の空間が出来ることになります。

 以上は、報道された出店地に隣接する鹿屋市本町一番街にそっくり当てはまることではないでしょうか。まず、街区内への買い物客の一時停車は完全に出来なくなると思わなければならない。

□なんのために出店するのか
 マックスバリューの中心市街地進出は、中心市街地居住の家政的消費ねらいです。現在大手が企画している中心市街地出店の多くはこのパターンになることが予想されます。
住民にとって意義があるかどうかは、中心市街地における現在のコンビニエンスニーズの対応状況次第です。あとはもちろん、交通渋滞と24時間営業による住環境の変化をどう評価するか、これはケースバイケースでしょう。
 コンビニエンスニーズ対応が劣化している中心市街地の場合、空店舗などを利用してSMが進出してくるのは願ったりですが、この出店が中心市街地の広域的機能の充実に役立つかといえば、それは、ほとんど期待で来ません。あくまでも住民のための生活インフラであり、広域からの来街目的にはなりえません。

 かねて申しあげてきているところですが、既存の業種業態で「中心商店街の核店舗」という機能を果たせるものはありません。皆さんは自分たちの自助努力の総和で「来街目的」を再構築する以外に新しい繁盛への道・賦活への道はないのだと言うことをあらためてかみしめましょう。

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  • Author:進化する売場研究会
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