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TMOと中心市街地活性化協議会

 『中心市街地活性化法』の見直しによりTMOはスキームから消滅したのではないか?
という質問を時々受けますが、そういう質問が出ること自体、TMOが理解されず・したがって機能していないことを物語っています。TMOがきちんと所期の役割を遂行しているところではこういう質問は出ないはずです。

 TMOは消滅するのか? そんなことはありません。
むしろ今回の法改正ではじめて正式にオーソライズされて登場する、と理解すべきです。端的に言えば新「法」第十五条 活性化協議会を発起するメンバー、一及び二のうち、二の「ロ」がTMOですね。
ここでいうTMOとはもちろん、「中心商店街8中心市街地の商業機能)をショッピングモールとして再構築する」仕事の中核を担う組織です。

 これまでのスキームにおいてTMOは字義通り「タウンマネジメント機関」として法定されていたのかといえば、厳密にはNOでした。
TMOと見されてきたのは「認定中小小売商業高度化事業構想者」でしたが、法律上では、これはご承知のとおり、高度化事業の実施主体・申請窓口でありまして、「ショッピングモールとしての再構築」の取り組みを推進する、タウンマネジメント・中心商店街の活性化全般を推進する司令塔、とされたのは中企庁『TMOマニュアル』においてでした。

 従ってというか、取り組みの至らなさでというか、TMOが商店街、商店街組織と密接に連携して本来の任務に邁進する、というあり方を実現しているところはきわめて限られています。
TMOは、商店街組織の恒常的活動とは別の位相でもっぱら「高度化事業」「補助事業」関係の事業主体として活動してきたところが多かったのではないでしょうか。法的にはそういう組織ですからね。

 TMOに期待されている本来的なタウンマネジメント業務とは、商店街組織と連携して「商店街のショッピングモールとしての再構築」に取り組む、ということですが、従来のTMOには、その任務に邁進する法的根拠はありませんでした。
実際にマネジメント業務に取り組んでいるTMOは、その「司令塔」としてのポジションを商店街組織などによる承認で確保しています。もちろんその承認を得るには得るに値する役割分担をこなしている、ということがあるわけです。
 そういう組織であると定義し、関係方面と合意を形成しているTMOのみがTMOらしい取り組みをしています。(もちろんその数は極めて限られています。)

 司令塔としての承認が得られないTMOは、リノベその他の事業には取り組んでいても、「タウンマネジメント機関」として関係各方面から認知はされていなかった、自らもその自覚に乏しかった、というのが実態だったのではなかったか?

 今回の改正ではじめて「商業等の活性化を図る事業活動を行うことを目的として設立された公益法人または特定会社」の登場で法的にオーソライズされたTMOが登場することになります。
詳細は政令で定められるわけですが、真性TMOがここに位置づけられると思います。(ただし断定はまだできません)

 中心市街地における商業の活性化は、関係する組織団体によって構成される一体的な推進体制を作って取り組むことがきわめて重要であり、もちろんこれは「中心市街地活性化協議会」などの協議機関がよく担うところではありません。
 全体を統合して推進する機能(組織)にはすぐれて商業関係のエキスパートであることが求められていますからね。

 ということで名称は何であれ、TMO(的機関)の存在・活躍は中心市街地活性化の実現にとって絶対条件です。
まじめに商業・商店街活性化をもくろむならば、法律上の位置づけの有無に関わらず、タウンマネジメント機関はきちんと設置しなければならない。

 問題は、このような機能を担うべきTMOをいわゆる「企画調整型」、「会議所TMO」でやってきたところですね。
新しいスキームによる取り組みをどんなキャスティングでやるのか、そのとき、「商業等の活性化を図る事業活動」には誰が当たるのか?
「事業活動」は「企画調整」ではありませんからね。

○中心市街地活性化協議会
 この協議会をTMOだと考えている人もありますが、とんでもない。
TMOとの類似性を見いだそうとするなら「企画調整型TMO」でしょうか。
協議会はあくまでも関係諸団体の「協議の場」、事業主体ではありませんから、事業主体は別に構築しなければならない。

 現在のスキームにおいて、TMOが「中心市街地の商業機能を一個のショッピングモールとして再構築する」ことを任務としていることは、ひょっとしたらあまり知られていないかも知れません。

 TMOの役割(中小小売商業高度化事業関連以外の)がショッピングモールの構築&運営である、ということが周知されていたとしたら・・・
①「モール」の実現には既存商業者の業容転換が不可欠であり、当然、転換の取り組みがTMOの主要事業の一つとなる

②事業に取り組んだ個店の中から「業容転換」に成功、繁盛を再生するところが続出し、中心市街地活性化実現への見通しが少しなりとも立っていたはずである

③TMOと商店街組織、個店との連携も確立されている

という状況に到達しているはずです。
これが実現していないと言うことは、実際の組織形成と相まって、TMOがその任務を十分理解していなかったということを意味しています。

 繰り返しますが、中心市街地活性化推進協議会は、協議のための組織であって実働組織ではありません。
皆さんがホンキで新しい中心市街地活性化の定義=中心市街地における「経済活力の向上」を目指すとすれば、商店街活性化への取り組みは絶対に省略できないし、かならず成功させなければならない。

○「再構築」を誰が担うか
 ショッピングモールへの転換、新スキームでは果たしてどうなるのでしょうか。予断は出来ませんが、いずれにせよ、中心市街地在住の商業機能を活性化させたいのなら、その推進の司令塔であるTMO(に変わる新組織)の設置は不可欠です。
 皆さんの都市では果たしてどう取り組まれるつもりなのか。
特にこれまで会議所TMOだったところは大変でしょうね・・・。
そもそも、「企画調整型TMO」という存在に問題がありました。
TMOマニュアルにおいてTMOの役割は中心市街地の商業機能=商店街群を一個のショッピングモールとして再構築する、ということが銘記してあります。再構築は企画調整だけでは出来ません。

 商店街群、個店群を叱咤激励、指導育成することを通してショッピングモールを実現しなければならない、これがTMOのお仕事でした。
これが実行出来なかったことが、活性化が出来なかった直接の原因です。

 ということは、行政をはじめ関係者がこぞってTMOの役割を理解できてなかった、ということです。だからTMOを本来業務を遂行できる組織として立ち上げなかった。その結果ショッピングモールは影も形も実現できず、したがって中心市街地活性化は実現しなかったし、この間の取り組みの結果も全く蓄積されていない、ということですね。

 以上を踏まえて、「中心市街地活性化協議会」を検討してみましょう。
これは、
①中心市街地整備推進機構 と
②商業等の活性化を業とする法人が
言い出しっぺになって作る・中心市街地活性化に関する関係者による協議組織です。①や②などが作る中心市街地活性化に関する事業計画は、全て当協議会における協議を経てから外部に出すことになっています。
 言ってみればこの協議会は、中心市街地活性化に関係する各団体等が企画する事業間の連携を図る・調整を行うための機関です。
とてもショッピングモールとしての再構築その他中心市街地活性化の実務事業の主体になることは期待されておりません。
そういう意味では会議所TMOによく似ていますが、前述のとおり、会議所TMOは本来のTMO業務を推進しない組織でした。
協議会も同じことです。

 TMOの本来業務を協議会が担うということは出来ません。
協議組織がどうして「ショッピングモールとしての再構築」その他、中心市街地・商店街活性化の実務を担ったり指導したりすることが出来ますか?
そういうスキルは当協議会にはありませんからね。
ある振りをすると、いままでと同じ結末が予定ーけっていされることになりませんか?

○新スキームに乗らないところ
 新スキームはハードルがかなり高いと言われており、乗らないところ&乗れないところが出てくるかも知れません。いろいろな事情が考えられますから。

1.今持っている基本計画でOKと言う都市
 数はどうか分かりませんが、確実に存在します。ほんのこの前見直したばかり、「これで活性化できる」と確信して取り組んでいるところもあっておかしくない。
 こういうところも支援を受けるには新しいスキームで計画を作り直し、総理大臣の認定を受ける?
現在の進捗状況は不問、とりあえずスキームに乗りたかったら作り直すこと、ということになるのでしょうかね。

2.活性化のめどは立っていないが、作り直すことも難しい。
 事情は諸般。いろいろ考えられますが、それは措いておきまして。
新スキームに乗らないからといって中心市街地・商店街の空洞化という問題が消滅するわけではありません。
①従来の計画ではダメだった
②新スキームには乗れそうもない
 ガラガラポン、スキーム無しでなんとかして行かなくてはならない。こういうところは意外と多くなりそうです。

3.他の手法でちゃちゃっと取り組む。
 ハード面についてはこれもあり得る選択肢ですが、もっとも大事な買い物の場「シャッターの内側」についてはどんな取り組みを考えていくのか?

 新スキームを採用しない都市においても、商店街・商業集積・商業機能の活性化についてどう対処するのか、この間の取り組みの結果を踏まえつつ、最終方針を出さなければならない。
まさに、事態がそこに立ち至ったからこそ行われた今度の法改正であり、このタイミングを利用することが「千載一遇のラストチャンス」になるわけです。

 この際言っておきますと。
新スキームに盛られた項目全般にわたって事業目録を作ればそれで中心市街地が活性化される、と言うことはありませんからね。
他はともかく、商店街の「シャッターの内側」問題は事業目録では片づきません。

 旧スキームが使えるのは、大雑把にいって人口30万以下くらいの都市だったと思います。中規模以上の県都クラスなどになると、このスキームには収まりにくいかな、と感じている人が多かったと思います。
新スキームはどうでしょうか。
「市街地の整備改善」と「商業等の活性化」以外にも実施すべき事業がたくさんあるようです。
これらの事業に網羅的に取り組むとなると、相当規模の都市でないと要件をクリアできないかも知れません。

 ところがそういう都市では別にこのスキームでは取り組みにくい事情がある・・・。
ということで、新スキーム自体の前途もけして平坦ではありません。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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