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百貨店の活性化とタウンマネジメント

中心市街地・商業街区活性化の失敗は、当該街区を一個の商業集積に見立て、百貨店、ファッションビル等の大型施設、商店街群をゆるやかなコンセプトのもとに再構成することで商業集積としての機能を構築すること。広域商圏で他と棲み分け可能なコンセプトの創発と既存個店群の売場づくりが成功のカギ。

『中心市街地活性化法』のメイン業務「タウンマネジメント:当該街区に立地する商業集積群を一個のショッピングモールに見立てて再構築する」の内容は上記:商業集積としての再構築のこと。自生的商業街区から計画的商業集積への漸進的移行。これ以外の意味でのタウンマネジメントは成果を得られない。

何しろ、広域内商業集積間競争に伍しての再構築、選択肢がいろいろあるわけでは無い。 さて、タウンマネジメントを推進するには、商業理論と商業技術が必須だが商学原論不在の中で誰が用意するのか?と言う大問題がある。 タウンマネジメントの任務には、百貨店、ファッションビル等の活性化も含む。

と言うことで、誰がこの一大プロジェクトのプロトタイプを作成、提案しているかと言えば、我が(有)クオールエイドが唯一提供中。  『コミュニティモールプロジェクト』  中心市街地活性化の論理と戦略、タウンマネジメントプロジェクトを一挙に獲得できる。

「アドボケイトプロジェクト」という新企画

商店街・中心市街地活性化が遅々として進まないのは、取り組みの計画が現状からスタートして活性化した状況へ移行するプロジェクトになっておらず、計画書に記載している各種事業を条件の整った順に消化していく、というパターンになっているからです。

これは昨日今日始まったことではありません。
大店法当時以来、商店街活性化が取り組まれはじめて以来改善されること無く続いている、活性化実現にたどり着けない事業パターンです。

このような状況にどう対処すべきか?
当社は、すぐに取り組めて着実に効果を上げられる取り組みとして標記の「アドボケイトプロジェクト」を推奨します。
簡単に定義すると、
1.専門家が提案する「活性化への道(原型)」を吟味し採用する
2.原型をもとに、当該商店街に最適の計画を練り上げる(専門家支援)
3.採用後は専門家との協働で行程表に即して各種事業に取り組んでいく
というものです。

これまでの計画―推進と大きく異なるのは、計画―推進の全過程を通じて、プロジェクトを発案した専門家が協働する、というところ。
もちろん、プロジェクトの内容もこれまでの取り組みで例を見ない「移行計画」になっています。

活性化に使える時間、資源は少なくなるばかり、このプロジェクトは現在までのところ、状況を突破してい区くめの唯一の選択肢です。是非検討して下さい。

コミュニティモールプロジェクト

中心市街地活性化、三つのウソのような真実

中心市街地活性化、三つの真実
一、中心市街地とは都市の中心部の商業街区のことである
二、改正まちづくり三法の趣旨はコンパクトシティでは無く、商業集積としての再構築である
三、活性化出来ないのは取組に不可欠の商業理論を装備していないから

続く)

商業理論の不在という大問題

商店街活性化を導く理論(商業理論)の不在が続いています。

大学の商学部では「商学原論」の不在が問題になっています。
修学原論とはどのような理論でしょうか?

それは商業についての一切合切を理解する基本となる理論のことです。
例えば、コンビニエンスストアとスーパーマーケットはどこがどう違うのか?
見ればすぐ分かる違いですが、なぜ違うのか? ということはどうでしょうか?
それを説明するのが「業態論」という理論ですが、その基礎になるのが商学原論です。

「商店街活性化」とは商店街がどうなることか?
当社を除いて誰も定義していません。
定義していない「活性化」を目的に事業を組み立て、取り組んでいったい何を実現しようというのか?

商店街の現状を踏まえて考えれば,活性化の目的はすぐ分かります。
放置しておけばどんどん衰退化し、空洞化が進んでいく商店街に効果的な施策を施して「衰退趨勢」から脱却、商業集積としての持続可能性を再構築することです。
表現はいろいろあるでしょうが、「商業街区としてこれからも存続する」ことが目的であることに異論は無いと思います。

そのためには何を為すべきか?

今現在、広域商圏には多種多様な商業施設が進出しており、商店街の空洞化を尻目に「我が世の春」をうたっています。
商店街を活性化する、ショッピングの場として再構築する、という問題は無競争地帯での取り組みではありません。
shoppingモールをはじめとする多彩な商業施設の存在を前提に商店街を自尾zkさせる、という課題に取り組むわけですから、それら商業施設の存在を無視するわけにはいきません。
それらの特徴を的確に理解し、対策を講じることが必要です。

そのためには商業についての体系的な理解=商業理論を装備していることが必要ですが、これまで誰もその必要を助言したことはありません。商店街活性化を研究している学者は多いのですが、商店街を活性化するには商業理論が必要だ、と言っている学者は一人もいません。なぜでしょうか?

上でも述べているように、我が国には「商業理論」すなわち小売業を理解するための理論が作られていないのです。
学者が商店街活性化には商業理論が必要だ、といったとたん、商業理論の提供は学者の仕事になります。
しかし、理論は存在しませんし、もちろん、右から左に作れるものでもありません。
さあ、どうする? ということになりますから理論の必要を正面切って言えないのかもしれません。
あるいは、そもそも理論が必要だ、ということが分かっていないのかも知れません。
何しろ大店法当時このかたずうっと「大型店とは何者か」「対応するにはどうしたら良いか」という問題について、学者から対策が提供されたことは無いのですから。

商店街を活性化したい、商業街区として持続可能な条件を作りたい。

商店街活性化、国の認識

 商店街活性化は陳腐化した、これからはまちづくりだ、という声も聞かれますが、こういうことを言う人たちの特徴は、
1.商店街活性化を定義しないまま、活性化事業として通用している事業に単発的に取り組み成果を挙げられなかった
2.まちづくりとは当該商店街がどうなることか定義していない
ということです。
 定義しない活性化事業が成果を挙げられたのは、競争の中心が「商店街間競争」だった頃限りの話、郊外や上位都市への流出阻止を目的に取り組まれた事業が、隣接する商店街との差別化という意図せざる効果をもたらし、商店街間の集客競争に効果を上げたからです。
現在、後期における集積間競争は、都市及び周辺地域の生活者の消費購買行動を標的とした「商業集積としての優劣」を基準に展開されており、もはや商店街間の競争―ソフト&ハードの機能の充実度合い―は競争手段として効果を失っています。
商店街活性化の陳腐化とは、従来取り組まれてきた事業の陳腐化であって、活性化が不要になった、ということではありません。

 ちなみに国は「活性化」について現時点でどのように認識しているか:
『中心市街地活性化法』.『基本方針』から紹介してみましょう。

『基本方針』
第七章「・・・注視街地における経済活力の向上を図るための事業及び措置に関する事項」の「中小小売商業高度化事業の趣旨」に次のように書かれています。

引用スタート*******************

中心市街地における中小小売商業の活性化のための取組が、従来、
a) 個々の商店街ごとの活性化努力にとどまり、複数の商店街による広域的な中小小売商業の発展に必ずしも結びついていないこと、
b) 専ら基盤整備などの周辺事業にとどまり、中小小売商業としての競争力の根幹である業種揃え・店揃えの最適化に関する取組が不十分であったこと、
c) 主に事業を営む中小小売商業者を中心とした取組であり、地権者等との連携が不十分であったこと、
d) まちの様々な事業主体との連携が不足していたことなどを踏まえ、
商業者を取り巻く様々な関係者との連携の上に立った、意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、周辺地域への波及効果の認められる商店街等中小小売商業の高度化を通じた中心市街地のにぎわい回復に資する取組を戦略的かつ重点的に促進するものである。
引用終わり*******************

従来の活性化のための事業が不十分だった点を指摘し、これからの活性化のための取組の在り方が示されています。
活性化が陳腐化したのでは無く、これまでの取組の在り方に不備、不足があったということです。
不備不足の原因はどこにあったのか?
一番大きな原因は、商店街活性化とは商店街がどうなることか、明確な定義が行われていなかったことが挙げられます。
定義されない活性化事業は、もっぱら活性化事業として成功している事例をモデルに、商店街音実情に合わせてアレンジして取り組む、ということが中心でした。
ハード事業:駐車場、カラー舗装、アーケード、核店舗,景観整備等
ソフト事業:スタンプ、集客イベント、ホームページ作成等
活性化の定義が無い、各種活性化事業の総合的、一定的な実施で実現を目指す目標としての商店街の在り方を決めないまま、単発一過性で取り組まれて事業は、隣接する商店街との強壮には効果があったものの、目的である集積間競争及び上位都市への流出阻止には効果がありませんでした。商店街間の競争が意味をなさなくなっている今日、商店街間競争にしか効果の無い活性化事業が陳腐化しているのは当然のことです。

改めて国の問題認識を確認すると、従来の活性化の取組の問題点を指摘し、これからの実現すべき在り方が提言されています。

意欲的な中小小売商業者による業種構成・店舗配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、周辺地域への波及効果の認められる商店街等中小小売商業の高度化
です。

そして、商店街の活性化・高度化が目指す上位目的は、
集積間競争が常態化している広域商圏に於いて持続可能な商業集積としての在り方を再構築すること
です。
これが商店街活性化恩定義です。

そのためには、自生型商業集積としての現在の在り方から、他の集積と「棲み分け」を実現するコンセプトを導きとする企画型賞牛集積へ漸進的に移行することが必要です。
当社がかねて提唱しているところですね。

商店街活性化かまちづくりか、結論はハッキリしています。
商店街としての存続を目指すなら、取り組むのは商店街活性化、G定義の無い『商業まちづくり』では無いことをしっかり確認して下さい。特に行政の担当者さんは、上位目的の無い『街D繰り』の単発事業の繰り返しという従来の活性化事業とほとんど同じM内容の空疎な「まちづくり」に時間とお金を支出し続ける余裕はありません。
改めて各種事業の一体的推進で実現を目指す,コンセプト主導の商店街活性化プロジェクトを構築,発進しましょう。

当社は,全国唯一、商店街活性化を実現する具体的なプロジェクトを公開提案しています。
すでにご承知の通りですが、改めて紹介しておきます。

コミュニティモールプロジェクトのご提案





商店街活性化の常識

昨年4月2日~10日の間連載した記事の再掲です。
「常識」としていますが、もちろん世間の常識とは大違い、商店街を活性化したければこの程度の知識は「常識」として持っておかなくては、という意味。

以下再掲**************************************************
  数回連続で『商店街活性化の常識』をアップします。
常識というのは、活性化に取り組んでいる人たちがあるとか共有している常識という意味では無く、活性化に取り組むなら当然知っておかないといけないこと、という意味です。
実際の取り組みでは共有されていないことが多いと思いますが、そのこと自体、商店街が活性化されない原因になっていると思われます。あなたの常識との関係は如何でしょうか。

1.商店街はなぜ活性化できないのか?
(1)商店街活性化とは商店街どうなることか、定義されず、実現を目指す『あるべき姿』が具体的に掲げられていない。
①とんでもないことですが、本当に定義されていません。新しく参加されて人の中には、当然既に定義が行われ共有されていると思う人が多いと思いますが、取り組みが始まって以来、定義しているのは当社だけです。
②中には活性化は陳腐化したので『道づくり』と呼ぶことにしようと呼び方を変えた人もいます。ところがその後、いろいろな分野で『まちづくり』という言葉が使われるようになって、今では「商業・まちづくり」、「福祉・まちづくり」、「交通・まちづくり」と区分しなければならなくなっています。「商業・まちづくり」は、商業がどうなることか、という説明、定義はしないままです。

(2)商業集積としての賑わいの基礎である個店売場の充実のための組織的な取り組みがほとんど行われていない。
①言うまでもなく、商店街は個店売り場の集積、商業集積の一種です。商店街のお客さんはそこに所属する個店のお客さんです。
②商店街が活性化が必要だということは、個々の売り場がお客にとって魅力のある売り場と評価されていないために、売上が低迷している状況です。しかし、活性化の取り組みで個店の売り場を改善しようという取り組みはほとんど行われていません。

(3)高度化事業は施設整備という点では成功しているが、商業そのものの高度化という目標の達成については技術の向上など課題が残っている。
①高度化事業は、中小商業の高度化を目的にした事業ですが、施設や組織の体裁は整えられても、「買い物の場」としての品揃え・サービスなどの高度化は実現されていない場合が多い。
②それでも商店街間競争の場合は有効でしたが、はじめから施設や組織が整備されている郊外型商業施設との競合には不十分です。

(4)「郊外型商業集積との棲み分け」という課題が十分理解されず取り組みが不十分である。
①ショッピングjモールをはじめとする郊外型商業集積のい特性が理解されておらず、棲み分けという課題への取り組みが遅れています。
②多くの商店街。中心市街地の取り組みは、郊外型商業についての理解が乏しく、対策はほとんど取り組まれていません。
 
(5)総じて活性化に取り組むために必要な条件が揃っていない
  ①地場商業を活性化するために必要な理論・技術が普及していません。
②商店街活性化のスキームを活用するためのマネジメントスキルが不足しています。

 以上のような事情の結果、各種事業への取り組みが一過性に終わり、成果やノウハウ・教訓の蓄積が実現されていない。活性化事業に取り組んでいるにもかかわらず衰退趨勢を挽回できない状況となっているのです。

引用終わり**************************

続きもどうぞ。

商店街活性化はなぜ必要か?

商店街活性化、40年以上取り組んで来たのに、思ったような成果があがりません。自分のところだけならいざ知らず、全国的に成功事例が出てこない、という情勢において、「そもそもなぜ商店街活性化に都市の課題として取り組まなければならないのか?」ということがあらためて提起されているところも少なくないようです。
 「商店街活性化」を全国の都市に共通する戦略的課題であると位置づけている当社の立場から見た「商店街活性化はなぜ必要か」 以下ご披露します。

1.御市を中心にした広域圏に居住する人たちの「生活を充実させる」ニーズの受け皿としての事業機会を確保する。
◇新しいニーズ:「自分の所得の範囲で生活を自分らしく演出して堪能する」。郊外のセルフサービス主体の売り場では満足させられないニーズ。詳しくはサイト内検索=「ラグジュアリィ」

2.支出段階に入った都市及び周辺地域の所得をもう一度地域の所得に還流させる。
◇郊外型集積で消費するとそのお金は本部に流出、二度と地域に戻ってきkません。総じてチェーン小売業の雇用その他の経費はすべて売上=地域の所得でまかなわれています。
◇業績が向上すれば施設・什器などの再投資が可能になります。必要な融資を受ければその文だけ地域を回るお金が増えます。
 地場小売業が集積する商店街の活性化は都市の活性化に極めて重要な意義を持っています

3.担税率の高い/相対的にインフラの整備された街区の効果・効率的な利用・再構築
◇固定資産税等、高額負担に見合う効果・効率的な土地利用が停滞していることは、都市経営上のマイナスであり、かつ、土地所有者にとって相対的に過重負担を生じている。

4.方向と方法を明示することによる、既存商業者の活性化への努力の集約化
◇多くの既存商業者が自店の活性化、魅力ある個店づくりに取り組まなければならない情況にある。単独、単発の取り組みで活性化を実現することは難しい。商業者の経営確信の努力を集中・集約すること、取り組みを支援することが求められている。

5.商業施策の有効化、成果の蓄積・相乗効果の発揮
単発的な商業施策では効果が出ない、シャッターの内側の取り組みを連動しないと効果がない、という情況を突破する方向は街ぐるみでの転換しかあり得ない。

6.郊外型商業が対応できないラグジュアリィニーズ対応商業集積の構築による都市間競争における優位の確保
◇周辺各都市に先駆けて「ラグジュアリィモールとしての再構築」を実現することで広域からの集客が期待される。中心市街地が名実ともに広域の中心、「顔」として再生する。

7.中心街区の景観整備の推進
◇事業の進展で老朽店舗の更新、空き店舗を利用した新規出店が始まることで、景観整備事業の効果が生まれる

8.実務担当者の都市経営能力の向上
◇計画作成~実施能力、関係者を「その気にさせる能力」など、都市経営に必要な能力を開発・修得する。

9.活性化推進ノウハウの他地域/事業への伝搬
◇この事業で開発・修得した地域活性化の推進に必要な知識・ノウハウなどを市内他地域の取り組みに活用することが可能になる。

10.地場産業・国内消費財産業の流通経路の再構築
◇郊外で売られているのは輸入品主体、国内産品は小売部門の空洞化により、疲弊している。中心市街地が新しい商業集積として再生することで、国産消費財の流通経路が生まれ、産地・地場産業の活性化をもたらす。

11・等々の成果を総合した「都市経営」の進歩向上
◇自助努力による都市経営が課題となっているこんにち、中心市街地活性化への取り組みに成果があがれば何よりの自信となる。

如何ですか?
まだまだあると思いますが、とりあえず。
各項の内容は、これ以上説明の要はないかと思いますが、議会対策その他、詳細に確認したい人は、サイト内検索または直接当社にメールをどうぞ。

商店街活性化の七不思議 毒入りバージョン(長文注意)

商店街はなぜ活性化できないか?
当ブログでは既に「商店街の七不思議」として、その理由をご披露しています。
「商店街 七不思議」をキーワードにアクセスしておいでの方もあるようですから、ちょっと悪のり、今度は「毒入りバージョン」でご機嫌をうかがいます。


七不思議その一 商店街活性化とは街がどうなることか誰も定義していない
 商店街活性化、「中心市街地活性化法」制定のずうっと前から取り組んできたハズなのに、指導するコンサルタントの先生方も含めて「活性化」の定義が無い? 
確かにうちの商店街はそうだけど、うちの商店街だけでしょう? 
いいえ、全国的にぜ~んぶ、そうなんです。不思議ですよね。

 まさかと思う人もあるかもしれませんが、組合執行部の皆さんから指導にあたる専門家各位、関係者という関係者、誰一人として「商店街活性化とは街および街に立地する個店にどんな状況が生まれることか」ということを明らかにしていません(聞いたことがありますか、当社以外で?)。

 普通、我々が「計画」を立てるのは、何か実現したいことがあるからですよね。
ところが『中心市街地活性化基本計画』ではこの計画で何を実現したいのか、全く明らかにされていないのです。
そんな「計画」で何を実現しようというのでしょうか? なにが期待できますか?
活性化の定義もしないで「活性化計画」を立てて、活性化を目指したとして、活性化に成功することがありうるでしょうか?
 
 もし、「活性化とは何か」と言うことがはっきり定義され、その定義された活性化を実現するために各種の事業が企画され、取り組まれているとすれば、計画された事業への取り組みが進むにつれて街が活性化されていくことが期待出来ます。
 ところが実際の取り組みでは、活性化の全体像が明らかにされないまま、補助事業のメニューに載せられている事業項目に該当する事業のいくつかが相互にほとんど脈絡の無いままで取り組まれるだけです。

 事業を消化した=活性化が進んでいる、という理解がまかり通っており、その結果、事業は「着実」に進んでいる都市でも商店街、個店の実状は全く改善されない、それどころか事業の進捗とは全く無関係にどんどん衰退がひどくなっていく、というところが多いのもある意味、当然かも知れません。 

  事業は計画する前に、何のために取り組む事業か、ということをはっきりさせておくことが必要です。事業取り組みに際してのイロハが全く出来ていないのが全国で取り組まれている商店街活性化の水準です。
“うちはたしかにそうとも言えるが、まさか全国一律そんなことは無いだろう”とお考えの皆さん、七不思議を克服しているところがあるかどうか、アンテナをしっかり立て直して調べてご覧なさい。

 ちなみに、当社は「商店街活性化とは商店街がどうなることか」
きちんと定義していますので参照してください。

その一 註

※中心市街地活性化とは:
 広義では中心市街地が都市の「産業立地」としてよみがえること。中心市街地が都市の他の地域と比較して有利な条件を備えているのは、都市住民を対象とする産業=消費産業立地=商業及びサービス業の立地としてである。
すなわち、中心市街地は、おきな環境変化をふまえながら、消費産業=小売商業・サービス産業立地として再生させるべきである。

※中心商店街活性化とは:
 中心市街地に現存する商業・サービス業の集積である街区内の商店街を活性化させることは、中心市街地活性化の主要な目的であり、目標であり、手段である。
 商店街の活性化とは、①街ぐるみで事業に取り組む結果、②既存の商店群から繁盛店が続出し、③新しい設備投資が始まり、④空き店舗などを利用した新規出店が増え、⑤後継者問題等も解消され、商業集積としての永続性が実現すること、をいう。
実現するためには、「ショッピングモールへの転換」を目指して最短3年間の『行動計画』を作成して、商業集積としての機能の拡充に取り組まなければならない。

 バブル崩壊以前から続いている事業をだらだらと続けること、「活性化」と冠の付いた単年度・単発事業をあれこれ「食い散らかす」ことなどは、商店街活性の実現とは無縁のことである。

 商品が売れなければ商店ではない、売れる商店が軒を連ねていないと商店街ではない。


七不思議その二 活性化に取り組んだ話はよく聞くが、成功した話はほとんど無い。  “活性化とは何がどうなることか、根本的なところをすっぽかしたままとにかく「活性化事業」と名が付く事業に取り組めば活性化が実現する、というようなことは今日の小売業を取り巻く環境の中ではほとんど有り得ないこと、まあ、奇跡に近いといって良いでしょう。
商店街で奇跡が起きるなどということはまずあり得ませんから成功事例もほとんどない(W、ということになります。

 関係各方面の事業報告書、業界紙・誌や経営書と言われる書籍などで「成功事例」として紹介されているもののほとんどが、再開発ビルの建設やアーケードの新築・掛け替え、景観整備。あるいはテナントミックス事業という名の空き店舗への出店勧誘、昔ながら販売促進事業、新しいところでは「空き缶ノーポイ」のエコステーション事業といったところでしょうか。

 これらの事業の共通点は何か?
一言でいえば、商店街の通行量を増大させよう、という事業ですね。
言うまでもなく、「通行量」は「買い物客」ではありません。
通行量増大は、個店の立場で言えば、店前通行量の増大」です。店前通行量の増減が商売に直結していたのは、大昔、「もの不足・買い物行き先不足」という商店街全盛時代、うちの街のライバルが隣の商店街だったころの話です。あの手この手を駆使して通行量を増やす、たしかに当時は有効な手段でしたが、今となってはもはやシーラカンス的手法。早い話、現在では「店前通行量」と「お店の売り上げ」には何の関係もありません。

 店前通行量とお店の売り上げに関連があった=小売業にとって人通りの多いところが好立地だったのは、大昔、ショッピングセンター(以下、SCと略記します)が影も形も無かった時代のことです。郊外のSCの立地を考えてご覧なさい。SCが立地するまでは人っ子一人通らなかった、店前通行量ゼロ、という立地でした。その立地に自分の店づくりの力で集客する、これがSCの戦略です。店前通行量に頼らず、自分落ちからで集客する、これが現在の小売業の基本戦略です。

 商店街だけが、商店街しか買い物行き先が無かった時代の戦術=店前通行量増大策などに取り組んでいてものの役に立つわけがない。

 第二の不思議、それは、総合的な販売力で買い物客を集客しなければならない時代であるにも関わらず、店前通行量増大策=活性化策という時代錯誤を続けているから、ということですね。

 ちなみに商店街活性化の最終目的は、「ものが売れること」です。
ものが売れなければ物販機能ではありません。ものが売れなければ商店街ではないのです。したがって、事業に吐露組むときは「その事業に取り組めばものが売れるようになるか?」と言うことが基準で決定すること。
ハードなど間接的な事業の場合でも「この事業を生かしてものが売れるようにするためにはこの事業と平行して何をしなければならないか」ということをよ~く考えてから計画することが必要です。

その二 註

※購買行動の変化:
 交通手段の発達、マイカーの普及、商業施設の増加などの要因により、買い物行動は①個人単位で ②ほしいものがある都度 ③買い物目的に適合する買い物の場へ行く と言うように変化している。このような買い物行動は、商店街全盛のころにはほとんど有り得なかったパターンである。「買い物の場」として認知され評価されない商業施設は見向きもされない。
 
※買い物目的:
 ①コンビニエンスニーズ:必要なときに必要なだけ時間を掛けずに買いたい商品
 ②コストコンシャスニーズ:必需品の補充や買い換え、お試し導入商品など、コストをなるべく掛けないで入手したい商品
 ③ラグジュアリィニーズ:自分らしく演出し堪能したい生活に必要な商品。自分の好みを基準に吟味して購入する。 

※買い物行き先
 ①コンビニエンスニーズ:スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど。頻度が高いので住宅、勤務先などの近くが望ましい。
 ②コストコンシャスニーズ:ディスカウントストア、アウトレットモールなど。週末などを利用して定期、不定期にマイカーで出かけてまとめ買いする。少々遠くても目的に合致するなら出かける。
 ③ラグジュアリィニーズ:「ショッピングモール」我が国ではほとんど存在しないタイプの商業集積。「こだわり」「この指止まれ」型の専門店が集積して全体としてラグジュアリィニーズへの対応を実現している。活性化を実現したい中心商店街が総力を挙げて実現しなければならない目標。

七不思議その三 活性化できない商店街の役員さんが施策のメニューを決めている。
 え~つ、そんなはずは・・・と思った役員さんはあちらこちらから来るアンケート調査に回答した内容を思い出して下さい。何のための調査でしたっけ。
 あなたは「商店街の問題点”として駐車場不足や空き店舗の増加などを挙げ、「街に欲しい施設」としてコミュニティ施設や休憩施設などと回答したことがありませんか?
つまり、補助事業のメニューは皆さんの希望に基づいて出来上がっているわけですね。

 不思議なのは業績不振に見舞われ、支援が必要な状態に陥っている商店街の皆さんが、自分たちの街やお店を活性化するために何が必要か、本当に分かっているのか?ということです。
繁盛しているお店なら次に何をしなければならないか、ちゃんと分かっており、準備も進んでいることでしょう。支援があるなら待ってました!となるでしょうけど・・・。

 皆さんの街も全盛時代にはまさにそういう状態でした。
環境整備も販促施策も大当たり、ますます売上げが伸びました。組合が発足したころ、商店街が文字通り地域ナンバーワンの商業地だったころには「このうえさらに業績を伸ばすためには何が必要か」と言うことが分かっていました。それが環境整備であり、共同販促だったわけです。このような施策を講じることで売れているお店がさらに売上げをアップすることが出来たのですね。
 ところがもはやそういう条件はどこにもありません。

 売れているときに売上げアップに役立った事業が売れない時期に売上げ挽回に役立つとは限りません。
むしろほとんど役に立たないと言った方が正解に近いでしょう。
そういう時期に施策を希望するにあたって必要なことは、どうして活性化策が必要な状態に陥ったか、活性化を実現するためには何が必要か、ということが本当に分かっていなければいけない、と言うことです。如何ですか?
 最近の事業取り組みは、何も考えず、これまでやったことのない・よそで取り組んだと聞いている・新しくメニューに加えられた・といった事業に単年度・単発で取り組んでいる、というのが実態ではないでしょうか。それらの事業が先行事例で街の活性化にどのように効果が挙がったか、という肝心のことは検討しないまま・・・。

 このように考えてみますと、施策を企画する行政をはじめ関係機関も、とても商店街へのアンケートなどに基づいて支援メニューを決める、という手法(昔は有効だったけども)に頼っているわけには行かない、ということになるのですが・・・。
 さらに、補助事業は全て「個店や商店街が単独では取り組めないレベルの事業についての補助・補完」でしょうから、当然、個店レベル、組合レベルで自助努力、活性化への取り組みが行われることが前提になるはずです。
ところがそのような取り組みはほとんど行われていません。なぜか?
何をやったらよいのか分からないからですね。もちろん。

 そうした中で毎年毎年、単発の補助事業だけが我が商店街を活性化する事業である、というような取り組みで業績が向上することはあり得ないわけです。
 自助努力とはもちろん、「お客に支持される店づくり」ですから、店づくりが出来ていないと「補助事業」が活性化への補助にならないことはいうまでもないでしょう。

その三 補足

ついでに指摘しておくと、計画作りの委託について。

 「行動計画」ではありませんが、『中心市街地活性化基本計画』の一部として商店街の事業計画が作られます。
不思議なのは、この計画作りが外部に委託されることです。

 つまり、
○活性化の事業メニューは商店街の希望に基づいて作られている。
○そのメニューに基づく事業計画は外部に委託して作成する。
○出来上がった計画は組合が実行する。
という仕組みですが、果たしてうまく機能するでしょうか?

1.皆さんは補助事業のメニューの希望調査アンケートの際、本当に自分たちの街の活性化に必要な事業が分かったうえで、回答しましたか?

2.計画作りはコンサルタントに委託、作成プロセスでの組合の役割はいろいろと希望を述べること、計画作りはほとんど丸投げ状態のところが多い。
なぜか? 自分たちに「計画づくりのノウハウ」がないからですね。

3.計画作りを受託したコンサルタントは、計画が印刷製本されるころには退去します。次年度、組合は計画に基づいて事業に取り組まなければならないわけですが、果たして実施できるのか? 
計画を立てる力のないものが他人に頼んで作った計画で活性化を実現できるのか?

 このような状況を経験していない商店街はほとんど無いでしょう。
活性化事業の運営方法そのものに大きな問題が有ったのだと言うことです。
「商人塾」などで知識・理論を修得しながら計画作りを行う、というスタート時点の取り組みの必要性・重要性が身にしみて分かるはずです。


七不思議その四 商店街に物販以外の集客施設を誘致すれば活性化が出来る?

 「もの余り時代」になったのだから、物販機能をいくら充実させてもで集客は難しい、商店街に物販以外の集客施設を開設して集客する、そうすれば来街者が通りにあふれ商店街の売上げは増大する、という全く訳の分からない・恐るべき主張があります。
実際に主張している指導関係者がいますし、公的な報告書に書かれているのを読んだこともあります。
 商店街がこんな施設の誘致に取り組んでも活性化されることはありません。

 既にお分かりのことかと思いますが、念のためちょっと検討してみましょう。
非・物販施設自体の集客がうまくいくかどうかはその施設の企画次第であり、ここでは触れません。

 非・物販施設にお客が殺到したとします。施設へ往来するお客で通りがあふれたとしましょう。このお客はたしかに街から見れば「来街客」ですが、全て非・物販施設を目的に来街する人たちです。
来街客=店前通行量を増大させる、ということではこの施設を誘致したのは大成功かもしれません。
 ところが、時代は「もの余り時代」です。もの余り時代、歩行者が通りにあふれたからといってどうしてそれが売上げにつながりますか?歩いている人はみんな施設に行くことが目的で歩いています。用事が済んで通りに出てくるお客は家に帰るために歩いています。非・物販施設への来客=買い物目的以外での来街者にとって商店街は単なる通路でしかありません。

 「衝動購買」がある、と言われるかも知れません。衝動購買というのは、買うつもりは無かったけれど、商品を見たとたん欲しくなって買ってしまう、という性格のショッピングです。非・物販施設への行き帰りに、思わず足を止めさせる・入店させる・予定外の散財をさせる・というのが「衝動購買」ですからね。
「もの余りだから売れない」「でも通行量が増えればなんとかなる」という発想の商店街・個店に、「衝動購買」を促すような品揃え・仕掛けが有るはずがないではありませんか。
 集客装置と客相が合うお店などでは多少は売れるでしょう。コンビニ、ファーストフードなど。しかし、それで商店街全体が活性化する、というようなことはあり得ません。物販関係以外の施策で店前通行量を増やしても商店街の活性化は出来ません。

 店前通行量の大小が重要な立地条件だったのは、「もの不足時代」=通りを歩いている人はみんながみんな、それぞれ「欲しいもの・足りないものがある」という、古き良き時代のことです。人が集まる=ものが不足している人ばかり=自店の商品が欲しい人もいるに違いない、ということですね。もちろん商店街以外に目立った買い物の場も無かった時代のことですから、人が集まるところ、集まりやすいところほど好立地でした。

 ところが「もの余り時代」は全く様相が変わっています。人が多く集まっていても、それが買い物目的でない場合はその集まりを潜在買い物客と見なすことが出来ないのです。みんな「もの余り」状態ですからね。
 そういう状況において「ものを買わなければならない」場合は、数多く提供されている「買い物の場」の中から、自分の買い物にとって最も適していると思われる行き先を選択して利用することになります。専門店などが買い物行き先になる・すなわち中心商店街が提供しているようなレベルの商品について、他の用事で出かけた街で「ついでに買う」と言うような購買行動はまかり間違ってもありません。
活性化が必要な段階に至っている商店街に「コミュニティ施設」を誘致してもその結果購買客が増える=活性化が実現する、と言うことは有り得ないのです。

 イベントで集めた来街客が入店客・買い上げ客につながらず、そのうちイベント集客さえ出来なくなった、という苦い経験が巨額の投資を伴う非物販の集客施設の計画に何故活かされないのでしょうか。
 昔、皆さんのお店を開業するにあたって店づくりを検討したとき、立地を決めたときと同じ真剣さがあるなら、活性化のための支援メニューについての要望はもっと違ったものになったはずです。
今からでも遅くはありません。「どのような支援を受ければ、街が、自店が活性化できるか」、「今、取り組まなければならないことは何か」初心に帰って考えて見るべき時です。

 商店街を活性化させるには、商業機能を充実させる以外に方法は無い、ということがしっかり確認されたことと思います。

注その四 衝動購買について

 衝動購買というのは、買うつもりは無かったけれど、商品を見たとたん欲しくなって買ってしまう、という性格のショッピングです。非・物販施設への行き帰りに、思わず足を止めさせる・入店させる・予定外の散財をさせる・というのが「衝動購買」ですからね。

 一口に衝動購買と言いますが、中身は買い物動機から3つに区別されます。

1.予定はしていたが、今日するつもりはなかった買い物
2.今日するつもりだったが、この店でするつもりはなかった買い物
3.全然予定していなかったが、商品を見たとたん欲しくなった買い物

 如何ですか。それぞれ購買動機が違うし、購買までのプロセスも違います。
通行客、入店客のどちらでも発生する「自店向けの新しい購買」可能性ですが、それぞれ実現させるのは難しい。

1については主として入店客、得意客が対象。こまめに個人情報を収集していると思いがけない商品企画が出てきたりする。

2.については「お試し来店」、昔風に言えば「買い回り」です。ショーウインドやチラシなどの遡及で来店、常連客であるお友達につきあって来店などの動機から始まる買い物です。他に購買行き先を予定していた分をこちらにシフとしてもらうわけですから号外商品に相当魅力がないとものにすることが出来ません。
 ちなみに昔言われていた「買い回り商品」の定義はもはやシーラカンス、買い回り品は「行きつけの店で買う、そこで気に入る商品がなければ買うのをやめる」というのが当たり前。買い回り品は買い廻らないというのがラグジュアリィ世代の買い物行動ですね。そうそう、最寄り品は肉、鮮魚、その他「得意」なスーパーを買い廻ります。

3.は2以上にシビアです。その商品を見たとたん、それまでゼロだった「購買欲求」が真夏の入道雲のようにむくむくと立ち上がる、という心理状態を創り出すわけですから、並みの商品ではダメ、少なくともそのお客にとって「欲しい!」と感じさせなければならない。あり得るのは、「当店のターゲット客相」の新規客の衝動入店-購買がこれにあたります。
プレゼンテーション命ですが、うまくいけば新規お客が獲得されます。

 ショーウインド展開、売場構成、陳列、接客などが相まって「衝動的」=非計画的な購買が実現するのですが、「目的購買」以上に難しいことは容易に理解されますね。
 ハイレベルの技術がないと実現できない衝動購買ですが、これを「非・物販施設の開設」で実現しようというお手軽発想が何の役にも立たないことが
よく終わりでしょう。もちろん、時間とお金をたっぷり使った結果ですからね。
 
 ところで、「衝動購買」の種類と特徴について修得すると、戦略的な位置付け、実現の方法など取り組み課題が見えて来るはずです。とりわけ、2.や3.を実現することが「新規顧客創造」の基本手段だということと取り組みかたの基本方向が理解されてことと思います。
 知識がなかったために取り組めなかったことが、取り組めるようになる、「問題がはっきり分かれば7割方は解決したようなもの、あらためて理論修得の重要さを確認してください。

 皆さんのお店と商店街、こういう「未実現チャンス」の宝庫だという私の主張、フムなるほど、と思われません?


七不思議その五 「後は個店の問題」と個店に活性化の最後の下駄をあづけている。

 商店街から離れてしまったお客を環境整備や非・物販の集客施設整備、昔ながらの販促活動で再度引き寄せるのが組合の仕事、お客に買わせるのは個店の役割(活性化の最後の鍵は個店にある)、というのがほとんどの組合の姿勢ですが、個々の店舗に現在の顧客ニーズを満足させる「買い物の場」作りを丸投げして実現を期待することができますか?
その根拠はどこにあるのでしょう?

 そもそも商店街の多くの店舗は高度成長期までの、「もの不足・商店街間競争」という時代、「見よう見まねで繁盛できた時代」からほとんど進歩していない、という実態を素直に見れば、とても個店任せには出来ないはずです。
「後は個店の仕事」、と言っている役員さんのお店自体がそういう「仕事」が出来る状態には無い、という例も珍しくはありません。

 商店街が活性化するためには、「買い物の場」としての機能を充実させて、潜在顧客から「買い物行き先」として認知されることが絶対条件です。お客がショッピングをするのは、自分にとって必要な商品を・手に入れて・持って帰り・生活の中で使う・ためです。買い物に出かける・選ぶ・買い上げる・という購買行動は、買うことが最終目的ではなく、買った商品を持ち帰って使う、というところにあります。

  商店街は「物販」を事業とする人たちが集まっている、物販の場ですが、これはお客の側から見れば、「買い物の場」ということになります。「買い物の場」として充実していない商店街が他の施策で集客しても、活性化という課題の解決にはほとんどつながりません。なぜか?せっかくお客がやってきても、買って帰る商品が揃っていないから(だから活性化が必要なのですが)です。

 商店街が活性化するためには、「買い物の場」として充実させていくことがもっとも重要であり最も緊急を要する課題です。ところが組合はこの課題には全くといって良いほど取り組んでいない、というのが全国の商店街に共通している実態です。
「物販事業の立地」でありながら「買い物行き先」としての機能を充実させる仕事はほったらかして環境整備など脇役的な仕事ばかりしている、ということ。

 「買い物行き先としての充実」が課題であるとなれば、問題は、個店の中身を改革していくことにならざるを得ません。ショッピングという、お客の来街目的は個々のお店の中でしか果たすことが出来ないからです。いくら環境整備や販売促進に力を入れても肝心の個々のお店が「買い物の場」としてお客に認められる状態を作っていなかったとしたら活性化は実現できないということです。

 売れないお店ばかりが立ち並んでいる商店街が如何に個店の売場以外(すなわち、シャッターの外側)で努力をしても、シャッターの内側に「買って帰りたい商品」が揃えられていないお店ばかりでは、商店街=買い物の場、買い物行き先として認められることはありえません。個店の品揃えを充実させる・商店街の店揃えを充実させる、ということが商店街活性化のスタートでありゴールなのです。

 個店の充実に力を入れるべきだ、と聞いた役員さん達は「個店の経営権は店主にある、経営には立ち入れない」と答えることが多いのですが、何を言っていますか、そもそも立ち入って指導する力量がありますか?と聞き直したいところです。
「充実に力を入れるべき」なのは役員さんのお店も例外ではありませんから。

 商店街の活性化、個店のシャッターの内側・品揃えが「買い物の行き先」としてお客に認知されることがスタートであり、通り全体がそういうお店の集合に変わっていくことで「買い物の場」に生まれ変わることがゴールです。
 こういう当たり前すぎるほど当たり前の仕事にどうして取り組まないのですか?
いつから取り組むつもりですか?というのが その五 です。

個店に出来ること

 「後は個店の問題」と言われた個店に出来ることを考えてみましょう。

 商店街全体で実現する「商業集積としての性格」などは決められていませんから、個店の裁量で自の方針を定め、自分だけの力で繁盛店を目指すことになります。これは相当難儀なことです。情報収集から知識・技術、取引先等々全て自力で調達するわけですからね。
 とても現在業績不振に陥っている店が組合の事業を契機に生まれ変わるなどということはまず有り得ないことになります。

 そうすると、組合事業がプラスに働くのは、以前からそれなりの業績を挙げている店舗だけ、ということになります。そういうお店にしても劇的に業績に好影響が出るわけではありません。業績不振で自力では活性化への取り組みをスタートできない、本当に支援が必要なお店には何の役にも立っていない、ということになりかねません。
  事業に取り組んだにも関わらず、業績不振のお店はやっぱり業績不振のまま、「後は個店の仕事」ではなく、「個店の活性化は始めから終わりまで」個店で取り組め、といっているようなものです。
 商店街にはこういうお店の方が圧倒的に多いわけですから、せっかくの事業だったにも関わらず、活性化には役に立たない、ということになります。

 「シャッターの内側は個店の責任」と言えば何となくそのとおり、という気がしますがそんなことを真に受けていると、シャッターの外側、とおり全体がとんでも無いことになってしまいます。

 「シャッターの内側は個店の責任」とおっしゃる執行部の皆さんのお店もけして「個店任せ」にしておいて良い、というレベルではないような・・・。

こういう至極当然の事業の結果がどうして分からないのか、本当に不思議です。


七不思議その六 指導者はたくさんいるが本当に指導できるのだろうか?

 これだけ長年にわたって全国至るところで取り組まれている「商店街活性化」ですが、ほとんど成功していない現状をみれば、タイトルのような単純素朴な疑問も生じます。

 これまで検討してきた「不思議」は、全て商店街だけが陥っている問題ではありません。商店街活性化を指導するという役割の人達を全部含めたところで「不思議」です。だってそうではありませんか。これまでに検討してきた「不思議」誰の目から見ても不思議なことであり、まして、商店街の活性化を指導する、という役割を担っている人たちなら真っ先に気付いて当たり前、事業のありかた、活動のありかたを修正するよう指導することが任務なんですから。
実態はどうでしょうか。施策メニューの消化のお手伝いとしか思えないような指導が多いというのが実態のような・・・・。

 どうしてそうなるのか? 

 第一に、専門家の皆さん
 主に「活性化計画」作りを支援する人たちと、個別ソフト事業の立ち上げの支援、個店の経営指導など「専門」分野の人たちで分業が成立しています。
計画作りの専門家は、ひたすら「計画作り」という事業段階にある商店街に対して「事業計画作りの実績」を武器に売り込みます。商店街側もたぶんその実績を参考に発注することでしょう。

 問題は、「活性化計画作成」の実績は、「商店街を活性化させた」実績ではない、ということです。関係者の多くが、計画策定を支援した実績=活性化を支援した実績と考え、この件数の多い専門家ほど商店街活性化の専門家であると錯覚しています。果たしてそうでしょうか?

 計画系の専門家は、全国津々浦々の中心市街地、商店街でひたすら計画を作り続けています。彼らは、自分たちが作成を支援した計画がどのように実行され、その結果として街の活性化は成功したのか否か、ということには関心がありません。関心があるのは次の受注だけです。
なぜそう言えるか?
彼らにとって大切なことは街が活性化することではなく、「計画作成」を受注することだからです。かれらの問題意識は自分たちが作成を支援した計画に取り組んだ結果、街に起こったことではなく、次に計画を作ろうとしているところはどこかということにありますから。

 このことは専門家の側だけの問題でありません。本当は活性化計画の作成支援を発注する場合は、実行段階の管理も当然依頼するべき、商店街活性化という中・長期の事業の支援が単年度契約の専門家で間にあうはずがない。

 事業の性格上、書類上の契約は単年度単位でも実質は活性化の展望がはっきりするまで、というのが当然ではないでしょうか。このあたりはTMOや行政が考えなければならないことでしょうが、商店街も是非確保に向けて知恵を出すべきです。自分たちで計画を作れなくて外部に委託するレベルの商店街が、作ってもらった計画に基づいて活性化を実現していく能力がある、と考える方がおかしいでしょう。
しかし、実態は計画が出来上がったら専門家はお払い箱、自分が作った計画がどのように実行され、結果はどうなったか、検証する機会はほとんどありません。

 こういうわけで、専門家の実績とは、計画を作った数、実施段階の改善も結果のフィードバックもほとんど含まれていない実績だということになっています。こういうレベルでいくら「実績」を積んでも本当に結果をもたらす実績ではない、ということに関係者が早く気付くことが必要です。
 
 もちろんこのことは専門家自身にとっても言えることです。これまでのような仕事ぶりを続けていたのではこれから先、受注が激減することは目に見えています。第一、これまでのパターンでの支援では活性化どころか崩壊してしまう商店街が続出することが心配される段階に至っています。
商店街が消滅すればもちろん事業機会も消滅する・・・。

 それにしても活性化を支援する肝心の支援のありかたが活性化を促進するどころか、逆に足を引っ張っている、という不思議な現象が起きており、誰もそのことを指摘しない、という現状は不思議ですね。 

 個店の活性化については業種別の専門家などがありますが、中心商店街立地の場合、商店街は「ショッピングモール」、個店はその「テナントショップ」という視点での指導が出来ないとダメですね。特定の個店が独自の方向で繁盛店になっても街ぐるみの(商業集積としての)活性化にはつながっていきません。もっと言えば、ショッピングモール(ラグジュアリィニーズ対応)への転換という方向性を持たない場合、商店街立地の個店の活性化は個店単独の課題として考えても難しいでしょうね。


 第二に指導・関係団体・組織の職員さん

 この人たちには異動があります。早ければ2、3年ですから、とても商店街活性化の指導に必要な専門知識を修得するだけの時間は有りません。これまでの活性化理論では活性化は出来ない、支援システムのありかたにも問題がある、ということが分かってもそこから先が問題です。

 いったん出来上がったシステムを改革することは、場合によっては新しく作り出すよりもコストや時間がかかります。短い在任期間に出来る仕事としては施策の革新よりも改善が選択されることが多くなるのは当然でしょう。それも基本的な方向を見据えての改善よりも、あまり利用されなくなった施策を廃止し、どこかの商店街で新しく取り組まれた事業などを参考に新メニューを付け加える、使われなくなったメニューと交換する、というような方法が多いのではないでしょうか。

 もちろん画期的な施策が打ちだされることもあるでしょう。
しかし、いかんせん、今度は事業を実施する組合側、受注するコンサルタント側が旧態依然ですとせっかくの新機軸の事業も従来どおりのパターンで消化されてしまうことになります。(ショッピングモールへの転換など)

  また、この人たちは多くの場合、自分が作った支援メニューの効果も確認できないうちに異動です。自分が手がけた事業の結果を評価する機会がないことは、その事業を現場で指導・支援した専門家の力量を評価する機会も無かった、ということですから、かくして、新しく赴任してきた担当者のもとに「実績」をひっさげた専門家が受注に訪れて・・・。

 このような人事システム、あるいは執務スタイルが全国的に作りっぱなしの「計画」をはびこらせ、全国一律の事業取り組みの未熟を結果している一因になっている、といったら怒られるでしょうか。

 こうしてみると、メニューを作る人、指導・支援する人、商店街の皆さんが三位一体、共通の問題意識を持つことが大切だということになります。
しかし、活性化が実現できないことで困るのはなんと言っても商店街の皆さんです。皆さんが「欲と道連れ」先頭に立ってドンドン動きを変えて行くこと関係者の問題意識、態度、知識技術の改革を勇気づけます。
「関係者の能力の転換&合意」が形成されます。

 商店街活性化、取り組んでも取り組んでも成功しない理由の一つには、このようなこともあるわけです。
その五の教訓。
指導・支援する側の知識や理論におんぶにだっこは通用しない、コンサルタントは計画だけではなく実施と結果まで責任を負わせる仕組みを作る、それを前提に発注する、ということが必要です。
 もちろん、責任を負わせる前に役に立つ計画を作る・実施過程を支援する能力があるかどうかを見極めなければならないことは言うまでもありません。
 
 現在の情勢(商店街の実態、商店街を取り巻く環境、活性化に取り組む陣容など)を考えるとき、これから商店街活性化を指導・支援する指導者には、
第一に、消費購買行動の変化・集積間競争の展望・専門店の店づくり(ハード&ソフト)・人材育成の方向・街づくり(建築ではない)等々を体系づけた理論を調達すること、
第二に優れたチームを編成し采配する手腕が求められます。特にこれだけ個店が疲弊してくると、個店の指導が出来ない指導者ではどうにも役目が果たせない、ということになります。指導者の選定には、個店の転換についての指導について、相当な能力が必要になっています。この時期、指導者にとって大切なことは、「こうすれば必ず活性化できる」という方向を提示し、その方向で意欲的な個店の活性化を指導し成功させる、ということです。 

適格者をどう探す?

 秘中の秘、良いコンサルタントに巡り会う法(W

 当社も中心市街地関係の事業のコンペに参加したりします。
「業務経歴」というのを添付することが要求されますね。これまで見てきたように全国の商店街で活性化が展望できない、と言うことはひょっとして、もしかすると、業務経歴=業務失敗経歴?という疑問が生じたりします(W

 経歴書を頼りにこれまで業務を発注した商店街などに様子を聞いても皆さん紳士ばかりですから当たり障りのない評しか聞かれない。何しろ発注したのは自分ですからね、悪く評価すると自分のお眼鏡が曇っていたことになる。
コンペをしても評価する側に選定基準が有りませんからやっぱり業務経歴で評価してしまう。失敗経歴だと言っているでしょ(W

 評価の基準は第一に地元優先でしょうか。
変な話ですが失敗すると受注できなくなる、事と次第では地元にいられなくなったり。(ま、その時は「実績」をぶら下げて県外に行くという手もありますが。)
とりあえず地元のコンサルタントを優先、おの人に頑張ってもらう、一緒に成長してもらう、というスタンスです。実績不問でこれから一緒に勉強しながら成長していこう、という条件を持っている人を選定する、ということでしょうか。もちろんケースバイケースではありますが。

 もう一つの基準は、これまで指導・支援した事業が成功しなかった原因を「知識化」しているかどうか、ということ。「知識化」については経営フォーラムの「失敗学のすすめ」を参照してください。どうして失敗したか、ということを客観的に把握していることが必要です。
特にコンサルタントたるもの「自分が、こう動けばあの事業は失敗せずに済んだ」という反省が絶対になくてはいけません。そういう教訓を持っているかどうか、一般論としていいからそれを口に出せるか、ということでしょう。

 とりあえず選択基準を二つ。

1.「中心商店街活性化」について、結果を客観的に評価できるきちんとした定義を持っていること。

2.全国の取り組みが成功していない理由を延べ、新しい取り組みを提言することができること。

 なんだか情けない基準ですが、中心市街地活性化の取り組みの現状はこのレベルだということを踏まえて選定することが必要です。

 もちろん、以上は「一般化」、「知識化」された情報ですから、具体的な局面では、個別条件なども加味して自分たちの責任でさらにシビアな基準を設けて選定してください。


七不思議その七 「既存店の繁盛店への生まれ変わり」を目指そう、という声がなぜ出てこない?
 商店主の立場に立って考えて見ましょう。

 もし自分の店が繁盛しなければ、街がどんなにきれいになろうと関係ない、時期が来れば廃業しなければなりません。これは仲間の店も同様です。
という当たり前の立場で考えれば、商店街にとってもっとも大切なことは、現に営業している各個店が繁盛店に生まれ変わっていくことです。商店街活性化の実現という課題にとって、これ以上に重要な仕事はありません。

 関係者の誰もがなりふり構わずこの仕事に取り組まなければいけない時期なのに、10年前、20年前と全く同様、相変わらず補助制度のメニューに基づく事業に「邁進」しているのが組合であり、「うちの店はどうしてくれる」とは言い出せないまましらけているのが一般組合員という構図が掛け値なしの実態。
もちろん役員さん方といえども商店街に立地する一商店主ですから、本音のところは全く変らない。

 にもかかわらず、組合では個店の事情は取りあげないのが不文律、かくて今年も活性化に向けて何の進展もないまま、年の瀬はもうすぐそこまで来ています。
 個店が業績悪化の一途をたどっているというのに、「シャッターの外側」の本論以外の事業に取り組む余裕はないぞ、という声が商店街内外の関係者から続出すべき疑問ですが、なぜ出ないのか、これも不思議なことですね。
(私にはこれが一番不思議、だって商店街の仕事=ボランティアではありませんからね。もっと商売人らしくお金儲けに徹していただくことが顧客=地域社会のためであり、皆さんの貴重な賦課金・公共の補助金が生きる道でしょう。)

 とにかく♪街に♪七不思議♪ある限り、商店街の活性化は実現出来ません。誰にせよ、お店を繁盛させることができるのはお客だけ、という鉄則を抜け駆けすることは不可能です。活性化とは、街や店が(特に自店が)どうなることなのか、自分の頭を使って考え抜くことからしか、新しい繁盛への道を切り開くことは出来ません。

街はカッコに入れて個店の支援?

 そろそろ「個店対策」という声が聞かれるようになってきました。
でも不思議さは変わりません。さんざん商店街対策に取り組んできた後、今頃になってどうして個店対策が必要なのか? 
組合執行部がこれまでことあるごとに要望してきた商店街活性化のための事業メニューは、個店の活性化には役に立たなかったのか?

ともかく、このままでは商店街とともに意欲的な個店も共倒れ、という状況が生まれているところでは、意欲的な個店に対する支援策を講じる、ということで事業メニューが出始めています。

 これは画期的な試みですが、やはり、街全体を活性化していく「一体的推進の目標」が確立されており、その一環として個店対策がある、という形でないと長い目で見れば個店のためにもならないのではないかと思われます。

 商店街がショッピングモールを目指す、既存各店はそのテナントと見たてて活性化を目指す、という明確な方針が打ち出されていないと、個店の活性化が街の活性化につながっていきません。私どもの個店指導は、全て商店街のコンセプトを分担する方向で個店のコンセプトを定義し、店づくりに実現する、という方向で行います。そうしないと、せっかくの意欲ある取り組みが他店のモデルにならないし、個別の取り組み成果が集積されてモールが次第に出来上がっていく、と言うことになりません。

 「個店ありき」というスタンスで取り組めば、現状の改善・手直しというレベルの取り組みになるのでしょうが、それくらいで業績が好転するような時期では有りませんからね。結局、事業を消化した、という結果だけが帳簿の上にだけ残ることになりかねません。

 現在取り組まれている、これから取り組まれる「魅力ある個店づくり」の支援、方針と方向、「ショッピングモールへの転換」の一環、意欲的な個店のモデル的な取り組み」ということで是非考えていただきたいものです。

まとめ

 七不思議、如何でしたか?
このような不思議を内部・周囲に持っている限り、商店街が活性化されるということはありません。
このことはしっかり確認しておいていただきたいと思います。

 さらに、ここで問題にしたいことは、今まで誰も?七不思議に気付かなかった、あるいは気付いていても言えなかった、言いたくても言う場所がなかった、ということです。
つまり、全国至るところで取り組まれていながら、それぞれの商店街がほとんど孤立しており、経験の交流が行われていないのではないかと言うことです。

 活性化事業がスタートして以来、10年余にわたって「目標未到達」が繰り返されてきたのですが、それらの情報が集約され検討されるという機会が都市レベルあるいはより広い範囲で実現しなかったために、先行する取り組みの「失敗」を教訓に別の方向を模索する、ということもなく「○○という事業があちこちで取り組まれている」という「風の便り」が頭の隅に入ってきて、気が付いたらその事業に取り組んでいる、極端に言えばそういう成り行きで事業が取り組まれてきました。

 たまに情報交換の機会があっても、それぞれどのような事業に取り組んでいるか、という報告が行われるというレベル、その結果、商店街にどのような状況が生まれたか、と言うところまでは掘り下げられない。出席している各組合の役員さん方は自店の実態とはかけ離れたところで商店街の事業を考えている、と言うことですからね。

 事業が、というよりも商店街がもてあそばれているようなものですが、その一因として「情報の共有」が行われていない、と言うことがあります。
(このことについては「各地の取り組み」に書きます)

 事業に取り組むにあたっては、全国の先行事例を調査、なぜ所期の成果の達成に失敗したのかと言うことを調査します。失敗事例に学ぶというのは、失敗の原因を知り、もし我が街で取り組むとしたら同じ失敗に陥らない(=成功に近づく)条件が備わっているかとチェックすることです。
事業に取り組むに先立ってこのような作業を行える仕組みが無いということ、「学習」が出来ないということが商店街の不思議をはびこらせている原因です。

 七不思議=コロンブスの卵、言われてみれば思い当たることばかりのはずですが、これが全国の商店街に共通する課題であり、この不思議を克服しないと全国の商店街が陥っている閉塞・凋落傾向からの脱出は不可能だ、と言うところまで認識が至っていないと思います。

 いつも申しあげているように、全国でいくつかの商店街が活性化すれば問題は解決するか、少なくともその商店街にとっては活性化に成功した、といえるかというとそういうことはけしてありません。短期的に好転してもそれがごく少数の商店街だけならば、メーカー、問屋が存続できません。商店街活性化は全国規模で一斉に成功する街が出てこないと川上の事情で全てがアウトになってしまいます。

 中心商店街が活性化出来なければ地価低落は止まりません。
いくら政府-金融機関で空中戦をやっても、商店街でものが売れるようにならない以上、実体経済ではさらに不良債権が増え続けることになります。商店街活性化は日本経済を救う、日本経済の命運を握っているのは紛れもなく中心商店街です。

 これからの取り組み、日本経済の命運を背負った取り組みであることを肝に銘じて勇往邁進してください。チャレンジに際しては、七不思議克服、という視点からのチェックも心がけてくださいね。

商店街活性化は誰の仕事か

商店街活性化は誰の仕事か? 我が国の商店街活性化について、体系として示されているのは、『中心市街地活性化法』及びその『基本方針』です。 中活法の規定を見てみましょう。
(中活法では中心商店街を都市の旧中心市街地・商業街区としています。以下、中心市街地=中心商店街と読み替えます。 )

 中心市街地活性化は「中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上」と定義されています(中活法第一条)。
経済活力の向上が商店街活性化のことです(基本方針第七章)。
中心市街地(都市旧中心部・商業街区)の経済活力の向上(商店街の活性化)は誰の仕事か。

『中心市街地活性化法』の規定

(国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、地域の自主性及び自立性を尊重しつつ、中心市街地の活性化に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、地域における地理的及び自然的特性、文化的所産並びに経済的環境の変化を踏まえつつ、国の施策と相まって、効果的に中心市街地の活性化を推進するよう所要の施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)
第六条 事業者は、第三条の基本理念に配意してその事業活動を行うとともに、国又は地方公共団体が実施する中心市街地の活性化のための施策の実施に必要な協力をするよう努めなければならない。   

 ということで、個別都市の中心商店街活性化は、地方公共団体の責務dcえす。

 それでは、地方公共団体は、中心商店街活性化を推進するために必要な知識・技術をどのように確保しているでしょうか?

第一に、商業理論を装備していること
商業理論を持たないと中活法の体系を『商店街活性化の枠組』として活用することが出来ません。

第二に、商業理論を導きとして『活性化の論理と戦略』を構築すること。  
商店街活性化のシナリオ』です。  

 このシナリオを中活法のスキームに載せたのが『中心市街地活性化基本計画』になります。基本計画は、商業理論を装備し、理論を導きに活性化の論理と戦略を構築してからで無いと中活法のスキームを活用することは出来ません。

 なかなか目標達成にたどり着けない商店街活性化、公的資金を投入し続けるなら改めて商業理論を修得し、『活性化の論理と戦略』を確立しておかないと、財政、議会、そしてなにより商店街に活性化の方向と方法を提唱、合意を形成することが出来ないと思います。

 商店街活性化は、もはや商店街の「経験と勘」に基づく企画に補助金を付ける、という従来の手法はどこから見ても通用しなくなっています。 都市経営上の重要な課題である商店街活性化に責任を持つ地方公共団体は、これまでのような慣行的事業に漫然と取り組むのでは無く、商店街の商業集積としての持続可能性の維持または再構築という目的の実現に向けた、目的合理性を持った体系的な取組を計画推進する、再スタートの時期では無いでしょうか。

商店街活性化、三つの欠陥と一つの対策

現在進行形の商店街活性化には三つの大きな欠陥があります。
そのためにいくら取り組んでも結果が出せず、成果を蓄積する、衰退趨勢から脱却する、という本来の目的が果たせないのです。
このまま続けていても結果が改善されることはありません。

まず三つの欠陥をしっかり確認し、その後に『対応策』を提案しますので、「問題と対策」併せて検討して下さい。

欠陥その一:
「商店街活性化」とは「自生的商業集積から計画的商業集積への漸進的移行」のことですが、このことが理解されていない。
その結果、
「商店街活性化とは商店街がどうなることか」
定義しない、したがって根拠の定かで無い様々の「商店街活性化のための事業」が繰り返されています。
各種の「活性化事業」が成果を挙げられないのは、それらの事業が「各種事業の成果を積み上げて実現する最上位目標」
を持たないまま取り組まれているからです。
商店街活性化で必ずと言ってよいほど目標とされている「通行量の増大」について考えてみます。

「通行量の増大」は商店街を活性化出来るか?

活性化と言えば通行量の増大、とこだまのように返ってきますが、果たして通行量を増やせば商店街か活性化するのか?
通行量を増やす施策としては、集客イベント、居住者増大、空店舗の活用などが取り組まれます。

来街者・通行量が増えると商店街は活性化するだろうか?
次のように考えられています。
①商店街への来街者が増える
②来街者が入店し買い物をする
③店が気に入り得意客になる
④来街者をさらに増やす
⑤②~③が蓄積される
⑥商店街は活性化する
という「論理」ですね。
しかし、この論理は実現せず、全国の取組がほぼ全て失敗しています。
なぜ失敗するのか?

問題は①と②の間にあります。
商店街には来街者が「入ってみたくなる店、買ってみたくなる売場」が揃っていないのです。
「買い物の場」が揃っていないのに買い物客を増やそうとしても増やすことは出来ません。
イベント来街者は、買い物行き先は既に持っている人がほとんどですから、イベント以外に商店街に来る目的はありません。
「売れる売場」を揃えていない商店街が取り組む単発一過性の通行量増大策は、
①入店客を作ることが出来ず
②個店のファンを作ることが出来ず
③商店街の個店を買い回る「回遊客」を作ることが出来ない
ということです。
「通行量増大」に取り組んでいる全国の商店街で起きていること、経験されていることですね。

「通行量の増大」が成果を挙げられないのは、通行量の増大=商店街活性化という「短絡」が生じているから。
「最上位目標の不在」は通行量の増大のみならず空店舗の活用、各種販売促進事業などにも共通する「取り組みの成果が得られない原因」です。

商店街活性化の最上位目標は「商業集積としての持続可能性の維持、再構築」です。

活性化に取り組む商店街に共通しているのは、「衰退趨勢に陥っており、商店街としての存続に支障が生じていること」です。
空店舗の固定化と増大、経営者の高齢化と後継の困難などが主な理由です。
商店街活性化の目的は端的に「衰退趨勢からの脱却」です。

そのためには何が必要か?

①商業集積として衰退趨勢に陥っている原因を解明する
②趨勢から脱却する方法を講じる
という二段階の作業が必要です。

商店街はなぜ衰退趨勢に陥っているか?

原因は明確です。
「商業集積間競争」に後れを取っているからです。
商業集積間競争とはどのような競争か?

小売業の競争力の根幹は「売場揃え・品揃え」

『中活法・基本方針』には、
「中小小売業の競争力の根幹は業種揃え・店揃えの最適化」と明記されています(P13)
どういう意味でしょうか?

中小小売業は、売場の規模・品揃えの限界から一店舗だけで多様な顧客ニーズに対応することが出来ません。
お客にとってこのことは「わざわざ出かけても期待通りの商品が乳出来ないかも知れない」という可能性を予想させて、来店を控えることになるかも知れません。商店街など商業集積には同業種の店舗・売り場が複数立地しているので、期待している購買目的が達成出来る可能性が高まります。
競争力とは、消費購買ニーズの充足可能性の優劣のことに他なりません。

「競争力の根幹が業種揃え・店揃え」にあるというのは、消費購買ニーズが期待していることですから、中小小売商業に限らず、小売業全般に共通することです。
特に、現在の競争は、消費購買ニーズ全体に漠然と対応するのでは無く、商圏の特性などを配慮しながら、限定した消費購買ニーズ(標的顧客)を対象に「売場揃え・店揃え」を計画する商業集積・施設が主流になっています。
「計画的商業集積」と言われる新しい集積の「計画」は、競争力の根幹である「売場揃え・店揃えの最適化」を中心に計画されています。「テナントミックスの最適化」ですね。

商店街の空洞化は、集積間競争に於いて商店街の「売場揃え・品揃え」が後発の集積と比較して「陳腐」と評価されることから始まり、劣化―空洞化と進展しています。空洞化の原因は、集積間競争への敗北です。

活性化するには何を為すべきか?

繰り返しになりますが、陳腐化~空洞化している商業集積としての存在価値を再構築する以外に方法はありません。

商店街を活性化したい、買い物場として存続させたいなら
「買い物行き先として選択される条件を再構築すること」.
これは存続への絶対条件です。
御市の商店街活性化は、この絶対条件を肝に銘じて取り組まれているでしょうか?

商店街を活性化したければ、「売場品揃えの再構築=商業集積としての再構築」に取り組まなければならない。
このとき重要なことは、商業集積としてのコンセプトの決め方。
コンセプトとは
①お客から見た来店目的
②商店街から見た標的とする消費購買行動
を満足させる在り方を簡潔に表現したものです。

商店街を空洞化に陥らせた後発の商業施設・集積は、コンセプト主導で作られている「計画的商業集積」です。
これらに対抗して「集積としての存続」を目指すなら、商店街も現在の「自生的商業集積」から「計画的商業集積」へと集積としての性格を移行しなければならない。

「移行」とは現状ありのままの状態から、持続可能な状態へ漸進的に変化していくこと。
ショッピングモールのように、テナント企業を誘致するのでは無く、
①既存個店群の売場を新しい商業集積としてのコンセプトを分担する在り方に変容する
②空地空店舗にコンセプトを分担する個店を誘致する
という方法で実現していきます。
完成したモデルは無いので、仮設―試行、さらに一挙に変化させて失敗すると元も子もないので、お客の反応を確認しながら漸進的に変化させます。

移行を成功させるには:
現在の売場をコンセプトを導きに変容させていく取組は、一面から見れば「売れずに困っている売場を売れる売場に転換する」ということです。
業種業態を問わず、既存の売場を売れる売場に転換する。
そうすれば可能か?

第二の欠陥:売場づくりの技術が無い!

そもそも商店街に立地している個店・売場はなぜ業績不振に陥ったのか?
商店街全体として集積間競争に後れを取ったからですが、空洞化が進まないうちになぜ効果的な対策を講じることが出来なかったのか?

欠陥その二 「売れる売場づくり」の理論と技術がない

その一で述べたように、商店街活性化とは商業集積としての持続可能性の再構築であり、より具体的仲代は、「コンセプト主導の計画的商業集積への漸進的移行と」です。
成功するには既存の売場を売れる売場に転換する理論と技術が必要ですが、商店街には存在しません。
コンセプト主導の商業集積を最終的に担保するのは、個々の売場の出来映えであり、その集積具合です。
「売れる売場づくり」の理論と技術は、商店街活性化の成否を直接左右する条件ですが、これがまったく装備されていないのが現在の商店街の実態です。

その一で述べたように、現在の活性化事業は
①商店街への来街者が増える
②来街者が入店し買い物をする
③店が気に入り得意客になる
④来街者をさらに増やす
というストーリーが基本になっており、しかも①が実現すれば②以下は自動的に進行するものと考えられています。
来街者を増やせば、通行量さえ増やせば後はうまくいく、商店街は活性化する、という前提ですが、誰も論証していません。
まして、通行量増大策に取り組んだら本当に通行量が増えて、個店のお得意さんが増え、商店街は活性化した。老朽化した店舗・設備の更新投資が始まり、後継者も確保され街は持続可能性を確立した、という成功事例はただの一個もありません。

人はなぜ売り場に入り、商品(消費財)を買うのでしょうか?
自分(家族)の生活を作るためですね。
商品を買うのはそれを持ち帰って生活に組み込むため。
生活に組み込む特質を持たない商品は買いません。

商店街、各個店の売場は、地域に住んでいる人たちが生活を作り上げるために必要な商品を揃え、買いやすい条件を作って提供しているでしょうか?
それはお客に伝わっているでしょうか?
売場の状況はお客に、店前通行者に伝わる仕組みが出来ているでしょうか?
大問題です。

第一の問題は、売場がお客に見てもらえるかどうか。
見てもらえない、お客の眼にとまり、中に入って商品を見てみたい、と思ってもらえない売場づくり、売場の見せ方ではイベントなどで集客しても入店客あっsy買い上げ客にはなってもらえません。

商店街活性化で目標数値とされる「通行量」とは、商店街の来街―回遊者数のことです。
一人の来街者が複数回カウントされることは.滞留時間が長く、回遊しているということですから、商店街にとって活性化が進んでいることになります。「通行量>来街者数」の最大化が商店街活性化の数値目標です。

そのためには、個店の「売場づくり」の理論と技術が不可欠です。
商業者にとって売場づくりは生命線、きちんと理論を学び技術を磨いて取り組まれていると考えが地ですが、実状は違います。
(続き) 
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  • 【キラリ輝く繁盛店づくり】
    お客に見える店づくり―見える化をテーマに【個店の繁盛】から【商店街活性化】、【中心市街地の商業集積としての再構築】まで一貫した取組を支援します。
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