FC2ブログ

マーケティングという経営理念

 マーケティングは、一般に企業経営の一領域、市場活動における戦術構築のツールと位置づけられていますが、きわめて不十分です。というか、これではこの概念に含まれているせっかくの豊富な内容・知恵の源泉を市場活動のそれも小手先の競争戦術だけに限ってしまうことになり、もったいない限りです。

 マーケティング、教科書的には通常、「商品、価格、流通・立地、販売促進という4つの市場活動の要素をうまく組みあわせることで、市場における所要のポジションを確保することを通じて目標利益を達成する技法」、とされてきました。
「されてきた」というのは他でもありません。四大要素からスタートするこの発想では、見れば分かるとおり、類似市場ねらいの競合他社に差を付けるための「差別化」戦術レベルの話になりかねず、「もの余り時代」には「差別化」戦術は通用しない、ということが明らかになっており、新しい視点が必要になっている、という状況があるからです。
はっきりいって、マーケティング=4Pなどという思考はもはや時代遅れ、今どきこういう発想のマーケティングなどは考えるだけ無駄・やるだけ損です。

 もの余り・店あまり・人あまり(なのにお客は激減!)という時代には、「もの不足・店不足・人不足(なのに潜在市場は無尽)」という時代のマーケティングは通用しません。言うまでもないことですね。ところが、現在流通しているマーケティングは「もの不足時代」のまっただ中で生まれており、そのために「もの不足時代」特有のあり方を色濃く残しています。それが「マーケティング」そのものであるかのように認識している向きも、未だにあとを絶っていません。

 もの余り・店あまり・人あまり(客激減)という時代におけるマーケティングは如何にあるべきか? 考えてみたいと思います。

 マーケティングは、企業の利益を実現する市場活動のあり方をより効果・効率的にするためのアプローチの方法として発明されたのですが、ご承知のとおり、今では社会のさまざまな分野で利用されています。つまり、マーケティングは、市場活動=営利活動のためのツールにとどまらない、さまざまな領域におけるさまざまな目的を持ついろいろな組織の社会に対するアプローチの方法として普遍的なものである、ということですね。

企業以外で使われるマーケティングとはどのようなものか?

 企業の市場活動は、利益=企業存続に必要なコスト原資の確保を求めて行われる「顧客満足を実現するための活動」ですが、これを企業に限らず・社会活動一般に当てはまるように定義すれば、「マーケティングとは自分の目的達成を左右する相手の目的達成に貢献することを通じて自分の目的を達成しようとする活動」です。

 整理してみましょう。
①企業は、営利という目的を達成するために、顧客に対して「マーケティング」を駆使して顧客満足を実現しようとする。
②社会において活動している組織は、それぞれの目的を達成するために、活動の対象となる人々に対して「マーケティング」を駆使して対象の満足を実現しようとする。
 こうしてみると、①の企業におけるマーケティングは、②の社会における組織一般がおこなうマーケティングの「営利」分野における応用、というように理解することが出来ます。

 もの不足からもの余りへ、市場与件が大きく変わっている今日、「マーケティングとはなにか」という「一般論」からあらためて考えてみることは、是非とも取り組まなければならない課題だと思います。②のように考えれば、私たちの社会的な活動の多くはマーケティング活動そのものだ、ということになります。
 ここからは②の定義をもとにマーケティングを考えてみましょう。
「もの不足時代」にあっても「もの余り時代」においても「マーケティングとは自分の目的達成を左右する相手の目的達成に貢献することを通じて自分の目的を達成しようとする活動」であるということでは同じですからね。

 さて、②の定義をもっと簡潔に表現すると、
「相手の問題解決に貢献することを通じて自分の目的を達成しようとする活動」さらに短縮すると「相手を喜ばせながら目的を果たすこと」ですね。
クオールエイド流に言えば「その気にさせる」(笑

 このように考えていきますと、マーケティングという組織活動は、組織(端的には企業)の顧客に対して行われる活動に限られるものではありません。「組織の目的達成を左右する」のは顧客・市場に限るものではありせん。
 組織・企業活動に関わる人たちは、その誰もが企業活動への参加に先立って自分自身の目的を持っています。それぞれの目的を達成する手段として企業活動に参加する輪眼です。このことは、創業者、オーナー、経営者、株主、社員全て同じです。もちろん、顧客、取引先はいうまでもありません。
 組織・企業は、その目的を達成していくプロセスにおいて、参加者が組織・企業に期待していること=それぞれの参加動機である固有の目的の達成に貢献すること、を実現していくことが必須課題です。
意欲・知恵の源泉は「私利私欲の実現」ですからね。
 マーケティングが「自分の目的達成を左右する相手の目的達成に貢献することを通じて自分の目的を達成しようとする活動」であると定義するならば、組織は、その全ての活動を「マーケティング」として展開しなければならない。

 今日、地域社会、国、世界という空間的な広がりのなかで組織・企業に期待されていることは、直接の関係者の利害の他にもたくさんあります。それらの期待に応えることが企業にとって、企業の存続、関係者の期待に応えていくという本来の任務を果たして幾重でどんなに大切なことか、このところ、私たちはその例をたくさん見ています。広義のマーケティング概念を企業の行動原理として採用することは、社会的存在としての組織・企業が取り組む市場活動にも好ましい結果をもたらすことになることは言うまでもありません。

 「マーケティング」はもはや企業経営の一分野・市場という限られた領域における活動のツールという位置にとどめるのではなく、企業の命運を左右する企業理念のレベルにおける有力な考え方であるととらえるべきです。
 企業とは、顧客をはじめ関係者の「先行する目的」の実現に貢献することを通じて自己の目的達成を目指すマーケティング活動体である、ということになります。

 市場原理主義よ、さらば・マーケティングよ、あらためてこんにちは(笑

 このブログでは、このような新しいマーケティング概念を導きとして、具体的なマーケティング実践へのアプローチを開拓していくことも課題の一つとしています。
興味のある方はクオールエイドのサイトにお出でいただけば、「中心市街地活性化」という課題への取り組みを舞台に総合的なマーケティングの展開を堪能していただけます。
-
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
ご案内
こちらは、コンサルタント・ファーム、有限会社クオールエイドのホームページの別館です。 商店街・中心市街地活性化関係の業務を中心に展開しています。 ご利用法について。 当ブログには、当該部門について、他では入手困難な情報をたくさん提供しています。 「ブログ内検索」で抽出、ご利用ください。 各種掲示板、ホームページ過去記事などは左欄の目次からアクセスできます。 引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール

進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
ブログ内検索
アクセスカウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
月別アーカイブ