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商店街活性化を阻む5段階の不備

■中心市街地活性化、「法」制定以来7年に渡り、全国ほとんどの都市で取り組まれている訳ですが、ご承知のとおり、「成功事例」がなかなか出て来ません。
そもそも何をもって「成功」とするのか、ということさえ定義・基準がない、という状況があります。
 このような状況に鑑み、総務省は昨秋、取り組みの総括を実施、『中心市街地の活性化に関する行政評価・監視』〈評価・監視結果に基づく勧告〉総務省 平成16年9月15日 を提示しました。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040915_1_1.pdf
(ちなみに、この勧告についての当社の考察は
http://www.quolaid.com/cgi/tkf/wforum.cgi?no=104&reno=no&oya=104&mode=msgview&page=0  で行っています。

 最近、中心市街地活性化の実現を阻んでいるのは、取り組みの5つの段階それぞれにおいて基本的な不備があるからだ、ということに思い至りました。


□各段階の不備
驚くなかれ(笑、次のような不備があります。

第一段階:「中心市街地活性化はなぜ必要か」最終目的の不備
第二段階:「中心市街地活性化を実現する」達成目標の不備
第三段階:「中心市街地活性化の目標を達成する」事業計画の不備
第四段階:「中心市街地活性化を推進する」組織体制の不備
第五段階:「中心市街地活性化を実現する」理論・技術の不備

如何ですか。中心市街地活性化の目的・目標の設定から実践に必要な理論・知識まで取り組みを成功させるための取り組みの各段階にすべて「不備があった」?
こうしてみると、中心市街地活性化を推進する、実現するために必要な要件がことごとく不備だった、ということですね。
もしこれがほんとうだったら、「活性化なんて出来なくて当たり前」とか思いません?
これでは活性化が実現しないのも無理ありません。
大変なことですね。

大変なことですが、「ものは考えよう」でありまして。
たとえば、一から五まで、全部、完全に整備されており、それにも関わらず活性化が実現できなかった、というのならそれこそ活性化は不可能だと言うことでほんとうに大変ですが、取り組む側に不備があって出来なかったわけですから、不備を整備すれば成功する・活性化できる可能性があるということになる(笑
活性化できなかったのは、取り組みに不備があったから、と言うことが分かった、これは喜ばしいことではないでしょうか(笑

 ということで、以下、5つの不備をしっかり分析、課題を抽出、対処の方法を考えてみることにいたしましょう。

□第一段階の不備について
> 第一段階:「中心市街地活性化はなぜ必要か」最終目的の不備
Q1.中心市街地とはどこのことか?
 A 都市中心部に立地する商業機能が集積した街区のことである。
Q2.なぜそういえるか?
 A 「法」第●上「中心市街地の三要件」の1及び2を見よ
Q3 中心市街地の活性化とは何がどうなることか?
 A 中心市街地がその本来の機能である小売商業機能として再構成さ   れることである。(『TMOマニュアル』)
Q4 中心市街地活性化の目的は何か?
 A その目的は多様である。後ほど詳しく説明するが待ちきれない人   は「サイト内検索」で適宜自修しましょう。
Q5 中心市街地の活性化はなぜ必要か
 A 必要な理由は山ほどある。(下で説明します。)

 如何ですか。
このあたりはしっかり押さえておかないと、
①取り組んでいる自分たち自身の仕事の価値が分からない、誇りが持て ない、知恵がでない・・、と、当事者としてははなはだ困ったことに なる。
②関係各方面、TMO体制を担う仲間、上司&部下・議会・市民・消費 者・中心市街地以外で活性化に取り組んでいる人などなど関係者を中 心市街地活性化の必要性について説得、合意を確保することが出来な い。
③これからどんどん出てくる類似課題との競合において、「中心市街地 活性化」の優先順位を確保できない。
 (これは、競合する事業の成功を妨げることになる=例:コンパクト シティ)
○広域合併以降の都市経営における中心市街地活性化の重要性、しっかり理論武装しておかないと放置されてしまうことになりかねません。
今のうちに、しっかり頭に入れてくださいね。
特に、行政関係の人は大変だと思います。他部局と議会が共同戦線を張ったりして(笑)


□前提条件

 取り組みがスタートして7年、多くの都市がおおむね5年間は取り組んできたところですが、なかなか展望が開けません。
まず、基本計画レベルにおいて。
中心市街地活性化がなぜ必要か? 活性化するとどんなメリットがあるいかということがハッキリと理解されていない。ここが適切に理解されていないと、取り組み全体が致命的な方向ミスになると思います。

○基本的な視点としては。
1.中心市街地を新しい事業活動の場として再生させる
 新しくないと「事業活動」と言うほどのことはできない

2.新しい消費・生活ニーズの受け皿として商業機能を再構築する
 郊外型商業とは「棲み分け」を目指す。真っ正面からぶつかっても勝ち目はない。もし五分に渡り合っても将来が不安。

3.再構築は中心市街地既存の商業者の自助努力を中心とする
 他に中心市街地に出かけてきて活性化を引っ張ってくれる業種・業態・企業がありますか?
ということが前提になります。


■第二の不備について
> 第二段階:「中心市街地活性化を実現する」達成目標の不備

 中心市街地とはどこのことか、そこの何を活性化するのか?
ここが判然としていないと、「これを実現することが中心市街地活性化である」という「目標」を設定することが出来ません。
国は、中心市街地活性化を推進するにあたっては、「車の両輪」である、市街地の整備改善の事業と商業等の活性化の事業を「一体的に推進することにより実現を目指す目標」を設定することを求めていますが、
中心市街地活性化は、これを実現すれば達成される、という具体的な「一体的推進の目標」を掲げている都市はきわめて少ないでしょう。
一体的推進の目標、これが適切に設定されていないと、実施する各種事業の方向、内容、時期などが適切か否か、判断する基準がありません。それでは目標達成は難しい。

□一体的推進の目標
 中心市街地≒中心商店街を活性化することを目的に取り組まれる、市街地の整備改善(基盤整備)及び商業等の活性化(機能整備)といういわば「デザインと機能」両面について施策群を展開して何を実現しようとするのか? 対象が商業街区ですからこれはもちろん、商業機能であることは明白です。
 一体的推進の目標とは、商業機能を活性化するにあたって実現を目指す目標です。 中心市街地の場合、目標設定にあたってはいくつか超えなければならない課題があります。

1.郊外のショッピングセンター(以下[SC]と略記)をはじめとする 商業機能との関係をどのように考えれば、活性化を実現することが出 来るか?
※棲み分けを目指すのか? その場合、相手の機能の特性をどのように とらえ、みずからのポジションをどう設定するのか?

2.商業機能としての活性化を主体的に担うのは誰か?
  新しい企業群を誘致しようとするならば、彼らが進出してくるメリ ットは何か?

3.いずれにしろ、既存商業者の大多数が新たに設定する「一体的推進 の目標」の実現に向けて「その気になって」取り組むことが可能か?
 既存商業者がその気になって取り組めば、彼らの事業が活性化する目 標か?
などの課題はたちどころに直面するところです。

4.さらに。もっとも重要な課題として、
 現在、わが都市における商業機能の配置において、充足され得ない消費生活ニーズが存在するか?
そのニーズは都市既存の商業集積群では対応できないニーズなのか?
ということも考えなければならない。

○だってそうでしょう。活性化に取り組むにあたって、
1.SCを無視して、あるいはSCの模倣路線を採用したが、SCから  お客を奪うことは出来なかった。
2.誘致を見込んで施設を建設したが、応じるものがいなかった。
3.既存商業者個々の店舗について目標を与えられないと、街区の動き  と無関係に、それらはさらに劣化していく。空き店舗対策をしてい  る間も空き店舗が増える。
4.新しい消費生活ニーズは、消費者が自覚しているとは限りません。  当事者のことは当事者が一番よく知っている、というのは真っ赤な  ウソですからね。

 ついでに言っておきますと。
潜在顧客を事業に巻き込むのは、「そんな商業集積が出来たら、是非利用したい」と評価してもらうため。潜在顧客の意見通りに動けば彼らが買い物に愛用する集積になるとは限りません。
だって、彼らが「どういう商業機能が不足しているか」、一所懸命考えているはずがありませんからね。

○たとえば。
 コンビニが一軒も無いときに、住民に「24時間営業の小さなスーパーのような店を作ろうと思うがどうでしょう、夜中に買い物に来てくれますか」と聞いてみた場合を想像してみれば一目瞭然。
ほとんどの人が「そんな時間に買い物には行かない」と答えたはず。それを真に受けていたら、今でもコンビニは存在しなかったはず(笑

○本題に帰りまして。
 中心市街地、「こういう方向でこういう方法で頑張れば、活性化することが出来る」というのが「一体的推進の目標」です。
この目標が、
1.「商業集積の活性化」を目指す目標としては設定されていない
2.設定されているが、SCとの関係が意識されていない
3.誰が主体で牽引するのか定かではない
4.既存商業者の位置づけが不明確
などの不備があれば、これはもう、役に立つと期待する方が絶対おかしい事業になってしまう可能性が極めて高い、ということになります。

□目標とシナリオ
 ところで、目標は、立てれば実現する、というものでありません。
もちろん、ヒト・モノ・カネが潤沢ならばOKというものでもない。
現在から目標に到達する大まかなシナリオを描かないと、(ほんとうは)一歩も進むことができないはずです。
このシナリオが「戦略」です。
戦略がなければ目的を達成する行動を組み立てることが(ほんとうは)できません。
※戦略については、10月12日の記事参照のこと
http://quolaid.blog13.fc2.com/blog-date-20051012.html

□戦略=シナリオの不在
 これは大きいですね。「中心市街地活性化」の条件:
①対象となる街区が広い
②商業機能を始め多様な都市機能が集積している
③さまざまな事業をミックスして取り組むことが必要だ
④いろいろな立場の人の協働が不可決
⑤数年は掛かる
などを考えると、「シナリオ」抜きで実現できるとは思えません。
 皆さんの都市の『基本計画』では、活性化を実現していくためのシナリオが作られていたでしょうか?これは是非チェックしてください。
シナリオとは:我々はこのような経路をたどって中心市街地活性化を実現していく、という「構想」です。
もし、これに類するものが基本計画中に見あたらない場合、早急にシナリオを作ることが必要です。
 このことはきわめて重要なことですから、もし、なぜ必要か分からない、という人があればその旨書き込んでいただけば説明します。
書き込みがなければ、皆さんはシナリオ作りにこれから邁進する、という段階になるということなるのでしょうか。
「戦略策定」、参考になるようなことをどこかに書きたいと思います。

■第三の不備
> 第三段階:「中心市街地活性化の目標を達成する」実施計画の不備
中心市街地活性化という
①相当広い範囲の街区について
②市街地の整備及び商業等の活性化という両目に渡る事業を駆使して
③相当の期間を掛けて取り組む
というのがこの事業の特性です。

 したがって、取り組むにあたっては、
事業種別、事業期間別、事業主体別などなどさまざまに区分される多様な事業を逐次展開していくことが必要です。
言ってみればオーケストラが演奏を行うようなものです。
オーケストラの演奏に楽譜が必要なように、中心市街地活性化の取り組みには「計画」が必要です。
 ここの事業の実施計画はもちろん、中心市街地活性化という大事業における個別事業の位置づけ、他の事業との関係・条件などが計画されて初めて、ここの事業が全体の一翼を担うことになり、全体の進展が担保されます。
中心市街地活性化には事業期間中の骨格となる計画・運行表が作られていません。

□事業ミックス
 対象街区・機能・期間など、いずれを考えても、「単年度・単発事業」やその「連発」でなんとかなると言うことはありません。
「一体的推進の目標」が決定したら。
1.その目標が達成されている中心市街地の情況を想像してみる
(1)商業機能~個店の情況
(2)非物販機能
(3)通り景観
  などなど.
※特に。「そこが何であるかはそこで何が起きているかで決まる」という視点で考えれば、お客がそこで何をしているか、それはなぜか、ということは一番真剣に考えなければならないことですね。
2.それらの情況が中心市街地に起こるための条件を考え・実現する計 画を立てる
3.2で立てた各種計画を組み合わせ、効果・効率を考えて先後その他 を考える。これが事業ミックス。
4.特に、事業によっては着手の前提として事前に整備しておかなけれ ばならない条件を持っていることがあるので、事業の先後関係は十分 注意が必要です。ちなみに「個店の転換」への取り組みはなにはさて おき最優先で着手すべき事業です。
  必要な事業をおおむね3カ年の期間内に配置、先述のように事業に は準備期間も必要ですから、それも勘案しながら3カ年でモールへの 転換を軌道に乗せる事業ミックスを作る。
 といえば大仕事のようですが、やってみればそうでもない。要は個店 の転換がどんどん進んでいくことが最大必要条件です。

■第四の不備
> 第四段階:「中心市街地活性化を推進する」組織体制の不備
 市街地の整備改善及び商業等の活性化、両事業を車の両輪として進められる中心市街地活性化の取り組みは、それぞれ立場や役割のことなるさまざまな組織、個人によって推進されます。
立場、仕事の内容、実施する場所・時間、などがさまざまな事業の基準を定めたり、実施時期を調整するという重要な機能が必要です。
TMOがそれに充てられるわけですが、事業を効果的に進めていくためには、TMOを中心に関係者がさまざまな企画調整や協働を組み立てられる体制を作ることが必要です。
 『基本計画』には行政内部における体制づくり、経営機能あるいは企画調整機能としてのTMOの設置はうたってありますが、事業を推進する「体制」の組織化については計画されておらず、計画されていたとしても実践レベルを担う商業者の位置づけなどの重要課題が未着手のままのはずです。

□あるべき組織体制
①基本計画以下のスキームをマネジメントするTMO
②実働部隊として「転換」に取り組む商業者とその組織
③支援する位置にあるセクションの活動
がそれぞれ適時適切に事業を推進することが活性化を成功させる組織面での条件です。

□組織体制は機能しているか?
 基本計画に基づき全体の取り組みについて企画調整の任にあたるTMOの威信はあまねく行き渡っているでしょうか?
TMOの威信、特に商業者に対する指導支援には、役割論だけではどうにもならない部分がある訳で、信頼(人的・技術的)関係を築き・維持するという課題がある。基本となるのは、「基本計画~一体的推進の目標~事業ミックス」 について、関係者、とりわけ商業者組織・商業者の賛同が得られていること。賛同というより、「自分の事業の命運を賭ける」という決意ですね。これがないとその気になってろ組めません。
 逆にこういう姿勢で取り組む人たちが増えると、TMOの権威はこの人たちが作り上げていくことにおなります。TMOに権威をもって所要の役割を果たしてもらわないと目的を達成することが出来ない、ということが分かっていますから。
 こうして、組織のあるべき姿を実現するにもやはり、「理論~目的-目標の共有」は絶対条件ですね。
さらに、その機能はどのように発揮されるのかと言えば、関係各方面の人たち、とりわけ商店街のみなさんが「その気になって」頑張ってくれることによって。
 それ以外にTMOが機能する方法はありません。
TMOがタウンマネジメント機構としての権威を確保できるのは、その提案する活性化策の方向と方法が商店街の「繁盛店づくり」と一致したときだけに限ります。
つまり、活性化の方向と方法についての関係者の合意を作り出しているTMOだけがTMOとしての機能を発揮することが出来るわけです。

もちろん方向と方法は、ショッピングモール(ラグジュアリィモール)を目指す
既存商店街・商店の繁盛再生への取り組みが中軸の取り組み
ということです。
TMOさん、活性化を実現したかったら、方向と方法について明確に提起できなければいかません。
さらに、提案の内容は商店主の金銭じゃなかった,琴線にふれるものであること、長~い算盤が弾けるものであること、という条件をそろえていなければならない。

 これは組織論的にはもう当たり前というか、常識というか、何でこういうことが分からないわけ?というくらいのことですからね。
TMOさんは「商店主をその気にさせる」という芸が出来ないとものの役には立たない存在といわれる羽目に必ず陥ります。
「商業者にやる気が・・・」と思ったら、「やる気が出る方向と方法を提案するのがおらっちの仕事、給与の源泉だ、と考えていただきたいものですね。

■第五の不備
> 第五の不備:「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論の不備

 もっとも根本的な不備、実はここにあります。
第一から第四までの不備は、「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論を備えておれば、ちゃんと取り組み・実現したことばかりです。
常々申し上げているように、中心市街地活性化という仕事に『整備改善・活性化法』の枠組みを用いて取り組もうとするならば、枠組みを駆使して対応しようとする「問題状況」の把握が不可欠です。
大きく変化する今日のような時代における「問題情況の把握」は静態的な経験・知識ではなく、変化を説明しうる理論を装備し、理論に基づいて行うことが大前提です。
理論の不備とは、すなわち、大前提の不備。
言ってみれば「親亀」がこけたわけですから、子亀、孫亀・・、みんなこけるのも無理はありません。

□理論装備
 環境が大きく変わっている、とは誰も口にすることですが、では、
どのように変わっているのか、何が原因で変わったのか?
ということについては余りつっこんだ議論が行われていません。
このことが大問題。
環境変化の実態と変化をもたらした要因を把握しないで活性化への方策を考えることが出来る・・・?
まさかそんなことが・・、といわざるを得ませんが、実際に多くの都市の計画では環境変化について紙数を費やしている例は少ないと思います。

 ほんとうは。
 我々は中心市街地をかくあらしめている要因はこれこれである。故に活性化にあたってはかくかくの事業に取り組まなければならない、という形で計画が提出されるべきだと思うのですが・・・。
環境変化を正しく把握していることは、事業が所期の目的を達成するための基本条件だと思います。
計画には人を動かす力が必要ですが、それにはまず「環境の変化をどう理解しているか」と言うことを明らかにすることが必要です。
計画を提示された人々はまず、計画の前提となっている環境変化の説明を実際の眼前の情景と比較検証してみることで、その妥当性をチェックすることが出来ます。
 環境変化の把握と対応する方向の妥当性、これが計画が人を引きつけるために持っていなければならない条件です。
もちろん、この条件を装備するためには、環境変化を理解するための「理論装備」が不可欠の前提条件になります。
このあたりをテキトーに済まそうとすれば、「商業=街の花」論的俗説を採用することになり、本末転倒、虻蜂取らずということになりかねません。
 論無き中心市街地活性化、実現を期待するのは奇跡を待つようなもの。
現実具体の取り組みでなんとかしたいと考えるなら必要な理論は手段を講じて確保しなければならないはずですね。

■「五つの不備」が意味するところ
 このことが意味するところは、中心市街地活性化のシナリオが作られていない ということです。
つまり、「シナリオ不在」

 中心市街地活性化に限らず、対象が大きく・複雑で、取り組みに時間を要する事業の場合、事業全体のスタートからゴールまでのシナリオを描くことが不可欠です。
各種の個別事業は、このシナリオを前進するための階梯ということであり、他の事業との関連を踏まえないと所期の効果を発揮することが難しいものも多々あります。単一の事業で活性化を実現できる、ということはありません。
さらに言えば、
中心市街地活性化は、「シナリオ無し」「戦略無し」で実現できる、と考えていた状況認識に問題があった、ということです。

□再確認
中心市街地活性化。
方向及び方法はとりあえず、多種多様である、と考えましょう。
いろいろな選択肢があることにして、
では、現状からスタートして「活性化された情況」に到達する過程の「シナリオ」が不要な方向&方法というものが考えられるでしょうか?
あなたのまちの中心市街地活性化、各種の事業が掲げられていることは言うまでもありませんが、それらの事業に取り組むことで実現していく、肝心要の全体のシナリオは書かれていないと思います。
年々、目先の変わった事業に取り組む、というおなじみのパターンでは効果が生まれないことはハッキリしてきましたが、ではどうするのか?
誰かが・どこかが取り組むであろう新しい事業のレポートを待ってそれを模倣する、というこれまでの路線を繰り返すのか、それともこれまでのシナリオ抜きの取り組みをきちんと総括、あらためてシナリオ作りから再スタートするのか?
どこのまちにも共通している課題です。
あらためて確認、「どうすべきか」考えてみなければならないときです。


■ 中心市街地活性化・成功の可能性

如何ですか?総務省の総括は、国レベル相互の話、地元・現場では「どうしてあんな総括が出されるような取り組みになったのか」もっとシビアに総括しなければならないことは当然です。

ウーム、これだけ不備があっては・・・、とご心配には及びません。
最初に書いたように、活性化が実現できないのは、これまでの取り組みが不備だらけだったから。各段階の不備をエイヤッと解消出来れば、洋々たる可能性が開けてくる、かも知れません。問題は解消の方向と方法でありまして、これはたぶん、当社とおつきあいいただくのが最良の方法ではないかと愚考する次第です。

 諸悪の根元は「第五の不備」であることは明白。
この不備を解消する・しなければならない、という問題意識を持つ人が徒党を組んで、藩内の守旧派を相手に一戦交えてセミナー開催にこぎ着ける、というのが「5段階の不備」解消のスタートだと思います。
他の選択肢はウームですよね。
と、言うのは簡単なのですが(笑、実行するのもそんなに難しいことでは無いはずです。

商店街活性化を阻む5段階の不備

■中心市街地活性化、「法」制定以来7年に渡り、全国ほとんどの都市で取り組まれている訳ですが、ご承知のとおり、「成功事例」がなかなか出て来ません。
そもそも何をもって「成功」とするのか、ということさえ定義・基準がない、という状況があります。
 このような状況に鑑み、総務省は昨秋、取り組みの総括を実施、『中心市街地の活性化に関する行政評価・監視』〈評価・監視結果に基づく勧告〉総務省 平成16年9月15日 を提示しました。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040915_1_1.pdf
(ちなみに、この勧告についての当社の考察は
http://www.quolaid.com/cgi/tkf/wforum.cgi?no=104&reno=no&oya=104&mode=msgview&page=0  で行っています。

 最近、中心市街地活性化の実現を阻んでいるのは、取り組みの5つの段階それぞれにおいて基本的な不備があるからだ、ということに思い至りました。


□各段階の不備
驚くなかれ(笑、次のような不備があります。

第一段階:「中心市街地活性化はなぜ必要か」最終目的の不備
第二段階:「中心市街地活性化を実現する」達成目標の不備
第三段階:「中心市街地活性化の目標を達成する」事業計画の不備
第四段階:「中心市街地活性化を推進する」組織体制の不備
第五段階:「中心市街地活性化を実現する」理論・技術の不備

如何ですか。中心市街地活性化の目的・目標の設定から実践に必要な理論・知識まで取り組みを成功させるための取り組みの各段階にすべて「不備があった」?
こうしてみると、中心市街地活性化を推進する、実現するために必要な要件がことごとく不備だった、ということですね。
もしこれがほんとうだったら、「活性化なんて出来なくて当たり前」とか思いません?
これでは活性化が実現しないのも無理ありません。
大変なことですね。

大変なことですが、「ものは考えよう」でありまして。
たとえば、一から五まで、全部、完全に整備されており、それにも関わらず活性化が実現できなかった、というのならそれこそ活性化は不可能だと言うことでほんとうに大変ですが、取り組む側に不備があって出来なかったわけですから、不備を整備すれば成功する・活性化できる可能性があるということになる(笑
活性化できなかったのは、取り組みに不備があったから、と言うことが分かった、これは喜ばしいことではないでしょうか(笑

 ということで、以下、5つの不備をしっかり分析、課題を抽出、対処の方法を考えてみることにいたしましょう。

□第一段階の不備について
> 第一段階:「中心市街地活性化はなぜ必要か」最終目的の不備
Q1.中心市街地とはどこのことか?
 A 都市中心部に立地する商業機能が集積した街区のことである。
Q2.なぜそういえるか?
 A 「法」第●上「中心市街地の三要件」の1及び2を見よ
Q3 中心市街地の活性化とは何がどうなることか?
 A 中心市街地がその本来の機能である小売商業機能として再構成さ   れることである。(『TMOマニュアル』)
Q4 中心市街地活性化の目的は何か?
 A その目的は多様である。後ほど詳しく説明するが待ちきれない人   は「サイト内検索」で適宜自修しましょう。
Q5 中心市街地の活性化はなぜ必要か
 A 必要な理由は山ほどある。(下で説明します。)

 如何ですか。
このあたりはしっかり押さえておかないと、
①取り組んでいる自分たち自身の仕事の価値が分からない、誇りが持て ない、知恵がでない・・、と、当事者としてははなはだ困ったことに なる。
②関係各方面、TMO体制を担う仲間、上司&部下・議会・市民・消費 者・中心市街地以外で活性化に取り組んでいる人などなど関係者を中 心市街地活性化の必要性について説得、合意を確保することが出来な い。
③これからどんどん出てくる類似課題との競合において、「中心市街地 活性化」の優先順位を確保できない。
 (これは、競合する事業の成功を妨げることになる=例:コンパクト シティ)
○広域合併以降の都市経営における中心市街地活性化の重要性、しっかり理論武装しておかないと放置されてしまうことになりかねません。
今のうちに、しっかり頭に入れてくださいね。
特に、行政関係の人は大変だと思います。他部局と議会が共同戦線を張ったりして(笑)


□前提条件

 取り組みがスタートして7年、多くの都市がおおむね5年間は取り組んできたところですが、なかなか展望が開けません。
まず、基本計画レベルにおいて。
中心市街地活性化がなぜ必要か? 活性化するとどんなメリットがあるいかということがハッキリと理解されていない。ここが適切に理解されていないと、取り組み全体が致命的な方向ミスになると思います。

○基本的な視点としては。
1.中心市街地を新しい事業活動の場として再生させる
 新しくないと「事業活動」と言うほどのことはできない

2.新しい消費・生活ニーズの受け皿として商業機能を再構築する
 郊外型商業とは「棲み分け」を目指す。真っ正面からぶつかっても勝ち目はない。もし五分に渡り合っても将来が不安。

3.再構築は中心市街地既存の商業者の自助努力を中心とする
 他に中心市街地に出かけてきて活性化を引っ張ってくれる業種・業態・企業がありますか?
ということが前提になります。


■第二の不備について
> 第二段階:「中心市街地活性化を実現する」達成目標の不備

 中心市街地とはどこのことか、そこの何を活性化するのか?
ここが判然としていないと、「これを実現することが中心市街地活性化である」という「目標」を設定することが出来ません。
国は、中心市街地活性化を推進するにあたっては、「車の両輪」である、市街地の整備改善の事業と商業等の活性化の事業を「一体的に推進することにより実現を目指す目標」を設定することを求めていますが、
中心市街地活性化は、これを実現すれば達成される、という具体的な「一体的推進の目標」を掲げている都市はきわめて少ないでしょう。
一体的推進の目標、これが適切に設定されていないと、実施する各種事業の方向、内容、時期などが適切か否か、判断する基準がありません。それでは目標達成は難しい。

□一体的推進の目標
 中心市街地≒中心商店街を活性化することを目的に取り組まれる、市街地の整備改善(基盤整備)及び商業等の活性化(機能整備)といういわば「デザインと機能」両面について施策群を展開して何を実現しようとするのか? 対象が商業街区ですからこれはもちろん、商業機能であることは明白です。
 一体的推進の目標とは、商業機能を活性化するにあたって実現を目指す目標です。 中心市街地の場合、目標設定にあたってはいくつか超えなければならない課題があります。

1.郊外のショッピングセンター(以下[SC]と略記)をはじめとする 商業機能との関係をどのように考えれば、活性化を実現することが出 来るか?
※棲み分けを目指すのか? その場合、相手の機能の特性をどのように とらえ、みずからのポジションをどう設定するのか?

2.商業機能としての活性化を主体的に担うのは誰か?
  新しい企業群を誘致しようとするならば、彼らが進出してくるメリ ットは何か?

3.いずれにしろ、既存商業者の大多数が新たに設定する「一体的推進 の目標」の実現に向けて「その気になって」取り組むことが可能か?
 既存商業者がその気になって取り組めば、彼らの事業が活性化する目 標か?
などの課題はたちどころに直面するところです。

4.さらに。もっとも重要な課題として、
 現在、わが都市における商業機能の配置において、充足され得ない消費生活ニーズが存在するか?
そのニーズは都市既存の商業集積群では対応できないニーズなのか?
ということも考えなければならない。

○だってそうでしょう。活性化に取り組むにあたって、
1.SCを無視して、あるいはSCの模倣路線を採用したが、SCから  お客を奪うことは出来なかった。
2.誘致を見込んで施設を建設したが、応じるものがいなかった。
3.既存商業者個々の店舗について目標を与えられないと、街区の動き  と無関係に、それらはさらに劣化していく。空き店舗対策をしてい  る間も空き店舗が増える。
4.新しい消費生活ニーズは、消費者が自覚しているとは限りません。  当事者のことは当事者が一番よく知っている、というのは真っ赤な  ウソですからね。

 ついでに言っておきますと。
潜在顧客を事業に巻き込むのは、「そんな商業集積が出来たら、是非利用したい」と評価してもらうため。潜在顧客の意見通りに動けば彼らが買い物に愛用する集積になるとは限りません。
だって、彼らが「どういう商業機能が不足しているか」、一所懸命考えているはずがありませんからね。

○たとえば。
 コンビニが一軒も無いときに、住民に「24時間営業の小さなスーパーのような店を作ろうと思うがどうでしょう、夜中に買い物に来てくれますか」と聞いてみた場合を想像してみれば一目瞭然。
ほとんどの人が「そんな時間に買い物には行かない」と答えたはず。それを真に受けていたら、今でもコンビニは存在しなかったはず(笑

○本題に帰りまして。
 中心市街地、「こういう方向でこういう方法で頑張れば、活性化することが出来る」というのが「一体的推進の目標」です。
この目標が、
1.「商業集積の活性化」を目指す目標としては設定されていない
2.設定されているが、SCとの関係が意識されていない
3.誰が主体で牽引するのか定かではない
4.既存商業者の位置づけが不明確
などの不備があれば、これはもう、役に立つと期待する方が絶対おかしい事業になってしまう可能性が極めて高い、ということになります。

□目標とシナリオ
 ところで、目標は、立てれば実現する、というものでありません。
もちろん、ヒト・モノ・カネが潤沢ならばOKというものでもない。
現在から目標に到達する大まかなシナリオを描かないと、(ほんとうは)一歩も進むことができないはずです。
このシナリオが「戦略」です。
戦略がなければ目的を達成する行動を組み立てることが(ほんとうは)できません。
※戦略については、10月12日の記事参照のこと
http://quolaid.blog13.fc2.com/blog-date-20051012.html

□戦略=シナリオの不在
 これは大きいですね。「中心市街地活性化」の条件:
①対象となる街区が広い
②商業機能を始め多様な都市機能が集積している
③さまざまな事業をミックスして取り組むことが必要だ
④いろいろな立場の人の協働が不可決
⑤数年は掛かる
などを考えると、「シナリオ」抜きで実現できるとは思えません。
 皆さんの都市の『基本計画』では、活性化を実現していくためのシナリオが作られていたでしょうか?これは是非チェックしてください。
シナリオとは:我々はこのような経路をたどって中心市街地活性化を実現していく、という「構想」です。
もし、これに類するものが基本計画中に見あたらない場合、早急にシナリオを作ることが必要です。
 このことはきわめて重要なことですから、もし、なぜ必要か分からない、という人があればその旨書き込んでいただけば説明します。
書き込みがなければ、皆さんはシナリオ作りにこれから邁進する、という段階になるということなるのでしょうか。
「戦略策定」、参考になるようなことをどこかに書きたいと思います。

■第三の不備
> 第三段階:「中心市街地活性化の目標を達成する」実施計画の不備
中心市街地活性化という
①相当広い範囲の街区について
②市街地の整備及び商業等の活性化という両目に渡る事業を駆使して
③相当の期間を掛けて取り組む
というのがこの事業の特性です。

 したがって、取り組むにあたっては、
事業種別、事業期間別、事業主体別などなどさまざまに区分される多様な事業を逐次展開していくことが必要です。
言ってみればオーケストラが演奏を行うようなものです。
オーケストラの演奏に楽譜が必要なように、中心市街地活性化の取り組みには「計画」が必要です。
 ここの事業の実施計画はもちろん、中心市街地活性化という大事業における個別事業の位置づけ、他の事業との関係・条件などが計画されて初めて、ここの事業が全体の一翼を担うことになり、全体の進展が担保されます。
中心市街地活性化には事業期間中の骨格となる計画・運行表が作られていません。

□事業ミックス
 対象街区・機能・期間など、いずれを考えても、「単年度・単発事業」やその「連発」でなんとかなると言うことはありません。
「一体的推進の目標」が決定したら。
1.その目標が達成されている中心市街地の情況を想像してみる
(1)商業機能~個店の情況
(2)非物販機能
(3)通り景観
  などなど.
※特に。「そこが何であるかはそこで何が起きているかで決まる」という視点で考えれば、お客がそこで何をしているか、それはなぜか、ということは一番真剣に考えなければならないことですね。
2.それらの情況が中心市街地に起こるための条件を考え・実現する計 画を立てる
3.2で立てた各種計画を組み合わせ、効果・効率を考えて先後その他 を考える。これが事業ミックス。
4.特に、事業によっては着手の前提として事前に整備しておかなけれ ばならない条件を持っていることがあるので、事業の先後関係は十分 注意が必要です。ちなみに「個店の転換」への取り組みはなにはさて おき最優先で着手すべき事業です。
  必要な事業をおおむね3カ年の期間内に配置、先述のように事業に は準備期間も必要ですから、それも勘案しながら3カ年でモールへの 転換を軌道に乗せる事業ミックスを作る。
 といえば大仕事のようですが、やってみればそうでもない。要は個店 の転換がどんどん進んでいくことが最大必要条件です。

■第四の不備
> 第四段階:「中心市街地活性化を推進する」組織体制の不備
 市街地の整備改善及び商業等の活性化、両事業を車の両輪として進められる中心市街地活性化の取り組みは、それぞれ立場や役割のことなるさまざまな組織、個人によって推進されます。
立場、仕事の内容、実施する場所・時間、などがさまざまな事業の基準を定めたり、実施時期を調整するという重要な機能が必要です。
TMOがそれに充てられるわけですが、事業を効果的に進めていくためには、TMOを中心に関係者がさまざまな企画調整や協働を組み立てられる体制を作ることが必要です。
 『基本計画』には行政内部における体制づくり、経営機能あるいは企画調整機能としてのTMOの設置はうたってありますが、事業を推進する「体制」の組織化については計画されておらず、計画されていたとしても実践レベルを担う商業者の位置づけなどの重要課題が未着手のままのはずです。

□あるべき組織体制
①基本計画以下のスキームをマネジメントするTMO
②実働部隊として「転換」に取り組む商業者とその組織
③支援する位置にあるセクションの活動
がそれぞれ適時適切に事業を推進することが活性化を成功させる組織面での条件です。

□組織体制は機能しているか?
 基本計画に基づき全体の取り組みについて企画調整の任にあたるTMOの威信はあまねく行き渡っているでしょうか?
TMOの威信、特に商業者に対する指導支援には、役割論だけではどうにもならない部分がある訳で、信頼(人的・技術的)関係を築き・維持するという課題がある。基本となるのは、「基本計画~一体的推進の目標~事業ミックス」 について、関係者、とりわけ商業者組織・商業者の賛同が得られていること。賛同というより、「自分の事業の命運を賭ける」という決意ですね。これがないとその気になってろ組めません。
 逆にこういう姿勢で取り組む人たちが増えると、TMOの権威はこの人たちが作り上げていくことにおなります。TMOに権威をもって所要の役割を果たしてもらわないと目的を達成することが出来ない、ということが分かっていますから。
 こうして、組織のあるべき姿を実現するにもやはり、「理論~目的-目標の共有」は絶対条件ですね。
さらに、その機能はどのように発揮されるのかと言えば、関係各方面の人たち、とりわけ商店街のみなさんが「その気になって」頑張ってくれることによって。
 それ以外にTMOが機能する方法はありません。
TMOがタウンマネジメント機構としての権威を確保できるのは、その提案する活性化策の方向と方法が商店街の「繁盛店づくり」と一致したときだけに限ります。
つまり、活性化の方向と方法についての関係者の合意を作り出しているTMOだけがTMOとしての機能を発揮することが出来るわけです。

もちろん方向と方法は、ショッピングモール(ラグジュアリィモール)を目指す
既存商店街・商店の繁盛再生への取り組みが中軸の取り組み
ということです。
TMOさん、活性化を実現したかったら、方向と方法について明確に提起できなければいかません。
さらに、提案の内容は商店主の金銭じゃなかった,琴線にふれるものであること、長~い算盤が弾けるものであること、という条件をそろえていなければならない。

 これは組織論的にはもう当たり前というか、常識というか、何でこういうことが分からないわけ?というくらいのことですからね。
TMOさんは「商店主をその気にさせる」という芸が出来ないとものの役には立たない存在といわれる羽目に必ず陥ります。
「商業者にやる気が・・・」と思ったら、「やる気が出る方向と方法を提案するのがおらっちの仕事、給与の源泉だ、と考えていただきたいものですね。

■第五の不備
> 第五の不備:「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論の不備

 もっとも根本的な不備、実はここにあります。
第一から第四までの不備は、「中心市街地活性化について合意を形成し、取り組みを実体化する」理論を備えておれば、ちゃんと取り組み・実現したことばかりです。
常々申し上げているように、中心市街地活性化という仕事に『整備改善・活性化法』の枠組みを用いて取り組もうとするならば、枠組みを駆使して対応しようとする「問題状況」の把握が不可欠です。
大きく変化する今日のような時代における「問題情況の把握」は静態的な経験・知識ではなく、変化を説明しうる理論を装備し、理論に基づいて行うことが大前提です。
理論の不備とは、すなわち、大前提の不備。
言ってみれば「親亀」がこけたわけですから、子亀、孫亀・・、みんなこけるのも無理はありません。

□理論装備
 環境が大きく変わっている、とは誰も口にすることですが、では、
どのように変わっているのか、何が原因で変わったのか?
ということについては余りつっこんだ議論が行われていません。
このことが大問題。
環境変化の実態と変化をもたらした要因を把握しないで活性化への方策を考えることが出来る・・・?
まさかそんなことが・・、といわざるを得ませんが、実際に多くの都市の計画では環境変化について紙数を費やしている例は少ないと思います。

 ほんとうは。
 我々は中心市街地をかくあらしめている要因はこれこれである。故に活性化にあたってはかくかくの事業に取り組まなければならない、という形で計画が提出されるべきだと思うのですが・・・。
環境変化を正しく把握していることは、事業が所期の目的を達成するための基本条件だと思います。
計画には人を動かす力が必要ですが、それにはまず「環境の変化をどう理解しているか」と言うことを明らかにすることが必要です。
計画を提示された人々はまず、計画の前提となっている環境変化の説明を実際の眼前の情景と比較検証してみることで、その妥当性をチェックすることが出来ます。
 環境変化の把握と対応する方向の妥当性、これが計画が人を引きつけるために持っていなければならない条件です。
もちろん、この条件を装備するためには、環境変化を理解するための「理論装備」が不可欠の前提条件になります。
このあたりをテキトーに済まそうとすれば、「商業=街の花」論的俗説を採用することになり、本末転倒、虻蜂取らずということになりかねません。
 論無き中心市街地活性化、実現を期待するのは奇跡を待つようなもの。
現実具体の取り組みでなんとかしたいと考えるなら必要な理論は手段を講じて確保しなければならないはずですね。

■「五つの不備」が意味するところ
 このことが意味するところは、中心市街地活性化のシナリオが作られていない ということです。
つまり、「シナリオ不在」

 中心市街地活性化に限らず、対象が大きく・複雑で、取り組みに時間を要する事業の場合、事業全体のスタートからゴールまでのシナリオを描くことが不可欠です。
各種の個別事業は、このシナリオを前進するための階梯ということであり、他の事業との関連を踏まえないと所期の効果を発揮することが難しいものも多々あります。単一の事業で活性化を実現できる、ということはありません。
さらに言えば、
中心市街地活性化は、「シナリオ無し」「戦略無し」で実現できる、と考えていた状況認識に問題があった、ということです。

□再確認
中心市街地活性化。
方向及び方法はとりあえず、多種多様である、と考えましょう。
いろいろな選択肢があることにして、
では、現状からスタートして「活性化された情況」に到達する過程の「シナリオ」が不要な方向&方法というものが考えられるでしょうか?
あなたのまちの中心市街地活性化、各種の事業が掲げられていることは言うまでもありませんが、それらの事業に取り組むことで実現していく、肝心要の全体のシナリオは書かれていないと思います。
年々、目先の変わった事業に取り組む、というおなじみのパターンでは効果が生まれないことはハッキリしてきましたが、ではどうするのか?
誰かが・どこかが取り組むであろう新しい事業のレポートを待ってそれを模倣する、というこれまでの路線を繰り返すのか、それともこれまでのシナリオ抜きの取り組みをきちんと総括、あらためてシナリオ作りから再スタートするのか?
どこのまちにも共通している課題です。
あらためて確認、「どうすべきか」考えてみなければならないときです。


■ 中心市街地活性化・成功の可能性

如何ですか?総務省の総括は、国レベル相互の話、地元・現場では「どうしてあんな総括が出されるような取り組みになったのか」もっとシビアに総括しなければならないことは当然です。

ウーム、これだけ不備があっては・・・、とご心配には及びません。
最初に書いたように、活性化が実現できないのは、これまでの取り組みが不備だらけだったから。各段階の不備をエイヤッと解消出来れば、洋々たる可能性が開けてくる、かも知れません。問題は解消の方向と方法でありまして、これはたぶん、当社とおつきあいいただくのが最良の方法ではないかと愚考する次第です。

 諸悪の根元は「第五の不備」であることは明白。
この不備を解消する・しなければならない、という問題意識を持つ人が徒党を組んで、藩内の守旧派を相手に一戦交えてセミナー開催にこぎ着ける、というのが「5段階の不備」解消のスタートだと思います。
他の選択肢はウームですよね。
と、言うのは簡単なのですが(笑、実行するのもそんなに難しいことでは無いはずです。
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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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