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『大店法』の教訓を活かそう

●福島県の『商業まちづくり条例』

○昨日の朝日新聞によれば、福島県議会は13日、「商業まちづくり条例」を全会一致で可決しました。記事は、「中心商店街の空洞化に歯止めをかけるため、件が、郊外への出店を計画する大型店(売り場面積6千平方メートル以上)について、」市町村などの意見を聴き、地域の商店街に影響がある場合、計画見直しを求める内容」とのこと。
○さっそく、イオンの社長が反論「憲法違反の可能性がある、国の経済にもいい影響はない」とのこと。
自治体の反発もある。県内のある町長は、「郊外型の大型店を規制したら中心市街地に活気が戻るなんて夢物語。仙台や東京に流れる客を引き留めるためにも魅力ある店が必要だとコメントしています。

○量販店企業の郊外型ショッピングセンター開発の目的及びその地域における役割についてはあらためて考えることにして、今日は条例の目的である、
①大型店の規制が「中心市街地の空洞化に歯止めをかける」ことができるか?ということと、誘致派町長さんの
②「仙台や東京に流れる客を引き留める」ことができるか?
という二つの点を考えてみたいと思います。

●教訓としての『大店法』
 大型店の出店規制で思い出されるのは、かっての『大店法』のことです。
1973年に制定されたこの法律は、「地域中小商業者の事業機会を確保する」ことを目的に、大型店の出店にあたっては、地元に設置する商業活動調整協議会(「商調協」)において、出店時期、売り場面積、閉店時刻、協業日数について調整を行う、というものでした。施行期間中は、大型店の出店を規制する効果が相当ありました。

○この法律、果たして「中小商業者の事業機会の確保」に効果を発揮することができたでしょうか?あらためてこの時期、検討してみることは意義があることと思います。
調整4項目のうち出店時期は、「地元商業者が対応するための準備期間を確保する」ことを目的に調整されました。出店希望者の計画出店時期よりも半年延長くらいは当たり前、長いときは1年以上調整されることもあったようです。
 その期間、地元商業者特に商店街ではどのような「対応策」が講じられたのか、といいますと、これはもう効果的な対策はほとんど講じられなかったのではないか、というのが率直な感想です。
○というか、当時の商店街に郊外に出店する大型店(その多くはショッピングセンターでした)に対抗するために必要な手だてはほとんどありませんでした。もちろん、駐車場の設置、アーケード、カラー舗装などのハード事業やスタンプ事業、イベントなどのソフト事業が取り組まれましたが、大型店対策としてはほとんど効果がありませんでした。どうしてでしょうか?
 お客はお店に買い物をするために出かけます。もちろん、駐車場やアーケードは買い物にとって便利ですし、イベントは楽しく、スタンプはちょっと得した気分にさせてくれます。しかし、そんなことは「付け足し」であって、肝心の「買って持ち帰り、生活の材料として使う」のに適した商品が妥当な価格で提供されていなかったら、出かける気にはなれません。商店街は、「買い物行き先」としての機能で大型店に対抗することができませんでした。せっかく開店時期を延期させても、その間に効果的な対応策を講じることができなかったのです。

●商店街の現状と活性化策
 今日、商店街は、当時にもまして空洞化が進展しています。全国的にほとんど例外はありません。
このような時期に「商店街の空洞化をくい止める」ことを目的に行われようとしている大型店に対する出店規制が効果を上げ得るものか、私は疑問だと思います。

○どうしてか?
 先述したように、現在、商店街は多くの地域住民から「買い物行き先」・「買い物の場」と認知されていません。大店法の施行中から撤廃、「店づくり三法」が施行されている現在に至るまで、商店街の「買い物の場」としての魅力は劣化し続けています。もはや、郊外にこれから出店が計画されている大型店の出店を阻んだとしても、そのことによって、自店・商店街の「買い物行き先としての魅力」が戻ってくるわけはありません。つまり、お客は戻らず・空洞化はますます進展していくことになるでしょう。

○ご承知のとおり、大店法の撤廃と同時にいわゆる「まちづくり三法」が施行されました。中でも「中心市街地活性化法」は、これまで効果の上がらなかった商店街活性化について、
①これまでは点や線の取り組みだったからだめだった、これからは中心市街地全体という「面」の活性化を推進する。
②新しい取り組みは、市町村が「中心市街地活性化基本計画」を作成し、タウンマネジメント機関を設置して取り組むという、これまでにない画期的な「活性化へのスキーム」が準備されました。ご承知の通りです。
しかし、これまたご承知のとおり、新しいスキームでも活性化を実現する展望を持っている都市はきわめて限られています。
○活性化への取り組みが続いているにもかかわらず、依然として商店街の空洞化の趨勢が止まらないということは、とりもなおさず、従来の活性化策だけでは商店街およびそこに立地する個店群を「買い物の場」として充実させることができない、従ってお客が帰ってこない、という事実があります。買い物の場としての充実という、買い物目的の来街者にとって最優先の来街目的となる要因の整備充実がほとんど取り組まれていない、あるいは取り組まれていてもほとんど効果をあげていない、ということを意味しています。
このような状況で大型店の出店を抑制したとして、そのことで商店街の事業機会が確保される、などということはあり得ないと考えるべきです。

●平行した取り組みが必要だ
 クオールエイドのホームページでは一貫して、個店・商店街を保護することは出来ないと主張し、その根拠及び保護に代わる活性化策を提案しています。また、それと平行して各地の商店街において、活性化の方向と方法について考え方を共有する皆さんの取り組みを支援しています。

○商店街およびそこに立地する個店が、今後とも地域の商業機能としての役割を担うことを事業機会とすることを望むならば(望まない人は少ないと思いますが)、第一に考えなければならないことは、「郊外の大型店、ショッピングセンターとの関係をどう考えるか」ということです。商店街のみなさんがショッピングセンターをライバルと見なして、「なんとか出来るだけ近づきたい」と努力しても、あまり効果はないと思います。大切なお金の使い道ですから、お客は「同じ買い物ならより満足できる店」に集中するのです。

○中心市街地活性化に取り組む、行政・商工会議所・TMO・商店街組織などの関係者の皆さんは、まず、「自分たちの商店街はショッピングセンターと真っ向競争の道を歩むのか、それとも棲み分けを目指すのか」ということをあらためて考えてみることが必要です。我々はその方向を郊外のショッピングセンターとは質的に異なる買い物のための行き先「ショッピングモール」として提唱しています。ご承知のとおり、「中心市街地の商業地を一個のショッピングモールに見立てて再構築する」は、国が設置を推進している「TMO」の主要業務です。

○中心市街地の個店及び商店街が、活性化の実現を目指すならば、第一に必要なことは「買い物の場」としての機能の充実に取り組むことです。
「買い物」は個店のシャッターの内側で行われます。あらためていうまでもないことですが。商店街が空洞化しているということは、商業機能としての役割が果たせなくなっている、「商業機能が空洞化している」ということを意味しています。
つまい、商店街に立地している個々の店舗が「買い物行き先として十分ではない」と判断されていることが商店街空洞化の第一の要因です。
 とするならば、「個店を買い物の場として再構築すること」こそが最優先の課題として取り組まれなければならない。個々の店舗の業績も長期的に下落の一途をたどっており、早急に具体的に売り上げの下げ止まり、上向きを実現する方策を講じなければならない。

●活性化の目的
 「出店調整」についてはさまざまな視点がありますが、先述したように「地元商店街を保護する」というような趣旨では、商店街の事業機会を確保することは不可能です。商店街活性化は、それが地域に住む住民の生活、都市経営双方にとってプラスである、といいきれるポジションで打ち出されない限り、所期の目的を達成することは出来ないと思います。

○商店街を「買い物の場」として再生するということは、地域の「消費購買力」がそれだけ多く地域内を環流することになり、地域経済の流動性を確保するという課題にとって望ましいことは当然です。
 大型店対策は、地域の所得を出来るだけ地域内で環流させる仕組みを構築する、という視点から考えることが必要です。これは「出店調整」だけで出来ることではありません。「どこで何を買うか」という選択は個々の買い物客が行います。地元の商店街を現状のままにしておいて「出店調整」を実施してもお客が帰ってくるわけはありません。お客は既存の大型店あるいは隣町の大型店にさっさとショッピングに出かけることになるだけです。
○ということで。
商店街の保護ならぬ、商店街の活性化実現に向けては、『大店法』の苦い教訓を活かし、どんな施策にも優先して「商店街の買い物の場としての再生」という課題に取り組むことが不可欠です。諸々の施策の効果は、「買い物の場」を再生させる取り組みが始動してはじめて期待できることです。

●「買い物の場」の再生のために
商店街活性化とは、劣化している「買い物の場」としての機能を賦活させることです。
方向としては、現在~将来の地域に住む人たちの生活の変化、消費購買行動の変化を理解し、それらの変化に対応した新しい商業機能として再生する以外に道はありません。さらに、商業機能とはそれを利用する側から見れば「買い物の場」ということであり、買い物が個店の「シャッターの内側」で行われる以上、「買い物の場」の再構築は、当然、個店の「売り場」のあり方の改革を必要とします。

○主要な問題はまさしくここにあります。
空洞化とは商業機能の劣化、つまり、「売り場」のあり方とお客が期待する「買い物の場」との間に大きなギャップが生じていることを意味します。
このギャップを解消することが「活性化への道」ですが、「売り場」を経営する個々の商業者が日々の業務を遂行しながらこのギャップの解消、「売り場の改革」似鳥組むために必要な条件を持っているかどうか、ということが問題です。
 商店街全盛時代から『大店法』の時代、そして『店づくり三法』下にある現在と見たとき、その時々の変化は漸進的だったため、「これからは時代が変わる」「しっかり対応策を考えねば」という共通の認識のもとに「売り場の改革」を含む商店街活動が行われたことはありません。「シャッターの内側は店主の主権」というキャッチフレーズのもとで放置されてきたのです。

○考えてみれば当たり前のことですが、「売り場」が買い場」として不適切、お客の「買い場」への期待との間にギャップが生じている、ということは売り場の現状を作り出している商業者側の経営理論・技術が「買い場づくり」の理論・技術としてミスマッチを発生している、ということを意味しています。
とするならば、「シャッターの内側の改革」には、これまで「売り場」の現状をもたらしていた経営理論・技術を捨て、新しい経営理論・技術を修得することが必要です。
 「商店街活性化を実現するために必要な理論・技術を修得すること」
これこそ現在、商店街活性化に関わるすべての人々が直面している「目には見えないほんとうの課題」ではないでしょうか。

○福島県の皆さんは、①商店街の活性化を通じて、地域に住む人たちの生活をいっそう充実させる ②地元商業者の活動を通じて地域経済の流動性を確保する という
『商業まちづくり条例』の真の目的の達成に向けて「買い物の場」の再生に向けた取り組みを平行推進させていただきたいものです。
 条例についてはこれから全国的に追随する動きが出ることが予想されますが、「人の商売を邪魔してもこっちが儲かるわけではない」ということを全国規模でイヤというほど思い知らされた『大店法』の二の舞だけは避けて欲しいものです。
「どこで買い物をするかはお客の勝手、買い物の場を再生しない限り、活性化は実現しない」ということを肝に銘じて「シャッターの内側」の改革」への取り組みを推進しないと「虻蜂取らず」ということになりかねません。


****お断り****
「企業にとって戦略とは何か・本編」考え中です。
もうしばらくお待ちください.

『大店法』の教訓を活かそう

●福島県の『商業まちづくり条例』

○昨日の朝日新聞によれば、福島県議会は13日、「商業まちづくり条例」を全会一致で可決しました。記事は、「中心商店街の空洞化に歯止めをかけるため、件が、郊外への出店を計画する大型店(売り場面積6千平方メートル以上)について、」市町村などの意見を聴き、地域の商店街に影響がある場合、計画見直しを求める内容」とのこと。
○さっそく、イオンの社長が反論「憲法違反の可能性がある、国の経済にもいい影響はない」とのこと。
自治体の反発もある。県内のある町長は、「郊外型の大型店を規制したら中心市街地に活気が戻るなんて夢物語。仙台や東京に流れる客を引き留めるためにも魅力ある店が必要だとコメントしています。

○量販店企業の郊外型ショッピングセンター開発の目的及びその地域における役割についてはあらためて考えることにして、今日は条例の目的である、
①大型店の規制が「中心市街地の空洞化に歯止めをかける」ことができるか?ということと、誘致派町長さんの
②「仙台や東京に流れる客を引き留める」ことができるか?
という二つの点を考えてみたいと思います。

●教訓としての『大店法』
 大型店の出店規制で思い出されるのは、かっての『大店法』のことです。
1973年に制定されたこの法律は、「地域中小商業者の事業機会を確保する」ことを目的に、大型店の出店にあたっては、地元に設置する商業活動調整協議会(「商調協」)において、出店時期、売り場面積、閉店時刻、協業日数について調整を行う、というものでした。施行期間中は、大型店の出店を規制する効果が相当ありました。

○この法律、果たして「中小商業者の事業機会の確保」に効果を発揮することができたでしょうか?あらためてこの時期、検討してみることは意義があることと思います。
調整4項目のうち出店時期は、「地元商業者が対応するための準備期間を確保する」ことを目的に調整されました。出店希望者の計画出店時期よりも半年延長くらいは当たり前、長いときは1年以上調整されることもあったようです。
 その期間、地元商業者特に商店街ではどのような「対応策」が講じられたのか、といいますと、これはもう効果的な対策はほとんど講じられなかったのではないか、というのが率直な感想です。
○というか、当時の商店街に郊外に出店する大型店(その多くはショッピングセンターでした)に対抗するために必要な手だてはほとんどありませんでした。もちろん、駐車場の設置、アーケード、カラー舗装などのハード事業やスタンプ事業、イベントなどのソフト事業が取り組まれましたが、大型店対策としてはほとんど効果がありませんでした。どうしてでしょうか?
 お客はお店に買い物をするために出かけます。もちろん、駐車場やアーケードは買い物にとって便利ですし、イベントは楽しく、スタンプはちょっと得した気分にさせてくれます。しかし、そんなことは「付け足し」であって、肝心の「買って持ち帰り、生活の材料として使う」のに適した商品が妥当な価格で提供されていなかったら、出かける気にはなれません。商店街は、「買い物行き先」としての機能で大型店に対抗することができませんでした。せっかく開店時期を延期させても、その間に効果的な対応策を講じることができなかったのです。

●商店街の現状と活性化策
 今日、商店街は、当時にもまして空洞化が進展しています。全国的にほとんど例外はありません。
このような時期に「商店街の空洞化をくい止める」ことを目的に行われようとしている大型店に対する出店規制が効果を上げ得るものか、私は疑問だと思います。

○どうしてか?
 先述したように、現在、商店街は多くの地域住民から「買い物行き先」・「買い物の場」と認知されていません。大店法の施行中から撤廃、「店づくり三法」が施行されている現在に至るまで、商店街の「買い物の場」としての魅力は劣化し続けています。もはや、郊外にこれから出店が計画されている大型店の出店を阻んだとしても、そのことによって、自店・商店街の「買い物行き先としての魅力」が戻ってくるわけはありません。つまり、お客は戻らず・空洞化はますます進展していくことになるでしょう。

○ご承知のとおり、大店法の撤廃と同時にいわゆる「まちづくり三法」が施行されました。中でも「中心市街地活性化法」は、これまで効果の上がらなかった商店街活性化について、
①これまでは点や線の取り組みだったからだめだった、これからは中心市街地全体という「面」の活性化を推進する。
②新しい取り組みは、市町村が「中心市街地活性化基本計画」を作成し、タウンマネジメント機関を設置して取り組むという、これまでにない画期的な「活性化へのスキーム」が準備されました。ご承知の通りです。
しかし、これまたご承知のとおり、新しいスキームでも活性化を実現する展望を持っている都市はきわめて限られています。
○活性化への取り組みが続いているにもかかわらず、依然として商店街の空洞化の趨勢が止まらないということは、とりもなおさず、従来の活性化策だけでは商店街およびそこに立地する個店群を「買い物の場」として充実させることができない、従ってお客が帰ってこない、という事実があります。買い物の場としての充実という、買い物目的の来街者にとって最優先の来街目的となる要因の整備充実がほとんど取り組まれていない、あるいは取り組まれていてもほとんど効果をあげていない、ということを意味しています。
このような状況で大型店の出店を抑制したとして、そのことで商店街の事業機会が確保される、などということはあり得ないと考えるべきです。

●平行した取り組みが必要だ
 クオールエイドのホームページでは一貫して、個店・商店街を保護することは出来ないと主張し、その根拠及び保護に代わる活性化策を提案しています。また、それと平行して各地の商店街において、活性化の方向と方法について考え方を共有する皆さんの取り組みを支援しています。

○商店街およびそこに立地する個店が、今後とも地域の商業機能としての役割を担うことを事業機会とすることを望むならば(望まない人は少ないと思いますが)、第一に考えなければならないことは、「郊外の大型店、ショッピングセンターとの関係をどう考えるか」ということです。商店街のみなさんがショッピングセンターをライバルと見なして、「なんとか出来るだけ近づきたい」と努力しても、あまり効果はないと思います。大切なお金の使い道ですから、お客は「同じ買い物ならより満足できる店」に集中するのです。

○中心市街地活性化に取り組む、行政・商工会議所・TMO・商店街組織などの関係者の皆さんは、まず、「自分たちの商店街はショッピングセンターと真っ向競争の道を歩むのか、それとも棲み分けを目指すのか」ということをあらためて考えてみることが必要です。我々はその方向を郊外のショッピングセンターとは質的に異なる買い物のための行き先「ショッピングモール」として提唱しています。ご承知のとおり、「中心市街地の商業地を一個のショッピングモールに見立てて再構築する」は、国が設置を推進している「TMO」の主要業務です。

○中心市街地の個店及び商店街が、活性化の実現を目指すならば、第一に必要なことは「買い物の場」としての機能の充実に取り組むことです。
「買い物」は個店のシャッターの内側で行われます。あらためていうまでもないことですが。商店街が空洞化しているということは、商業機能としての役割が果たせなくなっている、「商業機能が空洞化している」ということを意味しています。
つまい、商店街に立地している個々の店舗が「買い物行き先として十分ではない」と判断されていることが商店街空洞化の第一の要因です。
 とするならば、「個店を買い物の場として再構築すること」こそが最優先の課題として取り組まれなければならない。個々の店舗の業績も長期的に下落の一途をたどっており、早急に具体的に売り上げの下げ止まり、上向きを実現する方策を講じなければならない。

●活性化の目的
 「出店調整」についてはさまざまな視点がありますが、先述したように「地元商店街を保護する」というような趣旨では、商店街の事業機会を確保することは不可能です。商店街活性化は、それが地域に住む住民の生活、都市経営双方にとってプラスである、といいきれるポジションで打ち出されない限り、所期の目的を達成することは出来ないと思います。

○商店街を「買い物の場」として再生するということは、地域の「消費購買力」がそれだけ多く地域内を環流することになり、地域経済の流動性を確保するという課題にとって望ましいことは当然です。
 大型店対策は、地域の所得を出来るだけ地域内で環流させる仕組みを構築する、という視点から考えることが必要です。これは「出店調整」だけで出来ることではありません。「どこで何を買うか」という選択は個々の買い物客が行います。地元の商店街を現状のままにしておいて「出店調整」を実施してもお客が帰ってくるわけはありません。お客は既存の大型店あるいは隣町の大型店にさっさとショッピングに出かけることになるだけです。
○ということで。
商店街の保護ならぬ、商店街の活性化実現に向けては、『大店法』の苦い教訓を活かし、どんな施策にも優先して「商店街の買い物の場としての再生」という課題に取り組むことが不可欠です。諸々の施策の効果は、「買い物の場」を再生させる取り組みが始動してはじめて期待できることです。

●「買い物の場」の再生のために
商店街活性化とは、劣化している「買い物の場」としての機能を賦活させることです。
方向としては、現在~将来の地域に住む人たちの生活の変化、消費購買行動の変化を理解し、それらの変化に対応した新しい商業機能として再生する以外に道はありません。さらに、商業機能とはそれを利用する側から見れば「買い物の場」ということであり、買い物が個店の「シャッターの内側」で行われる以上、「買い物の場」の再構築は、当然、個店の「売り場」のあり方の改革を必要とします。

○主要な問題はまさしくここにあります。
空洞化とは商業機能の劣化、つまり、「売り場」のあり方とお客が期待する「買い物の場」との間に大きなギャップが生じていることを意味します。
このギャップを解消することが「活性化への道」ですが、「売り場」を経営する個々の商業者が日々の業務を遂行しながらこのギャップの解消、「売り場の改革」似鳥組むために必要な条件を持っているかどうか、ということが問題です。
 商店街全盛時代から『大店法』の時代、そして『店づくり三法』下にある現在と見たとき、その時々の変化は漸進的だったため、「これからは時代が変わる」「しっかり対応策を考えねば」という共通の認識のもとに「売り場の改革」を含む商店街活動が行われたことはありません。「シャッターの内側は店主の主権」というキャッチフレーズのもとで放置されてきたのです。

○考えてみれば当たり前のことですが、「売り場」が買い場」として不適切、お客の「買い場」への期待との間にギャップが生じている、ということは売り場の現状を作り出している商業者側の経営理論・技術が「買い場づくり」の理論・技術としてミスマッチを発生している、ということを意味しています。
とするならば、「シャッターの内側の改革」には、これまで「売り場」の現状をもたらしていた経営理論・技術を捨て、新しい経営理論・技術を修得することが必要です。
 「商店街活性化を実現するために必要な理論・技術を修得すること」
これこそ現在、商店街活性化に関わるすべての人々が直面している「目には見えないほんとうの課題」ではないでしょうか。

○福島県の皆さんは、①商店街の活性化を通じて、地域に住む人たちの生活をいっそう充実させる ②地元商業者の活動を通じて地域経済の流動性を確保する という
『商業まちづくり条例』の真の目的の達成に向けて「買い物の場」の再生に向けた取り組みを平行推進させていただきたいものです。
 条例についてはこれから全国的に追随する動きが出ることが予想されますが、「人の商売を邪魔してもこっちが儲かるわけではない」ということを全国規模でイヤというほど思い知らされた『大店法』の二の舞だけは避けて欲しいものです。
「どこで買い物をするかはお客の勝手、買い物の場を再生しない限り、活性化は実現しない」ということを肝に銘じて「シャッターの内側」の改革」への取り組みを推進しないと「虻蜂取らず」ということになりかねません。


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進化する売場研究会

  • Author:進化する売場研究会
  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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