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空店舗対策、最優先の取り組み(承前)



○空洞化はなぜ起こったか?

 商店街の空洞化=物販機能としての商店街の空洞化はどうして起こったか? もう一度振り返っておきましょう。

答えは簡単です。
①これまで商店街が作り上げ提供していた「買い物の場」としてのあり方=機能を支持する人が少なくなった、ということ。

②少なくなったのは「人口が少なくなった」からでも「収入が減った」からでもない。他に相対的に良いと評価される機能を装備した商業集積が出現したため、商店街という既存機能が陳腐化。

③お客の生活は次第に変化し、買い物ニーズも着実に変化していったにもかかわらず、商店街(立地の各個店)はそれに対応して「店づくり」を変化させていくことが出来なかった。
ということです。

 空洞化とは、
空店舗が増えることではなく、「買い物の場」としての機能がお客のニーズに適合していない店舗が増えることで起きること。
お客の購買ニーズが変化する時、対応して「店づくり」を変化させられないお店の「物販施設」としての機能は自ずと空洞化するのです。

見た目には立派な専門店ですが、お客が来ない、売り上げが上がらないというお店は、小売店としての機能が老朽化し始めており、空洞化が始まっています。
つまり、店主が「これなら売れるだろう」と考えて(?)作っている「売り場」がお客から見て「欲しいものが売られている」:「買い場」になっていないお店は、見た目的にはしっかり商品が詰まっていても、ねらっているお客の「買い物行き先」機能としては「空洞化」しています。「いろいろあるけど買うものが何もない」というお店は小売業としての機能の空洞化が進んでいるのです。


○空洞化は空洞化の前からすでに始まっている

 お店の空洞化に一番先に気づくのは誰か? もちろん、お金と商品を換えなければならない「お客」です。

 ではお店の空洞化に最後まで気づかないのは誰か? もちろん、景気や大型店・・といった逃げ口上・「お店が売れないお店の外の理由」を持っている店主さんです。

 ということで、商店街の空洞化は第三者の目に見える段階に至れば、すでに手遅れ、すでにお客は逃げ出し・新しい買い物行き先を発見・確保しています。
空店舗が発生するもっとずう~っと前、お店が営業している間にきっちり手を打たなければならない。空店舗になってからでは決定的に遅すぎます。
「商店街の空洞化」という問題から見れば、空店舗はその「氷山の一角」のようなもの。その背後には空店舗予備軍=機能不全に陥って降り、お客から見放されつつあるお店がたくさんある、ということです。

 とするならば、空店舗をどうにかする前に、かろうじてなんとか頑張っている既存個店の活性化という課題への取り組みを優先しなければならない。
よろしいですか。
空洞化対策は空店舗の活用ではなく・既存個店の繁盛再生に組織的に取り組むこと。常々が申しあげているとおり。

 ところで皆さんの街の活性化への取り組み、既存個店の活性化への取り組み、組合を挙げての取り組みが計画されていますか?
計画されていませんよね、どうするんですか?

 ということで、あらためて。
補助金を使って空店舗をチャレンジショップで埋めたとしてもそれで商店街の「物販機能」の空洞化が止まることは無い、なぜならば、という理由がご理解いただけたことと思います。
では、なすべきことは何か?


○店舗が空っぽになる前に

 繰り返しますが、そのお店の「買い物行き先」としての機能が劣化しています。
買い物行き先=買い物の場は、
◇品揃え
◇サービス
◇環 境
の三大要素が三位一体的にバランス良く作り上げられていてはじめてお客に「買い物の場・買い物行き先」として承認されます。
この「買い物行き先として承認される」ということが小売店にとってもっとも大事なことでありまして、お店の仕事という仕事はぜ~んぶ、この一事を実現することを目的に営まれているわけです。
ま、ご承知のとおりですね。

 空洞化の第一段階、外部の眼には見えない段階は、お客が「もう買い物に来るところじゃなくなっている」と、これまでの承認を引き上げることから始まります。
どうもこのごろ売れなくなった、そう言えば客数が減っている、という気づきには、こういうことが起きているわけです。
それなのに、景気のせい、消費税のせい、大型店のせい、通行量のせい・・・などなど、「買い物行き先」としての自店のあり方を批判的に見るという仕事をすっぽかして、シャッターの外側に責任を転嫁しているうちに、一杯詰め込んでいた商品が全く回転しなくなる、在庫の新陳代謝が出来ない、機能不全に陥ってしまう・・・。
すでに、まっすぐ「目に見える空洞化」に向かってまっしぐら状態です。
ここから「空店舗」=「第三者がみても空洞化」という状態までいく時間は店主の事情によってまちまちですが、シャッターの外側の事情が変わったからと言って「機能不全」が修復されることはありません。街全体どうなろうと、中身がダメな店はダメになっていく。

 ということで、機能不全に陥ろうとしながら、まだかろうじてシャッターを上げているお店をいまのうちにどうにかする、しなければならない、ということが中心市街地/商店街活性化の大きな課題。
これは、
①イベントなどの集客事業
②マンション併設などの人口増加策
③学校・事業所誘致などの来街増加策
④大型核店舗の誘致
などなど、常識的活性化策を束にして取り組んでも実現できることではありません。
それぞれの店舗がシャッターの内側で取り組む以外に、個店~商店街を「買い物行 き先」として再承認してもらう方法は無いのです。

空店舗、実は店がからっぽになる前に、「買い物の場」としての機能が劣化していたのでありまして、空店舗はその当然の結果ですよね、ということから、空店舗の活用に取り組む前にやらねばならぬことがある。


○不毛な空店舗対策

 その前に、空店舗が利用されない理由として声高に言われている「家賃」について考えておきましょう。
 「家賃が高いのが問題だ」ということで「家賃を下げない家主が悪い」という論議も聞かれますが、家賃が下がれば空店舗は埋まるのか?ほんとうにそう思いますか?
 たとえば、家賃を50%下げたとしましょうか。
そうすると、これは経常経費全体の何%が下がることになるのでしょう?
恒常経費に占める家賃の比重ってそんなに高いですかしらね。

 今どき商店街に出店してくる業容があるとすれば、もちろん、自店の魅力だけで集客してみせる、という自信があるから。
(家賃軽減などに惹かれてでるとたちまち敗退)
来街目的になりうるお店が出てくれれば、商店街全体の集客力のアップにつながり、努力するお店には回遊が発生するかも知れません。
是非、そういうお店に出店してもらいたいものですが、あいにくそういうお店にとって「家賃下げ」などが出店動機になることはありません。
中心市街地がトータルで新しいショッピングゾーンとして再生するのだ、その方向と方法はこの通り、というアピールがあってはじめて食指が動く。

 家賃を下げたら出店者続出、おかげで空店舗が無くなり、かつ、既存店舗の売り上げアップにも貢献している、という事例がどこかにあるでしょうか?
無いとすれば、わざわざ皆さんの街で「家賃を補助してチャレンジショップを出させる」といった、まったく効能効果の考えられない事業の「効能効果の無さ」を貴重なお金と時間を費やして再確認してみる必要はありません。
ということで、まじめに活性化を考えるならば、第一着手点は全然別のところにある。


○緊急の空店舗対策は「これ以上空店舗を増やさない」こと

 空店舗対策の第一歩はこれです。
街なかに点在する空店舗予備軍を空店舗に陥らせないためには、ちゃんとした取り組みが必要です。

先に書いたように、空店舗は、
※空店舗になる以前に物販施設としての機能が空洞化している※
機能の空洞化が先行してやがて空間の空洞化にいたる、という言われて見れば当たり前・言われてみないと分からない(笑、コロンブスの卵チックなお話ですが、このことはもう皆さんのまちの中心市街地活性化関係者に共有されていますか?

空店舗予備軍を立ち直らせること、繁盛していないお店を繁盛するようにすること、これが空店舗対策のもっとも緊急かつ効果的な解です。
ちょっと考えてみればすぐ分かる。
①繁盛店が生まれる
②その影響で繁盛店が増える
③この商店街は好立地だ、という評価が拡がる
④空店舗への入居者がでてくる
というシナリオですね。
もちろん繁盛店づくりにはこれまたそれ相応の努力が必要であることは言うまでもありません。

他方、既存店舗の命運はそれぞれの店主が決めること、みんなで取り組むのは空店舗のシャッターを上げることだ、という考えを踏襲すれば、
①集客力のあるショップを誘致した
②繁盛している
③従来通りの既存店に波及することはなにもない
ということになります。
この状況が続くと、だんだん空店舗進出組もマンネリ化、いつの間にかふたたびシャッターが下りてしまう・・・ということになりかねません。

 実際にチャレンジショップ制度のパイオニアと自他共に許した事例でもいつの間にか既存街並みの中に埋没しちゃって、あれはいったい何だったのか、といわれる状況に陥っている。
空店舗活用、取り組むならば最低でも既存の予備軍の繁盛再現への努力と併行して取り組まない、時間とお金の無駄遣いに終わる可能性が高い。
いつも申しあげているように、この時期、お金をかければいい、お金を使えば何とかなる、というそんな事業は無いのだ、と思いきらなければいけない。
おっと「勉強」に使うお金は別ですよ(笑
活性化を実現するための勉強とは「お金と時間の使い方」の勉強、お金をかけない以上、「お金をかけないで繁盛する方法」の修得は必要です。
 もちろんちゃんと分かっている人には必要ないことです。

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  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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